3 インストールとセットアッ プ(UNIX の場合)
3.1 インストールとセットアップ
3.1.1 インストールとセットアップの前に
PFM - Agent for WebLogic Serverをインストールおよびセットアップする前に確認して おく項目について説明します。
(1) 前提 OS
PFM - Agent for WebLogic Serverが動作するOSを次に示します。
• Solaris※
• Linux (x86)
• Linux (x64) 注※
Solaris 10の場合,グローバルゾーンでの動作だけをサポートします。
(2) ネットワークの環境設定
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
(a)IPアドレスの設定
PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してくださ
い。IPアドレスが解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)に は,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。
• 監視ホスト名に実ホスト名を使用している場合
Windowsシステムではhostnameコマンド,UNIXシステムではuname -nコマン ドを実行して確認したホスト名で,IPアドレスを解決できるように環境を設定してく ださい。なお,UNIXシステムでは,hostnameコマンドで取得するホスト名を使用 することもできます。
• 監視ホスト名にエイリアス名を使用している場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスを解決できるように環境を設定してくださ い。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構 築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してくださ い。
ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。
• Performance Managementのホスト情報設定ファイル(jpchostsファイル)
• hostsファイル
• DNS(Domain Name System)
!
!
!
!
注意事項• Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN(Fully Qualified Domain Name)形式のホスト名には対応していません。このため,監視ホスト名は,ド メイン名を除いて指定してください。
• 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してくだ さい。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,イ ンストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
• Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホ スト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,
固定のIPアドレスを設定してください。
(b) ポート番号の設定
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート 番号が割り当てられています。これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信でき るように,ネットワークを設定してください。
表3-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス
(UNIXの場合)
機能 サービス名 パラメーター ポート番号 備考
サービス構成情 報管理機能
Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用される ポート番号。Performance Managementのすべてのホスト で設定される。
NNM連携機能 NNM Object
Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,
マップマネージャとオブジェク トマネージャの間の通信で使用 されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseが インストールされているホスト で設定される。
サービス状態管 理機能
Status
Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービス で使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされている ホストで設定される。
これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのと きシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイ アウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定し てください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照して ください。
(3) インストールに必要な OS ユーザー権限について
PFM - Agent for WebLogic Serverをインストールするときは,必ず,スーパーユーザー 権限を持つアカウントで実行してください。
(4) 前提プログラム
ここでは,PFM - Agent for WebLogic Serverをインストールする場合に必要な前提プロ グラムを説明します。プログラムの構成を次に示します。
図3-1 プログラムの構成
(a) 監視対象プログラム
PFM - Agent for WebLogic Serverの監視対象プログラムを次に示します。
• BEA WebLogic Server 9.0J
• BEA WebLogic Server 9.1J
• BEA WebLogic Server 9.2J
• BEA WebLogic Server 10.0J
• Oracle WebLogic Server 9.0J
• Oracle WebLogic Server 9.1J
• Oracle WebLogic Server 9.2J
• Oracle WebLogic Server 10.0J
• Oracle WebLogic Server 10g Release3 10.3
PFM - Agent for WebLogic Serverは,これらの監視対象プログラムと同一ホストにイン ストールする必要があります。PFM - Agent for WebLogic Serverと監視対象の
WebLogic Serverのインストール順序は問いません。
なお,PFM - Agent for WebLogic Serverは,WebLogic Serverの管理対象サーバ単位に 監視します。WebLogic Serverドメインの単位では監視できません。WebLogic Server の管理サーバを監視したい場合は,WebLogic Serverの管理サーバをインストールした ホストにもPFM - BaseとPFM - Agent for WebLogic Serverをインストールする必要が あります。
(b)Performance Managementプログラム
監視エージェントホストには,PFM - Agent for WebLogic ServerとPFM - Baseをイン ストールします。PFM - BaseはPFM - Agent for WebLogic Serverの前提プログラムで す。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一 つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - Agent for WebLogic Serverを使ってWebLogic Serverの稼働監視を行う ためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境や プログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと 待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「4. クラスタシステムでの 運用」を参照してください。
(6) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注 意事項を説明します。
(a) 環境変数に関する注意事項
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているた め,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,
Performance Managementが正しく動作しません。
(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セット アップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,
およびPFM - Agentをインストールすることができます。その場合の注意事項を次に示
します。
• PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Base は不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるた め,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてくだ さい。
• PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - Base とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストール する場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログ ラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストー ルしてください。また,PFM - Manager とPFM - Agentがインストールされている ホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外の すべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
• PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールす ると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この 場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できませ ん。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホス
トにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
• PFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールす ると,PFM - Agentの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共 通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
• PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - Agentをインストー ルする場合は,ブラウザーの画面をすべて閉じてからインストールを実施してくださ い。
• Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス 管理機能がデフォルトで有効になります。ただし,07-50から08-00以降にバージョ ンアップインストールした場合は,ステータス管理機能の設定状態はバージョンアッ プ前のままとなります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル
「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの障害 検知について説明している章を参照してください。
ポイント
システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,および
PFM - Agentはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
(c) バージョンアップの注意事項
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示しま す。
なお,バージョンアップの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
• Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホスト のPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいて ください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説 明している章を参照してください。
• PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - Base とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストール する場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログ ラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストー ルしてください。また,PFM - ManagerとPFM - Agentがインストールされている ホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外の すべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
• バージョン08-00以降のPerformance Managementプログラムでは,Store実行プロ グラム(jpcstoおよびstpqlpr)の配置先が変更されています。PFM - Agentを
08-00以降にバージョンアップする際に,旧配置先のStore実行モジュールは削除さ
れます。
• バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースが自動的にバージョン アップされるため,一時的にStoreデータベースのディスク占有量が2倍になります。
バージョンアップインストールを行う前に,Storeデータベースの格納先のディスク に十分な空き容量があるかどうか確認してください。
(d) その他の注意事項
• Performance Managementのプログラムをインストールする場合,次に示すセキュリ ティ関連プログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インス トールされている場合,次の説明に従って対処してください。
• セキュリティ監視プログラム
セキュリティ監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance
Managementのプログラムのインストールを妨げないようにしてください。
• ウィルス検出プログラム
ウィルス検出プログラムを停止してからPerformance Managementのプログラム をインストールすることを推奨します。
Performance Managementのプログラムのインストール中にウィルス検出プログラ ムが稼働している場合,インストールの速度が低下したり,インストールが実行で きなかったり,または正しくインストールできなかったりすることがあります。
• プロセス監視プログラム
プロセス監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance
Managementのサービスまたはプロセス,および共通コンポーネントのサービスま
たはプロセスを監視しないようにしてください。
Performance Managementのプログラムのインストール中に,プロセス監視プログ ラムによって,これらのサービスまたはプロセスが起動されたり停止されたりする