悪性胸膜中皮腫
疫学:60~70 歳(石綿暴露から 20~40 年後に発症) 男女比は 4:1
症状:呼吸困難、胸痛
画像所見:胸部 X 線 片側性に胸水、凸凹のある胸膜肥厚 胸部 CT びまん性の不整結節状の胸膜肥厚 胸水検査:滲出性胸水
ヒアルロン酸の上昇 →b.○
細胞診での診断は困難なことが多い →c.×
胸膜生検:胸腔鏡を用いた胸膜生検は診断に有用
治療:Ⅰ期-外科療法(胸膜切除術・肺剥皮術、胸膜外肺全摘術など)→d.○
→放射線や化学療法の併用も
Ⅱ期以上-化学療法(シスプラチン+ペメトレキセドが第一選択) 予後:5 年生存率は 4%前後(ie.極めて予後不良)→e.×
a.胸水の ADA が上昇するのは結核性胸膜炎→×
参考文献: 授業プリント 石綿と肺疾患(須田先生)
学籍番号: A09091 氏名: 森田真知子
2012 (平成 24 年) 11 月 12 日実施 09 年次試験
試験科目: 呼吸器内科
No. 47
18 歳、女性。母と口論していたら、急に呼吸困難を訴え、その後、口の周囲と四肢 のしびれも出現したため救急外来を受診。発熱なく、呼吸数は 36 回/分。聴診上は 以上を認めず。胸部X線所見は異常なし 。血液ガスは、室内気で、 pH7.720、
PaCO2 14Torr、PaO2 124Torr、HCO3- 18.7mEq/L、
Base excess +0.3。正しいのはどれか。2 つ選べ。
a. 呼吸性アルカローシスがある b. 代謝性アルカローシスがある c. A-aDO2 は開大している d. 血清 K 値は低下しやすい
e. 治療としては、酸素投与が有効である
解答: a,d
解 説:
過換気症候群 a. ○
b. ×
c. × 150-PaCO2/0.8-PaO2=150-14/0.8-124=8.5。正常。
d. ○ アルカローシスでは血中 K が細胞内へ、細胞内 H が血中へ移動
e. × まず安静にする。軽快しない場合はペーパーバック法(自分のはいた CO2 を再 び吸い込む)
過換気症候群は、器質的障害が認められないにもかかわらず、発作的に不随意の換気 が過剰に起こる病態。若年女性に好発する。過換気状態によって、呼吸性アルカローシ スを呈し、様々な臨床症状が生じる。
<神経症状> 口腔周囲や四肢先端のしびれや感覚異常、めまい、頭痛、テタニー、け いれん
<循環器症状>動悸、前胸部痛
<呼吸器症状>呼吸困難、過呼吸
<精神症状> 不安
動脈血液ガス分析にて PaCO2↓↓、pH↑
治療は、まず安静にして落ち着かせることが重要。それでも軽快しない場合はペーパー バック法を行う。
参考文献: 病気が見える vol.4 p.46
学籍番号: 氏名:
2012 (平成 24 年) 11 月 12 日実施 09 年次試験
試験科目: 呼吸器内科
No. 48
68 歳、男性。修善寺温泉に旅行に言っていた。帰宅して 3 日後から、39℃台の発 熱、咳嗽が出現した。胸部 X 線上、両側に浸潤影を認め、下痢、軽度の意識障害もみ られた。血液検査では、WBC 15,000/ml、CRP 18.2 mg/ml、血液ガス検査では、室 内気で pH7.340、PaCO2 28Torr、PaO2 54 Torr であった。喀痰検査では、ヒメネス 染色で陽性の菌体が検出された。正しいのはどれか。2 つ選べ。
a. 原因菌は、一般的な血液寒天培地で培養可能である。
b. 原因菌は、細胞内寄生菌である。
c. この菌による肺炎は、しばしば集団発生する。
d. ペニシリン系抗菌薬が有効である。
e. 腎機能障害、肝機能障害、DIC などの多臓器不全を合併することは少ない。
解答: B,c
解 説:
温泉という水系環境への暴露があり、発熱・咳嗽・意識障害があり、肺野に浸潤影があり、
ヒメネス染色陽性なのでレジオネラ肺炎。
A: BCYE-α培地で培養 B:正しい
C: 正しい
D: エリスロマイシン(マクロライド系)+リファンピシンが有効 E: 「適切な治療がなされないと急速に悪化する」
参考文献: 病気がみえる、web
学籍番号: 96,305 氏名: