5 強度・劣化に対する抵抗性との相関
5.3 まとめ
5章では,直流四電極法によって計測される電気抵抗と強度および劣化に対する抵抗性の 関係について検討し,その関係に配合条件や使用材料が及ぼす影響について検討した.また,
計測される電気抵抗が圧縮強度等と相関がある理由についても検討を行った.
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
0 2 4 6 8 10 12
液状水量/空隙率(g/cm3)
電気抵抗(kΩ)
N40 N50
N60 BB50
82
5.1電気抵抗と強度・劣化に対する抵抗性の関係で得られた結果を以下に挙げる.
(1) コンクリートの電気抵抗はW/Cの影響を受け,材齢の進行に伴ってW/Cが小さいもの ほど大きくなった.
(2) コンクリートの電気抵抗はBFS置換率に影響を受け,材齢の進行に伴ってBFS置換率 が大きいものほど大きくなった.
(3) 養生終了時の圧縮強度と電気抵抗に相関が認められた.これにより,電気抵抗の計測を 行うことで養生終了時の圧縮強度を推定できる可能性がある.
(4) 養生終了時の電気抵抗と圧縮強度の関係は,水セメント比の異なるコンクリートでもほ ぼ同じ傾きを示した.
(5) 材齢28日の圧縮強度と養生終了時の電気抵抗に相関が認められた.これにより,電気 抵抗の測定を行うことで材齢28日の圧縮強度を推定できる可能性がある.
(6) 材齢28日の圧縮強度と養生終了時の電気抵抗の関係は,水セメント比およびBFS置換 率が異なるコンクリートにおいても相関が得られた.
(7) 材齢91日の圧縮強度と養生終了時の電気抵抗に相関が認められた.これにより,電気 抵抗の測定を行うことで材齢91日の圧縮強度を推定できる可能性がある.
(8) 材齢91日の圧縮強度と養生終了時の電気抵抗の関係は,水セメント比およびBFS置換 率が異なるコンクリートにおいても相関が得られた.
(9) 中性化速度係数と養生終了時の電気抵抗に相関が認められた.これにより,電気抵抗の 測定を行うことで中性化速度係数を推定できる可能性がある.
(10) 中性化速度係数と養生終了時の電気抵抗の関係は,水セメント比および BFS 置換率が
異なるコンクリートにおいても相関が得られた.
各物性値と電気抵抗の相関は,水セメント比やBFS置換率で異なる相関を示した.そこ で,水セメント比およびBFS置換率が異なった場に電気抵抗の値から強度および劣化に対 する抵抗性を推定する検量線の係数の変化を明らかにした.これにより,水セメント比や BFS 置換率が異なるコンクリートにおいても,概ね強度および劣化に対する抵抗性を推定 できると考えられる.
5.2圧縮強度等と電気抵抗に相関がある理由で得られた結果から考察を行う.図-5.45に 電気抵抗と圧縮強度の関係のイメージを示す.電気抵抗が液状水量を評価しており,圧縮強 度は空隙量に影響を受ける.水和反応の進行によって液状水量と空隙量が減少する.この時,
飽水度は一定なので空隙量と液状水量の比率は一定となる.結果として圧縮強度の増加と 電気抵抗の増加に相関が認められると考えられる.電気抵抗で圧縮強度が推定できる理由 は,電気抵抗がコンクリート内の空隙中にある液状水量を評価しており,飽水度が一定(封 かん養生)の条件で水和反応による液状水量の減少が空隙量の減少と比例することに起因 していると考えられる.
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BFS を用いたコンクリートに関しては,上記の理由だけで電気抵抗の増加を説明するの が難しく,既往の研究21)のようにイオン強度の低下が電気抵抗の値を大きくしている可能 性がある.
以上より,直流四電極法により計測される電気抵抗が圧縮強度および中性化速度係数と 相関がある理由が明らかとなった.
図-5.45 電気抵抗と圧縮強度の関係のイメージ
参考文献
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コンクリート 液状水
空気
空隙
電気抵抗 圧縮強度 耐久性
コンクリート 液状水
減 空気
電気抵抗 圧縮強度 耐久性
空隙 減
増 増
水和反応 の進行
※飽水度:一定
材齢1日 材齢28日
相関 相関
相関
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