【第2編】第4章 その他災害予防計画
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第1節 建造物災害予防計画
1 目的
本市の建物の現況は、木造が大半を占め、火災に対する危険度は非常に高い現況にある。
防火上から見れば、耐火建築物が理想とされるが、現況は、個々の経済上の問題などもあり早 急な改善は望み得ないが、難燃化を促進していく必要がある。
2 対策
対 策 の 種 類 担 当 課 (1) 各種対策事業の推進
ア 防火思想の普及と啓発 イ 宅地開発等に係る指導 ウ その他の防災対策
防災安全課 建設課
(1) 各種対策事業の推進 ア 防火思想の普及と啓発
住民の防火に対する関心を高め、防火知識を徹底させ日常的に火災予防活動が行われるよ
う啓発を行う。
イ 宅地開発等に係る指導
宅地造成に伴う災害及び洪水、出水などによる災害の防止を図るため、適切な指導を行う
とともに、地震・台風・豪雪・火災等に対する構築物の構造及び防災上の安全を確保するた め、関係者に対する指導を行う。
ウ その他の防災対策
(ア) 消防法に定める指定防火対象物の防火管理体制の強化を図るため、消防計画の作成、消 火、通報及び避難訓練の実施、消防用設備などの設置及び維持管理の充実を図るよう指導 する。
(イ) 消防法に定める既存特定防火対象物の火災から人命の安全確保を図るため、現行基準に 基づく消防用施設などの設置の促進並びにその適正なる維持管理を推進するよう指導する。
(ウ) 事業所、住家、その他の防火対象物から火災の発生と被害の軽減を図るため、防火査察 の強化並びに一般住民に対する防火思想及び防火知識の普及活動を推進し、火災予防の徹 底を期するよう積極的に指導する。
(エ) 耐震性が不足する建築物は、耐震性を確保するよう周知を図る。
(オ) 学校・病院・庁舎などの主要建築物については、大災害発生時における避難及び救助活 動の拠点建造物として位置づけ、積極的にその機能を確保するよう努める。
【第2編】第4章 その他災害予防計画
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第2節 林野火災の予防計画
1 目的
山火事の原因は様々あるが、たき火、タバコによるものが多数を占めている状況にある。
その対策としては、林業技術的な方法(防火帯等)、森林愛護思想の高揚など種々の方策が考 えられるが、山火事防止対策協議会等を設け、山火事防止の普及啓発を進めるとともに、火災の 発生しやすい季節を中心に消防団等による林野の巡回監視の充実を期するなど、関係者に対する 指導を行い、火災予防の周知徹底を図る。
2 対策
対 策 の 種 類 担 当 課 (1) 各種対策事業の推進
ア 気象予警報の把握 イ 火入れ対策 ウ 林内事業者対策 エ 一般入林者対策
農林課 防災安全課
(2) 関係機関別の実施事項 (1) 各種対策事業の推進
ア 気象予警報の把握
林野火災の発生は、気象条件が極めて大きな要素であるため、気象予警報を適確に把握し、
気象状況に応じた対策を講ずる。
イ 火入れ対策
(ア) 火入れに関する条例の周知徹底を図る。
(イ) 警報発表又は気象状況急変の際は、一切の火入れを中止させる。
(ウ) 火入れ跡地の完全消火を図り、責任者の確認を受けさせる。
(エ) 森林法で規制している火入れ以外についても指導する。
ウ 林内事業者対策
(ア) 林内事業者は、火気責任者を定め、事業区内に巡視員を配置する。
(イ) 事業箇所に喫煙所ならびに焚火、ごみ焼場を設け、標識及び消火設備を完備する。
(ウ) 火気責任者は、あらかじめ事業箇所内の連絡系統を定め、関係機関との連絡に万全を期す。
(エ) 道路整備、その他の事業者は事業区域内より失火することがないよう森林所有者と協議 し、万全の予防措置を講ずる。
エ 一般入林者対策
(ア) タバコ、焚火による失火について十分な啓発を図る。
(イ) 掲示板などを設置して啓発に努める。
(ウ) 森林火災危険期に、山火事防止運動期間を設ける。
【第2編】第4章 その他災害予防計画
- 39 - (2) 関係機関別の実施事項
機 関 実 施 事 項
盛岡地方気象台 暴風警報、強風注意報、乾燥注意報・火災気象通報等気象情報の迅速な 伝達と周知徹底
県 ア 県が保有する広報媒体を利用した林野火災防止広報 イ 航空機及び広報車による巡回広報
ウ 横断幕、ポスター、標板等の配布 エ 県林務関係職員によるパトロールの実施 消防機関 ア 火災警報等の警報伝達及び巡視警戒
イ たき火、火入れの把握と現場監督者等の指導
森林管理署等 ア 暴風警報、強風注意報、乾燥注意報発表時のたき火、喫煙等に対する 出火防止広報資材の配備
イ 職員によるパトロールの実施
ウ 防火線、防火林、防火用施設の設置及び資機材の整備 エ 林野火災発生時の応急対策のための組織体制の整備 林業団体等 ア 火入れの許可・指示事項の遵守
イ 暴風警報、強風注意報・乾燥注意報発表時における出火防止の周知 徹底
ウ 林内作業員等に対する林野火災防止に関する趣旨の周知徹底 エ 一般入山者に対する防火思想の普及啓発
オ 林内作業中の喫煙、たき火等の完全消火の励行 カ 作業小屋の厳正な火気管理及び消火器具の設置 キ 作業小屋周辺の防火帯の設置
ク 火災警報等の情報をキャッチするための携帯ラジオの携行 農業関係機関 ア 火入れの許可・指示事項の遵守
イ 火災警報等発表時における火気厳禁の周知徹底 ウ 有線放送等を利用した、農家に対する防災意識の啓発 その他の機関等 ア 関係職員等に対する防火思想の普及啓発
イ 林野火災防止対策における関係機関及び団体への協力
【第2編】第4章 その他災害予防計画
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第3節 農畜産関係の気象災害予防計画
1 目的
気象の長期予報及び警報の迅速な伝達を図ることによって、作付の当初から安定技術の普及を 計画する。
なお、突発的な異常気象に際しては、その種類に応じた臨時措置がとれるよう計画する 。
(1) 異常気象を媒体とする病虫害発生に備えて防除施設の整備を図る。
(2) 被害の程度に応じて、代作、種苗確保、対応技術指導を行う。
(3) 生鮮食品については、輸送力の確保を図る。
(4) 家畜については、飼料の確保に努め、栄養の保持と家畜伝染病の発生防止を図る。
2 対策
対 策 の 種 類 担 当 課 (1) 各種予防対策の推進
ア 冷害防止対策 イ 凍霜害防止対策 ウ 水・雨害防止対策 エ 干害防止対策 オ 風害防止対策 カ 雪害防止対策 キ 病虫害発生予防
農林課
(1) 各種予防対策の推進
現在、農作物及び畜産物の災害をもたらす異常気象をコントロールする方法はなく、冷害の
防止対策は、被害を軽度に止めるための対策しかないが、県の農業気象情報などにより、気象 状況を農家に周知し、気象災害防止を図る。また、霜害及び冷害による農作物被害も未然に防 止するため、災害発生のおそれがある場合は、広報車、防災行政無線、チラシ等の方法により、
予報及び技術対策の周知を図るものとする。
ア 冷害防止対策
(ア) 耐冷性品種の育成普及 (イ) 作期別、育苗技術等の指導 (ウ) 簡易ビニールハウスの活用 (エ) 長期予報の伝達
イ 凍霜害防止対策
(ア) 低温注意報、霜注意報等の早期伝達
(イ) 樹園地における燃料の燃焼、散水の準備と励行
(ウ) 野菜のビニール栽培におけるこもかけ等の励行
ウ 水・雨害防止対策
(ア) 水稲の品質向上のための乾燥施設の利用
(イ) 長雨、過湿により発生しやすい黄化萎縮病、白葉枯病、疫病等の防除及び家畜の伝染病
の予防 エ 干害防止対策
(ア) 水源(ダム、水利施設)の確保
(イ) 井戸、揚水機、スプリンクラー等の整備
オ 風害防止対策
(ア) 防風林、防風垣の設置
(イ) 耕土の風蝕防止のための等高線栽培、ベルト栽培等の実施
(ウ) 樹園地における枝折れ防止(支柱の準備等)
(エ) 落果防止のための薬剤散布
【第2編】第4章 その他災害予防計画
- 41 - カ 雪害防止対策
(ア) 麦等の雪ぐされ防除のための薬剤散布(積雪前)
(イ) 消雪の促進
(ウ) 牛乳、飼料等の輸送路の確保
(エ) 牧草の雪害防止のため秋まき草の適期播種の励行
(オ) 施設園芸等ハウスの倒壊防止のための除雪の励行
(カ) 樹園地の枝折れ防止(支柱、樹上除雪、埋雪枝の引き起こしなど)
キ 病虫害発生予防
(ア) 県病害虫防除所などからの病害虫発生予察情報の早期伝達
(イ) 県有貸付、補助導入による防除機具の整備と活用
【第2編】第4章 その他災害予防計画
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第4節 文化財災害予防計画
1 目的
市で保管している文化財等について、適時適切な修理を実施するなど被害を未然に防止する。
また、文化財を保有するその他の所有者に対し、文化財保護に関する防災啓発を推進する。
2 対策
対 策 の 種 類 担 当 課
(1) 火気の使用制限 教育総務課
(2) 火災危険の早期発見対策
(3) 火災警戒の徹底 (4) 防火施設の整備 (5) 災害時の搬出対策 (1) 火気の使用制限
ア 火気の使用は一定の場所を定める。
イ 指定建造物の周囲では禁煙、焚火の禁止を厳守する。
(2) 火災危険の早期発見対策
ア 定期的に防火診断を受ける。
イ 防火管理者、火気取扱責任者の自主検査を実施する。
(3) 火災警戒の徹底
ア 不審者の侵入を防ぐ。
イ 定期巡視を徹底する。
(4) 防火施設の整備
ア 消火設備(消火器、屋内及び屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、動力ポンプ設備等)の 整備を図る。
イ 警報設備(自動火災報知設備、漏電火災警報機)の設置を図る。
ウ その他の設備(避雷装置、消防用水、消防車進入道路、防火扉、防火帯、防火壁、防火戸 等)の設置を図る。
(5) 災害時の搬出対策
ア 指定文化財ごとに災害の種別、規模を想定した搬出計画を定め、避難搬出場所、搬出用具 をあらかじめ準備しておく。
イ 指定文化財ごとに、文化財の性質、保全の知識を有する搬出責任者を定め、搬出に当たっ ては、その安全を図る。