地域金融機関のコスト構造

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相互取引に伴う債権債務の依存構造を考慮した金融機関の与信評価について

相互取引に伴う債権債務の依存構造を考慮した金融機関の与信評価について

など,今後は地域金融を担っている地方銀行間でも合併や経営統合流れが進むと思わ れる.これは地方経済における金融機関寡占化を意味するものと言えよう. 銀行寡占化・集約化によって,各金融機関融資先企業間における相互取引比率が 今後益々増えていくことが予想される.このような環境下では,従来行われていた融資 先単体資産査定による信用リスク評価では不十分である可能性を指摘することができ る.なぜならば,ある融資先企業倒産や著しい信用不安によって,別融資先企業返 済能力が著しく低下し,結果として連鎖倒産が引き起こされる状況が起こり得るからであ る.したがって,融資先企業間取引ネットワーク構造,特に債権債務関係を融資判断 際に考慮する必要がある.言い換えると,相互取引による依存構造が融資金継続・回 収方針や初期時点で利子率 ( スプレッド ) 設定に与える影響を十分に理解・把握する
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RIETI - 地域金融機関の再編が地域経済に与える影響-市区町村レベルの地域銀行の店舗データを用いた検証-

RIETI - 地域金融機関の再編が地域経済に与える影響-市区町村レベルの地域銀行の店舗データを用いた検証-

トレンド変数係数は、課税対象所得、地方税歳入額、開業率、製造品出荷額等を被説明変 数とするケースで有意となっている。廃業率を被説明変数とするケースでも、再編トレンド 変数は 1%水準で有意となっている。再編ダミー変数推定値は、課税対象所得、地方税歳 入額、製造品出荷額等を被説明変数とするケースで、再編を経た地域銀行店舗が存在した 市区町村ほど景況が悪いことを意味するマイナス符号が計測されている。他方、同じケー スで、再編トレンド変数推定値符号はプラスとなっており、再編効果が現れるには一 定程度時間が必要であることが推察される。つまり、合併ケースとは大きく異なり、金 融持株会社に伴う再編を経た地域銀行支店が存在した市区町村景況指標変化は、そ れ以外市区町村と間に有意な違いが存在するということを示している。
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RIETI - 「自然災害に対する中小企業の備えと地域金融機関による支援についての調査」の結果と考察

RIETI - 「自然災害に対する中小企業の備えと地域金融機関による支援についての調査」の結果と考察

「営業現場で事業性評価考え方は定着してきている」に対して「強く共感する」 「ある程度共感 する」と答えた割合は 88.9%であり、前回調査 69.1%に比べて約 20%ポイント増加となってお り、 2 年半間に事業性評価考え方定着が見られるようになったことを示している。 以上ような結果を一言でまとめると、地域金融機関は事業性評価取り組みをかなり進展させ てきているが、中小企業強靱化法が期待するように、企業事業性を十分に理解した上で、自然災 害に対して中小企業強靱性を高めるため支援(たとえば、 BCP 策定支援)に取り組んでいる金 融機関はまだ少ない。しかし、事業性評価において企業持続性を評価することは不可欠であり、 自然災害リスクは重要な要素であり、事業性評価枠組みに自然災害リスクを組み込むことを急ぐ 必要がある。 2019 年にも大きな自然災害が頻発しており、中小企業経営持続可能性を高めるた めに、地域金融機関による事業性評価に基づく支援内容がより充実されていくことが期待される。
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金融機関と「地域」の関わり方についての一考察
																																			
								
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金融機関と「地域」の関わり方についての一考察 利用統計を見る

地域プロジェクトへ「寄付」を要請されやすい立場 融資、出資、ファンド設立 といった金融機関が日常的に使用している金融仕組みにより支援していることが共 る。「寄付」ではなく、金融取引を通じた支援を行うことで、金融仕 また、財政難もあり政府が従来ように 補助金を公共領域民間活動に対して与えることが難しくなることを考えれば、地域再 社提携(パートナーシップ構 に信頼されているが故に柔軟に動きづらいとされる金融機関(滋 地域信頼を得て いる金融機関ネットワークを活用し、新たなビジネス開始に要する地域信頼関 係構築するためコストや時間を節約することができていると考えられる。このような 成功可能性を高めるストラク
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RIETI - 中小企業金融におけるメインバンク関係の検証-地域金融機関の効率性と貸出態度との関連-

RIETI - 中小企業金融におけるメインバンク関係の検証-地域金融機関の効率性と貸出態度との関連-

まず、先行研究においてメインバンク健全性指標として一般的に採用されている不良債 権比率等個々バランスシート情報と費用効率性とがどのように関連しているかについて 検証したところ、費用効率性は主要なバランスシート情報によって有意に説明される、包括的 な指標であることが確かめられた。次に、この費用効率性を用いて検証された貸出態度と関 連については、検証課題Ⅰにおいて、メインバンクが費用効率的であればあるほど、借り手か ら追加借入れ要望に対して積極的に対応することが確かめられた。検証課題Ⅱにおいても、 メインバンクが費用効率的であればあるほど、既存借入れ契約に対して借り手に厳しい要請 をしない傾向にあることが確かめられた。最後に、貸出態度とメインバンク費用効率性変 化と関連については、既存借入れについて短期金利引上げや預金積み増し要請を行ったメ インバンクほど、費用効率性が次年度に改善したことが確かめられた。
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活動指標活動指標及び活動実績活動実績 ( アウトプット地域社会における処遇に携わる関係機関による会議 ) ( ケア会議 ) の開催回数当初見込み 当たりコスト 算出根拠 当たりコスト 執行額 / 地域社会における処遇に携わる関係機関による会議 ( ケア会議 ) の開催回数計算式 回 回 円 執行額

 現在成果目標においても,再他害行為に至ることなく社会復帰した医療観察対象者割合を測定しているところであるが,外部有識者所見 を踏まえ,他成果目標設定可否について検討することとする。  謝金や旅費等について,執行実績等を踏まえた見直しを行い経費を削減した(▲1百万円)。 事

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アベノミクスと日銀「異次元緩和」以降の和歌山県地域における金融機関行動の変化に関する調査研究

アベノミクスと日銀「異次元緩和」以降の和歌山県地域における金融機関行動の変化に関する調査研究

本稿趣旨と離れるので簡単にしか述べないが、量的・質的緩和政策は、①長め国債や REIT そして ETF などを日本銀行が買入れることで長期金利やリスクプレミアムが低下し 企業や家計が資金調達をしやすくなる、そして資産効果から消費や投資が増加する、②長め 国債を買い入れることなどでポートフォリオ・リバランス効果を促し、企業等へリスク マネー供給量を増加させる、③大規模なオペを継続して実施することで予想物価上昇率を 高めるなど「期待」を醸成し、実質金利低下や企業設備投資資金需要や個人住宅投資 意欲を高める、というものである。このような政策過程では、オペにより買入れた資産 代金を各行日銀当座預金口座に振り込み、資金が振り込まれた銀行等はその資金をその まま日銀当座預金口座に留めておいても(超過準備へ付利はあるものの)利益を得ること
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中小地域金融機関と信用保証政策に関する一考察

中小地域金融機関と信用保証政策に関する一考察

経済政策では、手当という形国民直接給付によって、消費を刺激し、内需を増 やす策を講じているが、仮にGDPレベルで7%需要と供給でデフレ・ギャップがあると すれば、35兆円分刺激が必要である計算となる。政府は、子ども手当など、数多く直 接給付を考えているようであるが、35兆円を埋めるため手段として直接給付を用い続け ることには相当無理がある。公共事業、良質な資本ストック充足美名もと、政府 がケインズ型公共事業増加にやがて舵を切るは時間問題と言えよう。デフレ下で は、少なくとも、金融緩和を続けることが求められるが、世界中で貨幣が増大していく中 で、金融当局はどこまでゼロ金利を続けるか、興味は尽きない。世界的な過剰流動性 もと、金融システム安定を保証する施策は何なか、中核的自己資本充実がその決定 打なかは、専門家でも議論分かれるところであろう。
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つまり 資本コストとは 調達資本に対して 企業に期待されている直近の投資収益率であることを意味している 調達資金は 負債と自己資本 ( 株主資本 ) によって構成されるので 資本コストは 負債コストと自己資本コストの加重平均値となる 調達資本のうち 負債コストは 外部金融機関が要求する利子率であり

つまり 資本コストとは 調達資本に対して 企業に期待されている直近の投資収益率であることを意味している 調達資金は 負債と自己資本 ( 株主資本 ) によって構成されるので 資本コストは 負債コストと自己資本コストの加重平均値となる 調達資本のうち 負債コストは 外部金融機関が要求する利子率であり

生産性とは、投入に対する産出割合と定義される。投入資源は無尽蔵にあ るわけではないので、投入に対してなるべく多く産出を得られる方が効率的 である。しかし、投入を減らせばよいかという単純な話ではない。小売業は、 パート化を進めて人的資源を減らしたが、肝心プロセス改善が進まなかった ため、狙い通り成果を得られなかった。投入を減らしたために、産出も減っ てしまったでは、本末転倒である。それでは、投入を増やした方がよいか と言えば、それも違う。商品在庫を、増せば増すほど、利益が増えてくれる ならよいが、過剰在庫がロスとなって跳ね返ってきたでは、元も子もない。 最適な投入を行うことで最大産出を得られるという原理を知り、さらに、 プロセス改善を通じて産出量割合を一層高める努力をすることが、マネジメ ント本質である。適正在庫で販売すれば、ロスがなくなり、さらに、売り方 (演出、値ごろ感、タイミング、接客等)を工夫すれば、需要が一層顕在化し、
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JAIST Repository: 地域経済活性化に向けた地域密着型金融の価値共創モデル ―地域金融機関の取り組みに関する事例研究―

JAIST Repository: 地域経済活性化に向けた地域密着型金融の価値共創モデル ―地域金融機関の取り組みに関する事例研究―

これら事例は,金融庁が地域密着型金融に関する先進的または広く実践され ることが望ましい 2007 年度取り組み事例として紹介されたものであるが,そ もそも金融審議会金融分科会第二部会(2007 p.11)によって「地域情報集積 を活用した持続可能な地域経済へ貢献」へ取り組みとして求められたレベ ルには及ばない事例が多く見られた.金融審議会金融分科会第二部会(2007) では「地域情報集積を活用した持続可能な地域経済へ貢献」へ取り組みと して,産学官及び金融機関が連携して地域企業ごと「点」支援ではなく,地 域全体で見た活性化や成長を目指した「面」的再生を行っていくことで,必ずし も融資だけに留まらない多様な金融サービス提供により地域経済に貢献しな がら,地域金融機関自ら収益性・健全性向上にも結びつくかたちで地域活性化 につなげていくことが期待された.しかし,2007 年度紹介事例うち①特定 企業へ支援,②調査・研究・提言,③融資商品開発,⑤商談会やビジネスマ ッチング,⑥基金や助成金等による資金支援,⑦産学官連携枠組み構築,⑧
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本提案の主旨と支援メニュー 中期経営計画策定から経営統合 コスト管理 有価証券戦略 資本政策まで 総合的な支援 人口減少 地方経済の縮小 マイナス金利の継続 異業種の参入等 地域金融機関を取り巻く経営環境は厳しい状況にあります こうした厳しい経営環境の中 地域金融機関においては 客観的で精緻なデータ

本提案の主旨と支援メニュー 中期経営計画策定から経営統合 コスト管理 有価証券戦略 資本政策まで 総合的な支援 人口減少 地方経済の縮小 マイナス金利の継続 異業種の参入等 地域金融機関を取り巻く経営環境は厳しい状況にあります こうした厳しい経営環境の中 地域金融機関においては 客観的で精緻なデータ

 シンクタンクとして将来予測ノウハウを活かし、客観的で実現性ある中期経営計 画・計数計画を策定します。  中計策定時分科会ファシリテーション等、計画策定部署業務をご支援します。 中期経営計画策定から経営統合、コスト管理、有価証券戦略、資本政策まで、総合的な支援  人口減少・地方経済縮小・マイナス金利継続・異業種参入等、地域金融機関を取り巻く経営環境は厳しい状況
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RIETI - 地域金融機関の競争環境が事業所の開廃業に与える影響

RIETI - 地域金融機関の競争環境が事業所の開廃業に与える影響

15 これら結果は、都市部における活発なスクラップアンドビルド、つまり事業所新規 参入多い地域は同様に退出も多い事を示す一方で、地域における金融機関高い競争度 は開業促進や廃業抑制に寄与していない可能性を示している。地方圏を拠点とする地域金 融機関中核都市へ新規出店増加や、産業活発な地域越境進出が増える中、競 争激しい都市部より独占や寡占に近い環境地方圏において地域金融機関リレバンが 機能していると考えれば、本論結果は間接的にではあるが高い競争度影響を否定的に 捉える先行研究と整合的であるといえる。また、地域金融機関目利き力向上や、事業 性融資拡大を求める昨今金融行政流れとも整合的である。なお、市区町村における 金融機関独占または寡占という問題に目を向けると、平成 20 年 9 月末時点において HHI が 1 地域、つまり金融機関店舗が独占地域は 1861 サンプル中 253 サンプル、同 0.5 以上地域は 460 サンプルである。同じく、平成 23 年 9 月末時点において HHI が 1 地域 は 259 サンプル、同 0.5 以上地域は 472 サンプルである。こうした地域多くでは、信用 金庫や信用組合のみが店舗を構えている。協同組織金融機関である信用金庫や信用組合は、 特に HHI 高い地方圏において地域と密接につながっており、たとえ収益機会が期待でき る他地域があるとしても、経営体力に余裕が無い限り容易に進出することができず、か つ既存店舗統廃合を容易に進めることができない。したがって、地方圏における信用金 庫や信用組合ほど、それぞれ営業地域において新規創業や廃業抑制に力を入れていると 考えられる。地方圏では都市部ほど新規創業が見込めないことから、廃業抑制により雇用 受け皿確保に寄与していると見ることもできる。
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金融高度化セミナー「地域プロジェクト支援~金融機関による事業・産業創生~」(2018年7月3日開催)における講演要旨

金融高度化セミナー「地域プロジェクト支援~金融機関による事業・産業創生~」(2018年7月3日開催)における講演要旨

• 当金庫では、コアとなる地域プロジェクトを成功させ、他プロジェクトと シナジー効果を発揮することを重視している。どの地域にも優れた 地域資源があるが、差別化ためには、地域内外プロデューサー 連携が必須である。自治体に仕掛けていくことも重要である。地域プロ ジェクトは利害関係者が多く、立ち消えることも多いため、気長な対応も 必要となる。担当者「やる気」を「使命感」に昇華させることも重要で ある。当金庫主なプロジェクトは以下とおり。
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日本の地域金融機関の破たんと再生過程とその公的費用負担についての研究―地域金融のバブル期、デフレ不況期、そして平成を越えて― 

日本の地域金融機関の破たんと再生過程とその公的費用負担についての研究―地域金融のバブル期、デフレ不況期、そして平成を越えて― 

情報だけでなく、企業内入手不可能な秘匿された情報をあえて面接、相談時に開 示し、メリットを享受しようと努める。 さて、取引銀行と顧客で「長期緊密な契約関係」が継続されたとき、両者が互 いに自分に有利な状況だけを期待して、取引を続ける事態も想定できる。特に、取 引銀行が、顧客(与信先)に「信用を大きく上回る与信設定額」を認め、もしモラ ル ハザードが生じて、顧客が野放図な投資を行った場合、取引銀行でその企業与 信リスクが増大(コスト増)する事態に陥るであろう。銀行と顧客が長期的な与信 契約で結ばれたとき、取引銀行はさまざまな顧客情報を入手可能な状態にある。例 えば、経済外的要因によって意図せざる業績悪化が生じたら、機先を制して当該銀 行は、与信企業に経営計画見直しを要求できる。これは取引銀行貸し倒れリス クを軽減できる上で、リレーションシップ バンキングメリットと言える。 また、取引銀行は長期にわたり顧客企業と接している故、それまで費やした与信 情報コストは、企業へ貸出金額や与信規模と比較し、取引年限を勘案したとき取 引する他企業に掛けたコストと比べて割高になることもある。銀行が与信先と利子 や手数料見直しを頻繁に行う必要性はここにある。
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地域経済活性化に向けた地域密着型サービスの価値共創 ─地域金融機関の事例を中心に─

地域経済活性化に向けた地域密着型サービスの価値共創 ─地域金融機関の事例を中心に─

図 1 地域密着型金融価値共創メカニズム 地域金融機関ように地域に根差したサービス提供事 業者は、地域密着型サービスにより地域経済活性化に向 けた価値共創を生み出せる可能性があるといえる。例え ば、地域食品卸業は顧客である小売・サービス業者と フェース・トゥ・フェースコミュニケーションによ り関係を構築して情報生産し、売れ筋や新商品情報提 供や創業支援、店舗用不動産紹介など、単なる商品販 売だけに留まらない多様なサービスを提供することで商 流ネットワーク支援を行うことが可能である。さらに、 顧客事業活動を支援する ICT システムを用いれば、 情報生産量・質充実による地域企業へ支援強化 みならず、ICT システム活用により顧客企業自身によ る経営改善を促すことで、地域経済活性化を促進する。
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金融機関のガバナンス改革:論点整理

金融機関のガバナンス改革:論点整理

• 日本独自ガバナンスは、「攻め」に活用し難いだけでなく、 不祥事抑止など「守り」点でも一定限界がある。 • ①社内取締役中心取締役会、②常勤監査役が経営者 元部下、③いざというとき、たった独りで調査するしかない 社外監査役、④経営トップに従属し独立性ない内部監査 部門などは、国際社会では理解されることはない日本だけ 特殊な慣行(構造的な弱点)である。
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金融機関の資産取引ネットワーク

金融機関の資産取引ネットワーク

本研究に取り組んだ動機として 2 点指摘したい。第 1 に、「金融システム」安定性を議 論しようとする場合、これを一つネットワーク構造として捉えることが有用と考えられ ることである。金融システム安定を実現するには、金融システム構造や仕組みについ て深い理解が必要である。金融システムを形成する金融機関相互協力関係基本には、 金融機関資金取引があると考えられる。恐らく個々金融機関は、他金融機関 協力関係など特に意識することなく、個々必要に応じて他金融機関から借入を行い、 他要求に応じて貸付を行なっていることであろう。しかし、この需要と供給に基づいた 個々金融機関資金取引行動は、需要ある金融機関に他金融機関が供給をするとい う形協力関係を成しており、結果として金融システム骨組みを形作る協力関係構造、 すなわちネットワークを形成している、と考えることができる。したがって、金融機関資金取引が形成する構造について知ることは、金融システム構造について知るため 大きな手がかりになる。金融機関協力関係に関する定量的な分析が、これまで必ず しも十分に行われていない原因としては、金融機関間で行なわれる資金取引について逐 一記録したデータを手に入れることが困難であったという事情が挙げられる。本研究では、 日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)RTGS(リアルタイム・グロスセ トルメント)化後に入手可能となった日中インターバンク間資金取引データを用いた。
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温泉街の事業再生と地域金融機関

温泉街の事業再生と地域金融機関

こうしたことから、 地域金融機関なり地域再 生ファンドが、 事業再生可能性を判断する際 規準は、 設備投資と法令順守2点に絞るべ きだと言われる。 ① 企業価値を維持するため 最低限修繕投資で、 旅館が再生可能かどう かをまず判断する。 多額投資が必要な場合は、 たとえ売却価格が安くても、 売却して、 買主に よる再生に協力する方が望ましい。 地域金融機 関が、 旅館事業再生を手がける場合には、 向 こう数年は大きな投資を必要としない旅館がや り易いという。 ② 許認可、 防災、 廃水処理等 環境面や風営法違反がないこと、 反社会的勢 力とかかわりがないこと等、 コンプライアン ス ( 法令遵守 ) を重視した姿勢が大切である (87) 。 個々旅館・ホテル問題が片付いていない と、 行政と連携し、 地域活性化を図るといっ ても、 なかなか難しいが現実である。
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農村金融の構造と展望

農村金融の構造と展望

 貯貸率とは貯金残高に対する貸付金残高割合ことで ある。貯貸率を高めるには,分母貯金残高を減らすか, または分子貸付金残高を増やさなくてはならない。貯金 残高を減らすことは現実的でない。農協金融(信用事業) は貯金という方法で資金を集め,それを運用して利ザヤを 確保しなければならない。貯金を増やすことは,事業成果 (利ざや)を高めるため前提条件である。くわえて貯貸率 変化は,貯金残高(コンスタントな増加)に比べて,よ り変化のみられる貸付金残高影響を受けやすい。  貸付金は短期資金と長期資金とがある。前者割合は低 下傾向にあり 2011 年度 5.6%と低い(表 1)。このため短期 資金よりも長期資金変化貯貸率に及ぼす影響が大きい。 貸付金残高,特に長期資金残高を増やすことが課題になる。  長期資金主なものは住宅資金,員外貸付である。住宅 資金残高は比較的コンスタントに増加しているから貯貸率 変化に連動していない。そこで長期資金残高と員外貸付残 高と関係をみれば,図 1 ように,高い正相関(r=0.89,  1995~2011 年度)あることがわかる。すなわち,農協は その構成員である正組合員,准組合員に対して,資金を貸 付けているが,それだけでなく員外に資金を貸付けている。 しかもそれが長期資金残高変化に大きな影響を及ぼす。  一方,貯貸率と長期資金貸付残高に対する員外貸付残高 割合とは,図 2 ように概ね同様な動きをみせている。 すなわち,それは,員外貸付残高割合が高まると貯貸率 も高まり,逆に員外貸付残高割合が低下すると貯貸率も 低下するという関係である。このため農協貯貸率につい て過去 17 年間員外貸付と関係に焦点を当てて分析を 試みる。
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福岡県の自動車産業と地域金融機関

福岡県の自動車産業と地域金融機関

 しかし、進出企業を発展ドライバーとする成長は、地元経済に対して 問題点をもたらしている。金融面でいえば、発展ドライバーたる進出企 業と地元地域銀行とリンケージ弱さである。地元地域銀行は二次サプ ライヤー以下地場企業に対しては、メインバンクやサブメインバンクと して資金調達等で大きな影響を及ぼしているが、進出企業と取引関係は 非常に弱い。進出企業メインバンクやサブメインバンクは全国展開型 大手銀行や他地域地域銀行であり、進出企業と地元地域銀行と取引が あったとしても取引順位が下位であることが多い。こうした状況もとで は、仮に福岡で工場新増設等資金需要が発生したとしても、地元地域 銀行を素通りして大手銀行がこれに対応する可能性が高い。研究開発機能 が弱い北部九州自動車産業集積は「頭脳なきカーアイランド」と揶揄さ れてきたが、金融面で実態は「地元へ資金需要なきカーアイランド」 である可能性が高い。一方で、進出企業に対して影響力を持つ大手銀行等 も自動車産業に参入する地場企業と取引関係は弱く、金融取引において 地域自動車関連企業が分断された状況にある。国内商業銀行業務リ ストラを進める大手銀行にとって、地方地場企業と取引を今から深耕 するというは現実的ではなく、今後は地元地域銀行が進出企業と取引 関係を強めていくことが必要であろう。
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