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日本微生物資源学会第 21 回大会報告

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Academic year: 2024

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─ 111 ─ Microbiol. Cult. Coll. Dec. 2014

Microbiol. Cult. Coll. 30(2):111─154, 2014

日本微生物資源学会第 21 回大会報告

第 21 回大会大会長 岡田早苗

平成 26 年度の大会は,東京農業大学応用生物科学部菌株保存室が担当いたしました.会期は 9 月 2 日(火)か ら 4 日(木)の 3 日間で,世田谷キャンパス 1 号館 5 階フロアーで開催いたしました.9 月開催ということで,厳 しい暑さを覚悟しておりましたが,幸い厳しさは峠を越え,比較的穏やかな中での開催となりました.

初日は午後からの開催とし,編集委員会,カルチャーコレクション委員会,理事会など会の運営に関わる会議が 行われました.2 日目午前中は,実務ワークショップと昼食休憩に重ねてポスター発表による一般講演が,午後か らは微生物資源シンポジウムと総会,そして平成 26 年度学会賞(学会賞,奨励賞)の発表と授賞式が行われ,引 き続いて受賞者 2 名による受賞講演が行われました.2 日目のプログラム全て終了後,キャンパス内の学生食堂「す ずしろ」で懇親会が行われました.

参加者の内訳は,正会員 56 名(機関会員を含む),賛助会員 9 名,名誉会員 2 名,非会員 21 名(招待講演者を 含む),学生 2 名の計 90 名でありました.

実務ワークショップは,課題を「微生物管理における学名に関する問題点」として,①真菌類,特にいもち病菌 について,②微細藻類の学名について,③酵母,特に Candida 属について,学名にまつわる問題点とその解決に 向けた最近の学会動向について,青木孝之氏(農業生物資源研究所),仲田崇志氏(慶應義塾大学),遠藤力也氏(JCM)

の 3 名の識者の方から解説をしていただきました.真核微生物の分類に遺伝子配列を使うようになり,混沌として いるところを整理していただけたと思っております.

ポスター発表では 20 題がありました.ポスター発表では,分類,同定,分離,微生物資源の応用利用などの発 表があり,一般の部として 14 題,保存機関の活動報告の部として 6 題でした.時間は短かったですが,全てのポ スター前(写真 1)で質問とその応答が熱心に繰り広げられました.

写真 1 ポスター発表風景

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岡田早苗 日本微生物資源学会第 21 回大会報告

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昼食休憩を挟んで,微生物資源シンポジウムが行われました.本大会が東京農業大学で行われることから,シン ポジウムテーマを「資源の開拓から実用化へ向けて」とし,微生物資源の実用化を中心に 4 名のシンポジストの先 生にお話をいただきました.微細藻類のユーグレナの活用(鈴木健吾氏),地域の伝統資源に棲む微生物の活用(保 井久子氏),微生物発電(渡邉一哉氏),そして微生物活用ではないが,触媒活用によるエタノール生産技術(市川  勝氏)が話題提供されました.分類,同定,系統,保存についての話題が多い中,微生物資源の活用の現状のお話 を聞くことができ有意義なものでした.

シンポジウム終了後休憩時間をおいて,総会および日本微生物資源学会賞の授賞式が行われました.中桐 昭氏

(鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター)に学会賞(写真 2)が,松村由貴氏(NITE・NBRC)に 奨励賞(写真 3)が授与されました.授賞式後にご両名から受賞講演をしていただきました.中桐氏は「厄介な菌 株の保存に取り組んで─真菌類培養株の保存法の改良─」の演題で,凍結保存が特に困難な菌根性の担子菌類につ いて,凍結保存のために諸条件を検討され,そのご苦労話を聞かせていただきました.そして保存担当者として,

株(strain)を保存することの強い思いを語っていただきました.その思いが学会賞に導いたものと熱意が伝わっ てきました.

また松村由貴氏からは,「Phylum Bacteroides と 酢酸菌に関する分類学的研究」の演題で講演をいただきました.

日本およびタイ国における生物遺伝資源の保全と持続的な利用目的とした研究の中で,多くの新属新種を発見され,

その多くの努力が奨励賞として,今後のますますの発展を期待したいと思います.

懇親会には計 69 名の参加をいただき,学会とは異なるムードの中で大いに親睦を深めていただきました.懇親 会を一時中断して,ポスター発表の優秀賞の発表と賞状と記念品の授与式が行われました.一般の部では,辻 聡 氏「醤油諸味から分離されたヒスタミン生成乳酸菌の性質」,保存機関の部から森 史氏「NIES 藻類コレクショ ンの 2013 年度活動報告」が理事・監事による投票により選ばれました.

第 3 日目は,口頭発表(一般講演)が朝から行われました.口頭発表では 7 題があり,分類,同定,分離,微生 物資源の応用利用などの発表が中心で,各発表ともに熱のこもった質疑応答がなされてました.口頭発表につきま しても,理事・監事による投票が行われ,佐藤真則氏(NITE 特許微生物寄託センター)の発表による「担子菌に 関する L-乾燥法の研究その 1」が優秀賞として選ばれました.賞状と記念品の授与式は本大会閉会式の中で行わ れました.

今年度より,系統分類シンポジウムを本会期中に行うことになり,3 日目口頭発表後に,本大会を締めくくるに すばらしいシンポジウムが行われました.テーマは「新しい微生物同定のための機器分析,MALDI-TOF/MS の 利用と展開」(コンビーナー:川崎浩子博士)で,ドイツ DSMZ の Peter Schumann 博士,ポルトガル Minho 大 学の Nelson Lima 教授と Cledir Santos 博士,わが国から名城大学の田村廣人教授の 4 名から最新の情報を聞く機 会を得,大変に勉強になった.

写真 2 学会賞受賞(学会賞:中桐 昭氏) 写真 3 学会賞受賞(奨励賞:松村由貴氏)

参照

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