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第 5 章 橋梁維持管理計画策定への適用 85

5.6 まとめ

結果より,CAPSOはGAとほぼ同等の計画を策定することができた.これらの 手法の大きな違いは,一橋あたりの計算時間である.GAでは,CAPSOと比較して 大きな個体数と実行世代数を設定していた.これは,試行毎に性能の制約充足を行 いない可能性があったからである.一方,CAPSOは,探索性能が安定しており,少 ない粒子数と繰り返し回数でGAと同等の解を得ることができた.

ユーザーコストや工事価格の最小化は,GAの方が優れた解を得ることができた.

これについては,CAPSOのパラメータ設定などを行うことで精度改善を行う必要 がある.本実験では,適用可能性を調査することを目的としていたことから計画策 定に特化した行動を組み込んでいない.そのため,今後の実験においてさらなる有 効性を検証する必要がある.

参考文献

[1] 古田均,保田敬一,川谷充郎,竹林幹雄:これだけは知っておきたい社会資本 アセットマネジメント,森北出版株式会社,2010.

[2] Goldberg, D. E. : Genetic Algorithm in Search, Optimization and Machine Learning, Addison-Wesley, 1989.

[3] 伊庭斉志:遺伝的アルゴリズムの基礎−GAの謎を解く,オーム社,1994.

[4] 古田均,亀田学広,中原耕一郎:改良型遺伝的アルゴリズムによる複数橋梁の維 持管理計画策定の実用化,土木学会論文集A,Vol.62,No.3,pp.656-668,2006. [5] 中津功一朗,古田均,野村泰稔,高橋亨輔,石橋健,三好紀晶:GAによる実用

化を目指した長期的な橋梁維持管理計画策定,知能と情報(日本知能情報ファ ジィ学会誌),Vol.23,No.4,pp.469-479,2011.

[6] 石橋健,中津功一朗,古田均,野村泰稔,高橋亨輔:GAを用いた大規模橋梁 群の長期的な維持管理計画の最適化,土木学会論文集A2(応用力学),Vol.69,

No.2(応用力学論文集Vol.16),pp.I 731-I 740,2013.

[7] 土木学会コンクリート委員会コンクリート標準示方書改訂小委員会編:コンク リート標準示方書維持管理編<2007制定>,土木学会,2008.

[8] 杉本博之,首藤諭,後藤晃,渡辺忠朋,田村亨:北海道の橋梁のユーザーコストの 定量化の試みとその利用について,土木学会論文集,No.682/I-56,pp.347-357,

2001.

[9] 道路投資の評価に関する指針検討委員会編:道路投資の評価に関する指針(案),

日本総合研究所,1998.

[10] 日本道路協会編:道路構造令,丸善,2001.

[11] 土木学会:交通ネットワークの分析と計画−最新の理論と応用−:第18回土木 計画学講習会テキスト,平文社,1987.

6 章 構造物の信頼性解析への適用

本章では,ライフラインネットワークを対象とした信頼性解析において,損傷の 要因となる破壊モードを推定するためにメタヒューリスティクスを適用する. ライ フラインネットワークのような大規模構造物は,多数のリンクとノードから成るこ とから,複数の破壊モードを有する. そのため,地震のような災害時ではなく,平常 時の安全性を評価するためには,非常に低い確率で生じる要素の破壊を考慮するこ とが求められる. 本研究では,発生確率に基づいて複数の破壊モードの評価,および 損傷要因の推定を効率的に行うために,破壊モードの探索を最適化問題として定式 化し,メタヒューリスティクスの適用を試みる. セルオートマトンPSO(CAPSO) は,個々の粒子が自律的に行動することから,設計空間を広範囲に探索することが できる. したがって,CAPSOを用いた最適化により,ネットワークにおける複数の 破壊モードの探索を行う.