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財務報告の経営情報化 不安定になる会計変化の序論

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財務報告の経営情報化 不安定になる会計変化の序論 1.気の合わない双子としての財務会計と管理会計

一般的に受け入れられる会計分野の分類の1つは,財務会計と管理会計という分類である。伝統的に それら2つの領域は分離,独立しているようにみられており,大まかにいうと外部指向の会計(財務会 計)と内部指向の会計(管理会計)とされる。結果として数十年の間にこの会計の2つの”姉妹分野”は,

大部分は独立して発展し,それぞれの研究課題や技術,問題点,独自のジャーナルや科学的挑戦,成果 あるいはリーダーさえ持つ独自の専門職を備えている。実際に,世界中のすべての大学では異なったテ キストやシラバス,カリキュラムやもちろん異なった教育者をもつ財務会計コースと管理会計コースを 持つ。

事実,会計の2つの領域は内部では大きなつながり―例えば,財務会計における資本市場や監査,財 務分析と,管理会計における費用や業績指標,予算,評価など―があるにもかかわらず,それら2つの 領域間の多様性や”違っていること”の認知は不変のものであり,会計領域の特徴として広く認識されてい る。

いくつかの国においてはこの分類は会計理論に根幹を持つものである。例えば,イタリアの伝統的な Economia Aziendale(経営学)では,内部における製造原価の計算は財務会計システムとは切り離され ている。実際,Gino Zappa(Italian Schoolの創設者)によると,原価計算は,主観的な結果であり,

配分を超える論理的正当性は無いという点で,それ自体が問題であるとしている。それゆえ,唯一の理 論的に可能な解決策は,その場限りの計算を通じて調和させなければならない2つの会計システムを持 つことである(Bergamin Barbato ey al. [1996];Zambon and Zan[2000])。多くの国々例えばドイツ語 圏において,1990 年代からたびたび 2 つの会計システム間の統合の兆候があったにもかかわらず

(Eeibenberger and Angelkort[2011]),このアプローチはそれらの国々の企業実務において使われてき た(Kaplan and Atkinson[1989])。

一方,伝統的に1つのシステムを維持しているUKやUSにおいては,多くの論者がそのアプローチ の難しさや関連する測定ミス,歪み,新たな製造環境の挑戦に対応することができる会計システムの必 要性を指摘している。これは,特に,経営者によって用いられるものからは切り離された外部報告のた めの財務会計数値を維持するという明らかな要求がある,棚卸資産の基準に対する証拠と批判になると 言われている(Kaplan[1998])。にもかかわらず,管理会計システムから財務報告情報のニーズを区別す るという要求も存在する。

しかし,90年代前半から,財務報告をより良く,より透明な情報への変化の要求および兆しが増えて きた。ことさら,基準設定団体だけでなく,投資家やアナリスト,専門職団体からも,市場や情報利用 者にとってより深く,広く,目的適合的な情報にしていくために,企業の外部向け情報を拡張し,改善 していく要求がなされた。公正を期すために言えば,1988年にはもう,Cartered Accountants of Scotland

(ICAS)が,企業会計をより価値のあるものにすることの必要であるとのレポートを公表していた

(McMonnies[1988])。

財務会計における変化を主張した文書としてよく知られているものの1つは,AICPAの特別報告委員

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会によって1994年に公表された「ジェンキンスレポート」と呼ばれるものである。これは,後に続く多 くの発展の道筋を示したものである。この研究の中で,財務会計において導入されたあるいは少なくと も求められた多くの継続した変化は,明らかに予測されており(あるいは)要求されたものであるとさ れている(AICPA[1994])。

Easton and Roth[1998]はこれを要約し,

「AICPAの財務報告についての特別委員会は,企業が,現在の財務報告モデルによって提供されてい るよりも多くの情報を,投資家や債権者に提供する事業報告モデルを使用するべきであると勧めた。

この新しい情報には,営業データや業績指標,将来情報を含む。委員会は,投資家や債権者はこれら の項目を利用するに違いないと確信している。たとえ委員会の勧めが規制者によって要求されなかっ たとしても,企業は現在の開示を変化させ,改善するという委員会の研究結果を使用することができ るべきである。」

ただちに,ジェンキンスレポートは多くの対照的な反応を引き起こした。特に,それらの一部では,

この文書が財務会計と管理会計の間の学問上の壁を取り壊すことに賛成していると主張している。

ジェンキンスレポートで示された方法に沿って,その後のUKの会計基準審議会(ASB)は,2005年 に報告基準1号(RS1)を通じて自発的な営業及び財務概況(OFR)の導入を推進した。このOFRは経 営の視点と内部データを明示的に用いることによって企業の数値や傾向についてのハイライトやコメン トを要求したものである。現在,OFR は ASB によってベストプラクティス(最善な実務慣行)として 提案されている。

その上,4号指令や7号指令を改訂したヨーロッパ指令2003/51/ECは,新たな開示要求を導入した。

そこでは,「企業の発展や業績,ポジションの理解に必要な限り,分析は,財務情報および環境や雇用問 題に関する情報まで含む特定の事業に目的適合的な重要な非財務業績評価指標を含む」としている。

国際会計基準審議会(IASB)はここ十年の間,この動向に対してより多くを適合させるアプローチを とっていた。それは,金融商品に関する評価の要求や開示の増加の指向(IAS32,IFRS9)や,金融商品 の評価に対するビジネスモデル概念(IFRS9,IAS12),のれんや収益事業の減損プロセス(IAS36),株 式報酬(IFRS2),セグメント情報(IFRS8)など,多くの会計基準の適用に経営判断を増加させており,

(例えば,IAS40)それらはすべて内部のデータ,考察,計画に基づいていることからも分かる。伝統的 に,歴史的原価会計によって要求された過去指向の観点とは反対に,公正価値の概念は,経営的で将来 志向の観点に一致するとの証拠を見出した研究者もいる(Taipaleenmäki and Ikäheimo[2009])。

2010年10月,この動向は,IASBによるマネジメントコメンタリーに関するIFRS実務書第1号の公 表にて最高潮に達した。それは,ジェンキンスレポートによって示された経路に沿って動いており,過 去あるいは未来の財務・非財務の業績をよりよく理解するために,産業の鍵となる業績指標(KPIs)は もちろん,将来志向の財務・非財務情報や戦略に関する記述,リスクや競争環境の分析まで求めている。

意思決定における伝統的な財務諸表や財務報告によって提供される情報の不足の共通した理解は,会 計領域における内的進化経路から始まった変化の過程として解釈されうるものの背後で生まれた力であ ろう。その変化の基本的な仮定は,より良い会計は投資家や機関投資家によるより効率的な経済的意思 決定とより資源配分を促進しうるということである(Gazdar[2007])。この広い過程の結果として,こん

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にちの多くの財務報告基準は,管理会計システムに基づきかつ(あるいは)典型的な管理会計の項目を 使った情報や見積もり,評価を要求している(Seyfert et al.[2006])。より多くの会計基準設定主体は企 業に内部的な観点に適合した公表財務情報を作ることを求めており,その中で投資家や他の情報利用者 が企業の財務・非財務立場を「経営の目を通して」(Bettie et al. [2004])見ることができるとしている。

しかし,財務会計の明示的な経営的観点への変化に対するこれらの内的圧力に加え,相互に働く圧力 が内部変化へのきっかけや加速を目的とする外部からの力を見つけることができる。

技術的側面から見ると,ERPシステムや一般的なITアキテクチャーの力強い進化は,確かに財務会計 と管理会計の間のコンバージェンスプロセスを可能にする力である。IT エンジンの追跡力や巨大企業の 在庫管理の集中化,検索力,こんにちのERPによって与えられたITシステム部門から得られた情報の 増加は,かつて財務会計と管理会計として理解される境界を明らかに変化させている。これらのデータ システムは,経営的意思決定とより内部指向の外部への情報開示や評価を同時に満たすことを容易にで きる(Taipaleenmäki and Ikäheimo[2009])。

持続性や社会性,環境的な報告や知的資本/無形資産の報告書のような代替的な自発的報告の発達は,

伝統的な財務会計を,典型的な内部的,管理会計データを,より良く,またより包括的に表された財務 業績によって描かれた企業情報の拡大という方向へ向かわせるもう一つの力である(WICI[2010];

Waddock ad Graves[1997])。無形資産や産業KPIsに関する世界知的資本イニシアチブ(WICI)の成果 や環境や社会的持続可能性の基準に関する世界報告イニシアチブ(GRI)の成果,その他国内および国際 的な機関における成果は,非財務および実際には非GAAPである測定や指標の促進に貢献し,企業の長 期的な競争位置および事業的け持続可能性のより経営な理解を表現している。

Taipaleenmäki and Ikäheimo[2009]によれば,財務会計と管理会計のコンバージェンスへの後押しを しているその他のファクターがある。それらは,技術的要素(例えば,業績指標や移転価格決定手順,

競争分析,M&Aデューディリジェンス)と行動的・組織的要素(例えば,インセンティブシステムやビ ジネスネットワークの統制,多国籍企業の会計,会計士の新たな働き及び役割)に分けられる。

会計を方向づけるこれら内外の力の結果として,またGAAPに対する管理会計の影響は完全には新た な問題ではない(Kirk[1985])にもかかわらず,財務会計と管理会計の間の伝統的な分類がこんにちに おいてどの程度継続しているかや,コンバージェンスのプロセスが,領域の深さやにおける大きな変化 や,2つの領域の再結合,および会計技術の研究や教育,専門職や企業の実務における新たな観点の幕開 けによって始まっているかどうかを考えることは適している(Hemmmer and Labro[2008])。歴史的に は,悩みの種はしばしば,財務会計の要求や手順が管理会計やその役割を引き継げる方向に向かわせ

(Hopper et al.[1992];Brown[1987];Richardson[2002]),それに応じて要請によって,その領域の管 理領域側の中心的役割の再構築が開まる(Sharman[2003])。一方,近頃我々は完全に新しいシナリオに 直面している。1987 年の Johnson and Kaplan による「管理会計実務は財務会計に従い補助する」

(Johnson and Kaplan[1987],p.198)という指摘が正しければ,こんにちの財務会計は管理会計のデ ータや情報,ロジックの借り手となっていくプロセスが減少ではなく増加していくと考えられ,これは 特に大部分の国際的な監査人に承認され支持されている。この点において,財務会計の将来の大部分は,

管理会計技術や行動の内容や進化に関連していくだろう。よって,これは財務会計への管理会計の従属 について語っているのではなく,反対に財務報告の Managerialisation が続いているプロセスについて 語っているのである。それゆえ,Hemmmer and Labro[2008]やTaipaleenmäki and Ikäheimo[2009]に

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よって提言され分析されたような単純な収斂プロセスではなく,我々が実際に直面しているものは,管 理会計が伝統的財務会計データを豊かにし,補完している内部指向の経営上のあるいは非財務の情報や 価値評価をも取り囲むより広義の営業報告へ向かった財務会計の変形や拡大である。

そのような変化の度合いは,ほとんど過小評価され得ない。二つの「会計」の異なった概念化は,教 育や理解,分析,実務,開示,保証,新たな事業への道筋,新たな職業化,新たな学問,大学のカリキ ュラムといった分野で大きな不連続を引き起こす可能性がある。

特に,財務報告のManagerialisationプロセスの最も興味深い概念上の帰結が少なくとも 4つあると 思われる。

このプロセスの最初の重要な概念上の影響は,財務会計のイメージや使用に関するものである。多く の基準設定主体が経済的実質に中立的なものとして財務諸表を位置づけることはよく知られている。こ れは時系列および横断的な財務会計数値の有意な比較可能性をもたらしている。しかし,企業の内部機 能から生まれた管理会計データや価値評価の使用によって,広く知られたものとは矛盾する異なったロ ジックが表れる。より企業特殊的な管理会計データがアニュアルレポートに導入されればされるほど,

財務会計の中立性のみならずそのデータの一般性や比較可能性が失われるかもしれない。企業報告にお ける個々のビジネスモデルの役割が向上するのと並行して(ICAEW[2010];Bischof et al.[2011]),財務 的結果の意味は,潜在的な客観性の喪失の一方で企業特殊的な競争環境に関してより多く述べることだ ろう。基本的なこの問題には,こんにちの財務会計の基本的な質的特性に関するより深い問題が存在す ることは容易に理解できるだろう。事実,明言された「目的適合性」と「実質優先」の原則は,必ず外 部向け報告が企業の状況のテイラーメイドピクチャーを提供すべきであることを含意しており,中立性 で表される問題(例.同じ資産・負債の異なる会計処理)を生み出す。言い換えると,企業の報告が内部 データや分析から生み出された目的適合的な情報を提供すればするほどそれらは企業固有で,潜在的に 中立性や比較可能性を欠いたものになる。それゆえ,「公平な観点」の要求は,ますます特殊なケースや 文脈上のビジネスモデルに依存する。そして,それら種々の財務情報の特性の間には内的論理対立が表 れており,どのように位置づければよいかを見ることを難しくしている。

2つ目の理論的問題は,将来の財務報告の言語や概念の問題といえる。管理会計とのより緊密な絡み は,典型的な財務会計の問題をより明らかにし,再定義することに貢献できる。例えば,財務会計にお ける業績指標の概念は,剰余価値の計算に貸借対照表や損益計算書アプローチが存在しているにもかか わらず,常に利益測定と関連している。管理会計では,業績の概念は全く異なっており,生産性から競 争地位(市場シェア)や原価目標や品質目標の達成度へと動いている。管理会計における業績の概念は,

純粋な「ボトムライン」の数値に縛られた財務会計の業績認識を豊かにする可能性がある。その上,管 理会計上の営業効率に関する概念や測定,収益力の成長や顧客との関係はアニュアルレポートにおいて 明らかにする企業の財務的結果の理由や条件を明らかにすることを助ける。それは,バランススコアカ ードの効果とよく似たロジックである(Kaplan and Norton[1992])。

第3の概念上の影響は財務会計と会計領域内外の他の領域との関係性に関するものである。近年の会 計は多くの概念や技術をファイナンスから導入している(割引,公正価値,mark-to-model)ことは確か である。しかし,管理会計だけでなく,戦略論やマーケティング,企業統治論や企業理論のような他の 領域への財務会計の解放は,会計の境界を潜在的に広げることができる理論的,実務的な新たな問題を 提案する(Miller[1998])。どの範囲であれば財務会計はそのアイデンティティを失うことなく,他の領

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域から借りることができるのか。それらの領域と対話をしたり学んだりする代わりに独自の道を行き,

焼き直しをする会計士による近視眼的なアプローチの危険はあるのか。信頼性や保証に関する帰結とは 何か。主に他の領域によって作られた非GAAPの測定や情報の潜在的な侵入は,目的適合性と信頼性の トレードオフに影響を与えるのか。より一般的に,どの「財務」が将来の財務報告になるべきか。

第4の概念上の課題は会計理論と会計実務の間の難しく,また時にあいまいな関係に突き当たる

(Hopwood[1988])。基準設定者と実務者は,意識してかせずか財務会計の将来的な発展についてかなり 難解な理論的問題に入り込むことを選択する。これは,それらの主体に,会計研究や手段の選択のリス ク,両者の機会的行動との接近した関係を構築させるかもしれない。実際,IFRS 財団の理事は,IASB に対して基準設定過程の補助やその影響についての分析をする研究機関の設置を求めている。同様の証 拠によって,会計学界にとって,会計実務との近い関係性は挑戦的で,科学的な質や中立性,慣習や研 究成果の実務的目的適合性に関するデリケートな問題を生起させる。

会 計 理 論 と 会 計 実 務 の 間 の こ の よ う な 関 係 性 の 特 定 の 観 点 は , 会 計 専 門 知 識 や 財 務 報 告 の

managerialisationによって要求された関連した教育プロセスの再構築,例えば大学や専門カリキュラム,

財務会計,監査,財務分析分野の技術の再考の必要性に関連するものである。

この特別号の目的と内容

Financial Reporting特別号の目的は管理会計により接近し,影響を受けている財務会計分野が向かっ

ている過程の主要問題と現象を調査することによって,この領域の微妙で増加している変容過程を再調 査することである。

4つの研究が財務会計のManagerialisationの多様な側面を含み,財務会計の認識・価値や財務報告開 示といった関心への問題と朝鮮の洞察力のある監察結果を提供できている。

最初の研究は企業結合の結果としてだけ現れる厄介な項目としてよく知られ,会計と市場,原価,価 値との関連を試みた,のれんをめぐるものである。Albert Quagliによる独創的な貢献の中では,かなり 異なった視点が取られ,研究されている。この中でのれんは,財務会計と管理会計の間のちょうつがい の見逃された観点として,革新的な分析が行われている。この広い分析は,のれんの減損の導入前後の 両期間において行われ,企業の日々の実務(減損,規制の順守,競争分析など)における管理会計と財 務会計の両領域間の,のれんの扱いや価値計算に係る相互作用が明らかに接近しているにもかかわらず,

その不十分な対話によって,この特別な資産に関する両会計研究は互いを無視していることを示してい る。本稿の知見は,我々が管理会計研究 vs.財務会計研究という並列という「会計の檻」から逃れた時,

どれほどのれんの研究の可能性が広がるかを示している。

Lino Cinquini and Andrea Tenucciによる2番目の研究は,現在の財務会計データベースにおいて最 も議論の余地があり,人々をひきつけるものに関するものである。財務報告や企業開示におけるビジネ スモデルの定義やその内容,その影響は企業のビジネスモデルやその報告書を含む経営管理的観点に初 めて直面したであろう財務会計士にとって新たなトピックである。この観点では,この問題をめぐる不 和は,単純な財務報告の Managerialisation を超えているが,本稿で示すように,価値評価や学問上の 問題の配列が広がっており,マーケティングや組織論,経営戦略などからの経営管理的思考によって財 務会計の境界が侵されている。しかし,Cinquini and Tenucciが示すように,ビジネスモデルの本当の

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定義には疑いの余地があり,財務報告とそれに関する開示の重要な含意についての議論を巻き起こす。

特に,本稿ではビジネスモデルと IASB のマネジメントコメンタリーの「ビジネスの性質」や「行動と 業績の指標」の部分との関係という財務報告の複雑な関係が明らかになっていないことを問題としてい る。著者は,財務的あるいは非財務的指標や測定が,創造された価値や将来の価値創造過程を説明して いるとされていたとき,この経営管理的な資料の中でビジネスモデルが「真偽の確認」としてみること ができると主張する。

第3の研究では,Riccardo Silva and Monica Bartolini文献分析を通して111の国際企業(ヨーロッ パ76企業,アメリカ27企業)のマネジメントコメンタリーにおける重要業績評価指標(KPIs)の任意 開示の内容と特徴を明らかにした。著者は,2つの重要な疑問について調べた。これらの国際的な企業に よって報告されたようなKPIsがアメリカにおけるEBRC(Enhanced Business Reporting Consortium)

によって提案されたマネジメントコメンタリーフレームワークとどの程度対応しているのか。そして,

報告されたKPIs がEBRC によって作られたマネジメントコメンタリーによって設定された質的特性に どの程度対応しているのか。最初の興味深い結果は,US企業は実務的にはKPIsを開示しない一方,他 の国際的企業は体系的な方法で開示していると考えられることである。後者のたった 63%しか非財務 KPIsを表示しておらず,それらのすべてが財務的KPIsの代わりに開示している。その上,大部分の企 業が内部指向の指標だけを報告しており,サンプル企業の1/3以上の企業が産業特殊的な数値を公表して いらず,戦略とKPIs の関係は 44%のケースでのみ明示されていた。本研究では,内部目的,外部目的 のKPIシステム間の重なりがそれらの間の強い統合の必要性を提案すると結論づけている。

第4の研究は前述のものを理論上補強するもので,Francesco Dainelli and Francesco Giuntaが非財 務KPIsに関連する議論の余地のあるトピックスを分析したものであり,企業からアニュアルレポートと して公表されたものに価値関連性があるのか,つまりそれらは資本市場価格に影響するのかというもの である。この研究は,ヨーロッパのファッション業界に焦点を当て,産業の専門家からは一般に必須で あると考えられる指標を用いて分析している。大変興味深いことに,著者は,用いた方法によって彼ら のリサーチトピックに対する反応が決定されることを見つけ出した。実際,近年の研究によって用いら れる統計モデルのいくつかを利用した場合,価値関連性仮説は裏付けられず,選択された非財務 KPIs は投資家の視点からは重要でないことを示した。しかし,概念の「操作可能化」と異なったより高度の 統計手法の適用の両方を洗練すると,それらの指標の価値関連性は確かめられた。この研究から引き出 される教訓は2つの要素からなる。1つは管理会計的非財務指標は金融市場に影響力を持つかもしれない ということであり,もう 1 つは方法論的側面が知見や結果に大きな影響を及ぼす可能性があり,それゆ え適切に取り扱わなければならないということである。

まとめ

財務報告の Managerialisation は会計研究や業務に対する新しく,新鮮な道の前触れとして現れてい る。例えば,財務会計の選択が管理会計の測定やデータに注目するとき,どのようにして企業組織の中 で行われるのか。もし,財務会計の Managerialisation の過程が生まれるのであれば,誰が国際的な主 体となるのか。それはIASBか,FASB,WICI,GRI,IVSC,IIRC,ISO,はたまた市場か。このタイ プの情報は投資家にとって価値関連性があり,財務分析に有用なのか。どういったものがバリュエーシ

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ョンモデルによってこの情報に包摂されるのか。このプロセスの教育への影響は何か。

財務会計と管理会計との間のつながりの発見は,こんにち実証的観点において財務情報への市場の反 応を理解することを大きく指向した財務会計研究を豊かにし,新たな生命を与えることに貢献している。

この過程によって述べられた前述の概念的課題は,いくつかの会計学上当然とされてきた偶像や禁忌を

「掘り起こす」可能性を持ち,それらは異なった方法論の利用とともに多様なリサーチトピックの追跡 を主張するかもしれない。一方,管理会計研究は財務会計の研究や論点との相互関係から利益を得られ る。それは,財務会計分析において用いるしばしば用いる実証的方法が管理会計研究にうまく輸入され うるかどうかという議論でも示されている。(Hammer and Labro[2008] vs. Taipaleenmäki and Ikäheimo[2009];Hopwood[2002])

もし,会計学が〔狭義の〕会計についてだけ〔扱うの〕でないなら,それはおそらく財務会計研究が

〔狭義の〕財務会計だけ〔を扱うもの〕とはなりえない。この特別号に掲載された洞察力のある論文は 説明された財務報告の変容過程の表れた問題のいくつかを探索し,内容的,あるいは方法論的多様性が 会計研究を保護するための価値であると示している。

結局,組織の会計は 1 組の唯一のデータセットから始まった。実際近くで見ると,財務会計あるいは 管理会計情報の中での「変容」は慣例である。会計データそれ自体が中立で,それ自体でそのような相 違を生み出していくものである。それゆえ,統合報告(IIRC[2011])よりも将来,おそらく我々は今の ところかろうじて想像できる研究や実務における影響と帰結を伴う統合会計を持つ(再発見する)だろ う。この特別号の目的は,会計研究や教育,方針決定,専門職,企業経営へのそのような新たな「不安 定な」道筋についての議論を切り開くことに貢献することである。

参照

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5)と定義される.財務会計の特徴は,指針と なるルールや原則が,法で規定されているか,

1.はじめに

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しかし,従来の財務会計的な面が全然なくなってしまったわけではなくて,従来は持主に対す る報告の義務という形で

Publishing, 1995, p.. + + 諸表の目的」 ,第二章 「報告事業体」 ,第三章 「財務情報の質的特徴」 ,第四章「財務諸表

応になってしまうと指摘する。さらに「限られた期間