野村心之介 A0112036
−はじめに−
「おねえちゃんは面倒見がいい」、「一人っ子は奔放」、「末っ子は甘えん坊」などな ど、きょうだい構成が人格形成に影響を与えていると考えられる台詞を耳にする機会は 多い。性格とは後天的に決まるもので、個が成長してゆく過程で置かれる環境から影響 を受け変化してゆくというのなら、生まれて恐らく最初に組み込まれるであろう家族と いう社会の中でのポジションが、個の性格形成に多大な影響を与えるということも当然 であると考えられる
。
そこで私は、恋愛と結婚という切り口からアンケートを取ることで、同じきょうだい 構成を持つ人間の中から一貫した行動様式や嗜好性を探し、きょうだい構成が個の人格 形成に影響を与えるのか、与えるのならば、それはどのように現れるのかを調べること にした。
−アンケート詳細−
対象:18歳から28歳までの男女200人。
実施期間:2005年1月4日から2005年1月18日までの2週間 実施場所:上智大学、専修大学、早稲田大学、その他
−アンケート集計結果とその図を見る上での注意事項−
アンケートを回収した後、対象の人物が持っているきょうだい構成から、その人物の 置かれているポジションを<上、中、下、一>の4パターンに分けて集計し、統計を出 している。また、図も<上、中、下、一>を使って書かれている。
上:きょうだいのなかで一番上のポジションにいる人物を指す。この場合男か女かは問 わない。長男、長女という言い方は兄弟の中で一番上でなくても当てはまる場合が あるのでここでは使わない。
例:きょうだい構成が上から <男、女、女> の場合、長女はポジション的には 真ん中になる。
中:きょうだいのなかで上と下に共に一人以上いる人物を指す。男女は問わない。
例:きょうだい構成が上から <女、女、男、女> の場合、次女も長男もポジシ ョン的には中になる。
下:きょうだいのなかで一番下のポジションにいる人物を指す。いわゆる末っ子。男女 は問わない。
一:一人っ子の意味。これも男女は問わない。
−仮説−
きょうだい構成によって恋愛行動と結婚は変ってくるという考えの基、アンケートを 取る前に4パターンそれぞれに仮説を立てた。
上:下にきょうだいがいるため落ちついており、我慢することには慣れている。可愛が ることも得意。そのためケンカはせず、甘えさせることはあっても甘えることはあ まりないのではないか。恋愛にも慎重だと思われる。相性が良いのは可愛がりやす い下と一。
中:上と下の板ばさみにあい、それらの行動様式を見ているため、どのポジションの人 間ともそれなりに上手くやることができる。トランプで言うところのジョーカー的 存在。ただ逆に、ここと特別相性が良いというのもないのでは。恋愛に関しても、
上と下の例を見ながら慎重に。
下:末っ子故に甘えたがり。そのため相性が良いのは上で、下同士ではお互い甘えたい ので相性はイマイチ。一人っ子の奔放さについて行く余裕も無いと思われる。上に 一人以上いて、そのきょういだいの恋人から、恋人という存在をリアルに知ってい ることが多いと考えられるため、恋愛には積極的そう。
一:一人っ子ゆえに奔放。そして甘える傾向にあると思われる。この性格を好きなのは 上だろう。一人っ子同士が付き合ったら口論が絶えなそうなので相性は悪い。末っ 子とも性格がややかぶるのであまり相性は良くないと思われる。上にも下にも例が
ないため、恋愛は気軽に始めるのではないだろうか。
それではアンケートの集計結果から作られた表と図を見ながら、恋愛観、恋愛行動、
そして結婚までを検証、考察してゆきたいと思う。
−おわりに−
これで野村心之介のゼミ論発表を終わります。いかがだったでしょうか。もし、恋愛 が上手くいかない、いつも相手とくい違う、といった悩みをお持ちでしたら、自分と相 手のきょうだい構成について少し考えてみてはどうでしょう。参考にならなかった場合 のクレームは、お手数ではありますが教育学科:武内清教授までお願いいたします。
今回の発表が今後のあなたの幸せな恋愛、そして結婚のために少しでも役に立つこと があれば幸いです。
『子どもが育つ場としての家族の変容〜現代社会と家庭・家族〜』
A0112053 内田奈緒
1、はじめに
現代の子どもたちは物質的にとても豊かで、恵まれた環境の中にいる。しかし、こう した中で、子どもたちがますます幸せになっているかというと、疑問を抱かずにはいら れない。ここ数年の日本では、子どもによる事件が増加し、いずれも深刻な社会問題と なっている。マスコミやインターネット上では親や子どもを取り巻く問題行動や事件が 引っ切り無しに報道されている。こうした子どもを取り巻く問題は何を意味するのか。
原因として、生活スタイルの変容とそれに伴う家庭教育力の低下、さらに地域環境の変 化、教師の力量不足などが指摘されているが、なかなか単純化できないというのが実情 である。今日特に、私たちは、「家族となり、家族として生きること、」そして「家族そ のもの」に無関心になっていないだろうか。というよりも、家族は、日本社会の変化の 中で基礎単位・基礎集団としての意味を失われつつあるのかもしれないとさえ思う。現 在の社会の大きな変容は、そこで生まれ育った私たち一人一人の判断や行動によっても たらされる。その意味で、家族の変容を社会の変化の中に位置づけて捉え、家族が子ど もの成長の場として社会の大きな変化にどのように関わるかを問うことが大切である。
家庭において、家族とともに過ごす期間は、人生の半ばを超える。また、家庭は社会 を構成する基本単位でもあり、そこは、子どもにとっては最初に出会う社会でもある。
そこで、今回、私は家族社会学の視点から家庭の変容と子どもとの関係について考察し ていきたいと思う。
2、論文概要