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オリジナルケーススタディ 2:ヒトゲノム(ES)

ドキュメント内 Introduction and Guide to Module (ページ 74-77)

セクション 5 :オリジナルケーススタディ

5.3 オリジナルケーススタディ 2 :ヒトゲノム

5.3.2 オリジナルケーススタディ 2:ヒトゲノム(ES)

エピソード 1:染色体2219991217日(ES

染色体 22 の歴史に関するスペインのサンプルには、21 件の記事が含まれます。サンプル中の 全新聞が事象を記事にしましたが、新聞によって突出度に変動が認められました。一方では、

ABC およびEl Paísの両紙が事象を広範囲に取り上げています。すなわち、1面記事(El País)、

3 面に意見記事(ABC)、社説、翌日に追加記事、および ABC の健康増補版に非常に大きなレ ポートが掲載されています。

もう一方では、El Mundo に掲載されたのは最小限の報道でした(社会欄に半ページの掲載)。

同紙の記事は 1 件のみで、主に情報源である Nature のみに基づき、付随する図表や解説はあり ませんでした。El MundoABCは両紙とも保守的な新聞を代表するものであるため、特別な編 集方針により両紙の差が生じたわけではありません。El País の場合は、掲載された情報が多量 であったことは同紙とNature ニュースサービスとの関係が原因であろうと推測されます。

報道は一般的に、この研究による医学的結果の可能性に焦点を当てたものでした(“Una hazaña histórica que podría servir en un futuro para desarrollar nuevas armas terapéuticas” 、El Mundo 1999年 2月2日付;“Estos mapas genéticos suponen la puerta de entrada a una nueva era de la medicina en la que se podrá predecir la predisposición de cada persona a cualquier enfermedad” 、La Vanguardia 1999 年 2 月 2 日付)。2 番目の焦点は、本研究が示している人間の知識についての進歩です。最後 に、いくつかの新聞は民間研究と公的研究の間の対立を反映しています。この対立は、スポー ツ用語(“carrera”、“ganar”、“competición”)または戦争用語(“batalla”、“grupos rivales”)を用い て記載されています。

名前が挙がった情報源は全員が遺伝学者であり、そのほとんどが Nature に発表された研究の研 究者グループに属しています。El Mundo を除く全紙が、スペインの科学者からの言明や場合に よっては意見記事を用いて情報の状況説明をしています。

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エピソード2:染色体2120005821

染色体 21 の歴史に関するスペインのサンプルには 16 件の記事が含まれます。全紙が染色体21 のシークエンシングが完了したという5月 9日の発表を掲載していました。5月 9日に11 件の 記事が発表されましたが、すべてが社会面に掲載され、そのほとんどは有名なスペインの科学 ジャーナリストが執筆したものでした。

El País に掲載された2件の記事は、NatureニュースサービスのHenry Gee 氏が書いた記事でし

た。

この発表に関するほとんどの記事は、事象をアルツハイマー病、てんかん、ダウン症候群、お よび癌など複数の疾患の治療法を見つける大きな一歩であると記載しています。Henry Gee 氏 が書いた 2 件の記事は、遺伝子数の少なさに対する科学者らの驚きに特に言及しながら科学的 知識の進歩に焦点を当てています。“El par 21 secuenciado sorprendre a los científicos por los pocos genes que contiene” または “A pesar de que tiene prácticamente la misma cantidad de material genético que el Cromosoma 22, el 21 es un desierto genético”。発見された遺伝子数が驚くほど少なかったと いう概念を強調する語彙に注意を向けると興味深いです。「遺伝子砂漠」と記載されていまし た。

名前が挙がった主たる情報源は Nature です。全新聞が欧州、米国および日本の研究者グループ の名前も挙げました。特に名前が挙がった科学者は、研究主任のStylianos Antonorakis 氏でのみ す。

El Paísに掲載されている情報図は、12月2日付の同紙に掲載されたエピソード 1に関する記事

で使用されたものと全く同じです。

それ以外の記事は、5月10日に2件、5月13 日に1件、および5月 21日に2件が掲載されま した。

5月 10日の記事は、2件とも El Mundo に掲載されています。1 件はヒトDNAの青写真完成の 最終段階および関係機関、すなわちCelera Genomics社、Craig Venter博士、James Watson 博士

およびDouble Twists社会長のJohn Couch氏、および米国政府と英国政府に焦点を当てています。

もう1件は同じジャーナリストCarlos Elías 氏が書いた記事でしたが、サイエンスフィクション に重点を置くもので、Lee Silver 氏の書籍Remaking Eden: How Genetic Engineering and Cloning Will Transform the American Family 、およびこの分野に関するJohn Maddox氏の発言に基づいて います。

5月13日の記事は、Craig Venter 博士(“un auténtico genio de la genética”)およびその研究に関 する意見記事です。ゲノム研究に携わった、今携わっている、および将来携わるであろう他の 科学者の重要性にも言及しています。

最後に、La Vanguardiaからの残りの2件の記事はスペインの科学者らが実施した特定の研究に

基づいています。ここで注目しているのは、染色体 21 に関する特定領域の研究、および染色体 21研究のための資金集めを目的としたTVプログラム“La Marató de TV3”に携わっているスペイ ンの科学者らです。

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エピソード 3:ヒトゲノムのドラフト配列、200062628日(ES

スペインのサンプルでは、78 件の記事および数枚の情報図が「ドラフト配列」に関する声明を カバーしました。6月26日には 7件の記事が発表されました。そのうち1 件はABC、3件がEl Mundo 、1件が El País、および2 件がLa Vanguardiaに掲載されました。ここでは、この声明 が 主 要な 歴史 的 科学 的進 歩 と比 較さ れ まし た、 す なわ ち、"A este hito científico se lo ha comparado ya con la llegada del hombre a la Luna"。この科学における画期的な出来事が、人類の月 面への着陸(ABC 2000 年 6 月 26 日付)、言い換えれば新たな研究時代の期間と比較されまし た。この事象により、Centro de Regulación Genómica所長のMiguel Beato氏へのインタビューな ど、関連する問題の報道が可能になったことに注意するのは重要です(El País 2000 年 6 月 26 日付)。

記事数が最も多かったのは声明の翌日です。サンプル全紙で1 面記事を含めて49件の記事が掲 載されました。1 面の記事はすべて、情報図付きの複数の記事とリンクされていました。6 月 28日には22件の記事が掲載されました。

この事象は、Gregor Mendel 氏など科学史上有名な科学者への複数の参照、およびIsaac Asimov 著のサイエンスフィクション本の参照とともに取り上げられています(El Mundo 2000年6月26 日付およびABC 2000年6月27日付)。この事象は、"hito científico"(科学における画期的な 出来事)、複数の疾患の未来の治療法への新時代として扱われている。"El mapa genético del hombre revolucionará la lucha contra el cáncer, el Alzheimer y más de 6.000 enfermedades hereditarias"

(ヒトの遺伝子地図が、癌、アルツハイマー病、および 6,000 を超える遺伝性疾患に対する闘 いに大変革をもたらすだろう、El País 2000年6月27日付)または"El genoma permitirá combatir en el siglo XXI enfermedades incurables"(21世紀には、ゲノムが不治の病との闘いを可能にする だろう、La Vanguardia 2000年6月27日付)。

この発見は、政治的見地から、ビル・クリントンが述べたように生命を変える事象として示さ れている、"El cáncer puede que sea sólo una constelación de estrellas para los hijos de nuestro hijos"

(我々の孫にとっては、癌は単なる一群の星にすぎないだろう、La Vanguardia 2000 年 6 月 27 日付)。あるいは、"Hoy estamos conociendo el lenguaje con el que Dios creó la vida. Estamos conociendo la complejidad, la belleza y la maravilla del más divino y sagrado regalo de Dios"(今、まさ に我々は生命を創造した神の言葉を知ろうとしている。我々は、最もすばらしい神聖な神の贈 り物の複雑さや美や不思議を知ろうとしている)

この事象の政治的取り扱いは全紙に反映されています。米国大統領ビル・クリントン および英 国首相トニー・ブレアへの言及がほとんどの記事で認められ、この事象の政治的重要性が示さ れています。米国で研究を行っているスペインの遺伝学者 Manuel Perucho氏("experto mundial en genética del cáncer" - 癌遺伝学の世界的権威)は、以下のように残念がりました。

"que los políticos intenten apuntarse un tanto cuando al principio no apoyaron en absoluto la investigación sobre el genoma" (El Periódico、2000年6月27日付).

ビル・クリントンおよびトニー・ブレアは、最も頻繁に名前が挙がった情報源に入りますが、

単独で名前が挙がった情報源のうち最も頻度が高かったのは Craig Venter 博士です。ほとんど の記事が博士を民間企業 Celera 社の社長または会長と同定し、時に Craig Venter 博士または

「米国の研究者」とする記事もあります。博士はまた「Celera 社を率いる天才」または「遺伝 子大陸のフリーシューター」とも呼ばれています。

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La Vanguardia は、公的資金を得たプロジェクトと民間ベンチャー企業との間の「戦い」の終結 に言及し(La Vanguardia 2000年 6月 27日付)、この話の経済的側面の重要性を以下のように 述べています。"El genoma tiene un alto valor científico pero un incalculable valor económico"(ゲノ ムは高い科学的価値を有するが経済的価値は計り知れない、La Vanguardia 2000 年 6 月 27 日 付)

株式市場ヨーヨー(El País 2000 年 6 月 27 日付)、「最新経済の動力装置」としてのゲノム

La Vanguardia 2000年6月 27日付)、および「巨額投資を呼び込む磁石」としてのバイオテ

クノロジー産業(El Periódico 2000年6月28日付)に言及した記事もあります。

全紙が情報源として研究者を挙げています。スペインの科学者らの意見が多数の記事に広範囲 に反映されており("La ciencia española cree que aún queda mucho trabajo";スペイン科学はまだ多 くの研究すべき点が残されていると考えている、El Periódico 2000年 6月 27日付)、このプロ ジェクトに参加したバルセロナの研究所 IMIM の 2 人の研究者に特別の注意が払われています

El País 2000 年6 月27日付)。全紙が、スペインの分子生物学研究が重要であるにもかかわ

らずスペインがヒトゲノムプロジェクトに参加しなかったという事実に言及していました。健 康医療省および科学技術省として名前が挙がった政治的情報源が多数あります。

この発見の倫理的側面に関連する意見記事や社説記事が多数あります。そのうちのいくつかは 倫理に関する論争に懸念を表明しました。すなわち、

"Apocalípticos versus entusiastas"(終末論者対熱狂者、El Mundo 2000年6月27日付)

"El genoma abre la esperanza pero plantea duda éticas"(ゲノムは希望を生むが、倫理的懸念も生じ る、El Periódico 2000年6月27日付)

"Lo que queda por hacer: localizar cada gen y entender las diferencias entre personas"(まだ残されて い る す べ き こ と は 、 全 遺 伝 子 の 配 列 を 決 め 個 々 の 人 々 の 間 の 差 を 理 解 す る こ と だ 、La Vanguardia 2000年6月27日付)

"Los científicos advierten que un mal uso del genoma puede agravar las diferencias sociales "(科学者 らはゲノムの悪用により社会的格差が悪化すると警告している、La Vanguardia 2000 年 6 月 28 日付)

倫理グループや教会の広報担当者によるこの発見の負の使用に対する警告が引用されています

El Periódico 2000年6月28日付)。

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