, by Thomas Locker. New York: Harcourt, Inc., 2001.
「大自然が踊る」というテーマの第三弾で、前二作の構成を踏襲している。テキストは三人称 の視点から書かれおり、様々な偉大な山々の姿を映し出している。巻末に載せられたクリスチ ャンセン、および地理学者ドナルド・フィッシャー(Donald Fisher)による科学的説明に助け られ、それらの山々がどのように作られたか、また変化していくかを読者は知る。アメリカ合 衆国内のよく知られた山々が例として挙げられており、地学、地理のテキストとしても読める、 面白い趣向の絵本である。短い時間で変化する水とは異なり、山々が何万年かけてダンスを踊 っていると捉えられているところがユニークである。最後の見開きでは、たくさんの星がきら めく群青色の空を背景にした山々の姿を描き、“Beneath the stars, / mountains dance their slow dance / that goes on and on / in the endless beauty of the universe.” というテキストが配され ている。読者を悠久の彼方へと誘い、宇宙の神秘を感じさせる。