トップPDF コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

コミュニケーション能力を養成するためのパターンプラクティス 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

計画性」、「学習機会増大」などメタ認知方略 14) 、「リーディング」、「スピーキング」など スキル認知別方略両方で多く共通点があるという 15) 。メタ認知方略に関して、成功者は 一定して自己学習過程認識し、自発的・計画的に学習継続し、外国使用する機会 増やす努力惜しまない。一方、下位成績者は自己学習過程について認識が低く、学習に 自発性・計画性がない。スキル別方略については、外国学習成功者は学習段階に応じて様々 な方略使い分けており、例えばリーディングについては「繰りかえし音読する」方略学習 初期から中期に、「分析的に読む」方略は初期後半から中期に用いる傾向が強い。注目すべ き点は、スピーキングについて、「流暢さ重視」と同様に「基本文例大量徹底暗記」、「パ ターンプラクティス」共通した方略として、学習初期・中期段階において多く外国語学 習成功者が用いていることである。下位成績者はスピーキングに関する上記方略どれも用 いておらず、暗記と構文練習が外国学習初期過程中で大きな学習効果あげたことがう かがわれる。
さらに見せる

17 さらに読み込む

外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

臣も各州に所属する。従って相互調整や共同政策に関する討議は定期的に開催される「常設 文部大臣会議」で行われる。但し、ボローニャ・プロセス含む欧州統合や教育(行政・財政) 改革大きな流れなか、連邦政府研究・科学省と間で、権限・管轄領域めぐる議論が 高まり見せているも事実である。既述ように欧州委員会は1995年「欧州市民 3 言語主 義」原則提唱するが、『外国教育基本構想に関する検討』では既に1994年、小学校で 1 外国教育開始方向性、「母語プラス 2 外国」学習示唆、外国学習目標として 言語コミュニケーション能力と並び、「視点変える能力含む「異文化対応能力育成」 や「外国学習能力じたい育成」などが提示されていた。これら検討項目は、2003年12月 発表常設文部大臣会議で合意され各州指導要領等に共通する「全国教育スタンダード・ 1 / 2 外国科目」に具体的に導入されている 6 。その他、出自言語増加積極的に取り入 れ外国語種拡大する視点や、重要性増す外国教育に対し生徒や保護者対象に啓発活 動 行 う 必 要 性、 或 い は 言 受 容 領 域 で 「複 数 言 能 力 育 成」(Rezeptive Mehrsprachigkeit)など当時情況反映した指摘が見られる。後者は、受容中心に外国 運用力育成可能性追究するもので、今日“Intercomprehension” という概念下に研究が 進められている。尚本文書にはかなり「各州外国教育実態」含む「ドイツ連邦 共和国外国教育に関する評定書」が付けられており80年代から展開も含まれ興味深いが、 紙幅都合上割愛した。
さらに見せる

18 さらに読み込む

フランス語教師のための研修の必要性 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語教師のための研修の必要性 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 . 1  教科教育役割とその内容 3 . 1 . 1  教科教育役割  文科省高等学校学習指導要領( ₈ 節外国)によれば、高等学校における外国教育 目標は「外国を通じて、言語や文化に対する理解深め、積極的にコミュニケーション図 ろうとする態度育成図り、情報や相手意向など理解したり自分考えなど表現した りする実践的コミュニケーション能力養う」ことであり、 ₁ .オーラル・コミュニケーシ ョンⅠ、 ₂ .オーラルコミュニケーションⅡ、 ₃ .英語Ⅰ、 ₄ .英語Ⅱ、 ₅ .リーディン グ、 ₆ .ライティング、各科目において目標や内容(言語活動、指導上配慮事項、言語 材料等)に関する記述がある。そして、「 ₇ .英語以外外国に関する科目」項に「英語 以外外国に関する科目については、 ₁ から ₆ までに示す英語に関する各科目目標及 び内容等に準じて行うものとする。」と記されている。
さらに見せる

22 さらに読み込む

マルチメディアを利用した外国語教育と情報ネットワークの展開 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

マルチメディアを利用した外国語教育と情報ネットワークの展開 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

えてくれたものである。そして今やこの働きは、文学に代わって、インターネット上で自在に 繰り広げられる仮想現実世界が担っているかもしれない。実際ところ人はここで、かつ ては文学世界から体得しえた、あの遊び心満喫しているようである。  現に、インターネット社会で展開される遊び空間は、厳しい現実世界生き抜かざるえ ない現代人にとってオアシス− 避難所− 役割果たしている。生き馬抜くか 如く苛酷な現実生活余儀なくされている大多数現代人にとって、匿名前提にネット上で 展開される同趣味同志コミュニケーション場はさぞかし安住地にちがいない。これは、 現実から遊離求めて文学世界に耽溺したかつて文学青年たち志向と本質的に何ら変わ るところはない。インターネット社会も文学世界もそこに浸りきる者にとっては、虚構が即、 現実世界となる。
さらに見せる

20 さらに読み込む

複合環境における第二言語不安 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

複合環境における第二言語不安 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

られるようになった。 1 . 1  外国不安  Horwitz et al. (1986) は、外国学習において「不安」は口頭コミュニケーション能力習 得阻害し、それは特に教室活動における外国学習に特有な「外国不安」であるとし、 3 種類言語不安として「コミュニケーション不安」「テスト不安」「否定的評価に対する不安」 という構成概念提示した。これら概念と共に学習スキルセンター臨床報告、学習者や教 師経験など参考に33項目から成る「外国教室不安尺度(Foreign Language Classroom Anxiety Scale)」(以下、FLCASとする開発したが、米国大学スペイン学習者75名 対象に行った調査では、外国学習不安存在とそれと口頭コミュニケーション活動と関 係実証している。1980年代以降、ほとんど研究が、外国不安と習得度と間には負相 関(Young, 1986; Aida, 1994)があること報告している。また言語能力自己評価と言語不 安と間にも負相関があることが確認されている(MacIntyre, Horwitz, & Cope 1997)。不 安が負影響もたらすという認識下に、習得、記憶保持、そして産出へ妨害作用 (MacIntyre & Gardner, 1991, p.86) や、言語情報入力、処理、出力へ妨害や言語習得に必
さらに見せる

13 さらに読み込む

日本人大学生のEFL 学習者コーパスに見られるMAKEの使用 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本人大学生のEFL 学習者コーパスに見られるMAKEの使用 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 表 ₁ 見ると、むろん、過少使用する傾向がある高頻度動詞も散見されるが、おしなべて学 習者はFIND、BECOME、THINK、GET、WANTはじめとして多く高頻度動詞過剰使用 する傾向が見られる。しかし、L ₁ スウェーデンEFL学習者以外学習者はむしろMAKE 過少使用する傾向が見られる。LONGMAN GRAMMAR of SPOKEN and WRITTEN ENGLISH (1999:375)はレジスター別に高頻度動詞示しているが、会話ではGETがトップで、これに GO、SAY、KNOW、THINK、SEE、WANT、COME、TAKEなどが続き、MAKEは11位にラ ンクされている。フィクショントップはSAYで、これに GO、KNOW、SEE、COME、GET などが続き、MAKEは ₈ 位である。ニュースでも同様にSAYがトップでMAKEは ₂ 位であ
さらに見せる

15 さらに読み込む

W・ラーベと環境問題 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

W・ラーベと環境問題 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

も私たちは夜にはガスや電気光やその他この種あらゆる発明品で明るい朝となるま であいつらから眠りと夜安らぎ奪ってしまったんです。私たち町では夜にはもう眠 り時間がなくなっているということが、あいつら家々屋根や塔から追い払ってしま ったんです、臭気が甲虫や毛虫や蝶たちこの茂みや他園芸からそうしたように。ず っと向こう郊外町では勿論まだ生き延びていけるでしょうが、あんな所にもまたまた 煙突や煤煙伴って工場がやって来て生き延びようとする気持ちに嘔吐催させてしまう んです。だからあいつらにはもう恐らく何んにも残されてはいないんですよ。」 13)  今日ともなれば上記ラーベこの警告は重苦しいいほど現実性伴って伝わるであろうが 100年も前にこの深刻な真実理解できたはごく僅かな人たちだけであったろう。しかしな がらまた一方でこの作家が繰り返し取り扱う問題独特に異化して持ち出して来ることのみに 注目してはならないであろう。かかる場合に動物相や植物相そのものだけに関心が示されてい るではなく、これらが人間置かれている状態象徴化していることが重要なであり、結 局は生存脅かすある技術が増大することによって人間にふさわしい在り方が破壊されるとい うことが反語的に糾弾されているである。それは上掲引用に続いて「動物たちはほんの少 しだけ人間行っているに過ぎないです」という言葉に如実に表明されていよう。  ラーベは産業革命大都市における随伴現象たる諸変化述べているばかりではない。地方 都市やいわゆる田園地帯におけるそれらも描き出しているである。それは大都市から離れ た地域にも工場が所在地選定した結果であったり、大衆社会出現過程で大衆観光が次第に 生じてきた結果であったりするが、数世紀にわたって維持されて来た居住環境越えて居住域 が次々と造成され始めていた事実反映に外ならない。大衆観光映し出している例として 1888年に書かれた物語「皇女フィッシュ」(           )が挙げられよう。この作品では ハ−ルツ()地方ある小さな町「イルメンタール」(        )が19世紀後半に数多く 見受けられたように保養地に変貌してゆく有り様が描かれているであるが、それまで野生 草花や良い匂いする薬草が生い茂っていた町中や周辺部いたるところに「イタリア−ド イツ−イギリス風ルネッサンス様式邸宅」が観光用呼び物とともに建ち並ぶようなる。 この一般的な建築ブーム助成者はアメリカから戻ってきたアレックス・ロートブルク (      )という男で、無論「概して関心も持たず,生粋愛国的なイルメンタール出身者でもなく」 14) 、ただ利己的な利益志向からそうなったであったが、それでも目眩 らまされた住民たちは町景観最終的には壊してしまうこの男すべて計画に感激して同 意し、たとえば周囲自然も含めた彼提案ように歓迎する
さらに見せる

11 さらに読み込む

メキシコにおける前衛主義 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

メキシコにおける前衛主義 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

しかし、メキシコとラテンアメリカ文学に与えた影響大きさにもかかわらず、 「同時代人」 誌前衛主義的な傾向は、当時メキシコでは広い支持えたとは言えない。それには、メキ シコという国がまだ革命達成したあとほとぼりがさめていなかったことが関係している。 しかし、「同時代人」グループが海外文学影響受けいれたは、表面的な外国かぶれのせ いではない。「同時代人」誌が海外作品から貪欲に学ぼうとした背景には、アルフォンソ・ レジェスが唱えたように、メキシコ世界に向けて、世界メキシコに向けて相互に開放する ことにより、真「アメリカ大陸知性」inteligencia americana 生み出そうとする渇望があっ たからである。しかしながら、国民全体がナショナリズムに傾斜し、国粋主義的な文化あり よう称揚する空気が濃くなっていくなかで、海外文化積極的に受容するという姿勢は、現 実逃避やエリート主義そしりまぬかれなかった。レジェスや「同時代人」若いグループ
さらに見せる

12 さらに読み込む

教師の専門能力開発をめぐる研究 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

教師の専門能力開発をめぐる研究 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

がもつダイナミックさと多面性を考慮すると同時に、文化的に多様な現代オーストラリアなら びに地球上のあらゆる文化に暮らす人々を理解することの重要性を認識させるためである ( :以下QSCC 2001) 14) 。初等・中等外国語教育に必要な組 織の枠組みとカリキュラム作成のために「オーストラリアの言語レベルに関するガイドライン ( :以下ALLガイド[r]

13 さらに読み込む

河合忠仁教授略歴及び主要研究業績 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

河合忠仁教授略歴及び主要研究業績 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

昭和38年 6 月 米国コネティカット州ニュータウンハイスクール卒業 昭和39年 3 月 奈良県立奈良高等学校卒業 昭和39年 4 月 奈良教育大学教育学部 中学校課程英語科入学 昭和43年 3 月 奈良教育大学教育学部 中学校課程英語科卒業

3 さらに読み込む

『水鏡』における創造主義の萌芽 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

『水鏡』における創造主義の萌芽 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 メキシコ詩人オクタビオ・パスは、西欧における近代詩誕生から前衛主義へ移行につ いて歴史的な考察おこなった詩論Los hijos del limo『泥子供たち』中で、ウイドブロ ヨーロッパで活躍が及ぼした影響大きさについて語っている 1) 。数種有用な年表によ って明らかなように、1916年暮れにマドリード経てパリに居定めたウイドブロは、1918 年にマドリードでEcuatorial『赤道儀』とPoemas árticos『極北歌』発表したが、パス によればスペイン前衛主義はこれら詩集でもって始まった。パスは次ように述べて いる。“Huidobro fue adorado y vilipendiado. Su poesía y sus ideas prendieron en muchos jóvenes y dos movimientos nacieron de su ejemplo, el <<ultraísmo>> español y el argentino – ambos rechazados airadamente por el poeta como imitaciones de su <<creacionismo>>. (「ウィ ドブロは仰望されもすれば、誹謗されもした。彼詩と理念は、多く若者間に広まり、彼
さらに見せる

12 さらに読み込む

ご挨拶 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ご挨拶 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

今春、本学外国教育研究科は、外国というもう一つ言葉研究介 して、人間コミュニケーション謎に迫り、そのコミュニケーション能力教育 可能性具体的に追求するという目的もって、誕生いたしました。今回記念 シンポジアム開催が、関西大学そのような自覚と情熱表明機会となり、 多く同志方々ご支援とご協力頂戴する機会ともなること、心より期待 したいと思います。
さらに見せる

1 さらに読み込む

新時代の中国語教育 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

新時代の中国語教育 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中国教育に限らないが、いまや「新しい」というは実質的な意味もっている。すな わち IT 革命進展により、新しいハードウエアは、それにふさわしい新しいコンテンツ 求めている。教育研究に従事するものは、意識変革が必要とされる。国民半数近くが 大学に入学する時代、これから外国教育が担う任務ゆずれない一点は「学生コミュ ニケーション能力養成」になる。しかし、それは単にことば発信と受信意味しない。 特に中国においては今後コミュニケーション文法解明し、異文化理解深めることが 求められる。本論では二三ケース取り上げるが、このような視点が重要度ますことは 疑いない。
さらに見せる

8 さらに読み込む

Designing a taskbased syllabus 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Designing a taskbased syllabus 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

本章では Brown(1995)カリキュラム構築モデルもとに、一企業英語プログラム 発展させるため実施した学習者と職場ニーズ分析、さらにニーズ分析結果用い、学 習項目設定行い、タスク中心シラバス構築させたケーススタディである。シラバス 作成には、Long and Crookes (1992)タスク中心シラバス構築(Task-based Syllabus Design, TBSD)アプローチ活用した。これは次3つ理由による。(1)学習内容と 目標言語使用分野できるだけ近づけることが可能である。(2)タスク使って基準準拠 評価が可能である。(3)TBSD は言語形態学習者に意識させること重要性認識した ものであり、これは受講者ニーズに合致するものであった。Part 1ではニーズ分析結果 まとめ、Part2ではタスク中心シラバス学習目標設定プロセス説明する
さらに見せる

14 さらに読み込む

感情スクリプトと第2言語コミュニケーション 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

感情スクリプトと第2言語コミュニケーション 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 バイリンガルが、強い感情表す場合、 1 言語使う傾向があることはすでに述べたとお りであるが、これは、その言語で幼少期に感情スクリプト獲得したことと関係している。バ イリンガルがどの言語好むかは、それぞれ言語習得したコンテキスト(家庭・学校)に よって、文化実践や知的な活動その特定言語で行ったことと関係するであろう。  バイリンガル感情経験研究を通して、言語文化的に固有な感情存在が実際にどのよう に意識化されるかも明らかにされている。これに加えて、それぞれ言語には表現しやすい感 情とそうでないものがあり、多言使用者は表現したい感情によって、異なる言語使うこと も報告されている。また、ある言語ではぴったりと当てはまる言語がないため、どうしても 2あるいは言語になりがちということもある。Pavlenko (2002) によると、ある人が感 情表すにどの言語選択するかは、言語間相対的習熟度、社会的コンテキストや、相手 言語能力、また、ある言語主観的感情傾向(perceived language emotionality)によって 決まるだけでなく、それぞれ言語もつ、感情的・情意的リソースによっても左右される。 例えば子供や恋人に対する親愛な呼びかけや愛称豊富にもつ言語もあれば、子供に毎日10 回、“I love you.”と呼びかけることが気軽にできる言語もあるので、その言語特徴により、 表現する内容が変わってくるという側面もある。つまり、バイリンガル場合、一方言語で 表現しないもの、表現するもう一つ言語得るである。Dewaele (2004) は、バイリン ガル話者が言語切り替える理由ひとつは、表現したい意味が、その言語(文化)に属すか らだという言い方している。
さらに見せる

16 さらに読み込む

諸沢 巖先生に心からの感謝をこめて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

諸沢 巖先生に心からの感謝をこめて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 昨今ではコミュニケーション授業が重要視され、たしかにそれが学生ニーズでもある で、ドイツ教育主流となっている。それとあわせて、読解力養成していくこともドイツ 教育もうひとつ柱であるということは、多く人びとが認めるところである。両者バ ランスとれた教育が望ましい今後あり方であるといえよう。その意味で、諸沢先生は文学 部および外国教育研究機構を通じて、外国教育において重要な役割はたしてきた。この ような長年にわたる本学へご尽力に対し、まずはこころからお礼申し上げたいと思う。  諸沢先生研究対象は19世紀文学者ラーべであるが、この作家研究は諸沢先生お人柄か らも、首肯できるものである。たしかにドイツ文学史では、ラーベはそれほど目立つ作家では ないが、いぶし銀ように味ある人で、読み込めば読み込むほど魅了される作品が多い。先 生はわき目も振らずに、コツコツとこれら作品に打ち込んでこられた。研究成果多産する 17
さらに見せる

2 さらに読み込む

中島 巖先生に心からの感謝を込めて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中島 巖先生に心からの感謝を込めて 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 中島巖先生は発達心理学と言語心理学専門領域とされ、学術論文も英語とドイツで執筆 される日本でも数少ない心理学者である。ヴントによる実験心理学確立以降、認知心理学に も大きく影響したゲシュタルト心理学などドイツ圏で研究が学問分野として心理学基 盤なしていることは周知事実である。また三帝国時代に亡命したユダヤ系学者がアメリ カで社会心理学基盤創ったことも良く知られている。その中で「言語心理学」は言語行動 研究からビューラーにより基礎築かれたが、ドイツでは通常    と称さ れ、言語学に基礎置く「心理言語学」(     )と区別される。人間言語運用 研究するのに言語体系にではなく、社会的に行動する人間心理過程に起点置き、そこから 外国運用厳密に分析されその知見言語能力育成に応用しようとする、そのような研究教育、先生は、外国教育研究機構が成立する以前から、文学研究教育心理学専攻課程 講義で論じられていた。またドイツ言語心理学権威、テオ・ヘルマン教授(マンハイム 大学)迎え、大阪ゲーテ・インスティトゥートで開催されたドイツ教授法研究会にも参 加され、早くからドイツ教育関係者と交流されていた。従って、その後文学研究科内に新し く「外国教育専攻」が増設される際、既存「xx語学」応用領域としてではなく、新し く学際的に外国教育研究領域確立しようとする構想において、先生ご専門は大変魅力 的であり、かつ重要な領域であった。先生言語運用に関する日独比較文化的なご研究はヘ ルマン教授著書にも引用されており、対人関係において指標取る際傾向的相違が、実験 心理学的にも明らかにされている。新しく外国教育研究機構が発足した際、文学部から移籍 される先生が殆ど語学系であったため教育・心理系先生が移られたことに対し学内では不 思議に思う声もあったと聞くが、言語運用力「言語記号音声化」としてではなく、対人行 動能力一環として捉える時、言語心理学、発達心理学、教育心理学、社会心理学など心理学 諸領域が重要な一つ理論的フレームであることは、今日、英語・ドイツなど語種問わ ず、外国教育研究常識となっている。その意味で先生お迎えして外国教育専攻設立 できたことは大変有意義な経験であり、院生や学生にとっても、言語学・文学越え専門世 7
さらに見せる

2 さらに読み込む

河合忠仁教授を偲んで 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

河合忠仁教授を偲んで 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 1998年後期より、私が和歌山大学に移ることになり、河合先生に話したところ、自分も近 大やめて他大学に移りたいと言われた思い出す。私方は、 8 月割愛がうまく行か ず、半年転出が遅れた。その間に、河合先生も関西大学に移ることが決まり、19年間勤めた近 畿大学一緒にやめることになった。河合先生は関西大学へ移られてから、精力的に研究本 にまとめて出版したり、大学用テキスト何冊も書かれた。英語コミュニケーション学会 関西支部長から、副会長にもなられ、本当に、充実した研究生活送っていたと思われる。  しかし、運命いたずらであろうか、その後、癌で入院されることになったである。見舞 いに行った時に、「癌が転移しているかもしれない」と悲壮な表情で我々に語られたは今で も忘れられない。あれは、自分将来計画が台無しになるかもしれないという絶望感現れだ ったと思われる。というのも、河合先生は何事においても、きちんと計画立て、こつこつと 地道に実行して行く人だからである。つまり、あの時には既に自分これから人生計画し ていたと思われるからである。それは、授業準備みれば明らかである。河合先生は、私と 違い、授業準備完璧に行わないと気がすまなかった。時には、異常と思われるほど、きち んとするである。授業時間何倍も時間かけて準備していることも何度かあった。ま た、近畿大学時代は、いつもお会いするたびに、河合先生は自分将来計画語られてい た。将来、こういう本出版したいとか、こういう研究したいとか語られていた。それ考 えると、河合先生悲壮な気持ちが手に取るようにわかる気がする
さらに見せる

3 さらに読み込む

フランス語動詞事象の意味分類に関する考察 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語動詞事象の意味分類に関する考察 外国語教育研究(紀要)第1号〜第10号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

以上、Vendler に始まる動詞分類方法論再検討を通して、フランス語動詞事象意味分 析がいかに発展してきたか見てきた。Vendler が提示した状態、活動、完了、瞬間カテゴ リーは、現在まで広くフランス語動詞事象アスペクト的意味分析分類枠として用いられて おり、その有用性は疑う余地がない。しかしながら、彼方法論にはあいまいな点も多く、be + ∼ ing と共起性によって導き出した各カテゴリー意味特徴が概念的に矛盾点している、 共起テストがアスペクト的性質に統一されていない、さらには分析対象(発話事行)と分析 レヴェル(動詞)が一致していない等問題点が見られた。Vendler 四分類フランス語動 詞事象分析に応用した研究では、分析基準が整備されより体系的な事象意味分析が試みら れている。本稿ではその内容カテゴリー定義、共起テスト、分析対象と分析レヴェル三 つに分けて整理した結果、以下内容が明らかになった。一に、意味カテゴリーは直感的認 識に頼って定義されることも多かったが、対立概念用いて任意性質有無調べることに よって、弁別的意味特徴集合として客観的に表されうる。二に、共起テストはカテゴリー そのもの説明と区別されるべきであり、本来機能は、動詞事象が表す概念特徴と意味的 共起性または非共起性によって事象タイプ判別することにある。三に、動詞事象分類 で真分析対象となるは統辞論的な意味における動詞ではなく、動詞含めた言語要素が文 脈に応じて表す意味である。発話レヴェルでは言語内外様々な要素が意味構築に関与して いおり、事行タイプはこれら要素意味特徴が総合された結果判別される。
さらに見せる

13 さらに読み込む

ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ドイツ語圏スイスにおける言語状況:標準変種の規範化と方言の拡大 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

言うスイス人がいることからも 9) 、意識レベルで標準ドイツ距離感がわかる。しかし ながら、スイス人が読み書きでは標準ドイツ日常的に使用し、マスメディアではニュース 番組等で標準ドイツが話されている現状考えるならば、標準ドイツ外国と称する は実態にそぐわない。むしろ方言がスイス人アイデンティティと強く結びついていることか ら、 2 番目に習得した言語変種である標準ドイツこと外国と称してスイス国民として 自立性表現しようとしているものと考えられる。そうすると表 3 結果は、「スイス人に とって」では理念意識した回答、「自分にとって」では現実見つめた回答であるため結果 に大きな違いが生じたものと解釈されよう。そこでは標準ドイツモデルがドイツにあると する単一中心地的言語観も影響しているだろう。このような状況から、スイス人ドイツ意識は、ダイグロシアが存在しないオーストリアやドイツ人ドイツ意識と異なるこ とが推論されるが、スイス人標準変種に対する態度はどうなっているだろうか。
さらに見せる

15 さらに読み込む

Show all 10000 documents...

関連した話題