トップPDF リキャスト −その特徴と第二言語教育における役割− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

リキャスト −その特徴と第二言語教育における役割− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

リキャスト −その特徴と第二言語教育における役割− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

  (1993)の研究では、4種類のフィードバックが、与格文型の動詞の学習にお いて、文法指導の効果を発揮するか比較する実験を行った。対象となったフィードバックは、 誤りがあったとき( )誤りと伝え、何が間違っているのか簡単な説明をする、( )誤りがあ るとだけ伝える、( )誤りを正しい表現に修正する(リキャスト)、( )「それで正しいと思う か?」と[r]

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あやまちの悲劇 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

あやまちの悲劇 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 オールからしたたる水、近く海岸船から聞こえる音にさえぎられる他は、しばら くこの沈黙は続いた。バーニャー夫人はボートを漕ぐ男横顔をまじまじ眺めていた。彼は 三五歳くらいで、意志が強く残酷で不機嫌な顔つきをしていた。これら表情は退屈で単調な 彼仕事によって多分誇張されていた。彼目には、仕事に追われているときに目に現れるあ る種下品なひらめきがなかった。彼顔つきは彼女をボートに乗せているとき方が良かっ た。つまり、悪意を持った顔つき方が無知な顔よりも良いというようなことがあり得るなら ばということだが。私たちは笑顔ことを顔色が「明るく」なる言う。事実、その一瞬表 情ひらめきが暗い部屋ろうそく役目をするである。そしてそれは、私たち薄暗 い内張りに一条光を注ぐである。一般に、貧しい男顔つきは表情に乏しいものである。 宿命が表情変化を一つに制限、あるいは多分、表情を一つに制限された階級に多く人間が いるだ。ああ、彼ら表情!何も表現しないか貧困だけを表す顔。彼ら休息は何意味も 持たず、彼ら行為は罪を犯すことであり、最悪場合は何も知ることなく、最善場合でも ただ不名誉をもたらすだけ顔だ!
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English in Context: A Teaching Note 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

English in Context: A Teaching Note 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 本論文では、日本語による重要表現解説を伴う良質教科書が手に入り、現代アメリカ 英語による若者生活を描いた映画Good Will Hunting(邦題『グッドウィルハンティング/ 旅立ち』シナリオを利用し、場面・文脈中で英語表現意味合いを学習させる教育実践 について、学習者からレポートも引用しながら、その効用限界について論じる。とりわ け、この映画で多用されるスラング(profanity)字面解釈にとどまらない間接的表現が 伝えるメッセージ重要性に注目し、それぞれ表現を、それが用いられる様々な社会的コ ンテクストに結びつけて教育を行なうこと意義について論じる。
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The Liaison of English Part One 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

The Liaison of English Part One 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 では、拙稿は、十年余りに様々な教室で応用しながら、著者が徐々に改善してきたつもり 、連声中心教材一部を提示する。内容は、連声必要性から、英語連声根底に 働く音素的事実発見を通過してから、英語連声を決める法則直接発見・言語的表示を 催促する学習課題提示を済ませた後、それぞれ法則詳細を解き明かせておけば、当該 法則能動的応用課題を列挙する。
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河合忠仁教授を偲んで 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

河合忠仁教授を偲んで 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 1998年後期より、私が和歌山大学に移ることになり、河合先生に話したところ、自分も近 大をやめて他大学に移りたい言われたを思い出す。私方は、 8 月割愛がうまく行か ず、半年転出が遅れた。その間に、河合先生も関西大学に移ることが決まり、19年間勤めた近 畿大学を一緒にやめることになった。河合先生は関西大学へ移られてから、精力的に研究を本 にまとめて出版したり、大学用テキストを何冊も書かれた。英語コミュニケーション学会 関西支部長から、副会長にもなられ、本当に、充実した研究生活を送っていた思われる。  しかし、運命いたずらであろうか、その後、癌で入院されることになったである。見舞 いに行った時に、「癌が転移しているかもしれない」悲壮な表情で我々に語られたは今で も忘れられない。あれは、自分将来計画が台無しになるかもしれないという絶望感現れだ った思われる。というのも、河合先生は何事においても、きちんと計画を立て、こつこつ 地道に実行して行く人だからである。つまり、あの時には既に自分これから人生を計画し ていた思われるからである。それは、授業準備をみれば明らかである。河合先生は、私 違い、授業準備を完璧に行わない気がすまなかった。時には、異常思われるほど、きち んするである。授業時間何倍も時間をかけて準備をしていることも何度かあった。ま た、近畿大学時代は、いつもお会いするたびに、河合先生は自分将来計画を語られてい た。将来、こういう本を出版したいとか、こういう研究をしたいとか語られていた。それを考 える、河合先生悲壮な気持ちが手に取るようにわかる気がする。
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The Liaison of English Part Two 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

The Liaison of English Part Two 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

A. Stephen Gibbs アントニー・スティーヴン・ギブズ  外国としてフランス語に対する伝来教授法をさておかせてもらえば、日本で行われ てきている外国教育におけるliaison [連声] に対する注目度が未だに極めて低くいままで ある。英語実際発声方法に頻繁に見られる連声があまりに無視されてきているゆえに、 いわゆる「カタカナ英語」という、英語らしくない発音様式が、日本で中等英語教育を音 声面では、逆効果をもたらせてきている。
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言語遊戯を活用した教授学習の方案—外国語として朝鮮語教育を中心に— 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

言語遊戯を活用した教授学習の方案—外国語として朝鮮語教育を中心に— 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

今村久二 編著(2007.2),『文を書きたくなることば遊び』東洋館出版社 泉宣広 編著(2007.2),『遊んで学ぶ授業シリーズ①ことば遊んで漢字力をつける』東洋館出版社 大越和孝 編著(2007.2),『声を出して楽しむことば遊び』東洋館出版社 小池清治 編(1997),『日本語学キーワド事典』朝倉書店 小宮春吉(1999.2),『七文字回文ゆかい文事典』東京堂出版 小林祥次郎(2005.8),『日本ことば遊び』勉誠出版

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ある問題 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ある問題 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 「聞かなきゃいけないよ。今までこの話をしたことなかったは単に忘れてしまっていたか らなんだ。すっかり忘れていたよ。でも、君話を聞いて思い出したんだ。僕も一度運勢を見 てもらったことがあるんだ。インディアン女でもなかったしジプシーでもなかった。たまたま いた女性一人だった。名前は忘れてしまったよ。まだ十歳になる前だった思う。何か パーティーで彼女は人運勢を占っていたんだ。カードを持っていた。贈り物してもらった ふりをしていたけどね。僕は何をしゃべっていたか忘れたけど、あのくらい年頃男によ くあるように、結婚生活をからかっていた思う。一人女性が僕をその女性に紹介した んだ。ぜったい結婚しないって言っている男性がいますってね。本当かしら?その女性はカー ドを見て、まったく事実違っている、僕は度結婚するって言ったんだ。その場にいた人た ちがいっせいに笑って僕は恥をかいたんだよ。『三度結婚するって言ったらどうだい?』僕 が言う、『カードには二度と出ていますわ』その女性は答えたよ。」デイヴィッドはソファ から立ち上がって妻前に立った。「不思議だ思わないかい?」デイヴィッドは言った。  「ええ、不思議ですわ。あなたはそのことを何か不思議なこと以上ことだ考えていらっ しゃるようですけど。」
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HolesとWhirligigを読む:「味わって読むコース」教育実践レポート 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

HolesとWhirligigを読む:「味わって読むコース」教育実践レポート 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3− 2 秋学期 3− 2− 1 教 材  秋学期は、            を使用しました。この作品を選んだ理由はいくつか あります。秋学期に読んでみたい本について、それぞれクラス数名学生に前もって尋ね たところ、   はストーリー展開はおもしろかったが、ミドル・スクールに通う少年を主 人公する話であるため内容に深みが欠ける、あるいは、こどもが主人公でないものを読みた い、という意見などが聴かれました。こういう意見は、毎年どのクラスにおいても聞こえるも です。たしかに、自分年齢近い人物が主人公であるストーリー場合、内容的に同化し やすいところがあります。そのため、秋学期は、ヤングアダルト作品中から、学生たちにで きるだけ年齢近いものとして、高校生を主人公するものを選ぶことにしました。また、文 難易度についてもより挑戦的で、テーマに関しても読者にいろいろなことを考えるきっかけ を与えるものとして、     に決定しました。
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複合環境における第二言語不安 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

複合環境における第二言語不安 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

られるようになった。 1 . 1外国不安  Horwitz et al. (1986) は、外国学習において「不安」は口頭コミュニケーション能力習 得を阻害し、それは特に教室活動における外国学習に特有な「外国不安」であるし、 3 種類言語不安として「コミュニケーション不安」「テスト不安」「否定的評価に対する不安」 という構成概念を提示した。これら概念と共に学習スキルセンター臨床報告、学習者や教 師経験などを参考に33項目から成る「外国教室不安尺度(Foreign Language Classroom Anxiety Scale)」(以下、FLCASする)を開発したが、米国大学スペイン学習者75名 を対象に行った調査では、外国学習不安存在それ口頭コミュニケーション活動関 係を実証している。1980年代以降、ほとんど研究が、外国不安習得度間には負相 関(Young, 1986; Aida, 1994)があることを報告している。また言語能力自己評価言語不 安間にも負相関があることが確認されている(MacIntyre, Horwitz, & Cope 1997)。不 安が負影響をもたらすという認識下に、習得、記憶保持、そして産出へ妨害作用 (MacIntyre & Gardner, 1991, p.86) や、言語情報入力、処理、出力へ妨害や言語習得に必
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フランス語動詞事象の意味分類に関する考察 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語動詞事象の意味分類に関する考察 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

฀ 動詞意味はこれまでに様々な方法論で分析されてきた。J.฀François฀et฀L.฀Gosselin฀(1991) によれば、主として動詞事象を状態出来事に大別して分析する方法、この二つに事象にお ける行為項関係を交えて分析する方法に分けられるという 3 ) 。前者方法論を用いた研究 代表は Z.฀Vendler฀(1967)であり、後者については W.฀Chafe฀(1970) 4) があげられる。Vendler 研究は英語動詞分類を試みたものであるが、動詞を状態、活動、完了、瞬間4つに分け るその方法は現在ではフランス語動詞分類にも広く用いられている。しかし、分類枠知名 度に比べる彼が分析に用いた方法論そのものは以外に知られていないように思われる。本稿 は Vendler 動詞意味分類を紹介し、その後研究によってその方法論がどのように再検討 され、フランス語動詞事象意味分析が発展してきたかを考察するものである。
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中国語教育における習得語彙の広さと深さ 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中国語教育における習得語彙の広さと深さ 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

汉外词汇教学的新视角 如 所述,HSK 词汇大 是汉外教学方面的 家根据词语使用频率调查 语言的 使用情 况筛选出的 个词语的集合 , 并按照经验 的难易度分级 音序的方式展示给教学 方 无疑 在着 个词语选择的适 性的问题,而更 要的是 词 词之间的意 关系没有得到揭示 怎样 所有的学 者准备 个多功能性的词汇大 ?笔者的所谓多功能性是指, 1 基础阶 段直接词汇学 的教材 2 中高级阶段的间接词汇学 词汇量扩展 的教材 3 非母语学 者写 准备的修辞词 个词汇大 应 按照 的 骤编制
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授業の改善に向けて −グループ・ワークによるリーディング指導− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

授業の改善に向けて −グループ・ワークによるリーディング指導− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

表5 グループ間競い合いについて ⑸ グループ間競い合いは 男 女 計 % ア)よい 42 26 68 72.3 イ)よくない 5 1 6 6.4 ウ)どちらも言えない 10 10 20 21.3 学習にあたって適度に競い合わせるは、学習意欲を高めるのに効果的である。個人違っ てグループ間競い合いということで、学習者もゲーム感覚で楽しんでいる。成績トップグルー プが発表された瞬間、ワッ歓声が上がる。呼名されたグループ・メンバー顔に一仕事をや り遂げたという充実感が読み取れる。一斉授業では味わえないこのようなプロセス体験が7割 を越す学習者に「グループ間競い合いはよい」判断をさせた推測される。競い合いを 否定する主な理由一つに、表3(ト)に見られる「採点公平性に欠けるから」が考えら れる。授業後、採点結果に不満声もときどき聞こえた。採点公平性をもっと高めることが できれば、競い合いを肯定する学習者がさらに増えるであろう。
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フランス語教師のための研修の必要性 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語教師のための研修の必要性 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

4  フランス語教師に必要な知識技術  実際にフランス語を教えるために必要な知識や技術をこの「教科教育法」だけで習得するこ は時間的制約からも不可能である。現状では、フランス語教員免許を取得した場合でも、教 師多くが現場に立ったときに適切なクラス運営訓練や教育を受けていない可能性が非常に 高い。また大学では、まったくフランス語教育関連授業を受けずに現場に立つ教師も少なか らず存在する。それぞれ現場で、状況に応じて各自工夫による独自教授法を開発してい るが実情であろう。このような日本教育現場で各教師が抱える問題を解決するために、自 ら技術改善方法や情報をどのように集めることができるだろうか。たとえば、教授法に関 する文献やインターネット上で提供される情報を集め、工夫手がかりする事も可能であ
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多言語平行コーパスのための「言語学的におもしろい100の文」 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

多言語平行コーパスのための「言語学的におもしろい100の文」 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

#027:この樹は葉が大きく花が小さい。 題目主語をもつ文。題目主語が[全体–部分]関係である。 1題目を共有して主 述構造が連鎖をなしている。[全体]を示す名詞句その[部分]を表す名詞句 結束性がどのように表示されているか(あるいは,表示されていないか)。

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異文化理解:言語からのアプローチ −「よろしく」に内包される曖昧さと依存性− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

異文化理解:言語からのアプローチ −「よろしく」に内包される曖昧さと依存性− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

隆盛を極め、世界の人々がお互いに歩調を合わせ、交流を深めて共存共栄を図ることが強く求 められる時代となったが、反面、地球上ではいまもって国家間あるいは民族間の紛争や摩擦が 絶えない。原因として、表面上は政治や経済上の諸問題がとやかく言われるが、深層に横たわ る歴史・地理的環境・文化・国民性(民族性)などにまで踏み込んでの原因究明がなされなけ れば、真の解決は得られないの[r]

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ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 スイス標準変種記述が量的にも質的に拡大するにつれて、これまでは標準ドイツから 逸脱考えられてきた言語形式を、標準一部認めようという気運が生まれた。それによ り以前は専門家を中心に議論されていたスイス標準変種が一般人々にも周知されつつある。 この流れは、単一中心地的言語観から複数中心地的言語観へ転換を促すものではあるが、ス イス人意識中にあるドイツ標準変種優位性を払拭するには至っていない。スイス人ばか りでなく、Hofer (2006: 131 f.)による、スイス在住ドイツ学習者も、一般にドイツ を単一中心地言語看做している。ドイツは、経済力、人口ともにスイス10倍以上規模を 持つばかりでなく、スイス違って実際に標準ドイツが日常会話でも使われていることから も、ドイツ変種が覇権的影響力を持ち続けているというが実情だろう。理念上は確かに多様 な変種が承認されつつあるが、これまで続いたドイツ変種優位性が簡単に揺らぐわけではな い。そんな中で、規範作成者はスイス標準変種独自性を確立すべく、方言標準境界線 上に位置する語彙までも記述対象にすることがある。例えば、Läubli (2006: 125)は、 „Tätschmeister “や„Butz“、„Päcklisuppe“などが変異形辞典に収録されているが、これら は本来なら方言に分類されるべきである指摘している。方言に区分されるはずを標準変 異形に「格上げ」することで標準変種を拡大する手法については、オーストリアでも行われた ように、さらなる言語学的研究によりその妥当性を検証しなければならないだろう。
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故河合忠仁教授を偲んで 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

故河合忠仁教授を偲んで 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 また河合先生は生涯を通じて多く大学用テキストを世に出された。私も若い時は人並みに 何点か出したが、あれほど報われない仕事はない。今は幾分状況が変わったが、昔は、教材作 成は研究業績にはいっさい入らなかった。「その他」扱いにすぎなかった。それにもかかわら ず河合先生は、黙々とテキスト作りに専念なさった。改めて今、先生教育者として真摯な 生き方に感動を覚えずにはいられない。

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諸沢 巖先生に心からの感謝をこめて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

諸沢 巖先生に心からの感謝をこめて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

タイプではなかったが、ご自分で納得できた論文を堅実に発表されてこられた。また19世紀ド イツ文学研究会にも参加され、学外研究も交流を深めておられた。  諸沢先生業績として特筆すべきは、1999年に共著として出版した『遠来客』(関西大学 出版部)である。これはドイツシュトゥットガルト大学デール教授を招聘し、本学で俳句 や連句会を開いたとき記録であるが、英文学、国文学先生方も交え、国際色豊かな会で あったうかがっている。このユニークな試みは、世にも認められ、英国ハイク協会「ササカ ワ賞次席」を受賞された。また最近は、比較文化研究観点からドイツ文学、国文学、法律 学、医学というそれぞれ領域専門家とともに異文化衝突受容諸相に関する共同研究を 行われ、その成果を『医学文学法律学間―森鴎外ドイツ留学明治期における異文化 受容―』(遊文舎)という大変興味深い編著書にまとめられている。さらに諸沢先生は人望 によって、関西大学独逸文学会会長に推され、学会運営や後進指導に尽力されたことも、 ここで述べておかねばならない。
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中島 巖先生に心からの感謝を込めて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中島 巖先生に心からの感謝を込めて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

界が広がる貴重な機会なった。現在そのひとりは、ドイツシュタイナー学校外国教員 養成専門課程で、数少ないアジア系学生一人として健闘している。  先生は終戦間近、小学校4年生でお父様を亡くされ、その後お母様生活で大変な苦 学をされたそうである。新制中学義務教育を終える本来就職すべきところ、担任先生 勧めもあり県児童福祉奨学生として昼間働きながら夜間高校に学ぶことになる。しかし体調 を壊され、昼間高校に編入し卒業された。そこで就職する予定であったが、その強い勉学 意志に対してご親族から教員になることを勧められ、日本育英会特別奨学生として神戸大 学・教育学部に進学された。学部生時代片道3時間列車通学をされ、さらにその際、学資を 得るため家庭教師も続けられたそうだ。大学卒業に際し再び予想外進路が開ける。指導教授 強い勧めで大阪大学大学院へ進学され、再び日本育英会奨学生なられた。またお母様に も「神戸友家」(羽仁もと子愛読者会会館)に管理人として住み込む機会が訪れた。そ して大学院修了後は研究者として道を進まれることになる。その間、マルガレーテ・澤田 氏、故前田嘉明教授、故森昭教授出会いから専門領域でドイツやドイツ世界へ入ら れ、やがて学際的な言語教育研究契機もなるテオ・ヘルマン教授出会い、共同研究を始 められることになる。因みに、ヘルマン教授もミュンヘンゲーテ・インスティトゥート本部 で教授法国際セミナーに、故ハンス・エブリ教授とともに講師として参加されている。  先生は、関西大学では学生部長を初め多く要職を勤められたが、そのドイツ語力が最も 発揮されたは1999年4月より2年間国際交流センター長時代ではなかったか思われる。 時石川学長下、同年7月にはゲッティンゲン大学交流基本協定が締結された。今から考 える信じられない速さである。そして翌年、学生交流協定署名に漕ぎ着けられ、同大学外国としてドイツ」部門責任者連絡をとって、交渉結果、8月からサマーコース で本学学生用に20名枠が準備されることになった。そして2004年夏までに延べ100名関大生 が、毎夏ゲッティンゲンで熱心にドイツを学んできた。同年修了式典では、両大学交流 に尽力された功績が称えられ、先生へ感謝記念メダル贈呈式が行われたほどである。ドイ ツのみならずヨーロッパでも名門ゲッティンゲン大学では異例ことであり、学生交流を含 めた信頼関係構築に尽くされた先生ご努力に対する高い評価が窺われる。
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