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2020 年度 独創的研究助成費 実績報告書

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Academic year: 2025

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別記様式第4号

2020 年度 独創的研究助成費 実績報告書

2021年 3月12日 報 告 者 学科名 人間情報工学科 職 名 教授 氏 名 春木直人

研 究 課 題 変形能カプセルスラリーを用いた熱エネルギー輸送技術実現に関する研究

研 究 組 織

氏 名 所 属 ・ 職 専 門 分 野 役 割 分 担 代 表 春木 直人

人間情報工学科・教

授 伝熱工学 実験、データ解析

分担者

三田 哲也 大学院情報系工学研 究科システム工学専 攻

実験担当

研究実績 の概要

本研究は、人間の快適な生活環境の実現のために、熱輸送媒体による熱エネルギー 輸送技術の開発を目的として行った。特に、熱輸送媒体(水、ブライン等)に蓄熱物 質を混合して単位体積当たりの熱輸送量を増大させて、効率的なエネルギー輸送を実 現する技術に着目した。この熱輸送媒体への蓄熱物質の混合方法としては、これまで に蓄熱物質をマイクロ・ナノカプセル化やエマルジョン化として流動性を維持したス ラリーとする研究(1)や、蓄熱物質として環境に無害な氷を混合した氷水スラリーの 流動と熱伝達特性に関する研究(2)が行われている。

(1) H. Inaba, Y. Zhang, A. Horibe, N. Haruki, Heat and Mass Transfer, Vol. 43, pp. 459-470 (2007) (2) N. Haruki, A. Horibe, Flow and Heat Transfer Characteristics of Ice Slurries in a Helically-Coiled

Pipe, International Journal of Refrigeration, Vol. 36, Issue 4, pp. 1285~1293 (2013)

本研究では、さらに血流を模擬した熱輸送媒体に よる熱エネルギーシステム開発に着目した。これは、

スラリーの一種である生物の血流は、体内の熱の効 率的な輸送を可能にするとともに、さらに、赤血球 等の持つ変形能によって、毛細血管のような本来は 流動できないような細管内でも流動可能であるため である。そのため研究代表者は、令和元年度の研究

成果により、潜熱蓄熱材(ヘプタデカン)を内封しているカプセル材にゼラチンを用 いることで、血球のような柔軟性を付加することで変形能を有した新たなカプセル

(図1、直径約 1.35 mm)の試作を行っている。

※ 次ページに続く

図1 ゼラチンカプセル

(2)

研究実績 の概要

本研究では、試作された潜熱蓄熱材含有変形能カ プセルスラリーを用いた熱エネルギー輸送技術を確 立するため、新たな潜熱蓄熱カプセルスラリーの熱 物性等の把握を行うと共に、配管内における流動抵 抗と熱伝達特性の測定を行った。

まず、潜熱蓄熱材含有変形能カプセルスラリーの 熱物性として、融点と潜熱量の測定を DSC にて行い、

得られた結果を図2に示す。その結果、使用したカプ セルは、融点 21.8℃、潜熱量 215.9 kJ/kg(図 2)で あり、ヘプタデカンのカプセル全体での使用割合 81

%にほぼ応じた潜熱量 175.9 kJ/kg であることが確認された。さらに、カプセルス ラリーの密度、比熱、熱伝導率に対する推定式の導出を行った。

図 3 は、等熱流束加熱をした直管試験部(管内径 16 mm)におけるヘプタデカン 含有ゼラチンカプセルスラリー(添加濃度 3.3 mass%)の様々な温度条件における 熱伝達特性の経時変化を示している。図 3(a)の含有したヘプタデカンが固体(15

℃)および液体(25℃)時の熱伝達の経時変化では、液体時のゼラチンカプセルが 固体時よりも変形するため、熱伝達の方が高くなることが確認された。一方、スラ リーの温度を 20℃、試験部壁面加熱温度を約 22℃として、潜熱蓄熱材を相変化さ せた場合のスラリーの熱伝達特性(図 3(b))では、実験開始直後はヘプタデカンが ほぼ固体状態であるにもかかわらず、スラリーの熱伝達は相変化によって液体時の 値のように高い値を示している。さらに、スラリー内のカプセル分布の不均一に伴 い、熱伝達が固体時と液体時の間で増減するが、最終的に全てのカプセル内のヘプ タデカンが液体になるに伴い、熱伝達は液体時の値に収束している。

成果資料目録

講演アブストラクト

春木直人、三田哲也、森田慎一(北見工大)、「潜熱蓄熱ゼラチンカプセルスラリーの 直管試験部における流動と熱伝達特性に関する研究」、第 58 回日本伝熱シンポジウム

(2021 年 5 月 25 日(火)~27 日(木))で発表予定.

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Nu/pr1/3

15℃平均 25℃平均 15℃25℃

(a) 固体と液体の違い (b) 蓄熱材相変化の影響 図3 カプセルスラリーの熱伝達特性

図2 DSC 測定結果

Nu/Pr1/3 Nu/Pr1/3

参照

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