トップPDF ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

力が定着していなければならない。  「話す」行為について、B 1 になって新しく求められていることは、思いつくままに話す ではなく、物事を相互に関連付け、全体として脈絡通った話をすることができる能力であ る。自分体験や夢や希望を語ることができ、その理由を説明でき、現実に起こった出来事や 想像上出来事を語り、自分読んだ本や見た映画あら筋を順序だてて述べることができ、 物語を語ることもできる。特に、A段階では求められなかった、相手と議論する能力も身につ けている。「書く」行為については、筋通ったテクストを書くことができるようになってお り、A段階ではできなかった短いエッセーや報告書を書くこともできるようになっている。  そのため方略として、正確なが出てこなくても他言葉で言い換えたり、「母国をフランス語風に発音したり綴ってみたり」franciser un mot de sa langue maternelle (p.54)、 会話が途切れても自分ほうから話を再開することができる。また、相手に自分フランス語 を直してもらうことができ、場合に応じてはこちらが会話主導権を握ることもできるように なっている。
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ヨーロッパ共通参照枠とフランス語教育—レベル設定・自己評価表・行動主義— 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ヨーロッパ共通参照枠とフランス語教育—レベル設定・自己評価表・行動主義— 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ぎないのである。 Dans฀la฀perspective฀retenue,฀stratégies฀de฀communication฀et฀stratégies฀d’apprentissage฀ne฀sont฀ donc฀que฀des฀stratégies฀parmi฀d’autres,฀tout฀comme฀tâches฀communicationnlles฀et฀tâches฀d’ apprentissage฀ne฀sont฀que฀des฀tâches฀parmi฀d’autres.฀ (CECR,฀p.19)  ところで、先にも述べたように、外国学習者は、教室から一歩外に出れば、「社会的に行 動する者」である。しばしば学生が外国授業に無関心であり、学習意欲に欠けるように見え るは、「日本でフランス語を学んでも、使う場所が無い」「教室は、自分たち日常生活とは かけはなれた異空間である」と考えて、その社会的実用性を実感できないからかもしれない。
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日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

5 .ヨーロッパ共通参照(CEFR)について  ここで、 をはじめとする CEPE で用いられている教科書、およびスペインで出版さ れた教科書大半が基礎としている、ヨーロッパ共通参照について触れておきたい。  ヨーロッパ共同体(EU)諸国では現在、複言語主義をとっている。その背景には多文化、多 言語というヨーロッパ独自土壌がある。複言語主義は、EU 諸国が経済的、政治的統合を目 指すなか、言語ひいては文化までが画一化して地域が備える多様性を失わないように制定され た理念である。EU 諸国ではこの複言語主義にのっとった、外国教育が推進されている。  「エラスムス計画」導入もその一例である。これは EU 加盟国間各種人材養成と科学・ 技術分野における人物交流を促進するもので、大学間交流協定等による共同教育プログラム (ICPs:Inter-University Co-operation Programmes)を積み重ねることで「ヨーロッパ大学間 ネットワーク」(European University Network)を構築し、EU 加盟国間学生流動を高めよ うする留学制度である。この事業を通じて EU 経済力と結束強化を達成するため、以下
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移入史初期の『ドン・キホーテ』をめぐって 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

移入史初期の『ドン・キホーテ』をめぐって 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

アマディス物語は、かつて台湾一角で読まれたに違いない。(中略)当時エスパニア文学 は、国運隆盛相まって、もっとも重んじられ、全欧各国を風靡していたから、どんなに実利 功利に眼が眩んでいたとはいえ、冒険家、植民者頭領格中には、当代第一流教養を受け たものが少なくなかったしするから、あるいは有名な伝フェルナンド・デ・ローハス『セレ スティナ』や、ローペ・デ・ベーガコメディアス、カルデロン・デ・ラ・バルカアウトス なども舶載されて来て、あるいは淡水河口で、あるいは鶏龍砲塁で、明月に対しながら、 朗唱・微吟されたかもしれぬ。それにまた当時は、ゴンゴラ一派神祕的な「幽玄体」が一代 を風靡していたことから推していくと、あるいはこの絶東一孤島にもゴンゴリスモ佶屈体 をつくる小詩人がいたかもしれぬ。まして珠玉小曲を残したロペス・デ・メンドーサ、艶麗 な名作多いガルシラーソ・デ・ラ・ベーガなど、前代詩匠作品は当然読まれた」(同: 113)、とスペイン文学作品や人名を挙げている。そこには『ドン・キホーテ』も含まれよう。 日本では1624年にスペインが来航禁止、1639年にポルトガルが来航禁止、その後オランダと 貿易のみとなるが、日本にも伝わっていたであろうか。ちなみに島田は「『ドン・キホーテ』 は、あれほど傑作でありながら(中略)結局、オランダ人」(同)好みではなかったと書い ている。
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プロジェクト授業の実践と課題 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

プロジェクト授業の実践と課題 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 ナレーションテキストは自作でも引用でも良い旨を伝達していたが、すべてを引用に頼っ たグループは 1 グループにとどまり、 7 グループがオリジナルテキストか引用を一部分に限定 したものを作成してきた(資料 1 参照)。動画作成素材(画像や映像など)はインターネットで 収集したものを用いており、BGM にクリスマス関係音楽を使用しているグループが大半であ った。これは事前に視聴したデモ動画形式が影響していると考えられる。しかしクリスマス・ マーケット紹介内容に関しては各グループ独自性にあふれており、お菓子に注目したグル ープ、クリスマス・マーケット歴史に触れたグループなど多種多様であった。またナレーショ ンも会話形式を採用したグループもみられ、随所に工夫が凝らされたものとなった。
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≪アンケート≫による授業(実践報告) 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

≪アンケート≫による授業(実践報告) 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 2001年試みは E-mail 交換を別形にすることを考えさせた。通常授業中で得た文法・ 語彙知識応用的な面を考え、表現型や例文を示しながら説明しようとしたが、数回レ ッスンでは学生文章を添削するだけで精一杯であり、学生作文力を伸ばす機会になったと いう実感は持てなかった。しかし、1年間フランス語基礎を学んだ後で、それと実際にコミ ュニケーションに使ったという満足感を得た学生は多く、何らかの形で続けようと思った。  フランス側学生 E-mail は日本語とフランス語と英語を自由に交えて自然に書かれてお り、当然教師チェックは入っていない。「日本語」は多く誤りを含んでいるが、他言語 を補足的に使うことで、理解は可能である。
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英語公用語論に関する一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

英語公用語論に関する一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

1 )朝日新聞コラムニスト。著書に、「内部」「通貨烈烈」「アジア太平洋フュージョン」他がある。 2 )船橋洋一著「あえて英語公用論」(文藝春秋、2000年)11頁 3 )西垣通教授ような言説も参考になる。 「国家が、ある言語を新たに公用として認めるとはいかなることだろうか?それは通常、国内に 複数民族や言語共同体が存在する時、住民権利保護や行政便益向上ため、官公署における その言語使用を法律で認めることである。(例えばスイス公用はドイツ、フランス語、イタ リア)」中公新書ラクレ編集部+鈴木義里編「論争・英語が公用になる日」(中公新書ラクレ、 2002年)262頁
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レクサイル指標の位置づけと計測方法 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

レクサイル指標の位置づけと計測方法 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 「学年別」ではない指標場合にも、その使用方法を工夫すれば妥当性と信頼性を高めること ができる可能性がある。これら指標代表は先にも述べたワード2010にも標準搭載されてい るフレッシュ・リーディング・イーズ(FRE、Flesch Reading Ease)だ。FRE は連邦政府に も採用されており、米軍新兵たちが読む文書に適用され軍通達がより正確に行き届くため 一助として使われている。米軍新兵たちが読む軍レポートでは、18歳前後若者が読む 軍服務規定や初歩テクニカル・レポートが中心であり、その文書を作成する書き手につい ても軍で経験がある程度あり、軍用語や表現形式にも習熟していることが予想される。詩 的でレトリカルな表現などはまったく必要がないことは言うまでもない。このような例では、 ⑴ 文書一文平均単語数、つまり長い文が多ければ多いほど読みづらさは増し、⑵ 音節数が 多い単語が多ければ多いほど文書は読みづらくなるだろう、と推測することは意味があると考 えてよいだろう。実際、FRE では、この二つ要因を説明変数とし、多く英文から⑴と⑵を 計測して、読みやすさを 0 ∼100数値として示している。100に近いほど読みやすいものとな るように係数と定数をあてはめてリグレッション・モデルを構築することにより数値化を行っ ている。
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日韓における謝罪の「定型表現」の使用について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日韓における謝罪の「定型表現」の使用について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 期待に添えないことで聞き手に心理的な迷惑をかける恐れがあるものや依頼で聞き手に負担 をかける恐れがあるものは、謝罪「定型表現」が向けられる off ense 存在が比較的に明確で あると言えるが、エチケット違反や挨拶では off ense がほとんど存在しない場合もある。  では、このような状況を韓国と比較した場合、両言語にどのような相違が見られるだろう か。生越(1993)では日本語と韓国謝罪について「悪いことを相手にしてしまったり、迷 惑をかけたり、勘違い、人を借りたり、人に何かを依頼したり、人期待にそえなかった り、こういった場面で謝罪するは日韓共通である」(p.34)と述べ、問題になるは「呼びか け」「挨拶」「感謝」と分析している。
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交流授業 ― ドイツ語とロシア語― 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

交流授業 ― ドイツ語とロシア語― 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

8 - 2 .教師側から  学生がドイツ、ロシアを互いに教え合う姿から、教師は、自身がどのような授業を展開 してきたかを知ることになった。  たとえば、ロシア学生がアルファベットを紹介するのに、А, Б, В, Г, Д …とアルフ ァベット順で文字名称を紹介するではなく、文字音価を発音し、「自分名前を書いて みましょう」と日本語五十音順で「あいうえお」をキリル文字で書いたものを配布したり、 単語を覚えるのにことば遊びを活用してきた授業形をそのままに再現する。まさに、教師自 身がどのような授業を行なってきたかを目前で見せられる形となった。ドイツ場合も文 を読んだり発音したりする場面でとても自信なさそうなを見せられ、発音課題を再認識し た。
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カルデロンの翻訳から見る鷗外の翻訳論 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

カルデロンの翻訳から見る鷗外の翻訳論 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 ところで演劇改良運動目的は、取り敢えずは新劇場建設と脚本改良にあった。しかし これはあまり活動しないままに、後身として明治21年(1888) 7 月、日本演芸矯風会が作られ、 翌年 9 月には日本演劇協会と改称された。これ等運動は、結果的には西洋風劇場を建設 することだけが先行してしまって、実を挙げることができなかった。しかし「脚本改良」と いう点からみれば、「明治二十二年当時状況は、言い換へれば遅れてそこに参加した鷗外にも 尚十分の活躍余地を残しておいてくれた、と見ることができるものであつた。鷗外は演劇改 良運動に対する己寄與を、差当つては翻訳を通じて新しい脚本提供と、雑誌『柵草紙』 紙上で演劇論発表といふ形を以て果していった。演劇改良枢軸となるべきは脚本改良 であり、即ち優秀なる戲曲を制作してこれを演劇界に提供することである、というが彼持 論であり、また事実機会ある毎に彼提唱した」(小堀:259-260)ことであった。だから鷗外 先ず出来得た事は、上演を目的とする革新的な改良脚本作成にあった。そこで思い付いた が、カルデロン『サラメア村長』である。ドレスデンで反応、留学中に観劇した カルデロン戲曲、鷗外は、「ギョオテ嘗て以爲らく。カルデロン戲曲は其舞臺に宜きことシ エクスピイヤ戲曲上に出づ」(「再び劇を論じて世評家に答ふ」:47)とし、カルデロン 方がシェークスピアより、日本舞台にあっていると考えた。またカルデロンは、1760年代ド イツで演劇改良を行ったレッシングが絶讃し独訳しようとして果せなかった作家であってみれ ば、日本でその運動に身を置こうとする鷗外にとって、『サラメア村長』は改良脚本としてま たと無い作品であった。鷗外は「新たに編輯する演藝文書等は、最も優美なるを要すと雖、漫 りに歴史、文法、事實に抱泥して、我演藝を無味境に陥らしむべからず(中略)作者目中 には現代看客あるべきこと」(演劇場裏詩人:110-111)を旨とし、「独 ど い つ 逸巨 ギョーテ 垤、英 い ぎ り す 吉利
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学生が効果的に感じる英語発音トレーニングの実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

学生が効果的に感じる英語発音トレーニングの実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

(2) 副次的効果  発音トレーニングでは,副次的効果が見られた。クラスサイズが比較的大きく,また授業が リーディングであるため, 4 月開講から数回は学生同士交流ができなかった。教室構造 や,授業進行上,筆者も学生と距離を置くような形になり,教室内に張りつめた空気が感じ られた。学生表情は険しく,重苦しい雰囲気中,受け身で授業に参加しているという様子 である。しかしながら,グループで発音トレーニングを行ったことで,学生同士が交流を行い, 授業で笑顔が見られるようになった。さらに,筆者が毎回教室を回って学生構えを確認 したり,助言を与えたりしたことで,教師と学生交流も行われ,互い心理的距離が縮まっ たように感じられた。クイズ発表では自分について出題したため,クラスメートことを知る ことができたという意見も複数聞かれた。結果として,発音トレーニングがクラス作りきっ かけとなり,それ以降セメスター終了時まで,毎週明るく和やかな雰囲気で授業を行うことが できた。
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人種偏見のメカニズム 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

人種偏見のメカニズム 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

pologist t Work: 1965: 356 382)を翻訳したものである。  「連帯感」は日付ない原稿であるが、1942 年頃書かれたものであろう。「戦後人種差別」 は未発表原稿で、1947 年頃書かれたものである。最後「戦争自然史」は未出版原稿で あるが、1939 年にフランツ・ボアズと間で交わされた書簡からも明白であるように、1939 年 頃書かれた論文である。これら 4 篇論文は戦前、戦中、戦後とアメリカを取り巻く状況が大 きく変化した時期に書かれたものである。このことから、戦争が及ぼしたベネディクト考え 方向や心情変化を読み解くことは興味深いことである。ベネディクトがこれら論文を執 筆してすでに半世紀以上経過した現在、人種差別に反対する意識は世界中で高まりを見せては いる。しかし、アメリカ合衆国のみならず、世界的にみても人種に対する偏見・差別はベネデ ィクトが執筆してした当時とさしたる変化は見られず、それどころか差別・偏見は複雑化し、 民族問題ともからみ、それらを解決する糸口はいまだ見出せずにいる。偏見・差別は過去問 題ではなく、いまも我々に突きつけられている大きな問題なである。ベネディクトが正面か ら向かい合って取り上げたこれら問題に対する科学的考察を今一度振り返って読み直すこと は、連綿と続いている偏見・差別もつ根深さを考えるめにも意味あることと考える。  ヨーロッパ人にとって戦争は 1939 年 9 月 1 日、ドイツによるポーランド攻撃で始まった。ア メリカ人にとって事実上戦争が始まるは、その後 2 年ほど経過してからことであった。何 に対して戦う価値があるか、そしてまた死ぬ価値があるか、また何を変えるために戦う か考えざるを得なくなっていった。ユダヤ人、黒人、またアジア人に影響を及ぼすかどうかも 含み、ベネディクトはさまざまな人種差別に反対するため活動も増やしていった。それはま た戦争によって基礎を危うくされている学問自由という原則を守るため、人前で話しをする ことが苦手であってもベネディクトはラジオ放送を通して話したりもした。「アメリカにおける 人種偏見」もそうした活動一つであった。
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外国語教育における「翻訳」の再考 ― メタ言語能力としての翻訳規範 ― 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

外国語教育における「翻訳」の再考 ― メタ言語能力としての翻訳規範 ― 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 . 5  意味重視へシフト  これまでアメリカ心理学は、「意味」という概念を排除してきた。行動主義で刺激に対する 反応とされた人感情や意味所在は、チョムスキー言語学では深層構造( Deep Structure ) ないし理論形式(LF = Logical Form)表示レベルとして設定されるが、それは(頭中に ある)用論上意味などを含めた意味解釈部へ「インターフェース」として出力される機 能のみを有し、実際言語使用を通して得られる「意味」をどのように解釈するかには関与 しない(Chomsky, 1985)。ここまでがチョムスキーいうところ言語能力(competence)で あり、実際言語運用能力( performance )とは区別された。たとえば、プレゼンテーション が上手か下手かは言語運用能力 performance 差によるものだろうが、上手なプレゼンも下手 なプレゼンも非文法的な文章が含まれるというようなエラー、すなわち言語能力 competence 差によるものではない。
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大学における翻訳教育の位置づけとその目標 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

大学における翻訳教育の位置づけとその目標 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

改訂モデル=翻訳二重プロセスモデル  図 2 に示したモデルは、いわゆる「直訳」(言語表層構造にのみフォーカスした記号変換的 な訳)について学生注意を喚起し、より深いテクスト分析と意味処理必要性を訴えるため には有効なモデルである。本稿で取り上げたようなさまざまな問題点も、基本的にはこのモデ ルで説明することができる。したがって、学部レベル授業では図 2 ような概念化ができ ればほぼ十分であると考えられる。ただし、厳密に言えばこのモデルでは不十分である。  図 2 モデルはいわば「直訳」を否定するためモデルであるが、実際には翻訳(や通訳) すべてが図 2 ルート②に示したような「深い処理」を必要とするわけではなく、語句レベ ルで記号変換的処理で済むことも少なくない。また、その比率が多ければ多いほど、翻訳(や 通訳)は効率的になる。とりわけ、情報伝達を主眼とするテクスト(informative text)場合 は「浅い処理」で十分に用が足りることが多い。例えば、貿易摩擦問題に関する報道文に“struc- tural impediments ”という表現が出てきたとする。この場合、通訳翻訳者にとって当面問 題はこの表現に対応する目標言語語彙 (lexical equivalent)― この場合は「構造障壁」― を知っているかどうかということだけであり、この表現が何を意味するかについて(当該分野 専門家ように)深く理解している必要はない。仮に目標言語対応語彙を知っているだけ では十分な翻訳ができない場合は、その都度、必要な範囲で調べればよいだけことである 21) 。  このことはしかし、翻訳や通訳は、基本的に対象テクスト内容について深い理解を必要
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動画投稿サイトYouTubeを活用したドイツ語授業 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

動画投稿サイトYouTubeを活用したドイツ語授業 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 本稿では動画投稿サイト YouTube を活用したドイツ授業について、発音テスト実践事 例を技術的側面を中心に紹介してきた。発音は外国学習重要なファクターでありながら、 学習意欲が高くないという背景がある。この点を踏まえ、学習者興味関心を維持する目的で YouTube を用いた。実施に際し、スマートフォン設定やアプリ使用方法、Google アカウン ト取得など手続きが多岐に渡ることなどを考慮し情報提示や練習時間設定などを工夫したが、 すべて学習者に浸透していなかった点は反省材料としたい。また、ペア組み合わせに改善 余地があることも指摘した。プロジェクト授業効果的な遂行ためにペア割り振りは非 常に重要であり、理想的には学習者学習スタイルを考慮する必要があるが、授業実践におい ては限界がある。理想と実践間にあるギャップを乗り越える方策も、今後考えていかなけれ ばならない。
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グループ活動を取り入れた初級スペイン語教育の試み 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

グループ活動を取り入れた初級スペイン語教育の試み 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 実際、グループ活動について外国教育に限らず様々な分野において先行研究がなされて おり、たとえば英語教育についてものだが(高橋、2008)では、グループによる学習は学ん だ内容理解を深めるだけでなく、学習者が活気づき高い意欲を持って授業に取り組むと報告 されている。多く場合、授業に参加する学生は互いに知らないため、緊張していることが多 い。ところがグループ活動をとおせば他学生と壁が取り払われることによってリラックス した状態で授業に参加できる。そこから学習意欲が刺激されることが期待される。
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2009年度ケベックスタージュ報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

2009年度ケベックスタージュ報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 個人課題は、texte authentique(モントリオール滞在中に実際に出会うものを教材とする)を 用いて教案を作ることであった。私は学生証取得ため説明プリントを取り上げた。学習目 標は、テクスト内容理解と、疑問形容詞・疑問副詞習得とした。学生証を発行してもらうた めには、「いつ?」「どこへ?」「なにを持って?」行かなければならないかを辞書を使わずに読 みとってもらい、その後、学生証を使って何ができるかを挙げてもらった。折に触れて文化 違いも紹介する(モントリオール大学学生証は現金チャージ可能で、様々なキャンパス内で 支払いもできる、等)。プリントに出てくる時間表現を利用して、時間・曜日・月・季節 彙復習も行う。次に、疑問詞を探してもらい、教員がそれを黒板に書き出して用法説明を行う。 「自己紹介」をめぐる疑問詞を使った応答練習でまとめ文法学習をした後、「人物当てゲーム」 で知識を定着させるところまで90分の授業案を作成した。講師から、「授業・前(導入)」「授 業・中」「授業・後(評価も含めてまとめ)」構成に関して指導を受け、特に導入部分改 善を求められた。授業初めに、これから学ぶ項目提示と目標設定を明確にしておかなけれ ば、学習効果やモチベーションが上がらないことを学んだ。進度ばかりに気を取られ、授業開 始後すぐに本題に入っていたが、これからは、導入部分(前回まで復習と今回新たに学ぶ内 容大まかな提示、具体的な目標設定)にも時間を割き全体構成を考えながら授業を組み立 てていきたいと思った。「授業・後」知識を定着させる班単位ゲームについては、高い評価 をもらった。
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フランス語タンデムコミュニケーションクラスについて 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語タンデムコミュニケーションクラスについて 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

パンフレット作成作業を通して学生が学んだいくつか点をここで紹介する。まず、旅行 に関するを実際に使うことができた(例:voyage, avion, train, tarif, forfait, aéroport など)。 また、フランス観光都市を描写する際に教科書で習った(例:château, vieilles maisons et petites rues, parc, montagne, plage, souvenir, île など)も的確に使いこなせていた。そのほか、 ホテルに関する・表現(教科書 Unité 3)やレストランに関する(教科書 Unité 8)な どについても、特に復習したわけではないが正しく使用できていた。これまでに習ったフラン ス知識を用いてパンフレット製作に当たっている学生姿が確認できた。また、日本歴 史にまで踏み込んで各都市を紹介しようとするグル-プが多くあった。単に外国を受身的な 態度で習っているではなく、自ら文化を外国に向けて発信しようとする積極的な態度が学 生中に芽生えていることがわかった。「石川県」を紹介したグループは、フランス人観光客 向けに「日本語を話してください」 « Parlez japonais »欄を設け、旅行ミニ会話集を作った。 フランス語を習う立場から日本語を教える立場に学生たちは立っている。
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中国語教育実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中国語教育実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 1.2.2 単母音「e」と「ü」指導  母音や子音指導をする際、気をつけているは、最初段階からあまり完璧な発音を求め ないということである。「語学三十六景」には、「en と eng、ian と iang はきちんと発音し分 けよう」と書かれたりしているので、筆者考え方とあまり変わらないと思われるが、「(u) an」と「(u) ang」、「in」と「ing」は同じ発音でよい、「e」発音は単母音「e」音と日 本「エ」 2 つでよいなどと指導し、コミュニケーションに差し支えないレベル 発音を到達目標とする。
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