第四連“Llueve sobre los espectadores / Y hay un ruido de temblores.”(「観客たちの上に雨 が降り/震える音が伝わる。」)で降る雨は、商業化の初期には屋外で上映されることもあった 映画の観客たちを襲ったものか。ずぶ濡れになった人々は、寒さに身を震わせている。しかし ながら、この雨は、物理的な現象としての雨、ただ空から落ちてくる水滴ではない。2 行目に おける “temblor”という語の使用は、この時期におそらくまだ具体的な構想を得ていたとは思 えないが、それでも『アルタソル』以後の代表的な散文詩、Temblor de cielo『天震』を思い 起こさせる。この震えはヨーロッパの大地を揺るがすものか、それとも人々のおののきか。い ずれにせよ、詩の包含する空間の規模はきわめて大きなものへと移っている。
即ち、週に1回の授業なので、毎回、新しい話題でディスカッションができるようにした。そ して難易であるが、やや難しくて、内容に深みがあって、ディスカッションに熱が入るものに 留意した。
以上のことを考慮して、使用するテキストには Dennis Smith・Junji Nakagawa 著“TRY AMERICA Cultural Keys to Communication”(SANSHUSHA)を採択した。内容は、日本と比較 しながら現代アメリカの抱えている諸問題を論説調に述べたもので、セクハラ、離婚、イジメ、 飲酒・喫煙など、日本でも関心の高いトピックスが取り上げられている。各課400語前後で、 語彙、構文ともに適切な難易度で、グループ・ワークの教材としては格好のテキストである。 本文に加えて語彙、内容把握問題などが Exercises として付随している。(資料1、2参照) 10.グループ・ワークの課題