1 1. 研究分野
本研究会の主要な目的は、環境経済学及び理論経済学の学習ならびに研 究をすることである。環境経済学と理論経済学の組み合わせについて、以 下少し説明をしたい。私は、かつて理論経済学を主要研究対象としてきた。
しかし、1985 年、英国から帰国したころより環境研究の必要性を痛切に 感じるようになった。それは、日本および世界における環境破壊に危機感 を持ったからである。
日本、世界を問わずあらゆる所で森林はなぎ倒され、土壌の劣化や砂漠 化などが進行した。また地球温暖化やオゾン層の破壊など地球規模での環 境破壊も深刻の度合いを増した。先進国を中心に廃棄物問題も危機的な状 況になりつつある。言うまでもなく、こうした問題は、直接的にせよ間接 的にせよ経済活動が原因となって引き起こされた。環境を無視した経済成 長・発展が深刻な環境問題をもたらしたのだ。
このような人類の存亡に係る問題解決には経済学が大きな貢献をすべ きであることは言うまでもない。誤解を恐れず端的に言えば環境問題は経 済問題なのであり、環境問題の解決には経済学からのアプローチが必要な のである。この考え方は本研究会の目的にも密接につながっている。すな わち、経済学を通して、深刻化する環境問題の解明および解決に貢献する ことが研究会員には求められている。
したがって研究会では、経済学、とりわけ理論経済学の基礎をしっかり 学ばなければならない。環境経済学はきわめて学際的な性格を持っている ことは間違いない。法律や制度的な側面も学ばなければならない。しかし、
環境経済学の核心は、当然「経済学」なのであり、特に理論経済学の学習 は必須である。加えて、計量経済学的知識があれば尚一層鋭い切込みがで きるだろう。
細田衛士研究会
― 環境経済学・理論経済学 ―
2
いくら問題意識があっても無手勝流のやり方や、ジャーナリスティック なやり方では、問題を鋭く切り取ることはできない。問題を深くえぐり出 すツールは多くあるだろうが、ここでは経済理論分析・実証分析を中心と した経済学的知識が主要な武器になるのである。
しかし、そうは言っても、ただ単に理論学習すれば問題がみえるという わけではない。当然のこととして、現実を知らなければならない。したが って、本研究会では、理論学習とともに、実態を知るための調査(フィー ルドワーク)が重視される。現実を認識するとともに、経済理論を用いて 環境問題を分析することが求められているのである。
なお、卒業論文のテーマあるいは、個人研究のテーマとして、環境問題 以外のテーマを選ぶことは自由である。しかしながら、私の興味から言っ て、環境経済学、理論経済学以外のテーマは、指導に限界があることを明 記しておく。
2. 学生への要望
まず、環境問題に対して深い興味、関心を持つことが求められる。環境 問題は、理論経済学の単なる「応用問題」ではない。まず、現実の環境問 題への関心が必要である。新聞、テレビのニュース、専門雑誌などで常に 現実の環境問題について十分な知識を得ておかなければならない。
次に、日吉においてミクロ経済学、マクロ経済学についての基礎をしっ かり学習することが求められる。本研究会は、経済理論を基礎として、環 境問題を研究するゼミである。マクロ、ミクロなどの基礎知識がないと、
本研究会に入る意味は小さい。さらに、統計学(計量経済学)の基礎知識 があればなお良い。定量的な手法が求められることも多いからである。そ れ以外にも、知的好奇心をさまざまの側面で持つことが必要である。フィ クション、ノンフィクションを問わず、本の乱読をすすめる。
3. 選考について
募集人員 A 日程、B 日程あわせて 16 人程度(尚、A 日程で定員が満た された場合、B 日程による募集は行わない。)
3 A 日程の選考方法
(1)事前レポート 次のテーマのうち、一つを選び、2009 年 3 月 18 日までに以下の宛先まで提出すること。同日必着であり、いかなる 理由があっても遅延は認めない。字数は 3,000~5,000 字の範囲。
レポート提出先:〒108-8345 港区三田 2-15-45 慶応義塾大学 経済学部 細田衛士
〔テーマ〕(尚、内容を表す副題をつけてもよい。)
(ア)「環境保全と経済発展はいかにして両立可能か」
(イ)「日本の環境問題」
(2)選考試験(筆記試験):マクロ経済学およびミクロ経済学の基礎的な知 識を問う。
(3)面接:教師と学生(大学院生)による総合面接試験を行い、問題意 識、学習意欲などをチェックする。
(4)選考基準:レポート、筆記試験、面接を総合的に評価する。評価の 相対的な重みは、レポート、筆記試験、面接の順である。
B 日程(A 日程で定員が満たされない場合のみ行う)の選考方法:マクロ・
ミクロ経済学の試験、小論文および面接。
○ 重要な注意:当研究会では、かなり集中的な学習が要求される。このゼ ミを志望・受験する際には、自分の意志と能力双方を十分確認してから 受験されたい。入会許可後に入会を辞退することだけは絶対にやめて 欲しい。
4. 連絡先
〒108-8345 港区三田 2-15-45 慶應義塾大学経済学部 細田衛士 TEL. 03-5427-1286
但し,入会に関する問い合わせは、学生の代表にすること。
学生代表(大学院生):一ノ瀬大輔 TEL. 紙媒体の入会案内参照のこと