第7章 まちづくりの推進に向けて
105 1.実現化の考え方
都市計画マスタープランは、総合的なまちづくりの指針であり、都市整備にかかわる道路、
公園、景観、防災等の個別部門の上位計画として位置づけられるとともに、福祉、教育、文 化等の様々な分野とも関連しています。
そのことから、本マスタープランに示されている内容を具体化し、まちづくりを推進する ためには、幅広い部門との連携を図りながら、個別部門計画の充実を図っていく必要があり ます。
ただし、既に個別部門計画が策定され、その計画に基づいた施策、事業が進められている 場合は、本マスタープランによるまちづくりの方針を踏まえながら、計画、事業の継続的な 推進を図っていきます。
また、まちづくりの主体は、住民であり、住民自らがまちづくりに対する認識を深め、主 体的に活動していくことが重要です。
そのため、本マスタープランの実現化を推進するためには、地域を特徴づける資源や現況 土地利用等の地域特性を生かした地域レベルの整備計画を住民とともに検討する必要があり ます。
図 都市計画マスタープラン実現化の流れ
都市計画マスタープラン 部門別整備方針 地域別整備方針
都市整備に係わる 個別部門計画
都市整備以外の 個別部門計画
地区整備計画に 基づく事業の推進
地区レベルの 整備計画
相互の連携 住民の参加・協力 都市計画マスタープランの周知
まちづくりの啓発
策定過程での住民参加 計画づくりへの参加 住民合意の形成
第7章 まちづくりの推進に向けて
106 2.実現化の検討
今後のまちづくりを進めていく上で、前章までに示された種々の方針や計画を実現してい くためには、先に示した実現化の考え方を踏まえ、さらにこれに加えて事業実施の緊急性、
整備効果、住民意向、町財政の投資効果等の視点からの検討・評価を十分に行った上で、そ の施行主体、事業手法、整備の時期などを決定する必要があります。
そのような意味から、ここでは、前章までに示された方針・計画のうち、まちづくり(都 市計画)を推進していく上で重要と考えられるものについて、土地利用、道路、公園緑地、
下水道・河川、都市環境の5つの分野に分類し、それぞれについて考えられる事業スケジュ ールと主な事業手法を案として示します。
今回の見直しでは、当初策定時からこれまでに実施された事業等の状況を踏まえ、平成22 年度から平成32年度までを対象として整備時期を想定します。また、国土交通省では、平成 22年度から社会資本整備総合交付金を創設し、同省所管の個別補助事業を同交付金事業とし て統合しています。ここで想定する事業は、代表的な個別事業としていますが、実際の事業 化にあたっては、他の事業も含めて社会資本整備総合交付金を活用することとなります。
1)土地利用
①事業スケジュール案
施 策 前期 中期 後期
●北部地域活性化プランの推進
●市街地整備
・今宿・赤沼地区 ・その他の市街地
●産業誘導エリアの整備
・工業系施設地
・商業系施設地
注)スケジュールの期間(前期・中期・後期)については、不確定要素が多いことから、大まか に3期に区切っているものであり、明確な年次での表現は行いません。
②考えられる主な事業手法等
・北部地域活性化プランの推進:地区計画等、田園居住区整備事業
優良田園住宅の建設の促進に関する法律の適用 都市計画法第34条第11号の適用
〃 12号の適用
・市街地整備:土地区画整理事業、地区計画等
・産業誘導エリアの整備:都市計画法第34条第12号の適用 地区計画等
第7章 まちづくりの推進に向けて
107 2)道路
①事業スケジュール案
施 策 前期 中期 後期
●南北構想路線
●都市計画道路の整備 ・入西赤沼線 ・その他の路線
●未改良路線の整備
・県道東松山・越生線 ・県道岩殿・岩井線 ・亀小通り(町道2号線)
・百地蔵通り(町道52号線)
●あるくロードの整備
注)スケジュールの期間(前期・中期・後期)については、不確定要素が多いことから、大まか に3期に区切っているものであり、明確な年次での表現は行いません。
②考えられる主な事業手法等
・南北構想路線:道路・街路事業
・都市計画道路の整備:土地区画整理事業 街路事業
・未改良路線の整備:道路事業(県道は県事業)
・あるくロードの整備:ウォーキング・トレイル事業
第7章 まちづくりの推進に向けて
108 3)公園緑地
①事業スケジュール案
施 策 前期 中期 後期
●新規公園の整備
・地区公園(おしゃもじ山公園)
・街区公園(今宿東土地区画整理地内)
・街区公園(土地区画整理区域外)
・親水公園
●既存公園の整備
注)スケジュールの期間(前期・中期・後期)については、不確定要素が多いことから、大まか に3期に区切っているものであり、明確な年次での表現は行いません。
②考えられる主な事業手法等
・新規公園の整備:都市公園事業 土地区画整理事業
緑化重点地区総合整備事業 住宅市街地基盤整備事業
4)河川・下水道
①事業スケジュール案
施 策 前期 中期 後期
●公共下水道の整備
●河川の改修
・越辺川
・鳩川
●多自然型河川整備
注)スケジュールの期間(前期・中期・後期)については、不確定要素が多いことから、大まか に3期に区切っているものであり、明確な年次での表現は行いません。
②考えられる主な事業手法等
・公共下水道の整備:公共下水道事業
・河川の改修:河川改修事業
・多自然型河川整備:総合水系環境整備事業 統合河川環境整備事業
第7章 まちづくりの推進に向けて
109 5)都市環境
①事業スケジュール案
施 策 前期 中期 後期
●施設のバリアフリー化
●里山の再生・整備
●ビオトープネットワークの整備
●水辺環境の整備
●眺望施設の整備
注)スケジュールの期間(前期・中期・後期)については、不確定要素が多いことから、大まか に3期に区切っているものであり、明確な年次での表現は行いません。
②考えられる主な事業手法等
・施設のバリアフリー化:バリアフリー環境整備促進事業
・眺望施設の整備:ウォーキング・トレイル事業
・水辺環境の整備:地域用水環境整備事業
6)実現のための整備例
ここでは、本マスタープランに示された様々な計画の中から、鳩山町を特徴づけられる ような施策を抽出し、その施策の実現に向けて考えられる整備方針を案として例示します。
(1)施策の抽出
近年では高齢社会の到来と余暇時間の増大という社会的傾向にある中で、住民の健康 増進に対する意識の高まりとともに、ウォーキングがブームとなっています。
鳩山町でも日常的に河川沿いや丘陵地内の散策路においてウォーキングを楽しむ人々 を見かけることができます。
第5次総合計画では、協働戦略事業のひとつとして、「全町公園化・遊休地活用事業」
が位置づけられています。これは、第4次総合振興計画で位置づけられていた『あるく ロード』としての散策道整備を包括するものであり、本マスタープランにおいても歩行 者系ネットワークとして『あるくロード』を位置づけました。
これらのことから、ここでの実現のための整備例として『あるくロード』の整備を抽 出し、その考えられる整備方針を案として例示します。
第7章 まちづくりの推進に向けて
110
(2)ルートの設定
『あるくロード』のルートについては、先の地域別構想において示されたルートを基 本として、町内を周遊、ネットワークできるルートとします。
(3)ルート名称の設定
設定したルートでは、複数のコース設定が可能であり、また、利用者に分かり易く特 徴付けができるように、それぞれのルートごとにコース名称を設定します。
例) ・比企丘陵自然公園内を周遊する「比企丘陵コース」
・窯跡などの歴史資源を結ぶ「歴史探訪コース」
・丘陵地の山林内を歩く「自然散策コース」
・河川沿いを歩く「水辺コース」
(4)ルート沿いの拠点の位置づけ
設定されたルートによっては長い距離を歩くコースもあることから、コース途中にト イレ等を備えた小規模な休憩施設を設置する必要があります。この休憩施設については、
ルート沿いに位置している各集落センターなどの既存施設を有効に活用するなど、効率 の良い施設整備に努めます。
また、町民だけでなく、町外から鳩山町を訪れる人々などが利用する場合には、コー スの起終点となり得る場所に駐車スペース等の確保も必要となります。これらの場所と しては、本マスタープランの中でも位置づけられているふれあい拠点や農村公園、コミ ュニティセンター等の既存の公共施設の活用を図っていきます。
(5)ルートの整備例
ルートとなる道については、すべてが歩行者専用とすることが最も望ましいですが、
既存の道路等を有効に活用するという点から考えて、すべてのルートを歩行者専用とす ることは不可能です。
したがって、丘陵地の山林内や河川堤防上など可能な部分では歩行者専用とし、その 他の道路については、歩道部分の活用や、場合によっては歩車共存道路として整備し、
できる限り利用者の安全性を確保します。
設定したルートのうち、丘陵地内や河川堤防上などのルートについては、自然が豊か な町の特長を生かし、アスファルト等による舗装ではなく、ウッドチップや小さな砂利 などによる自然性豊かなルート整備を行います。
設定したルートは、距離の短いものから長いものまであり、また、利用者も小さな子 供から高齢者まで様々な人が利用することから、ルートの途中には簡単に一休みできる ベンチや四阿
あ ず ま や
を設置します。また、ルートの分岐点や曲がり角などの要所には周辺の景 観と調和した案内板や道しるべを設置し、利用者が迷うことなく快適に散策ができるよ うにします。