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オリジナルケーススタディ 2:ヒトゲノム(UK)

ドキュメント内 Introduction and Guide to Module (ページ 83-90)

セクション 5 :オリジナルケーススタディ

5.3 オリジナルケーススタディ 2 :ヒトゲノム

5.3.5 オリジナルケーススタディ 2:ヒトゲノム(UK)

エピソード 1:染色体2219991217日(UIK

染色体22の話に関する英国のサンプルは13件の記事から構成され、The Glasgow Heraldを除く 全日刊紙に掲載された報道を含みます。News of the Worldにも報道はありませんでした。11件 の記事が1999年12月2日、1件が12月3日、および1件が12月5日に掲載されました。3件 の記事は科学ジャーナリストの執筆によるもので、1 件は医療担当記者、および 3 件が定期的 に科学(Matt Ridley氏およびBryan Appleyard氏)または政治(Rachel Sylvester氏)について書 いている解説者が執筆しました。残りの 6 件の記事は、非専門ジャーナリストが書いたものか、

または署名記事ではありませんでした。署名がない記事のうち 1 件は社説です( MCS.GEN.UK-3)。

サンプル中に 2 件の 1面記事があり(MCS.GEN. UK-1; MCS.GEN. UK-6)、両記事とも発表 の内容を概説し、その新聞中に掲載されたさらに広範囲の報道へのリンクを示しています(両 紙とも同日のほぼ全面を占める記事にリンクしている)。全体として、社説が 1 件、解説記事 が 3 件あり、残りの 9 件は「重大ニュース」に分類されています。2 件の記事が関連のウェブ サイトにリンクしており、4件が話の情報源としてNatureに言及しています。

「重大ニュース」記事のうち複数が、治療可能性や以前の科学的・技術的進歩に関して達成さ れた業績を誇張された言葉で記載しています。例えば、

「車輪の発明や人類の月面への着陸と生物学的に同等の事象と言われてきた。昨日発表 された染色体 22 解読は、科学者らをかつて想像できなかった、また今でもわずかにしか 明らかにされていない疾病の治療法へと導くであろう」(MCS.GEN.UK -2)

このことは、この研究が現代医学の精度を飛躍的に改善させることを意味し、分析対象とした サンプルにおいて無批判に報告されている特徴です。

またヒトゲノム配列は通常、「命の本」または「人類の本」と称され、一方関係する科学者は 人間の存在の暗号を解読した暗号破りと見なされています。例えば、

『生命の落穂ひろい-英国の科学者が最初の染色体を解読』において「昨日、英国の科 学者らが命の本の第 1 章を開き、車輪以来の最も重要と考えられる科学的発見の内容を

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明らかにしました。ケンブリッジの Sanger Centre の研究者らが、ヒト染色体の遺伝コー ドのシークエンシングを完了し、その過程で以前は人類が知らなかった数百の遺伝子を 発見した」と記載されています(MCS.GEN. UK -10)。

この発表は公的資金によるヒトゲノムプロジェクト(HGP)の科学者らが実施した研究に基づ いたものですが、データを広範囲に無料でインターネットに公開しているHGPと、Craig Venter 博士が経営する民間バイオテクノロジー企業であるCelera Genomics社との間に存在する潜在的 対立についても考察しています。この報道の主な特徴は、ヒトゲノムの全シークエンシングを 最初に完了しようとするこれら 2 つのプロジェクト間での対立です。この対立は、この研究の 完了を最初に発表しようとする競争として描かれています。例えば、

『億万長者コードをめぐる競争』の中で、「ケンブリッジのSanger Centreは、先週、全ヒト 染色体のコードを解読する競争に勝利したと劇的な発表を行なった。[…]ヒトゲノムは疑い もなく、人類が有する多くの苦悩の秘密を含んでいます。しかし、Sangerと Venterの間の競 争から、これらの秘密を解き明かすのに最もふさわしい人々は誰かという疑問が生じた」と 記載されています(MCS.GEN. UK-13)。

この報道のその他の特徴として、ヒト染色体全23組の図を表示した 3件の記事(MCS.GEN.

UK-2;MCS.GEN. UK-4;MCS.GEN. UK-10)、およびこの研究や以前の研究に直接関連した

科学者の写真を載せている複数の記事(MCS.GEN. UK-2など)が含まれます。研究が実施さ れた方法を説明する情報図も1件あります(MCS.GEN. UK-4)。

直接的な引用が 17件あります。これら直接引用された 17人中、16 人は科学者または医療関係 者であり、そのうち 10 人はヒトゲノムプロジェクトに直接関与していました。ウェルカム・ト ラスト会長の Mike Dexter 博士が 3 件の記事で引用されている一方、HGP で研究を行った研究 者らがさらに7件で引用されています。Celera Genomics 社のCraig Venter博士は6件の記事で 言及されていますが、直接引用されているものはありません。その他の 7 件の引用には癌専門 家や遺伝学者が含まれています。Lord Sainsbury氏のみが科学者ではありません(同氏は1回言 及されています)。報道では 非政府組織(NGO)や他の職業人の引用はなく、このことは主に、

この発表に対する英国の印刷媒体の反応があまり論争を呼ぶものではないことを反映していま す。

その他にデータとして収集された2 件の記事がありましたが、染色体21のシークエンシング完 了の発表に特に言及したものではなかったことから、本サンプルには組み入れませんでした。

両記事は Newcastle Journal に掲載されたもので、ゲノミクスに関する今後の研究の地域的影響

を考察しています。例えば、

「北東部は、遺伝子研究の国際的リーダーとしてこの地域に建設される数百万ポンド のハイテク・ジョブ計画に名乗りを上げている」(Newcastle Journal 1999年12月4日 付、p.1)

ニューキャッスルにはすでに生命国際センター(the International Centre for Life;詳細情報は、

http://www.centreforlife.co.uk/centrefr.htmlを参照のこと)が設立されていることは注目に値します。

必ずしも国家規模の例ではないという点で、これらの記事は報道価値のあるものと見なされた のでしょう。

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エピソード 2:染色体2120005 8 21日(UK

染色体21の報道には、科学編集者Tim Radford氏が執筆し、The Guardianに掲載された1件の 記事が含まれます。この記事は達成された業績(すなわち、染色体 22のシークエンシングの完 了、ゲノミクス:エピソード1を参照)を再調査し、すぐに発表される見込みの染色体 21 に関 する研究について議論を行い、ヒトゲノムプロジェクトおよびCelera Genomics社による全ヒト ゲノムのシークエンシングの試みの現状について考察しています。日本およびドイツにおいて 染色体 21 に関する研究が実施されたにもかかわらず、ここで注目されているのは英国および米 国の科学者です。例えば、

『DNA 特許をめぐる科学者らの競争』の中で「英国および米国の科学者らは、本日人間 のDNA青写真完成の最終段階に入る予定である。人類の遺伝処方の85%を公開したこと から、日本とドイツの科学者らは昨夜染色体 21 のシークエンシングの完了を発表した」

と記載されている(MCS.GEN. UK -14)。

こ の記 事には 、種 々の科 学者 からの 直接 的な引 用が 含まれ ます 。引用 され ている のは 、 Whitehead Institute所長のEric Lander氏(米)、ワシントン大学のRobert Waterston氏(米)、

Sanger Institute の John Sulston 氏(英)、およびロンドン大学バイオケミカル・エンジアリン

グ・先端センター所長の Peter Dunhill 氏などです。Sanger Centre およびヒトゲノムプロジェク ト両方のインターネットリンク先もこの記事に記載されています。

サンプリング期間のデータとして回収された記事がさらに 2 件ありましたが、これらの記事は 染色体 21 研究の完了の発表に特に言及していなかったことから、アーカイブ表に組み入れませ んでした。しかし、これら記事は、ゲノミクス研究に関するこの発表またはその他の発表に表 れている英国の状況を洞察していることから、言及する価値があります。1 件目の記事は、The

Sunday Timesに掲載された解説記事(2000年5月14日、解説、p.17)であり、「天然」または

「養育」がどの程度人間の存在を説明できるかという継続中の遺伝子決定論者の論争を探索し ています。この記事は、遺伝子、人種および知能間の関連性を示した Charles Murray 氏の論議 を巻き起こしている研究、および 19 世紀終わりから 20 世紀初頭にかけての優生学者運動に言 及しています。

2番目の記事は、Newcastle Journalのビジネス面に掲載されました。北東部におけるバイオテク ノロジー関連の追加的雇用創出の促進を目指す地域に基づく非営利団体である Bio Sci Northの 代表人が書いたこの記事では、次のような議論が行なわれています。すなわち、

『英国は大学のバイオテクノロジー進歩を利用できるか』の中で「現在、一般大衆に科学的知 識が不足しているため、バイオテクノロジー問題に関する『バランスのとれた議論』が妨げら れており、消費者が十分に情報を与えられなければ振興技術が見逃されてしまうのももっとも なことだ」と記載されています(Newcastle Journal 2000 年 5 月 18 日、ビジネスニュース、

p.21)。

エピソード 3:ヒトゲノムのドラフト配列、200062628日(UK

ヒトゲノムシークエンシング完了の声明に関する英国のサンプルには、サンプリング期間中の 87件の記事が含まれます。3日間にわたる報道の分布から、これらの記事のうち 56件が、ヒト ゲノム配列に関する「ドラフト配列」完了を発表した記者会見の翌日である 6月 27日に掲載さ

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