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生命保険契約における『対価関係』の考察

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Academic year: 2023

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【令和4年度 日本保険学会全国大会】

共通論題「生命保険契約における『対価関係』の考察」

報告要旨:中村 信男

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「 生 命 保 険 契 約 に お け る 『 対 価 関 係 』 の 考 察 」

「 趣 旨 説 明 」

早 稲 田 大 学 教 授 中 村 信 男

1 本 共 通 論 題 の 趣 旨 と 検 討 課 題

現 代 の 保 険 は 、 様 々 な 新 種 商 品 の 開 発 ・ 販 売 、 事 業 実 施 体 制 の 整 備 等 に 伴 い 、 社 会 的 効 用 を ま す ま す 高 め て い る 。令 和 4年 度 大 会 シ ン ポ ジ ウ ム で は 、「 社 会 課 題 の 解 決 に 向 け た 保 険 の 意 義 と 課 題 」 を テ ー マ に 掲 げ 、 保 険 制 度 の 多 面 的 展 開 に 応 じ 「 外 に 開 け た 」 研 究 を 企 図 し た 。 そ の 一 方 で 、 保 険 制 度 の 機 能 が 拡 張 す る こ と に 伴 い 、 そ の 基 盤 と な る 保 険 制 度 を 法 的 に 支 え る 保 険 契 約 の 本 質 を 再 確 認 し た 上 で 、 保 険 制 度 が 担 う 社 会 的 機 能 と 関 連 す る 保 険 契 約 の 法 的 構 造 や 法 的 規 律 と の 整 合 性 の 有 無 ・ 程 度 を 検 証 し 、 必 要 に 応 じ 解 釈 論 ・ 立 法 論 を 展 開 す る 必 要 が あ る 。 令 和 4 年 度 大 会 の 法 律 分 野 に お け る 共 通 論 題 で は 、 こ う し た 問 題 意 識 に 立 ち 、 従 来 、保 険 学 会 で は テ ー マ と さ れ る こ と が 少 な か っ た 生 命 保 険 契 約 分 野 か ら 、「 生 命 保 険 契 約 に お け る 『 対 価 関 係 』 の 考 察 」 を 検 討 課 題 と し て 取 り 上 げ 、 基 調 講 演 と 設 定 テ ー マ に 係 る 報 告 お よ び パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 行 う 。

こ こ で の 考 察 対 象 は 、「 第 三 者 の た め に す る 生 命 保 険 契 約 」で あ る と こ ろ 、周 知 の 通 り 、 こ の 種 の 生 命 保 険 契 約 に つ い て は 、 保 険 金 受 取 人 の 保 険 金 請 求 権 の 固 有 権 性 を 前 提 と し て 関 連 問 題 の 解 決 を 図 ろ う と す る 従 来 の 通 説 的 ア プ ロ ー チ に 対 し 、 保 険 契 約 者 と 保 険 金 受 取 人 間 の 「 対 価 関 係 」 に 着 目 し 当 該 問 題 を 解 決 し よ う と す る 学 説 が わ が 国 で は 有 力 に 提 唱 さ れ て い る 。 そ こ で 、 今 回 の 共 通 論 題 で は 、 保 険 法 に お い て 明 文 上 規 定 さ れ て い な い 「 対 価 関 係 」 に つ い て 、 以 下 の 諸 点 を 基 本 的 な 課 題 と し て 取 り 上 げ 、 検 討 を 加 え る 。

1) 対 価 関 係 に つ い て 、 そ の 意 義 や 保 険 法 上 の 位 置 づ け 等 を ど の よ う に 考 え る べ き か 。

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【令和4年度 日本保険学会全国大会】

共通論題「生命保険契約における『対価関係』の考察」

報告要旨:中村 信男

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2) 対 価 関 係 の 意 義 ・ 法 的 位 置 づ け と の 関 係 で 生 命 保 険 契 約 に お け る 保 険 給 付 の 本 質 、 ひ い て は 保 険 契 約 全 体 を 通 し た 保 険 給 付 の 本 質 的 議 論 に 繋 げ る こ と が で き な い か 。

2 本 共 通 論 題 の 報 告 概 要 等

こ う し た 課 題 の 検 討 を 行 う に 当 た り 、早 稲 田 大 学 の 大 塚 英 明 教 授 か ら 、「 問 題 提 起 」 と し て 、 本 共 通 論 題 の 基 底 を 成 す 問 題 意 識 を 提 示 し て 問 題 点 を 洗 い 出 し 、 本 共 通 論 題 に お い て 「 生 命 保 険 契 約 に お け る 対 価 関 係 」 の 考 察 を 行 う た め 以 下 の 具 体 的 な 検 討 課 題 を 取 り 上 げ る 趣 旨 を 俯 瞰 的 に 説 明 す る 。

そ の 上 で 、 武 蔵 野 大 学 の 金 尾 悠 香 教 授 が 民 法 に お け る 第 三 者 の た め に す る 契 約 に 係 る 議 論 も 踏 ま え 「 指 定 変 更 権 の 相 続 禁 止 の 廃 止 」 に つ い て 報 告 し 、 続 い て 、 一 橋 大 学 の 得 津 晶 教 授 が 「 保 険 金 受 取 人 の 先 死 亡 」 を 、 ま た 、 関 西 大 学 の 原 弘 明 教 授 が 「 生 命 保 険 契 約 の 「 対 価 関 係 」 と は 何 か 」 を そ れ ぞ れ 保 険 判 例 や 学 説 の 動 向 ・ 展 開 を 踏 ま え 検 討 す る 。 さ ら に 、 神 奈 川 大 学 の 長 谷 川 仁 彦 氏 が 、 実 務 の 観 点 も 加 味 し て 、「 要 約 者 と 受 益 者 と の 信 頼 関 係 の 破 綻 と 『 対 価 関 係 』」 に つ い て 検 討 を 加 え る 。 そ の 後 、 こ れ ら の 報 告 に よ る 問 題 提 起 を 踏 ま え 、 パ ネ リ ス ト に よ る パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 等 を 行 い 、 上 記 の 検 討 課 題 の 理 論 的 解 明 へ と 繋 げ た い 。

な お 、 本 共 通 論 題 に 関 す る 最 近 の 先 行 研 究 と し て 、 長 谷 川 仁 彦 ほ か 『 保 険 金 請 求 権 の 現 代 的 課 題 』(2020 年 ・ 保 険 毎 日 新 聞 社 ) が あ る と こ ろ 、 本 共 通 論 題 は こ の 先 行 研 究 の 成 果 を さ ら に 進 展 さ せ る こ と を 目 的 と す る も の で あ る 。

参照

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