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`慢性腎不全時の透析療法下におけるアミノ酸効果

ドキュメント内 召一一一辨》壜諦》・一一一 (ページ 55-75)

年代のアミノ酸輸液の開発は、経口摂取が不可能や不十分な患者で使われるために行われ た。最近はアミノ酸代謝の研究により、腎不全患者のための病理学的に特異なアミノ酸輸 液が開発されている。病態生理学との関係の理解は新規アミノ酸輸液の開発のために大変 重要なことである。しかしながら、透析下の腎不全の病態生理は十分に研究されていない。

ゴノフrjU,oのPD実験モデルは透析手技などの研究開発の目的で開発され、短期間の試験 モデルとして開発されている。そのため、栄養生理学的な試験には適していなく、現在ま で臨床による研究のみで、動物による研究はほとんどなされていない。そこで、今回栄養 学的な評価をするために無麻酔下、無束縛下でのPDモデルを開発し、そのモデルが透析下 での腎不全の栄養生理と栄養療法の評価のための有用性を検討したので報告する。

実験材料と方法

L動物

DC系雄性ラット(CharlesRiverJapanAtsugi,Japan、l50-l70g)は1週間の予備飼育 を実施し、順調に体重増加が認められた個体を実験に供した。飼育室の環境は、温度23±

2℃、湿度55±15%、明暗周期12時間(明期は7:00~19:00)とした。餌はラット用標準食 (脈,OrientalYeastCo.,Tokyo,Japan)とし、水は自由摂取させた。

2.モデルの作成及び被験液投与方法

今回の透析モデルは両腎摘出ラットを用いた。

一夜絶食したラットは、ペントバルビタール麻酔下(35mg/k9,i、p、)に左右の腎動静 脈及び尿道を結紮した後、摘出した。両腎摘出後、ラットに2種類のカテーテル、1つは PD用カテーテル、もう1つは輸液投与用カテーテルを留置した。PD用カテーテルとして2 本のポリエチレンカテーテル(Intramedicpolyethylenetubing,C1ayAdams,Parsippany,

NJ,USA)を腹腔の左右それぞれに留置した。

輸液用のシリコンカテーテルはSteigerらの方法に従って、内頚静脈を経て、上大静脈に 留置した。2種類3本全てのカテーテルはラットに設置したプロテクトコイルにより保護し た。カテーテルとコイルはケージ中の動物の動きを制約せずに輸液投与するためにシーベ ルに接続した。

3.被験液と実験群

ラットは一夜絶食後、4群に体重を指標に群分けを行った。手術後1日間、全てのラッ トに5%glucoseを0.5mL/hrの速度で投与した。その後、5%グルコース液(AA-freegroup)、

l/20AA液(l/20AAgroup)、l/5AA液(1/5AAgroup)又はAA液(AAgroup)を2日目か

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ら最終日まで0.5mL/hrの速度で投与した。使用したアミノ酸組成を表3-1-1に示した。

4.実験プロトコール

実験方法を図3-1-1に示した。また、PDとTPNの模式図を図3-1-2に示した。

本試験は絶食下にアミノ酸あるいは5%グルコースを投与した。投与窒素量は栄養評価 のため厳密に管理した。ラットは試験期間中1日6時間PDを実施した。

腹膜透析液として、市販のELレフラック1(RousselMorishitaCo.,Ltd,Osaka,

Japan)を用い、その組成を表3-1-2に示した。群分け後、Normal群は標準食(MF)とし、

水を自由摂取させた。

連続透析(consecutivedialysis)は両腎摘出ラットの生命維持に必要な処置であること を確認した。透析液は試験期間毎日6時間、40,1/hの速度で注入し、継続的に投与と同 じ速度でペリスターポンプで除去し、その量を計測した。透析の手順は以下のとおりとし た。透析開始時、透析液は15分間投与のみ実施し、その後投与と排除を同調的に実施し、

1日の透析終了時には投与後、可能な限り透析液の腹腔内からの排除を行った。よって、

透析実施中は約lOmlの透析液が常に腹腔内に保持されている状況となる。

試験終了日にペントバノレビタール麻酔下(35mg/kg、i、p、)、腹大動脈より採血後安楽死 させた。血液は、ヘパリン処理後常法に従って血漿を得た。得られた血漿は血液生化学検 査及び血漿中遊離アミノ酸分析のサンプルに供した。

TPN管理期間中、ラットの状況確認を毎日実施すると共に、毎日PDの開始前と終了時に 尾静脈より採血を行った。また、Normal群に対しては試験期間中毎日、尿量の測定と採尿、

摂餌量及び糞採取も行った。

5.測定項目及び測定方法

血漿及び透析廃液中の生化学的検査

血漿中尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cre)濃度は、透析実施の前後に尾静脈より採取し たサンプルにて計測した。透析により排出されたUNとCreは、毎日の透析廃液サンプルよ り計測した。解剖時の血漿サンプルにて、カルシウム(Ca)、リン(IP)、総蛋白(TP)、アル ブミン(Alb)及びアミノ酸濃度を測定した。生化学検査は日立自動分析装置7150-Eを用い て測定した。測定法は表2-1-2に示した。

血漿及び透析廃液中の遊離アミノ酸濃度は、血漿サンプルを10%スルホサルチル酸で除蛋 白し、その上晴を凍結乾燥後、クエン酸リチウム緩衝液(pH2.2)に溶解した後、アミノ酸自 動分析装置JLC-300(リチウム法、日本電子)にて測定した。

透析廃液中の窒素分析

透析廃液中の総窒素排泄量はPreglDumas法(MT-1600,YanagimotoMfg、CO.,Ltd.,

Kyoto,Japan)にて測定した。

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6.統計処理

各種の測定値は平均値±標準誤差で示した。

各群間の統計処理は、Bartlett検定により等分散分析を実施し、等分散であれば、

Scheffeの多重検定を、不等分散であれば順位変換実施後Scheffeの順位和検定を実施し た。

結果

透析による血漿中CreとBUNの変化

血漿中の経時的BUNとCre濃度の変化を図3-1-3に示した。BUNとCre変化は類似し、腎摘出 により著しく高まったBUNとCreが透析により除去されていることが示されている。Cre値 は各群間に差は認められなかった。2日目と3日目のBUNは投与窒素量に依存した高まりを示

し、AA群はAA-free群や1/2OAA群に比較して著しく高い値を示した。

血液生化学

透析3日目の血液生化学検査結果を表3-1-3に示した。各透析実施群のTRAlbとCaは Normal群に比して低値であった。対照的にIPはNormal群より高値を示した。輸液による投

与アミノ酸濃度の違いによる用量反応はなかった。

窒素出納

試験期間中の窒素出納を表3-1-4に示した。全ての群で負の窒素出納を示した。AA群は、

238.71mgのアミノ酸態窒素を投与したが、AA-free群と比較し窒素排泄量の差は111.69mg であり、窒素出納が改善した。透析廃液への窒素喪失量は投与した窒素量と相関がなかっ た。

血漿中及び透析廃液中遊離アミノ酸

血漿中遊離アミノ酸濃度を図3-1-4に示した。Normal群の平均±2S.Dの値を健常域と して示した。

AA-free群では、PheとHisの高まりとThr、Val、Leu、Trp、Ile、Glu、Ala、Gly、Ser、

Pro、Arg、G1、とAspの低下が観察された。それに対して、アミノ酸投与群では、Val、Leu とIleの投与アミノ酸量に依存した高まりが観察された。他方、Lys、Thr、G1、、G1yとTry はアミノ酸投与により減少した。一般的な傾向として、透析ラットでは、多くのNEAA濃度

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}まアミノ酸投与により不都合な高まりはなかった。

最終透析終了後の透析廃液中のアミノ酸パターンは血漿中アミノ酸パターンに類似して いた(図3-1-5)。透析廃液中の総アミノ酸窒素量は、それぞれのアミノ酸濃度を合算して求 めた。AA-free、l/20AA、1/5AA及びAAの各群の透析廃液中のアミノ酸窒素量は、それぞれ 5.23±1.03,4.24±1.11,4.77±0.42,4.91±093mgで、群間の差は認められず、

透析廃液中のアミノ酸態窒素量はアミノ酸投与による影響を受けなかった。

考察

PDを実施しているCRF患者の栄養不良は広く報告され'’2)、摂食量の低下に加えて栄養 学的、代謝的な問題によることが示唆されている],2,3)。この栄養不良は多くの因子が影響

し、背景因子を統一した実験動物モデルを使った研究が有用である。これまで幾つかの研 究で動物によるpDモデルが報告されている6,7)が、これらの多くは透析アセスメントのた めに開発されたものであり、栄養効果の検討に適したモデルの報告はない。そこで、アミ ノ酸輸液を含む栄養学的な療法の評価が可能な持続的なPDモデルの開発を試みた。

臨床的には、腹膜透析液の注入と排出はCAPD(chronicambulatoryperitoneal

dialysis)のように問歌的に行っている。予備実験により、ラットでの試験において透析液 交換を間獣的に行った場合、カテーテルに腸間膜や精巣上体脂肪が癒着することで、透析 液の排出が困難になることがわかった。そこで、透析液の注入速度と排泄速度を調整し、

腹腔内に-定量の透析液を維持することを試みた。この方法はこれらの問題点を解決し、

透析の継続的実施を可能とした。今回の結果では、透析を実施しない期間に高まった血漿 中CreとBUN濃度が6時間の透析により著しく減少し、更に試験期間を通じてそのパター ンを繰り返し、持続的な生命維持の可能性を示唆した。

試験期間中、生理状態に近づけるため、非麻酔下、非束縛下で実施した。さらに、透析 液はペリスターポンプにより注入と排出を管理することで一度に多くのラットを用いた試 験を同一条件で実施することができた。このモデルラットを用いて、PD下の栄養状態とア

ミノ酸補給効果を検討した。

試験期間は3日間と短期であったが、栄養指標である血漿中TRAlb値は全ての透析実 施群でNormal群に比較して60%かそれ以上低下した。この栄養不良は、摂餌量の低下、透 析による栄養素の喪失、異化代謝、腎不全によるアミノ酸とタンパク質代謝の変化、そし て腎臓の代謝機能の喪失によってもたらされる。透析廃液中へのアミノ酸の漏出と血漿中

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