メキシコの詩人オクタビオ・パスは、西欧における近代詩の誕生から前衛主義への移行につ いて歴史的な考察をおこなった詩論Los hijos del limo『泥の子供たち』の中で、ウイドブロ
のヨーロッパでの活躍が及ぼした影響の大きさについて語っている 1) 。数種の有用な年表によ
って明らかなように、1916年の暮れにマドリードを経てパリに居を定めたウイドブロは、1918 年にマドリードでEcuatorial『赤道儀』とPoemas árticos『極北の歌』を発表したが、パス によればスペイン語詩の前衛主義はこれらの詩集でもって始まった。パスは次のように述べて いる。“Huidobro fue adorado y vilipendiado. Su poesía y sus ideas prendieron en muchos jóvenes y dos movimientos nacieron de su ejemplo, el <<ultraísmo>> español y el argentino – ambos rechazados airadamente por el poeta como imitaciones de su <<creacionismo>>. (「ウィ ドブロは仰望されもすれば、誹謗されもした。彼の詩と理念は、多くの若者の間に広まり、彼