第 5 章 結果 32
6.2 このグループの今後と展望
私達教材セットデザイン班は、展覧会で来場者からの新鮮な感想を得ることができた。さらに、
最終発表の場においても、様々な目線から意見を頂いた。それらを話し合いまとめると、少なくと も2つの課題があることがわかった。
1つめに、粘菌とは何かを紹介する基礎的なコンテンツが無かったことである。粘菌が何である かという問いは、展覧会の来場者から最も多く出た問いであり、この展覧会において最も重要視 するべき問いであった。実際、最終発表後のアンケートにおいても、”粘菌について説明が少ない と思った”や”粘菌自体についてはよくわからなかった”という意見が見られた事からも、それは明 らかである。ライフサイクル等のコンテンツに小さく載せてはあったが、もっと大きく目立つよ うに、”粘菌”そのものについて説明するコンテンツが展覧会のスタートとして必要であった。ま た、”粘菌の魅力を知りたい”という意見についても、そのコンテンツを作成することによって解決 できると考えられる。
2つめに、コンテンツの数が不足していたことである。今回開催された展覧会の様子から、可搬 化を意識しすぎたせいもあるが、明らかに展示物の数が少ないということが見て取れた。これは、
全てのコンテンツにおいて言えることである。画像についての詳細や文章が簡潔すぎたため、来場 者から細部についての質問が数多くあった。さらにコンテンツを増やす、または一つの媒体で展示 していたものを分類ごとに分けて媒体を増やすなど、既存のコンテンツの展示方法を工夫し、展覧 会における空間を強く来場者に印象付けるため、展覧会の密度をより濃くしていくことが重要であ ると考えられる。
そしてこれら2つの事柄は、展覧会にて教材班が来場者に付き添って説明をしなければならない 状況ができた大きな要因であった。
これらを踏まえ、教材セットデザイン班はそれぞれのコンテンツをさらに改善することが求めら れている。また、最終発表のアンケートで得られた”粘菌は親しみにくいものであるので、老若男 女関係なく使えるコンテンツを実現して欲しい”という意見を取り入れ、コンテンツの数と共に、
誰にでも分け隔て無く粘菌に親しみを持ってもらうためにも、コンテンツに更なる磨きをかけ、進 化させる必要がある。
(※文責:進藤千聖)
6.2.1 これ全部粘菌
展覧会にて得ることの出来たフィードバックを中心に改善を行っていきたい。まず”粘菌の名 前があった方がいい”という指摘である。しかしこのコンテンツの狙いが視覚により粘菌を知って もらうというテーマがあるため写真に文字を入れて写真が目立たなくなれば本来のテーマから外れ てしまう。そこで今回のコンテンツを補助する新たなコンテンツが必要だと考える。今回のコンテ ンツはそのままに、もっと詳しく知りたいと思った来場者のためにそれを解決する冊子等の補助的 なコンテンツを考えていきたい。現在の予定ではホームページにて記載していた図鑑の種類を増や し冊子として本コンテンツ近くに置いてみたいと考えている。また他に頂いた指摘として”実際の 大きさがどのくらいかが知りたい”などの内容も図鑑の方に記載出来るようにしたい。
以上の改善を検討し、最終的には2月に開催される秋葉原によるプロジェクト成果発表に出展す るコンテンツとして仕上げていきたい。
(※文責:吉川直哉)
6.2.2 粘菌どーこだ?
五稜郭タワーアトリウムにて開催された展覧会、”ただならぬ力 粘菌”展において”粘菌どーこ だ?”を展示した。そこでの結果を元に、次はその今後について考察する。今後としては、来場者 に実際に粘菌を探してみたいと思わせる、または粘菌を探しているような感覚を味わってもらうだ けではなく、粘菌に興味を持ってもらえるようなコンテンツの制作を目指す。この”粘菌を知って もらう”、”粘菌に興味を持ってもらえる”ようなコンテンツを制作することは、教材セットデザイ ン班の目標でもある。また、展覧会に展示したことで浮き彫りになった”粘菌どーこだ?”の課題 は”クイズの数”、”iPadを用いての操作についての対策”、主にこの2つである。
はじめに、”クイズの数”について考察する。クイズの数については、今後も同じような手順で写 真の中に粘菌を隠したものとその答えを用意し、クイズの数を増やす。といった対策が挙げられ る。しかし、ただクイズの数を増やすだけでは、来場者を充分に満足させることは出来ない。その ため、来場者に満足してもらうために何らかの工夫をする必要があると考えられる。その策は、ク
イズの数を増やすと共に、隠してある粘菌についての説明を充実させることである。今回作成し た”粘菌どーこだ?”には、隠されていた”エツキケホコリ”、”ヘビヌカホコリ”のどちらにも、詳 しい生態などの説明はせず、粘菌の名前だけにとどまっていた。これでは、実際に粘菌を探してい る感覚は味わえても、粘菌について興味を持ってもらえるまでにはならない。それを改善するため に、粘菌についての簡単な紹介をするべきであった。
次に、”iPadを用いての操作についての対策”について考察する。これは、クイズを作成した
HTML言語に問題があると思われる。そのため、HTML言語以外の言語、例えばJavaScriptや Flash、Objective Cなど、それらを試すなどして実験し、iPadと相性の良い言語を見つける。実 験が終われば、どの言語とiPadの相性が一番良かったかがわかるはずである。また、設置され ていたポスターが目立たず、操作方法が来場者に浸透仕切れていなかったことも、来場者がiPad での操作に戸惑った原因であると考えられる。なぜなら、来場者のほとんどは、iPadの隣のポス ターを見ていなかったからである。ポスターをもっと大きく目立つようにし、レイアウトのデザイ ンも、操作方法を中心にわかりやすく説明するものに仕上げなければならないということがわかっ た。ただ忘れてはいけないのが、対象年齢が子供向けに作成されている点である。説明が難しくな りすぎないよう、注意しなければならない。
余談だが、コンテンツのすぐそばに配置されていたポスターにも、クイズ本体を表示していたス ライドの中にも隠されている粘菌の写真が無く、クイズを解いている最中に探している粘菌がどの ようなものであったかを忘れてしまう、ということが度々起きた。そのため、スライド、またはポ スターのどちらかに、隠れている粘菌の写真を載せておく必要がある。その方がクイズを解く来場 者も、それを説明する立場としても、クイズをより一層楽しめるであろう。
以上が「ただならぬ力 粘菌」展において展示されたコンテンツ”粘菌どーこだ?”における、今 後の展望である。
(※文責:進藤千聖)
6.2.3 動画
アンケートの結果から得られたことから、改善すべき点がまだ多々あることがわかった。1つ目 に音声ナレーションについて、動画の開始を明確にすることである。特に開始の部分でタイトルを 表示しそのタイトルを読み上げるセリフを入れるだけで、動画の始まりと終わりがとてもはっきり すると考えられる。2つ目に動画の長さである。アンケート結果から来場者の4割が動画の長さに 不満を感じていた。また 動画を立ったまま見るには長いと感じた という意見から、立った状態 で見るのに相応しい長さを検討すべきだったことがわかった。3つ目に映像や媒体の細部における 部分である。まず倍速を常に表示することである。セリフ内で1度倍速についての解説もあるが、
聞き逃したり途中から見た時などに対応するためにも必要だと考えられる。次にスピーカーについ てである。iPadのスピーカーを使用してが、実際に展覧会で音声ナレーションを流していく中で 音量の限界があった。また別の展示場所で展示する際にそれが原因で音声が聞き取れないという状 況に対応するためにも、iPadとは別媒体のスピーカーを使用することで大きな音量にできるよう にするべきである、4つ目に、他のコンテンツとの連携についてである。アンケートの自由記述に て、他コンテンツの写真を動いている様子で見てみたいという意見が多かった。これはプロジェク トメンバー内でも気づかなかった点だった。特に粘菌ライフサイクルや迷路実験のコンテンツで連 携すべきだったのではないかと考えられる。教材セットデザイン班の今後の活動として、コンテン ツの密度を深めることが挙げられており、このコンテンツ同士の連携がそれに繋がると考えら得