トップPDF ビセンテ・ウイドブロと1910年代のスペイン前衛詩 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ビセンテ・ウイドブロと1910年代のスペイン前衛詩 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ビセンテ・ウイドブロと1910年代のスペイン前衛詩 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 この十字架の下には、礼拝堂の本体が控える。詩形の斬新さに比べると、詩語はなおモデル ニスモの響きをひきずっている。アポリネールがのちにおこなったように、現実の断片をキュ ビスムのコラージュ風に統合するというカリグラムの特徴はまだ十分に得られていない。  そのあとも、ウイドブロは、カリグラムの手法の探求をつづけた。それは、かならずしも 「夏の日本情緒」のように詩行で何か[r]

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『水鏡』における創造主義の萌芽 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

『水鏡』における創造主義の萌芽 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

を手本にして二つ運動が生まれた。スペインアルゼンチン『超 ウ ル ト ラ イ ス モ 絶主義』である。双方 もウィドブロ『創 クレアシオニスモ 造主義』模倣ということで、詩人から怒りとともに退けられたが」。) 2)  詩人が現実をただ単に反映する存在ではなく、むしろそれを生み出すだというウイドブロ 詩論は、ピエール・ルヴェルディものにきわめて類似しており、一方、そのはカミング ズそれに似ている、パスは指摘する。このテーマについては別に詳細な検討が必要であろ うが、ウルトライスモを主導し前衛芸術に深い理解を示した批評家ギジェルモ・デ・トッレ(マ ドリード、1900−ブエノスアイレス、1971)、時にもっともすぐれた創造主義詩人見なさ れる27年世代一人ヘラルド・ディエゴ(サンタンデル、1896−マドリード、1989)、アルゼ ンチンにウルトライスモを持ち帰ったホルヘ・ルイス・ボルヘス。その後スペイン現代 展開を思えば、先ルヴェルディを含めてアポリネールやマックス・ジャコブといったフラン ス前衛主義広範な試みに比しても、ウイドブロという、ある意味で辺境地であるラ テンアメリカから突如して訪れた存在がスペイン詩人たちに与えた衝撃影響広範 さは絶大である。
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『水鏡』におけるビセンテ・ウイドブロの創造主義的手法の展開 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

『水鏡』におけるビセンテ・ウイドブロの創造主義的手法の展開 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 四連“Llueve sobre los espectadores / Y hay un ruido de temblores.”(「観客たち上に雨 が降り/震える音が伝わる。」)で降る雨は、商業化初期には屋外で上映されることもあった 映画観客たちを襲ったものか。ずぶ濡れになった人々は、寒さに身を震わせている。しかし ながら、この雨は、物理的な現象として雨、ただ空から落ちてくる水滴ではない。2 行目に おける “temblor”という使用は、この時期におそらくまだ具体的な構想を得ていたは思 えないが、それでも『アルタソル』以後代表的な散文詩、Temblor de cielo『天震』を思い 起こさせる。この震えはヨーロッパ大地を揺るがすものか、それとも人々おののきか。い ずれにせよ、包含する空間規模はきわめて大きなものへ移っている。
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前衛詩人たちの論争 −ビセント・ゥイドブロ『水鏡』発行年の真偽をめぐって− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

前衛詩人たちの論争 −ビセント・ゥイドブロ『水鏡』発行年の真偽をめぐって− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 「北− 南」の誌面において、ウイドブロは、ルヴェルディやジャコブとともにキュビスム的 な表現を追い求めた。ウイドブロが「北− 南」に発表した詩は、全部で12編に及ぶ。それらの 大半が、やがて『四角い地平線』 (1917)と題される詩集に収められるのである。  『四角い地平線』は、ウイドブロの作品のうちでも重要な位置を占めている。そこには、ブ エノスアイレスの[r]

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惜別のことば 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

惜別のことば 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

追悼 河合忠仁教授 5 ます。近畿大学時代に、イリノイ大学で語学研修で、学生を引率して共に過ごした 1 ヶ月 も、今なっては思い出深い 1 コマです。教師として姿、また研究者として姿を垣間見 たように思うからです。学生一人が、週末を過ごしたホームステイ先から戻ってこなくて大 騒ぎになったときこと。結局、ホストペアレンツに連れられて、隣州へ旅に出ていたこと が判ったものの、連絡を怠ったコーディネーターを前にして、先生は烈火如く怒られまし た。そこには、教師として責任感はもちろんこと、親がわが子を気遣う心情にも似たもの を感じたものです。また、引率合間に出かけた書店で、面白そうな本を見つけた先生は、そ 場に座り込んで実に長々ページをめくっておられました。その旺盛な好奇心が、きっと後 韓国英語教育ついて立派な研究として花開いた思います。
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マルチメディアを利用した外国語教育と情報ネットワークの展開 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

マルチメディアを利用した外国語教育と情報ネットワークの展開 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

2 コンピューターを使用する側面からみた英語教育  英語学習をコンピューターで行うことができるか。この質問に対しては即座に答を出すこ ができない思われる。現在市販されている英語学習プログラムソフトやインターネット で体験可能なプログラムソフトを見てみる、次ようなことがうたい文句になっている。 「生徒は自分能力に応じたところから始めることができる。即座に間違いを知ることができ る。このような行動を通して生徒は自分ペースで学習を進めることができる。」これはある 程度真実かも知れない。このようなプログラムを体験する2つことが実感できる。1つは、 英語教育はドリル(訓練)なかということである。音声、文法、形態、意味、語法関係規 範的な規則習得に向かって準備された訓練である。この種訓練も必要であるが、コンピ ューターが間違い判定した答が、なぜ間違いなかというフィードバックができない点がも っとも大きな欠点であろう。この点が解決される学習者理解力向上に伴って、英語習得が 飛躍的に伸張するだろう思われる。
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感情スクリプトと第2言語コミュニケーション 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

感情スクリプトと第2言語コミュニケーション 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

構成するものであるゆえに、バイリンガル経験は言語が深く絡んだこのプロセス解明に役 立つ思われる。 異文化コミュニケーション文化化問題  すでに述べた文化モデルや感情スクリプトが、 1 言語習得社会化プロセスを通して 個人が内面化したものであり、規範的に働き、構成員行動や認識仕方や感じ方を制約する なる、異なった文化を内面化した人出会いで、すなわち、異文化間コミュニケーショ ンにおいて、摩擦や誤解原因になりうるであろう。そして、それは言語文化Aで社会化され た人、言語文化Bで社会化された人が出会ったことを想定した場合に、スクリプト違いか ら予測される摩擦がおこりうることを示す。しかし、 2 言語習得やバイリンガル観点から は、いくつか問題が生じる。まず一に、これまで異文化間コミュニケーション研究にお いては、現実にそういった人人が直接接触するとき、どの言語でコミュニケーションを図る かという点はあまり問題にされていない。しかし、実際には、日本人アメリカ人がコミュニ ケーションを図る多く場合、英語が使われるであろう。日本にいるアジアから留学生日 本人会話や日本企業に勤めるブラジル人日本人会話ならば、日本で行われることが多 いかもしれない。ヨーロッパ系外資系企業内部では日本にあっても、コミュニケーション 言語は英語であろう。もし、ある人がほとんどネーティブ・スピーカーなみに英語や日本語 を使える場合、この人は対象文化的意味空間においてかなり経験が豊富で、上に述べたよう な文化的実践や活動に参加している。そうだすれば、すでに 2 言語文化スクリプトやス キーマを獲得しており、使う言語に応じて少なくとも表面的な行動表出を切り替えることがで きているではないだろうか。そうすると純粋な文化AB接触というは実際にありえる だろうか。しかし、一方で、社会化過程で、深く心に刻まれた感情スクリプト不一致 は、違和感や不快感など情意的反応を引き起こすかもしれない。
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ある問題 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ある問題 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 デイヴィッドが疑問に思ったように、嫉妬は一体どこに隠れていただろうか?嫉妬は最も ありそうにない場所で姿を現すだろうか?嫉妬は何も知らないエマ心に巣食い、暇にまか せてエマ心を飾り立てただ。  私が今描いた二人ちょっとしたやりとりあと、二人気持ちはまったく変わってしまっ た。デイヴィッドは妻にキスをして、涙を流しても意味がないことを訴えたが、自分話は撤 回しなかった。彼は十年間そのことを考えたこともなかったが、思い出した今なっては頭か ら追い払うことができなくなっていた。そのことがひっきりなしに彼を攻め悩まし混乱させる だった。それは最も都合悪い瞬間に押しかけてきては、耳中でブンブン音を立て、彼 帳簿数字中で踊るだった。ときにはあの若い女性予言が途方もない数字一緒 になって、比較的小さな数字から何十万という数字列に紛れ込むこともあった。デイヴィッ ドは何百回なく自分は夫である言い聞かした。しかし結局ところ、不思議なは、あの 若い女性が言ったように彼が二度結婚する運命になっているということではなく、エマもまっ たく同じ運命を引き当てたということだった。それは神託矛盾だった。もちろん、今なっ ては実行に移すことなどできないが、どちら神託が正しいか検証してみるは面白い試み だっただろう。一体どうして両方が真実であることができよう?相互に相容れないことは最大 限知恵をもってしても調停することはできない。どちらか予言者が比喩的な言い回しをし たということは考えられるだろうか?デイヴィッドには、そのように考えることは彼女たちに 実際以上能力を認めることになるように思えた。そのことには思い及ばなかっただが、最 も単純な解決策は、デイヴィッドにはできなかっただろうが、二人が結婚したときにお互い 予言がお互い予言を無効にし、デイヴィッドがエマ夫になったときに、彼らでたらめ 予言はその効力を失った考えることだ。
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ビセンテ・ウイドブロ『北極の詩』(抄) 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ビセンテ・ウイドブロ『北極の詩』(抄) 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 ウイドブロがこの詩集に載せた詩編は、「額絵」として鑑賞されることを意識してか、どれも が短い。比較的に長い「急行列車」でも、2 ページに収まってしまう程度 40 行に過ぎない。 そのことが、本質的に斬新なを、新しい手法に不慣れな読者にとっても分かりやすいものに している。またグリスが指摘していることだが、用いられる単語も、観念的で日常になじまな い、奇を衒ったようなものではなく、より詩人身の丈に応じた平易な言葉になっている。キ ュビスム画家が『北極美点であるするこの特徴は、パリは違い、この種に 対して一切免疫を持たなかったスペイン詩人たちあいだに熱心な支持者を得た一因な った。そうしたなかで誕生したが、スペインにおける最初前衛主義ウルトライスモである。 彼らは、シュルレアリスムがその中心に常にブルトンを抱いたようにはウイドブロをその懐に 迎えることをせず、むしろ反力を高めていったが、1922 年に機関紙「ウルトラ」が廃刊なり 運動が解消した後も、スペイン底流にその反響を残した。
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あやまちの悲劇 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

あやまちの悲劇 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

カップで酒 を飲むようなもんでさ。スペイン通り道に影を一度ちらつかせる、奴らは常にそれをそ こに見つけるさ。奥さんがこの品行方正なヨーロッパ町にしか住んだことがないんなら、 南アメリカ港町ことなんて想像もつかないだろうよ――町半分人間が残り半分人 間を通り角で待ち伏せしているさ。でも、俺はここがそんなにいいところだは思わない ね。みんな他人ことを詮索しているようなこの町がね。あっちではあらゆる街角で人殺しに 出会うけど、ここじゃ警察官に会うからね……とにかく、何をおいても、あっちで生活はど こで地獄ような岩に座礁するかわからない浅い水路を航行するような生活を思い出させる ね。ちょうど奥さんが出入り業者に借りがあるように、あちらではすべて男は近所人間 に借りがあるさ。彼らが返さなきゃいけない借りはそういう借りだけでさ。俺がサンチャゴ を去るとき船長ことをかわいい名前で呼んでやったさ。船長はそのうちそのことで俺に借 りを返しに来るだろうさ。でも、奴は絶対に金は払わないさ。」
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HolesとWhirligigを読む:「味わって読むコース」教育実践レポート 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

HolesとWhirligigを読む:「味わって読むコース」教育実践レポート 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3− 2 秋学期 3− 2− 1 教 材  秋学期は、            を使用しました。この作品を選んだ理由はいくつか あります。秋学期に読んでみたい本について、それぞれクラス数名学生に前もって尋ね たところ、   はストーリー展開はおもしろかったが、ミドル・スクールに通う少年を主 人公する話であるため内容に深みが欠ける、あるいは、こどもが主人公でないものを読みた い、という意見などが聴かれました。こういう意見は、毎年どのクラスにおいても聞こえるも です。たしかに、自分年齢近い人物が主人公であるストーリー場合、内容的に同化し やすいところがあります。そのため、秋学期は、ヤングアダルト作品中から、学生たちにで きるだけ年齢近いものとして、高校生を主人公するものを選ぶことにしました。また、文 難易度についてもより挑戦的で、テーマに関しても読者にいろいろなことを考えるきっかけ を与えるものとして、     に決定しました。
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中島 巖先生に心からの感謝を込めて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中島 巖先生に心からの感謝を込めて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 中島巖先生は発達心理学言語心理学を専門領域され、学術論文も英語ドイツで執筆 される日本でも数少ない心理学者である。ヴントによる実験心理学確立以降、認知心理学に も大きく影響したゲシュタルト心理学などドイツ圏で研究が学問分野として心理学基 盤をなしていることは周知事実である。また三帝国時代に亡命したユダヤ系学者がアメリ カで社会心理学基盤を創ったことも良く知られている。その中で「言語心理学」は言語行動 研究からビューラーにより基礎を築かれたが、ドイツでは通常    称さ れ、言語学に基礎を置く「心理言語学」(     )区別される。人間言語運用を 研究するのに言語体系にではなく、社会的に行動する人間心理過程に起点を置き、そこから 外国運用を厳密に分析されその知見を言語能力育成に応用しようする、そのような研究 教育を、先生は、外国教育研究機構が成立する以前から、文学研究教育心理学専攻課程 講義で論じられていた。またドイツ言語心理学権威、テオ・ヘルマン教授(マンハイム 大学)を迎え、大阪ゲーテ・インスティトゥートで開催されたドイツ教授法研究会にも参 加され、早くからドイツ教育関係者交流されていた。従って、その後文学研究科内に新し く「外国教育専攻」が増設される際、既存「xx語学」応用領域としてではなく、新し く学際的に外国教育研究領域を確立しようする構想において、先生ご専門は大変魅力 的であり、かつ重要な領域であった。先生言語運用に関する日独比較文化的なご研究はヘ ルマン教授著書にも引用されており、対人関係において指標を取る際傾向的相違が、実験 心理学的にも明らかにされている。新しく外国教育研究機構が発足した際、文学部から移籍 される先生が殆ど語学系であったため、教育・心理系先生が移られたことに対し学内では不 思議に思う声もあった聞くが、言語運用力を「言語記号音声化」としてではなく、対人行 動能力一環として捉える時、言語心理学、発達心理学、教育心理学、社会心理学など心理学 諸領域が重要な一つ理論的フレームであることは、今日、英語・ドイツなど語種を問わ ず、外国教育研究常識なっている。その意味で先生をお迎えして外国教育専攻を設立 できたことは大変有意義な経験であり、院生や学生にとっても、言語学・文学を越え専門世 7
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諸沢 巖先生に心からの感謝をこめて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

諸沢 巖先生に心からの感謝をこめて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 やがて文学部を経て、組織改変折に外国教育研究機構教授として移籍されたが、合計40 有余年にわたり、ドイツ、ドイツ文学教育研究一筋に専念されてきた。とりわけ諸沢先生 は、教育面において正確にドイツを読み、理解できるよう行き届いた指導をおこなってこら れた。一見穏やかな風貌でやさしい先生ようであるが、学生に対してはきびしく鍛えること をモットーにされていた。諸沢先生担当されたクラスを翌年受け持つ、その教育成果を はっきり感じ取ることができた。また文学部時代には、ドイツ教科書作成にも加わり、 持論教授法をテクスト編集に盛り込まれた。
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English in Context: A Teaching Note 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

English in Context: A Teaching Note 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 本論文では、日本語による重要表現解説を伴う良質教科書が手に入り、現代アメリカ 英語による若者生活を描いた映画Good Will Hunting(邦題『グッドウィルハンティング/ 旅立ち』シナリオを利用し、場面・文脈中で英語表現意味合いを学習させる教育実践 について、学習者からレポートも引用しながら、その効用限界について論じる。とりわ け、この映画で多用されるスラング(profanity)字面解釈にとどまらない間接的表現が 伝えるメッセージ重要性に注目し、それぞれ表現を、それが用いられる様々な社会的コ ンテクストに結びつけて教育を行なうこと意義について論じる。
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複合環境における第二言語不安 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

複合環境における第二言語不安 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

られるようになった。 1 . 1外国不安  Horwitz et al. (1986) は、外国学習において「不安」は口頭コミュニケーション能力習 得を阻害し、それは特に教室活動における外国学習に特有な「外国不安」であるし、 3 種類言語不安として「コミュニケーション不安」「テスト不安」「否定的評価に対する不安」 という構成概念を提示した。これら概念と共に学習スキルセンター臨床報告、学習者や教 師経験などを参考に33項目から成る「外国教室不安尺度(Foreign Language Classroom Anxiety Scale)」(以下、FLCASする)を開発したが、米国大学スペイン学習者75名 を対象に行った調査では、外国学習不安存在それ口頭コミュニケーション活動関 係を実証している。1980年代以降、ほとんど研究が、外国不安習得度間には負相 関(Young, 1986; Aida, 1994)があることを報告している。また言語能力自己評価言語不 安間にも負相関があることが確認されている(MacIntyre, Horwitz, & Cope 1997)。不 安が負影響をもたらすという認識下に、習得、記憶保持、そして産出へ妨害作用 (MacIntyre & Gardner, 1991, p.86) や、言語情報入力、処理、出力へ妨害や言語習得に必
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授業の改善に向けて −グループ・ワークによるリーディング指導− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

授業の改善に向けて −グループ・ワークによるリーディング指導− 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

即ち、週に1回授業なので、毎回、新しい話題でディスカッションができるようにした。そ して難易であるが、やや難しくて、内容に深みがあって、ディスカッションに熱が入るものに 留意した。 以上ことを考慮して、使用するテキストには Dennis Smith・Junji Nakagawa 著“TRY AMERICA Cultural Keys to Communication”(SANSHUSHA)を採択した。内容は、日本比較 しながら現代アメリカ抱えている諸問題を論説調に述べたもので、セクハラ、離婚、イジメ、 飲酒・喫煙など、日本でも関心高いトピックスが取り上げられている。各課400前後で、 語彙、構文ともに適切な難易度で、グループ・ワーク教材としては格好テキストである。 本文に加えて語彙、内容把握問題などが Exercises として付随している。(資料1、2参照) 10.グループ・ワーク課題
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河合忠仁教授略歴及び主要研究業績 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

河合忠仁教授略歴及び主要研究業績 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

昭和38年 6 月 米国コネティカット州ニュータウンハイスクール卒業 昭和39年 3 月 奈良県立奈良高等学校卒業 昭和39年 4 月 奈良教育大学教育学部 中学校課程英語科入学 昭和43年 3 月 奈良教育大学教育学部 中学校課程英語科卒業

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コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

を行わせていることが、現在コミュニケーティヴ・アプローチ教材使いにくさにつなが っていることを指摘し、文法規則発見から実践練習に移る橋渡しとしてパターンプラクティ スをベースにした基本練習必要を訴えている。  いずれ意見も、豊富な教育経験を持つ教育者が、自ら授業運営経験に基づき、実践練 習に向かうためには基本的な技能習得が不可欠であること、パターンプラクティスがその技能 学習に適した練習方法であることを説くものである。しかしながら、教授法はしばしば教育者 自身受けた教育環境を反映している。事実、後関指導法は学生時代に受けたオーラル・メ ソッド教授法に強い影響を受けており、上記意見のみ援用してパターンプラクティス有 用性を説くは難しいかもしれない。また、学習者認知活動を重視する立場からすれば、視 点を学習者自身に移し、学習者がこの練習方法を外国基礎技能有効な習得方法見な し、積極的に学習に用いているか否かを問う必要がある。
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メキシコにおける前衛主義 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

メキシコにおける前衛主義 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

しかし、メキシコラテンアメリカ文学に与えた影響大きさにもかかわらず、 「同時代人」 誌前衛主義的な傾向は、当時メキシコでは広い支持をえたは言えない。それには、メキ シコという国がまだ革命を達成したあとほとぼりがさめていなかったことが関係している。 しかし、「同時代人」グループが海外文学影響を受けいれたは、表面的な外国かぶれのせ いではない。「同時代人」誌が海外作品から貪欲に学ぼうした背景には、アルフォンソ・ レジェスが唱えたように、メキシコを世界に向けて、世界をメキシコに向けて相互に開放する ことにより、真「アメリカ大陸知性」inteligencia americana を生み出そうする渇望があっ たからである。しかしながら、国民全体がナショナリズムに傾斜し、国粋主義的な文化あり ようを称揚する空気が濃くなっていくなかで、海外文化を積極的に受容するという姿勢は、現 実逃避やエリート主義そしりをまぬかれなかった。レジェスや「同時代人」若いグループ
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外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

臣も各州に所属する。従って相互調整や共同政策に関する討議は定期的に開催される「常設 文部大臣会議」で行われる。但し、ボローニャ・プロセスを含む欧州統合や教育(行政・財政) 改革大きな流れなか、連邦政府研究・科学省間で、権限・管轄領域をめぐる議論が 高まりを見せているも事実である。既述ように欧州委員会は1995年「欧州市民 3 言語主 義」原則を提唱するが、『外国教育基本構想に関する検討』では既に1994年、小学校で 1 外国教育開始方向性、「母語プラス 2 外国」学習示唆、外国学習目標として 言語コミュニケーション能力並び、「視点を変える能力」を含む「異文化対応能力育成」 や「外国学習能力じたい育成」などが提示されていた。これら検討項目は、2003年12月 発表常設文部大臣会議で合意され各州指導要領等に共通する「全国教育スタンダード・ 1 / 2 外国科目」に具体的に導入されている 6 。その他、出自言語増加を積極的に取り入 れ外国語種を拡大する視点や、重要性を増す外国教育に対し生徒や保護者対象に啓発活 動 を 行 う 必 要 性、 或 い は 言 受 容 領 域 で 「複 数 言 能 力 育 成」(Rezeptive Mehrsprachigkeit)など当時情況を反映した指摘が見られる。後者は、受容を中心に外国 運用力育成可能性を追究するもので、今日“Intercomprehension” という概念下に研究が 進められている。尚本文書にはかなり「各州外国教育実態」を含む「ドイツ連邦 共和国外国教育に関する評定書」が付けられており80年代から展開も含まれ興味深いが、 紙幅都合上割愛した。
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