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かぶり部充填速度に関する検討

第 4 章 コンクリートの鉄筋間隙通過性

4.3 実験結果および考察

4.3.3 かぶり部充填速度に関する検討

充填高さと振動時間の関係から式

(4.1)

を用いて充填速度を算出した。充填速 度の算出方法を図 4.46に示す。既往の研究2)から,鉄筋を配置した時の締固め 時間-充填高さ曲線は図 4.46に示すように締固め開始直後は下に凸である が,その後直線となる部分がある。この直線の勾配は,コンクリートが鉄筋間 を通過してかぶり部を定常的に打ち上がる速度を表しており,この直線の勾配 を本研究においても充填速度と定義した。

x v y

  (4.1)

ここに,

v

:充填速度

(cm/s)

y

:直線領域の充填高さ変化量

(cm)

x

:直 線領域の振動時間変化量

(s)

図 4.46 充填速度の算出方法2)

111

(2)かぶり部充填速度

表 4.7~表 4.9に各条件における充填速度の結果を,図 4.47に充填速度とか ぶり部から内部振動機挿入位置までの距離との関係を示す。内部振動機挿入位 置がかぶり部に近いほど充填速度は増加する傾向が認められる。特に,スラン

10.5cm

の場合には,内部振動機挿入位置の影響が顕著である。スランプ

5.5cm

および

8.0cm

では,鉄筋あき

35mm

の場合,内部振動機挿入位置による

充填速度の増加が比較的小さく,この程度の鉄筋あきの場合,内部振動機挿入 位置を鉄筋に近づけた場合においても,鉄筋間を流動させて締固めを行うのは 難しいことがわかる。また,鉄筋あき

65mm

でスランプ

8.0cm

および

10.5cm

の場合に,内部振動機挿入位置が鉄筋に近づいているにもかかわらず充填速度 が低下する箇所があるが,これは,スランプ

8.0cm

および

10.5cm

において,

内部振動機挿入位置が鉄筋から

9cm

および

14cm

の場合に,コンクリートが鉄 筋間を流動するとき,鉄筋および内部振動機挿入位置による影響が小さく,測 定誤差であると考えられる。

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき35mm

19cm (ケース1) 2.3 1.5 1.1

14cm (ケース2) 4.0 2.5 1.3

9cm (ケース3) 4.9 3.8 2.1

鉄筋からの距離

(挿入位置)

スランプ

5.5cm充填速度(cm/s)

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき35mm

19cm (ケース1) 4.0 2.2 1.7

14cm(ケース2) 4.8 3.1 1.8

9cm(ケース3) 3.6 4.4 2.0

鉄筋からの距離

(挿入位置)

スランプ

8.0cm充填速度(cm/s)

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき35mm

19cm (ケース1) 3.9 2.8 2.1

14cm (ケース2) 10.0 4.2 3.3

9cm (ケース3) 9.0 7.3 5.3

スランプ10.5cm充填速度(cm/s)

鉄筋からの距離

(挿入位置)

表 4.7 充填速度(スランプ 5.5cm)

表 4.8 充填速度(スランプ 8.0cm)

表 4.9 充填速度(スランプ 10.5cm)

112 0

2 4 6 8 10 12

0 5 10 15 20

充填速度

(c m /s )

振動機からかぶりまでの距離(cm)

鉄筋あき65mm 鉄筋あき50mm 鉄筋あき35mm

スランプ 5.5cm

0 2 4 6 8 10 12

0 5 10 15 20

充填速度

(c m /s )

振動機からかぶりまでの距離

(cm)

鉄筋あき65mm 鉄筋あき50mm 鉄筋あき35mm

スランプ 8.0cm

0 2 4 6 8 10 12

0 5 10 15 20

充填速度

(c m /s )

振動機からかぶりまでの距離(cm)

鉄筋あき65mm 鉄筋あき50mm 鉄筋あき35mm

スランプ 10.5cm

図 4.47 充填速度と鉄筋から振動機位置までの関係

113

(3)充填完了時間と充填速度から求めた充填完了推定時間

各条件における充填完了までにかかった充填完了時間を表 4.10~表 4.12 に 示す。また,表 4.7~表 4.9に示した充填速度から,本研究における型枠の充填 完了時間を推定した結果を表 4.13~表 4.15に示す。なお,表 4.13~表 4.15に 示した充填完了推定時間の表中の()内は充填完了推定時間時における,充填高 さ最高値からの割合を示している。

表 4.13~表 4.15に示した充填完了推定時間の結果から,スランプ

5.5cm

で鉄 筋あき

35mm

では,内部振動機挿入位置が鉄筋から

14cm

および

19cm

において 締固めの目安である

15

秒をこえる結果となった。また,充填完了までの推定時 間の時点で,実際の充填高さはすべて最大値(完了時の充填高さ)の

90%

程度と なった。このことから,スランプ

5.5cm

で鉄筋あき

35mm

である場合,内部振 動機挿入位置は鉄筋から

9cm

以内としなければ目安の時間内に十分にかぶり部 充填を行うことができないことがわかる。なお,表 4.10~表 4.12に示すように 充填完了時間は

15

秒以上かかる場合も多く存在し,本研究における鉄筋あきは 厳しい条件であることがわかる。このような厳しい条件の場合には内部振動機 挿入位置が特に重要となり,本研究において目安の

15

秒以内でかぶり部充填完 了するための最も厳しい条件としては,鉄筋あき

50mm

の場合に鉄筋から

9cm

の位置に内部振動機を挿入することにより,いずれのスランプの場合において も十分にかぶり部に充填できることが明らかとなった。

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき

35mm

19cm (ケース 1) 20 20 36

14cm (ケース 2) 16 18 26

9cm (ケース 3) 14 12 24

鉄筋からの距離

(挿入位置)

スランプ

5.5cmのかぶり部充填完了時間(s)

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき

35mm

19cm (ケース 1) 12 18 20

14cm (ケース 2) 12 14 22

9cm (ケース 3) 10 12 22

スランプ

8.0cmのかぶり部充填完了時間(s)

鉄筋からの距離

(挿入位置)

表 4.11 充填完了時間(スランプ 8.0cm)

表 4.10 充填完了時間(スランプ 5.5cm)

114

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき

35mm

19cm (ケース 1) 14 16 20

14cm (ケース 2) 7 18 14

9cm (ケース 3) 9 7 8

鉄筋からの距離

(挿入位置)

スランプ

10.5cmのかぶり部充填完了時間(s)

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき

35mm

19cm (ケース 1) 10 (89) 14 (88) 22 (90)

14cm (ケース 2) 6 (85) 9 (90) 19 (90)

9cm (ケース 3) 5 (90) 6 (90) 11 (87)

スランプ

5.5cm

のかぶり部充填完了推定時間

(s)

鉄筋からの距離

(挿入位置)

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき

35mm

19cm (ケース 1) 6 (90) 11 (90) 13 (88)

14cm (ケース 2) 5 (93) 8 (93) 14 (83)

9cm (ケース 3) 7 (93) 6 (91) 12 (85)

鉄筋からの距離

(挿入位置)

スランプ

8.0cm

のかぶり部充填完了推定時間

(s)

鉄筋あき

65mm

鉄筋あき

50mm

鉄筋あき

35mm

19cm (ケース 1) 6 (91) 8 (90) 12 (88)

14cm (ケース 2) 3 (90) 6 (92) 7 (87)

9cm (ケース 3) 3 (94) 3 (96) 5 (93)

スランプ

10.5cm

のかぶり部充填完了推定時間(s)

鉄筋からの距離

(挿入位置)

表 4.13 充填完了推定時間(スランプ 5.5cm)

表 4.12 充填完了時間(スランプ 10.5cm)

表 4.14 充填完了推定時間(スランプ 8.0cm)

表 4.15 充填完了推定時間(スランプ 10.5cm)

()内は推定時間時における実際の充填高さ率:(%)

()内は推定時間時における実際の充填高さ率:(%)

()内は推定時間時における実際の充填高さ率:(%)

115

4.3.4 応答加速度推定値と充填速度の関係

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