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どの権利を持っている者に分配すべきか

ドキュメント内 TAWPD_表紙_F (ページ 55-58)

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JASRACはインタラクティブ配信使用料の うち複製分配資金については、音声の配信 の場合は録音権の権利者に、楽譜など可視 的利用の場合は出版権の権利者に分配し、

また、送信分配資金については演奏権の権 利者に分配している。

JASRACは以前から、演奏、上演、上映、

放送、有線放送のような音楽の「無形的利用」

については、その使用料を演奏権の権利者 に分配しているので、インタラクティブ配信に ついても、送信部分については無形的利用 との認識のもと、送信分配資金を演奏権の 権利者に分配しているのだ。

しかし、筆者は、インタラクティブ配信に関 する著作権使用料は、有形的利用か無形的 利用かではなく、「何を配信しているのか」 いう点に着目して分配権利者を決定すべきだ と考える。

先に述べたように、音楽配信には音声や 楽譜などのほか、映像付き音声など様々な形 態があるが、このうち音声や映像付き音声な ど音楽の実演を配信する行為は、ライブの場 合を除くと、録音物や録音録画物を、パッケ ージによる譲渡や頒布という従来の流通手 段から、ネットワーク配信という新たな流通手 段に切り替えてユーザーに提供する行為とと らえることができる。同じように、楽譜配信に

ついても、印刷物の譲渡という流通手段がネ ットワーク配信という流通手段に変化したも のととらえることができる。

このように見ると、音楽配信は、ライブの 配信の場合を除き、有形物をそのまま有形物 として流通させる方法を、いったんデータと いう無形物に変換して流通させ、ユーザーの 手元でそれを再生(または再製)させる方法に 変化させただけ、つまり、コンテンツの流通手 段が変わっただけということができる。

そうであれば、有形物を無形物に変換して 流通させるときに働く自動公衆送信権は、有 形物を製造するときに働く権利、つまり録音 物であれば録音権、映画などの録音録画物 であれば映画録音権、楽譜であれば出版権 を持っている権利者に帰属させるべきではな いだろうか。なぜなら、JASRACは有体物の 譲渡や貸与による流通手段の場合は、使用 料の全額を複製権の権利者に分配している ので、そのときに働く譲渡権や貸与権は複製 権の権利者に帰属するものと解釈しているは ずだからだ。

そして、有体物の流通の場合に総流通量に かかる使用料が複製権者に分配されるように 音楽配信の場合も、サーバへの複製に該当 する複製分配資金にかぎらず、流通量に該当 する送信分配資金についても複製の権利者

に分配されるべきではないだろうか。

つまり、録音物のデータによる配信に関す る送信分配資金は録音権、出版物のデータ による配信に関する送信分配資金は出版権 の権利関係で分配すべきではないか。換言 すれば、複製物のデータによるインタラクテ ィブ配信に関する使用料は、複製分配資金 も送信分配資金も複製の権利者に分配され るべきではないかというのが筆者の考えであ る。ただし、ライブの音楽配信は複製物のデ ータによる配信ではなく放送に近い概念なの で、送信分配資金は演奏権の権利者に分配 すべきであろう。

最近では、外国のオリジナルパブリッシャ ーから直接ライセンスを受けて日本向けに楽 譜の配信サービスを開始した事業者が出現 したくらいだから、楽譜配信のニーズは十分 にあると考えられるし、外国曲の楽譜配信の 著作権使用料は販売価格の20%(日本の楽 曲の場合は10%)という高額なので、できる ことなら楽譜配信を認めたいと考えているSP も多いと思う。しかし、出版権の権利者に、

ダウンロード配信の場合であっても使用料全 体の65%しか分配されず、ストリーミング配信 にいたっては15%しか分配されないことが障 害となり、外国曲の楽譜配信を認めにくくして いる。

つまり、日本で外国曲の楽譜配信が普及し ない原因は、使用料の分配方法にあったわ けだ。

録音物のデータによる配信については、外 国でも演奏権管理団体が関与しているので、

日本だけ使用料の全額を録音権の権利者に 分配することはできないかもしれないが、楽 譜のデータによる配信に関しては、外国では 演奏権管理団体が関与していないのだから、

JASRACが分配方法を変更することはそれほ ど困難なことではないと思われる。また、そ のことについて、演奏権の権利者からクレー ムが入るとも思えない。

また、仮に楽譜のインタラクティブ配信使 用料の全額を出版権の権利者に分配するこ とが理論的に難しいのであれば、せめて複製 分配資金の比率を90%くらいに引き上げるな どして、使用料の大半が出版権の権利者に 分配されるように変更すべきではないだろう か。そうすれば、多くのSPはすぐにでも楽譜 の配信を認めることになり、楽譜配信ビジネ スも拡大すると思う。

出版不況といわれるなかにあって、せっか くネットワークによる楽譜の配信という出版コ ンテンツの新しい流通手段が誕生しているの に、使用料の分配方法がネックとなってそれ が普及しないのは、誠に残念なことである。

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音楽配信の著作権使用料は

どの権利を持っている者に分配すべきか

〜日本で楽譜の配信が普及しない理由〜

[メジャーレーベルの場合]

CD1枚の値段を3,000円(税別)

とした場合の内訳(概算)。

※プロデューサーが印税契約の場合は、原 盤印税から支払われるのが一般的です。

※この表はレーベルが原盤を制作していな い場合のものです。

[インディーズレーベルの場合]

インディーズレーベルの場合、自 由度が高いので、様々なケース が存在します。

2 著作権使用料の流れ

1 CD

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