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BRC/JCM における微生物株の保存および在庫管理

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Academic year: 2024

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(1)

73

Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2005 Vol. 21, No. 2

1.はじめに

理研バイオリソースセンター微生物材料開発室

(RIKEN BRC─

JCM)では,健康や環境に関与する微

生物株の収集・保存およびその関連技術の開発を行 い,これら微生物株を国内外の研究者や企業に提供を 行っている.精度の高い微生物株の提供のため,複数 の方法による保存(凍結乾燥,ディープフリーザー

−80℃,液体窒素タンク─

172

℃)・定期的な検査管理 を行っている.本稿

BRC/JCM

における微生物株の保 存および在庫管理の現状や当面解決すべき課題につい て報告する.

2.BRC/JCM における微生物株の保存

BRC/JCM

において微生物株の保存は,安全のため

に複数の方法(凍結保存と凍結乾燥保存)により行っ ている.すなわち,凍結保存は保護剤(NB─

10

Glycerol,DW

10

Glycerol

など)に懸濁した菌液 をクライオチューブ(10本)に分注して作製する.

これらは保存微生物株の生育チェック用に

1

本使用 し,凍結乾燥アンプル作製のシードとしてディープフ リーザー(─

80

℃)に

6

本,マスターとして液体窒素 タンク(気相,─

172

℃)に

2

本収納している.また,

危険分散のため

1

本を他の施設に保存している(図

1).液体窒素タンク(図 2)には 7,000

株分(14,000 本)のクライオチューブが保存できる.凍結保存は迅 速に処理ができる安全な保存方法として知られてお り,BRC/JCMではすべての微生物株を凍結保存して いる.

当施設では効率よく凍結乾燥保存または

L-乾燥保

存を行うため,凍結乾燥機モデル(FD2085U0000)

をマニホールド(多岐管式ワンタッチ着脱装置)付き 装置(特願昭

59

141735

号)に改良した(図

3).そ

の結果,1本のマニホールドには

15

本のアンプルが 付けられ,同条件下で凍結乾燥アンプルまたは

L-乾

燥アンプルの作製が可能である.したがってアンプル 作製は

15

本が基本単位となり,作製したアンプル

(15本)は

1

本を加速試験・生育等のチェック用とし て用い,残り

14

本を提供用に温度コントロールされ た保存室内(4℃)のキャビネット(図

4)に保管し

ている.なお改良した凍結乾燥機には

7

本のマニホー ルドが装着でき,一度に計

105

本のアンプル作製が可 能である.アンプルは,ユーザーへの提供により在庫 数が

5

本になると補充される(図

5,6)

.補充はディ ープフリーザーに保存している凍結乾燥アンプル作製 用シードを用いて行うが,過去の提供数データをもと に,通常は

15

本を一単位として補充アンプルを作製 するところ,提供数の多い微生物株は,複数単位を作 製することもある(図

7).なお,これらのアンプル

は各単位とも

2

本を永久保存として別キャビネットに 保存している.

3.在庫管理

在庫管理は,凍結保存・凍結乾燥保存共に

JCM

番 号を基本とし,ロット番号,保存法の種類,製造日,

入庫日,提供開始日,永久保存日,在庫数,などの必 要項目をデータベース化し,微生物株の出庫毎に現物 の数とデータ上の記載が異なっていないことを確認し ている.

― 73 ―

BRC/JCM における微生物株の保存および在庫管理 大和田 勉

独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)

〒 351-0198 埼玉県和光市広沢 2-1

The strain management in RIKEN BRC-JCM

Tsutomu Oowada

Microbe Division/Japan Collection of Microorganisms RIKEN BioResource Center

2-1 Hirosawa, Wako, Saitama 351-0198, Japan

(2)

実務担当者会議報告

74

4.当面解決すべき課題

BRC/JCM

で使用している凍結乾燥機は

2

台あり効 率よく稼動させるために作業予定表を作り管理してい る.しかしながら,月単位で考えてみると月末になる と凍結乾燥機使用の予約が多くなるため個々の菌株担

当者が新規および補充アンプル作製を月単位で満遍な く行うよう指示している.

現在使用しているガラスアンプルは,1本

1

本が手 作りのため熔封部分のガラスの厚みが微妙に異なって いる.そのためアンプルを熔封する場合,熟練した熔 封技術が必要になる.個々の熔封の差をなくし,均一 なアンプル作製のため,自動機械による熔封が望まし いと考えている.

さらに凍結保存の場合は,微生物株は最初にディー プフリーザー(─

80

℃)で凍結を行い,その後,上述 の各保存場所へ分配を行っているが,分配に時間がか かると凍結融解を起こす危険があるため,迅速に移動 しなければならない.

作製されたアンプルの加速試験・生育等のチェック が駄目な場合,その原因を早急に究明し,菌株担当者 が速やかに分譲用アンプルから分譲用凍結クライオチ ューブに変更する.菌株の提供依頼があった場合は,

*NO.10001* *NO.10

*NO.10001* *NO.10001* *NO.10001* *N

001* *NO.10001* *NO.10001* *NO.10001**NO.10001O.10001**NO.10001*

*NO.10001* *NO. *

*NO.10001* *NO.10001* *NO.10001*

10001* *NO.10001* *NO .1

0

00 1* *NO.10

*NO

.1

0

00 1* *NO.10001* *NO.10001*

*N 001* *NO.10001*

*NO.10001* *NO.1000 O.10001* *NO.10001* *NO.10001* *NO

1* *NO.10001* *N

O.

10 00 1*

*NO.10001*

.

10 00 1*

*NO.10001* *NO.10001* *NO.10001* *NO.10001*

10001* *NO.10001*

凍結チューブ作成(10本) 

─80℃フリーザー 

(分譲用保存の  シードとして使用) 

液体窒素タンク 

(2本) 

品質チェック 

(1本) 

危険分散 

(1本) 

補充はフリーザーの在庫  が2本になったとき行う。 

凍結保存の管理 

1

凍結保存

2

液体窒素タンク(気相─

172

℃)

3

理研型凍結乾燥装置(特願昭

59

141735号)

4

保存室内(4℃)のアンプル保管キャビネ ット
(3)

75

Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2005 Vol. 21, No. 2

7 JCM

データベースシステム(ロット

7)

 依頼内容   出庫   発送   内部出庫   在庫管理   依頼管理 在庫管理/分譲用保存

担当者

7 N : アンプル WL : 待機ロット

2004年5月10日 2004年5月12日 2004年5月19日

44 44 可能

*:OK

JCM番号 7255

学名 Saccharomyces cerevisiae ロット

種別 区分 準備日 製造日 入庫日 開始日 永久保存日

初期在庫 現在庫 凍結乾燥不能

チェック 備考

6 JCM

データベースシステム(ロット

6)

 依頼内容   出庫   発送   内部出庫   在庫管理   依頼管理 在庫管理/分譲用保存

担当者

6 N : アンプル CL : 現行ロット

2000年8月1日 2000年12月27日

2001年2月5日 44

5 可能

*:OK ロット

種別 区分 準備日 製造日 入庫日 開始日 永久保存日

JCM番号 学名

7255 M

Saccharomyces cerevisiae

初期在庫 現在庫 凍結乾燥不能

チェック 備考

5 JCM

データベースシステム  依頼内容   出庫   発送   内部出庫   在庫管理   依頼管理  在庫管理/分譲用保存 

担当者 

▼  lot 種類  区分  準備日  製造日  入庫日  初期在庫  現在庫  check

◎  7 N WL 2004年5月10日  2004年5月12日  2004年5月19日  44 44 * 

○  6 N CL 2000年8月1日  2000年12月27日  44 5 * 

○  5 N PS 1999年4月24日  1999年7月19日  29 1 * 

○  4 N PS 1995年9月30日  1996年1月19日  15 1 * 

○  3 N PS 1994年8月28日  1994年9月7日  15 1 * 

○  2 N PS 1990年10月6日  1990年11月5日  15 1 * 

○  1 N PS 1990年5月7日  1990年5月14日  15 1 * 

WL:待機ロット  CL:現行ロット  PS:永久保存  JCM番号 

学名 

7255 M

Saccharomyces cerevisiae

(4)

実務担当者会議報告

76

76

76

菌株により凍結クライオチューブまたは解凍したクラ イオチューブであることを依頼者に連絡して提供して いる.

現在使用している印刷機(イマージュ株式会社

S7S1.1M)は,新規登録した微生物株の複数保存の

ために使用する提供用アンプル・凍結用クライオチュ ーブ・凍結用キャピラリーなどに菌株番号を印刷して いる.しかしその印刷機を常時使用するため

1

日おき に印刷機を稼動させている.補充用アンプルの菌株番 号印刷は外注しているが,至急に補充用アンプルを作 製しなければならない場合は現在使用している印刷機

で菌株番号を印刷している.以上述べたような課題を 改善してより安全な保存体制を作り上げていく必要が ある.

おわりに

理研

BRC/JCM

における微生物株の保存および在庫 管理の現状や当面解明すべき課題について述べた.多 様な微生物株の寄託・収集が年々増加しており,迅速 な対応が求められている,安全・確実な保存および管 理には休みがないのが現状である.

参照

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