トップPDF ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

スイス標準変種記述が量的にも質的に拡大するにつれて、これまでは標準ドイツから 逸脱考えられてきた言語形式を、標準一部認めようという気運が生まれた。それによ り以前は専門家を中心に議論されていたスイス標準変種が一般人々にも周知されつつある。 この流れは、単一中心地的言語観から複数中心地的言語観へ転換を促すものではあるが、ス イス人意識中にあるドイツ標準変種優位性を払拭するには至っていない。スイス人ばか りでなく、Hofer (2006: 131 f.)によるスイス在住ドイツ学習者も、一般にドイツ を単一中心地言語看做している。ドイツは、経済力、人口ともにスイス10倍以上規模を 持つばかりでなく、スイス違って実際に標準ドイツが日常会話でも使われていることから も、ドイツ変種が覇権的影響力を持ち続けているというが実情だろう。理念上は確かに多様 な変種が承認されつつあるが、これまで続いたドイツ変種優位性が簡単に揺らぐわけではな い。そんな中で、規範作成者はスイス標準変種独自性を確立すべく、方言標準境界線 上に位置する語彙までも記述対象にすることがある。例えば、Läubli (2006: 125)は、 „Tätschmeister “や„Butz“、„Päcklisuppe“などが変異形辞典に収録されているが、これら は本来なら方言に分類されるべきである指摘している。方言に区分されるはず標準変 異形に「格上げ」することで標準変種拡大する手法については、オーストリアでも行われた ように、さらなる言語学的研究によりその妥当性を検証しなければならないだろう。
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『水鏡』における創造主義の萌芽 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

『水鏡』における創造主義の萌芽 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

を手本にして二つ運動が生まれた。スペインアルゼンチン『超 ウ ル ト ラ イ ス モ 絶主義』である。双方 もウィドブロ『創 クレアシオニスモ 造主義』模倣ということで、詩人から怒りとともに退けられたが」。) 2)  詩人が現実をただ単に反映する存在ではなく、むしろそれを生み出すだというウイドブロ 詩論は、ピエール・ルヴェルディものにきわめて類似しており、一方、その詩はカミング ズそれに似ている、パスは指摘する。このテーマについては別に詳細な検討が必要であろ うが、ウルトライスモを主導し前衛芸術に深い理解を示した批評家ギジェルモ・デ・トッレ(マ ドリード、1900−ブエノスアイレス、1971)、時にもっともすぐれた創造主義詩人見なさ れる27年世代一人ヘラルド・ディエゴ(サンタンデル、1896−マドリード、1989)、アルゼ ンチンにウルトライスモを持ち帰ったホルヘ・ルイス・ボルヘス。その後スペイン現代詩 展開を思えば、先ルヴェルディを含めてアポリネールやマックス・ジャコブといったフラン ス前衛主義広範な試みに比しても、ウイドブロという、ある意味で辺境地であるラ テンアメリカから突如して訪れた存在がスペイン詩人たちに与えた衝撃影響広範 さは絶大である。
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感情スクリプトと第2言語コミュニケーション 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

感情スクリプトと第2言語コミュニケーション 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 バイリンガルが、強い感情を表す場合、 1 言語を使う傾向があることはすでに述べたお りであるが、これは、その言語で幼少期に感情スクリプトを獲得したこと関係している。バ イリンガルがどの言語を好むかは、それぞれ言語を習得したコンテキスト(家庭・学校)に よって、文化実践や知的な活動をその特定言語で行ったこと関係するであろう。  バイリンガル感情経験研究を通して、言語文化的に固有な感情存在が実際にどのよう に意識されるかも明らかにされている。これに加えて、それぞれ言語には表現しやすい感 情そうでないものがあり、多言使用者は表現したい感情によって、異なる言語を使うこと も報告されている。また、ある言語ではぴったり当てはまる言語がないため、どうしても 2あるいは言語になりがちということもある。Pavlenko (2002) による、ある人が感 情を表すにどの言語を選択するかは、言語相対的習熟度、社会的コンテキストや、相手 言語能力、また、ある言語主観的感情傾向(perceived language emotionality)によって 決まるだけでなく、それぞれ言語もつ、感情的・情意的リソースによっても左右される。 例えば子供や恋人に対する親愛な呼びかけや愛称を豊富にもつ言語もあれば、子供に毎日10 回、“I love you.”呼びかけることが気軽にできる言語もあるので、その言語特徴により、 表現する内容が変わってくるという側面もある。つまり、バイリンガル場合、一方言語で 表現しないものを、表現するもう一つ言語を得るである。Dewaele (2004) は、バイリン ガル話者が言語を切り替える理由ひとつは、表現したい意味が、その言語(文化)に属すか らだという言い方をしている。
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フランス語教師のための研修の必要性 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語教師のための研修の必要性 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 . 1  教科教育役割その内容 3 . 1 . 1  教科教育役割  文科省高等学校学習指導要領( ₈ 節外国)によれば、高等学校における外国教育 目標は「外国を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図 ろうする態度育成を図り、情報や相手意向などを理解したり自分考えなどを表現した りする実践的コミュニケーション能力を養う」ことであり、 ₁ .オーラル・コミュニケーシ ョンⅠ、 ₂ .オーラルコミュニケーションⅡ、 ₃ .英語Ⅰ、 ₄ .英語Ⅱ、 ₅ .リーディン グ、 ₆ .ライティング、各科目において目標や内容(言語活動、指導上配慮事項、言語 材料等)に関する記述がある。そして、「 ₇ .英語以外外国に関する科目」項に「英語 以外外国に関する科目については、 ₁ から ₆ までに示す英語に関する各科目目標及 び内容等に準じて行うものする。」記されている。
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マルチメディアを利用した外国語教育と情報ネットワークの展開 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

マルチメディアを利用した外国語教育と情報ネットワークの展開 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

2 コンピューターを使用する側面からみた英語教育  英語学習をコンピューターで行うことができるか。この質問に対しては即座に答を出すこ ができない思われる。現在市販されている英語学習プログラムソフトやインターネット で体験可能なプログラムソフトを見てみる、次ようなことがうたい文句になっている。 「生徒は自分能力に応じたところから始めることができる。即座に間違いを知ることができ る。このような行動を通して生徒は自分ペースで学習を進めることができる。」これはある 程度真実かも知れない。このようなプログラムを体験する2つことが実感できる。1つは、 英語教育はドリル(訓練)なかということである。音声、文法、形態、意味、語法関係規 範的な規則習得に向かって準備された訓練である。この種訓練も必要であるが、コンピ ューターが間違い判定した答が、なぜ間違いなかというフィードバックができない点がも っとも大きな欠点であろう。この点が解決される学習者理解力向上に伴って、英語習得が 飛躍的に伸張するだろう思われる。
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ある問題 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ある問題 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 デイヴィッドが疑問に思ったように、嫉妬は一体どこに隠れていただろうか?嫉妬は最も ありそうにない場所で姿を現すだろうか?嫉妬は何も知らないエマ心に巣食い、暇にまか せてエマ心を飾り立てただ。  私が今描いた二人ちょっとしたやりとりあと、二人気持ちはまったく変わってしまっ た。デイヴィッドは妻にキスをして、涙を流しても意味がないことを訴えたが、自分話は撤 回しなかった。彼は十年間そのことを考えたこともなかったが、思い出した今なっては頭か ら追い払うことができなくなっていた。そのことがひっきりなしに彼を攻め悩まし混乱させる だった。それは最も都合悪い瞬間に押しかけてきては、耳中でブンブン音を立て、彼 帳簿数字中で踊るだった。ときにはあの若い女性予言が途方もない数字一緒 になって、比較的小さな数字から何十万という数字列に紛れ込むこともあった。デイヴィッ ドは何百回なく自分は夫である言い聞かした。しかし結局ところ、不思議なは、あの 若い女性が言ったように彼が二度結婚する運命になっているということではなく、エマもまっ たく同じ運命を引き当てたということだった。それは神託矛盾だった。もちろん、今なっ ては実行に移すことなどできないが、どちら神託が正しいか検証してみるは面白い試み だっただろう。一体どうして両方が真実であることができよう?相互に相容れないことは最大 限知恵をもってしても調停することはできない。どちらか予言者が比喩的な言い回しをし たということは考えられるだろうか?デイヴィッドには、そのように考えることは彼女たちに 実際以上能力を認めることになるように思えた。そのことには思い及ばなかっただが、最 も単純な解決策は、デイヴィッドにはできなかっただろうが、二人が結婚したときにお互い 予言がお互い予言を無効にし、デイヴィッドがエマ夫になったときに、彼らでたらめ 予言はその効力を失った考えることだ。
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コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

活用例 2 :チェーンプラクティスにゲーム性を取り入れた練習方法  パターン練習本来目的は暗記置き換えによる文法能力定着であり、機械的な練習にな りがちである。練習方法に変化をつけるには、ペアワーク他に、チェーンプラクティスを用 いているも効果的である。チェーンプラクティスはパターンプラクティス一種であり、質 問された学習者Aが答えを言い、同じ質問を学習者Bにする、学習者Bは答えて学習者Cに同 じ質問をするというように、伝言ゲームように同じ練習を繰り返すものである。チェーンプ ラクティスはコーラス練習より時間がかかり、練習量も少なくなるが、一人ひとりが責任をも って取り組まない練習が進まないので、学習者を意識的に練習に取り組ませることができる という利点がある。筆者はしばしばグループ対抗でチェーンプラクティスによる練習を行わ せ、その速さ正確さを競わせることでキーセンテンスや構文を定着させることを試みてい る。以下例を挙げる。
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W・ラーベと環境問題 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

W・ラーベと環境問題 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 ラーベはすでに処女作『雀横丁年代記』(                    )でいわゆる農村 離脱(    )にも言及している 6) がシュツットガルト時代以後一連作品にはそれ も関連して常に拡大してゆく諸都市、いわば今日でいうスラム街社会的窮状が多く描かれ ており、まさに未曾有社会現象として大都市発生が繰り返し小説背景をなしている である。古い都市外周部に限らず中心部周囲にも簡単な建築法で殺風景なアパートや工場 用建物が次々出現しゆく様相はこの作家が上記大都市で実際に目に留めたことそのもので あろう。つまり益々周辺地域を侵食してゆく都市外縁部を描くとともに、「この取り壊され る見えたが、もう建てたばかりなっている家並み砂漠」 7) という表現で容赦ない破壊 が数世紀前から有機的に成長してきた旧市街ないしは中心街にあっても止まらない急激な発展 を的確に示しているであり、これがラーベをして小説『巨匠アウトール』(              )では「われわれドイツ町中路地では皆が好き勝手なことをしている!」 8) 叫ば せるである。
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言語研究の底を流れる思想を考える—推論様式を手掛かりとして— 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

言語研究の底を流れる思想を考える—推論様式を手掛かりとして— 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 思えば現代言語学隆盛もいえるチョムスキーが、デカルトを引用し、ポートロワイヤ ル文法に言及したも、彼がそれを正当する思想的背景を背負った学者であること証左に 他ならない。ごく初期生成文法では、文法的に適格な文を生み出すために、さまざまな変形 規則が考案され、その適用順序が問題にされるなど、きわめて具体的かつ明快な議論が展開さ れた。私たち日本人研究者にとっても魅力的な理論であった。変形規則を学習文法に応用し ようという大胆な試みまで出現したもその頃である。ところが、人間中に生得的に埋 め込まれた文法解明が究極目標なり、そのためにI 言語やE 言語話が出てくるあた りから雲行きは怪しくなる。後に述べる理由で日本人にとっては受入れがたい(はず)主張 が濃厚になっていくである。議論は抽象一途を辿り、理論枠組みが次々に変化するこ とも相俟って、傍目にはチョムスキーが迷走を始めたように映った。しかし、デカルトやポ ートロワイヤル文法へ言及同じく、この受入れがたい主張にも、また抽象にも思想的必 然性があった。迷走どころか、いわば確信犯的にチョムスキーは、みずからが拠って立つ思想 がめざす理想を追い求めたである。
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あやまちの悲劇 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

あやまちの悲劇 ヘンリー・ジェイムズ 著 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 オールからしたたる水、近く海岸船から聞こえる音にさえぎられる他は、しばら くこの沈黙は続いた。バーニャー夫人はボートを漕ぐ男横顔をまじまじ眺めていた。彼は 三五歳くらいで、意志が強く残酷で不機嫌な顔つきをしていた。これら表情は退屈で単調な 彼仕事によって多分誇張されていた。彼目には、仕事に追われているときに目に現れるあ る種下品なひらめきがなかった。彼顔つきは彼女をボートに乗せているとき方が良かっ た。つまり、悪意を持った顔つき方が無知な顔よりも良いというようなことがあり得るなら ばということだが。私たちは笑顔ことを顔色が「明るく」なる言う。事実、その一瞬表 情ひらめきが暗い部屋ろうそく役目をするである。そしてそれは、私たち薄暗 い内張りに一条光を注ぐである。一般に、貧しい男顔つきは表情に乏しいものである。 宿命が表情変化を一つに制限、あるいは多分、表情を一つに制限された階級に多く人間が いるだ。ああ、彼ら表情!何も表現しないか貧困だけを表す顔。彼ら休息は何意味も 持たず、彼ら行為は罪を犯すことであり、最悪場合は何も知ることなく、最善場合でも ただ不名誉をもたらすだけ顔だ!
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標準ドイツ語の収束と分散 ―標準変種の確立と脱標準化に関する考察― 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

標準ドイツ語の収束と分散 ―標準変種の確立と脱標準化に関する考察― 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 Spiekermann (2005)による通時的調査では、方言特徴が増えている事例よりも、方言 特徴が標準形式では減少している事例や、超地域的な非標準形式が増加している例方が遥か に多いことが明らかになっている。この状況は、地域的変異形衰退による平準傾向言い 換えることができよう。交通網発達による人流動性、公教育による標準教育を通じて、 今日ドイツでは伝統的な地域方言から超地域的な変種へ移行することによる脱標準現象を 示している。脱標準は必ずしも標準形式を使用できないという意味ではなく、規範意識 低下により使用しなければならないというい意識が低下したということである。地域的音声特 徴が存続していることは言うまでもないが、縮約形などドイツ内で共通音声特徴が広がりつ つある。地域方言存続は話者が当該地域に感じるアイデンティティ密接な関係があるが、 地域性アイデンティティよりグループアイデンティティが強まっているという Bausinger (1997: 390)指摘とも符合する。若者が地域を越えた若者ことばにより強いアイデンティテ
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スイス連邦の公用語と国語 史的背景と憲法上の言語規定 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

スイス連邦の公用語と国語 史的背景と憲法上の言語規定 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

、国語」として用いられている 15) 。このように „Land“ „Nation“ 意味は異なり、指示対 象により使い分けられなければならない。さて、それでは „Landessprache“ 適切性はどうだ ろうか。„Nation“ は民族結びついた概念であることから、スイス民族は何かが問われる政 治的問題を孕んでいる考えられる。その意味では、指示内容が多義的であっても地理的な領 域を示す „Landessprache“ 方が無難であるいえよう。ロマンス系言語では „Landessprache“ に 対応する表記が無いのでドイツだけこの表現に変更したということになる。さらに、標準 のみを指す „Nationalsprache“ を回避する修正により、地域方言も含めることができたいう。 この解釈は、ダイグロシア状況にあるドイツ語にとっては特に重要になる。標準ドイツ方言距離が極めて大きく、方言方に自らアイデンティティを感じているドイツ スイス人にとっては、国象徴でもある国語から方言が排除するは納得できないということ だろう。限定的な意味 „national“ ではなく、より意味領域が広い „Land“ を用いることによ ってドイツスイスにおける微妙なドイツ位置づけが反映されているという解釈である。 し か し、こ れ が 1848 年 以 来 お よ そ 150 年 も 間 ず っ 憲 法 条 文 に 使 わ れ て き た
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外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

臣も各州に所属する。従って相互調整や共同政策に関する討議は定期的に開催される「常設 文部大臣会議」で行われる。但し、ボローニャ・プロセスを含む欧州統合や教育(行政・財政) 改革大きな流れなか、連邦政府研究・科学省間で、権限・管轄領域をめぐる議論が 高まりを見せているも事実である。既述ように欧州委員会は1995年「欧州市民 3 言語主 義」原則を提唱するが、『外国教育基本構想に関する検討』では既に1994年、小学校で 1 外国教育開始方向性、「母語プラス 2 外国」学習示唆、外国学習目標として 言語コミュニケーション能力並び、「視点を変える能力」を含む「異文化対応能力育成」 や「外国学習能力じたい育成」などが提示されていた。これら検討項目は、2003年12月 発表常設文部大臣会議で合意され各州指導要領等に共通する「全国教育スタンダード・ 1 / 2 外国科目」に具体的に導入されている 6 。その他、出自言語増加を積極的に取り入 れ外国語種を拡大する視点や、重要性を増す外国教育に対し生徒や保護者対象に啓発活 動 を 行 う 必 要 性、 或 い は 言 受 容 領 域 で 「複 数 言 能 力 育 成」(Rezeptive Mehrsprachigkeit)など当時情況を反映した指摘が見られる。後者は、受容を中心に外国 運用力育成可能性を追究するもので、今日“Intercomprehension” という概念下に研究が 進められている。尚本文書にはかなり「各州外国教育実態」を含む「ドイツ連邦 共和国外国教育に関する評定書」が付けられており80年代から展開も含まれ興味深いが、 紙幅都合上割愛した。
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新時代の中国語教育 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

新時代の中国語教育 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

わたしはまた中国実践的コミュニケーション能力をはかる検定として TECC(Test of Communicative Chinese =中国コミュニケーション能力検定)を開発し、現在実施および その普及につとめているが、こういう客観的な基準にもとづいて学生学力を評価し、それを 含めて大学が社会にたいして学生資質を保証するということは、今後ますます必要になって くるだろう。外部検定により、学生学力評価を行ういうことは一種アウトソーシング である。
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ご挨拶 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ご挨拶 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

今春、本学外国教育研究科は、外国というもう一つ言葉研究を介 して、人間コミュニケーション謎に迫り、そのコミュニケーション能力教育 可能性を具体的に追求するという目的をもって、誕生いたしました。今回記念 シンポジアム開催が、関西大学そのような自覚情熱表明機会なり、 多く同志方々ご支援ご協力を頂戴する機会もなることを、心より期待 したい思います。
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Was ist eigentlich  ? 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Was ist eigentlich ? 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Über den Kopfhörer werden deutsche Wörter dargeboten: Mit „HAUS“ semantisch ähnlich: Mit „HAUS“ phonologisch ähnlich: Mit „HAUS“ semantisch und phonolog.[r]

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Sprachpolitik in Europa − − − "" 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Sprachpolitik in Europa − − − "" 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Ein฀ bildungspolitisches฀ Ziel฀ ist฀ es,฀ die฀ Vielfalt฀ der฀ Sprachen฀ und฀ Kulturen฀ in฀ Europa฀ als฀ wertvollen฀gemeinsamen฀Schatz฀zu฀vermitteln,฀der฀geschützt฀und฀entwickelt฀werden฀s[r]

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河合忠仁教授略歴及び主要研究業績 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

河合忠仁教授略歴及び主要研究業績 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

昭和49年 4 月 神戸市外国語大学大学院 外国語学研究科英語学専攻修士課程入学 昭和52年 3 月 神戸市外国語大学大学院 外国語学研究科英語学専攻修士課程修了 職 歴 昭和55年 4 月 近畿大学専任講師(教養部) 昭和58年 4 月 近畿大学助教授(教養部) 平成元年 4 月 近畿大学教授(教職教育部) 平成11年 4 月 関西大学教授(文学部)

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多言語平行コーパスのための「言語学的におもしろい100の文」 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

多言語平行コーパスのための「言語学的におもしろい100の文」 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 なお,この「100文」を実際に多言に翻訳する作業は,現在,その試行段階として,100 うち10を選んで,幾つか言語標準,ロシア,タイなど)に翻訳し,問題点を 洗い出す作業を進めているところである。もちろん,当面目標は,100文すべてをより多く 言語に翻訳することであるが,このコーパスを単なる対訳資料集で終わらせないために,最 終的には,個々言語データに言語学情報をメタ情報として付与するマークアップを施す予定 である(このマークアップに関しては,山崎2006参照)。このマークアップ方式検討も並 行して進行中である。
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中国語と近代─ 東アジアの言語環境における思考─ 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中国語と近代─ 東アジアの言語環境における思考─ 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

タームが使用されているが、New Idea and New Terms(1913)著者 A. H. Matter(著名な 宣教師狄考文未亡人)も認めているように宣教師が作成した文法関係タームは 1913 年時点 では一般に認められなかった 13) 。西洋人によって西洋言語で著された著作や辞書などは、西洋 言語枠組み中で中国音韻、文法、語彙について記述することでは一応成功を収め た言ってよいであろう。しかしその中国で書かれた著作は、中国読者に言語に関する研 究において新たな道筋を示すには十分ではなかった。馬建忠『馬氏文通』(1898)や厳復 『英文漢詁』(1904)はいずれも直接西洋文献から知識を受容したものである。西洋言語学に関 する知識多くが日本語を学習する過程で導入されたことはこれまでに指摘されていなかった 事実である。言語タームは、その大多数を日本語から借用したということがこの点を如実 に物語っている。言語「科学」的研究は、明治期日本学者も目指した目標であることを 付け加えておきたい。中国を含む言語研究近代過程において、外国、特に日本影響 等について解明しなければならない点が多々ある。
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