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アルバイト経験による発見や肯定的な経験

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アルバイトの場では、様々な人と出会いがある。そこで出会った人たちは、仕事の仲間 であったり、友達であったりする。国籍とは関係なく、人生に影響を与える。中国と日本 の両方の場合を見ていきたい。まず中国人留学生の場合は、自国の人と仲良くなることが 自然だが、一緒にアルバイトをしている他国の人の中にも友達ができ、お互いに留学生生 活を支え合う人もいる。日本人学生の場合も、今まで自分が持っていた飲食業アルバイト をしている人に対する見方を変えたりする人もいる。まずはIさんの事例を見ていきたい。

日本人学生の I さんは、料理好きで飲食業アルバイトを始めたが、二年間働いて料理の 作り方を学べたことよりも、店の人達と出会えたことが一番嬉しいと感じていた。今でも たまにそこに食べに行ったりするそうだ。

そこで出会った人は皆すごくいい人です。私にとっては、仕事以上に、コンサート 来てくれたりとか、そういうのを応援してくれたりとか、皆一生懸命仕事する人だ から、なんだろう、なんかまあ、そういう姿を見てても刺激になったし、料理面白 いな、そこに来ている人が割と夢を持っている人が多くて、ガストもいたと思うけ ど、なんかね、音楽大学すごく狭い世界だから、私にとっては、そういうなんか色 んな人と出会ったことがプラスだったよね。

Eさんは二年間ぐらい働いていた店でベトナム人の女の子と仲良くなった。二人は同じ頃 に店に入り、店長や他のスタッフが変わっていく中、彼女と E さんは最初から最後まで一

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緒に働いた。店で彼女が後から入ってきた新人に無理やり仕事をやらされた時は、Eさんが 彼女を支えてあげた。Eさんは、彼女に「無理な要求は聞かなくていいよ」と言った。現在 は、E さんは就職して、彼女は帰国することになった。最後に、二人は一緒に食事をして、

写真をWeChatに更新した。

Hさんは一年間働くことは非常に楽しかったと言った。店の方々がとても優しくHさんの 面倒を見てくれたようで、最後辞める時には送別会もしてくれて、料理長はいつでも戻っ てきていいよと声かけてくれた。彼女が送別会について話してくれた。

送別会のときに、皆からプレゼントをもらった。普段あんまり話さない人でも素敵 なプレゼントを用意してくれた。普段の祝日でも、皆プレゼント交換をしたりする よ。ホントにいい雰囲気だった。

また、自国の友達ができた C さんは「アルバイト先で一番の親友ができた」ということ が一番嬉しいことだと語った。

6.2差し入れ

筆者がアルバイト先でお客さんからお菓子をいただいた時は、まだ差し入れという言葉 を知らなかった。その時は、なぜ私にお菓子をくれるのかと疑問に思って店長に報告した。

店長からちゃんとお礼を言ったかと聞かれて、店長と一緒にお客さんにお礼を言ってから、

ほかのスタッフたちと一緒にお菓子を分けて食べた。美味しいお菓子を食べた時に、飲食 店で働いてよかったと思った。常連客が多いため、ほぼ毎回差し入れが入ってくる。回数 が増え、なぜお客さんから毎回お菓子をもらえるのかと店長に聞くと「日本の文化」だと 教えてくれた。また、店長と一緒にほかの店舗に行く時に、店長がお菓子を買って向こう の店に持っていく、そういう「つまらないもの」が必要だと認識した。店によって必ずし も差し入れをもらえるということではないとは思うが、差し入れという日本の特有なもの として、留学生たちはどういう反応をするのかを見ていきたい。

Aさんが初めて差し入れをもらった時はほぼ筆者と同じ反応だった。彼女が「ちょっと意 外だった。なぜ私にくれるのか、その時は店の皆にあげるものだということを知らなかっ たが、やはり皆の前で受け取ったものだから、皆で分けた」と語った。

Hさんは差し入れという言葉を知らかった。Hさんは厨房で働くため、お客さんと直接か かわる機会がない。だが、たまにお菓子をもらって皆で一緒に食べた記憶がある。また、

同僚が家族連れで店に食べに来た時にお菓子を持ってきた事があると言った。Hさんになぜ 差し入れをもらえるのかを聞いた時に、彼女が「多分店がおいしいから、サービスもいい し、お客さんも喜んでくれてお菓子を買ってくれたのかなと思った」と語った。

Kさんは店の常連客は少ないと言ったが、いつも店の人やオーナーさんからケーキみたい な差し入れをもらえることが飲食店で働いてよかったところだと思った。

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Eさんの場合は、差し入れもあったが、たまにお客さんからチップもくれたそうだ。ある 日、いつもお会計する際にチップをくれる常連客がチップを別の女の子にあげたことにつ いてそのチップをもらった相手に不満を持っていた。

店の常連さんはいつもチップをくれるの。その日、常連さんが来て私にチップをく れるはずだから、レジで待っていた。お会計伝票を持ってレジに行ったら、彼女が 伝票を私の手から奪って、指まで切れる速さで、その瞬間に私の頭は真っ白になっ た。それで、彼女がお会計をして、常連さんは千円のチップを彼女に渡した。「女 の子達にアイスでも買ってあげてね」って言っていた。そして、彼女は店長に「お 客さんから千円もらったから店のレジに入れた」って言った。その次の日に、また 常連さんが来て、今度は彼女に譲れないと思って、お会計を済ませた。それに、彼 女と店長の前で、お客さんからもらった千円をポケットに入れた。いつももらって いるから、彼女はなぜ怒ったのか分からない。しかも、彼女もチップもらったこと あるのに、ただその常連さんはいつも私だけにくれているから、彼女は嫉妬してい るよ。

Eさんは常連客からもらったチップを自分のものにしたという考えはわからなくはない が、日本での場合では、チップという文化がないと思う。彼女が話してくれた場面をよく 考えると、そのお客さんからある意味で差し入れという感じでお金をくれたのではないか と思う。最初、筆者もなぜ自分にお菓子をくれたのかと思った時があって、差し入れとい う概念が分からず退勤した時に全部持って帰った記憶があった。

ここでは、中国人留学生は日本の飲食業界の「差し入れ」という習慣を知らず、時には トラブルまで起こったことが分かった。確かに、留学生たちは日本語学校から「差し入れ」

の習慣を教えてもらうことはないし、そもそも中国ではそういう習慣もなかったからだ。

6.3成長

アルバイトを通じて、人は何らかの刺激を受けて成長するともいえる。中国人留学生た ちにとっては、日本語の勉強になったり、日本人と関わるようになったり、日本文化を感 じたりすることが多いと思うが、それだけではない。また、アルバイトをしている中、今 まで自分が知らなかったことを知るようになってきて、人との出会いなども通して、本人 が意識してこなかったところで成長になったこともある。中国人留学生のみならず、日本 人学生もこの過程でより良い自分になったと感じている。彼らの言葉で成長したところを 見ていきたい。

Aさんはアルバイトで日本語が上手になるとは思わず、学校で勉強すれば上手になると思 っていた。しかし飲食店で働く中で、居酒屋を自分の目で見ることができ、「日本の飲食 文化がわかるようになって、居酒屋で酔っ払いの人の姿が見えた。国内でなかなかそうい

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うのを見る機会はなかったから、結構面白いなぁと思った」と語った。

Fさんは、日本人との接触が苦手で、普段日本人とあんまり関わらず、アルバイトが日本 語を使う唯一の繋がりであるため、彼女にとっては日本語を使う良い経験だと思った。

主に日本語の上達かな、やはり普段アルバイトをしないと、日本語をあんまり使わ ないから、あの時は日本語をよく使ったよね。あとは、どんなことをしても経験に なるから、いいことであろうが悪いことであろうが。またいろんな人と出会えてい いなと思う。

Gさんはあまり飲食店のアルバイトが好きではないため、良い印象を残ってなさそうだが、

飲食店で働いて「料理が作れるようになったね、日本の料理はね」と語った。また、彼が 仕事の場で「人との付き合い方とか、空気を読んで動くというところが上手になった」と いう風に思った。

HさんはAさんと同じく、日本食に対して前より深くわかるようになった。「日本食って 結構こだわりがあるよね、味噌汁と漬物とご飯の場所はちゃんと決まっている。ここに来 る前に、日本食については全然知らなかった。この店に入ってきて、日本人がどんな物を 食べているのかを知るようになった」と彼女はうれしそうに語った。

Jさんは働く中、つらい思いをしてやめようと何回も考えていたようだが、二年間頑張っ てアルバイトを続けていた。彼女にとっては「一個のことを二年間続けたというのがまあ、

悪くないかな」と思った。

Kさんが成長したと思ったことは、「笑顔を作ることができました」。

以上の事例を見ると、人それぞれで成長したところが見える。中国人留学生の場合は、

主に日本文化の理解の面で成長した様子が見える。食文化で刺激を受ける人も多いと考え る。当然、その働く過程で、日本語も上達していったはずだと思うが、彼ら自身が成長し たことを振り返る際に、あまり言葉の問題を意識してはいなかった。それは、その働く間 に日本語が上達するはずだと思っていたからではないだろうか。

日本人の場合は、インタビュイーがたった三人であるにもかかわらず、非常に個人差が あり、個人の経歴により、アルバイトを通して得たものが異なる。この件に関しては、よ り多くの対象者への質問調査と、長期の参与観察が必要となるため、今後の課題としたい。

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