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図表5-7 数値範囲記載の選定
細田(2016)をもとに作成
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代半ばから基礎的理論は発表されてきた。原理の実用化に向けての取り組みは1900年代か ら開始され、1900年代前半は種々の理論解析や基礎実験がなされた時期である。1900年代 中頃からは、オンデマンド型のインクジェットの特許出願が盛んになった。
1970年代は、その後の製品に搭載されたオンデマンド型の特許出願が相次いでなされた 時期である、ピエゾ法式ではカイザーがシングルキャビティ型、ゾルタンが圧搾型、ステ ンメがダブルキャビティ型等の発明が行われている。キヤノンも1977年にバブルジェット の基本特許を出願している。
4-1-2 インクジェット技術方式の分類
インクジェット方式は、連続的にインク滴を噴射するコンティニュアス方式と、画像信 号に応じてプリントヘッドからインク滴をメディアに向けて吐出するオンデマンド方式に 分類できる。オンデマンド方式はコンティニュアス方式と比較してインク滴を帯電、変更 するための機構や回収機構が不要になり、プリンターの小型化や低コスト化に向いており、
パーソナル市場におけるインクジェットプリンターはすべてオンデマンド型である。オン デマンド型のインクジェットの主要な方式としてサーマルインクジェット方式とピエゾ方 式に分類される。
サーマルインクジェット方式は、プリントヘッドの個別流路に発熱体が設置されている。
この発熱体にパルス状電流を通電して、インクを加熱し、発熱体上で発生した蒸気泡の圧 力でインク滴をノズルから吐出させるもので、電気─熱変換型とも呼ばれている。キヤノ ンがインクジェットの技術開発として手掛けたのはサーマルインクジェット方式である。
ピエゾインクジェット方式とは圧電体材料の逆圧電効果を利用してインク滴を吐出させ るものである。ノズルに通じる個別のインク供給路、圧力室に配設されたピエゾ素子をプ リント信号に応じて変形させ、ノズルからインク滴を吐出する。このため電気─機械変換 型とも呼ばれている日本画像学会編,2008)。
4-2 インクジェット技術におけるインク技術
インクジェット方式を形成する中核技術はプリントヘッド、インク、メディアとしての 紙であり、これらがシステムとして統合されてインクジェット技術となる。バブルジェッ ト技術は熱でインクをコントロールするという技術面に適合するインク開発が求められ, 機構の心臓部といえるプリンターヘッドのヒーターと高い整合性が必要となる(図表5-8)。
インク開発は最後まで難問とされた技術領域でもあり、キヤノンでも開発に特に力を入れ た20技術である。
20キヤノンがインク開発に力を入れたことに関して次のような記述がある。「インクジェッ トはインクを飛ばす技術である。飛ばす道具にばかり、目を奪われて、肝心の飛ばされる
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図表5-8 バブルジェットの吐出原理
松藤(1986)
事業化という点からみても、キヤノンではプリンタは儲からないとの認識からインクジ ェット事業化の目的は消耗品であるインクで事業をつくるということであった。この点に ついて太田(2014)では次のように述べられている。
(キヤノンの最高意志決定機関である経営会議でメンバーが次の技術としてインクジェット をやりたい、と申し出たときに、経営陣から強く指摘されたこととして)
「インクジェットの消耗品であるインクと記録紙で他社に先行すること、これらの特許でキ ヤノンが世界一でなきゃならん(太田,2014,p137)」「インクは外部のインク会社に任せるとい うのでは、この事業はやってもしょうがない。つまりインク屋さんが利益を上げるのであっ て、キヤノンは一生懸命箱(プリンタ)を作っても儲からないよ(太田,2014,p137)」
インクの開発経緯はこのような背景を持っており、開発活動と知財活動のタスクフロー が開発の初期から重なり合うプロセスを持っていると想定できる。そのため本章のテーマ である開発活動と知財活動が相互にどのようにインタラクションを持ちながら異なるタス クフローの目的を達成しているのか、という点を観察するのに適した事例と考えられるっ インクの開発が遅れるのは致命的である。材料集団であったこともあるが、上のような発 想のもとに、特にインクの開発に力を入れた(松藤,1986,p31)」
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ことが中核技術のなかでもインクを採り上げる理由である。