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我国の戦前初等理科, 初等算術・算数教科書

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我蟹の戦離窃等選科,舞等算構・算数教科書1こおける実麹・実在の豊麗構 §7

我国の戦前初等理科,初等算術・算数教科書

      における実物・実在の位置(1/

三石初雄傲育実践セン外理科教翻

はじめに

 ある隼齢懸の人は「露潜水艦」というと,学年 や単元名は想いだせなくても,葎象に残る選科の 授業だったと覚えていることが少なくない。「駆潜 水艦婆は,欝盤(紹灘至6/隼逢月に発足した蟹疑学 校の蓬科教科書噸等科理科三盛(6学年溺/の「海

と毅」という単元の教材であった。鶏翻の長軸の講 端蓬こ遷、さな2つの穴をあけ中身をぬきと穆ケカ玉わ 鱗こ水をうまく講策して入れ,「罪潜水艦」をつく る。そしてそれを本構などの器に入れ,水温を変 えてやると郷潜水艦は浮きあがったり沈んだ参す るのである。うまく作れ.ないことがあるというが,

多くの子どもたちは工作をたのしみ,水槽の水温 を変えてやると,なぜ邸潜水艦は浮き沈みするの かに,興味をそそられたのではないだろうか。こ のような子どもたちに興味をもたせる運科鞍替 は,蟹渓学校の各学年にいくつかとり込まれてい たのである。

 このような教材は確かに軍事教材として考案さ れた櫛のであるがラ馨}故子どもたちの興味をひき つけえたのかについては,子どもたちのおかれた 生活,文化状溌とともに,震途検討されなければ ならない。

 ところで,このような選数科理科の特質を探る 上で考慮しなければならないこととして,教育内 容・方法・教材等の変化に臠することの飽に,「統 合」による教科編成という点があげられよう.

 睡罠学校では,それまで尋常小学校の教科§と して設けていた修身,覆語,田本歴史,地理を騒 屍科に,算術と運科を運数科に,体操を体練科に,

纒藏(手工),曝歌を芸能科に「統合」,改称した。

この「統合ゴは,「豊麗民錬成」という最上盤の猿 瑳にもとづくものであるが,この紋草案の提鐡,

決定にあたっては次の2点が背景としてあったこ とはみのがせない。

 iつは,文部省が奨励した「郷土教育」にもと づく教科編成改革の試みであ馨,2つには覆定理 科教科書の改訂の動きである。薦者は郷土の自然 や生活・文化を教軽化し,郷土愛から鐙羅愛へと 育てることを蓑的としたものであ彗,後者は「一 般理科藁設置縫g3i隼〉に示され.るような,嚢常 生活紅麗{系ある事1物・現象を教秘化することによ

り「羅列的」,「学術的盛な遅科教科妻からの鋭趨 を籔ろうとしたものであった。

 これらはともに,生活の教材化,教樗の生活化 の主張に連なるものであった。いいかえれば,生 活という場を遷しながら実務,実在との蓬接的関 わ讐を叢整観しア懸盤三ラ感覚の役書辞こ注撹したとい

うことである。した赫って,力婆キュラムの部分 あるいは全体を「統合」の視点から纒載せざるを 得なくなったのであむ,教材は視覚を中心に感覚 にうったえかけるもので,しかも歎称に直接的,

能動的轟こ選馨き力蝿ナうるものであること力璽翼鐸待され たのである。つま警,「皇蟹浸錬成」というヂ統合ゴ 原建紅よる酸!革は,このような現実生活にみられ・る 鬱然科学の機念・法則と量の科学との欝係を漉在 的,療窃的ではあれ,公的レベルで問う契機にな っていたのである。そこには,「理科も数学も,そ の起源が,実生活の越運に始まって居る。」という

「数理思懸」が基底にあった。

 ところで,運数科の§標として掲げられていた

「通常ノ零梅環象ヲ蕉確二考察シ麺還スルノ籠ヲ 得シメ之ヲ生活上ノ実践二導キ3(小学校令施行縄 財,欝戯年〉と窺う点は,蓮科においては容易に

うなずけることではあるが,算数においては説明 がやや必要という感がある。しかし,算徳教育に おいても,学舗発奮とともに実物・生活紀響意し た教授法(ペスタロッチの教;薄思想の流れをくむ/

が霧在した。それ,は十分展麗され.な雛まま影をひ そめたが,その後,替鶴一,小倉金之雛らの数学 教嘩奪改造運動の紹介薮こよ滲 「実罵数学」の提曝と

(2)

藩島大学教育実践藩実紀要第腿号 して早くからなされていた。つま箏,小禽がペサ ー(Jo臨2eダr露の軽う隅実綿数学かの運懇ゴを 想定して掲げた,「子供の生活や霞然および生活の 中から,子僕嚢らの実践一観察・実験・実灘・計 算・推理 によって,数学を学びとらせよう」と いう主張は,中等教育を中心に講議されていた。

しかもこの主張にもとづく実践は,運科教育よ幸 先に算数・数学教育の場で普及していたと考えら れるのである。そして,その息吹は塩野直遵を介 して蟹疑学校の攣数科種科にふき込まれたと考え

られる。

 そこで,本稿では算数を,遅数科の「統合」摺 手という選窃からだけではなく,遷科との関係を 密にもちながら,「数遅思想」の養成をかかげ実 物・実在に遮ろうとした科嚢であるという理密か ら,考察していきたい。さらに,運数科理科の欝 標としてあげら就て恥た「科学的精神盛は,数学 者,数学教官史家で数学教育の近代化の先駆者で ある小倉金之麺によって提曝されていたというこ

とからして,露罠学校選数科遅科の特質を探る上 で算数・数学教育を考察対象とすえることは必要 なことではな雛かと考える。というのは.羅戻学 校理数科の選科及び算数の教科書は,それまでに なく,実物・実在が大きな覆麗を占めて籍たから

である。

 奉稿は,蛋民学校遷数科教育内容に至るまでの 実物,実在の教科書における位置,取攀援いを聡

らかにしょうとするものであるが,機醗にあたっ ては,教科書内容翼から大まかに3霧に分けるこ とができるよう紅思われる。その匿分は,i覇は 学鱗発足から蟹走教科書発行まで,2難は理科で は羅罠学校発建前まで,算数では緑表紙教科書発 行(重§35〜韓隼にわた箏隼次改訂〉繭まで,3難 はそれ以降ということである。爾教科ともに生活 との関係を次第に重擬するとともに,実物・実灘 の意義の再認という現象がみられるのである。

 なお,羅戻学校難鉄前の蟹定教科書では,第逢 ないしは第5学年以下において運科が設麗されて おらず,蜜語教科書において選科的教材が多くみ られるので若干の考察も行った。

i.理稗算衛教育における実物教授の導入

(葺 国定類以蕪の理科教科書にみるヂ実鞠」,実  在の位置

玉弼警草葺霧

 まず,運科教育の羅からみてみたい。

 「小学教灘」(綿72隼/は,理科に縫保する教緩 の全体に占める割合が今繧のそれと比べもの1こな らないほど嘉い,という点で注目に値する(表i 参照)。導入難にあたる下等小学低学年を纏寵して みると.2学年には罫啓蒙知恵ノ環藷蜜究遷問答凄

(ヂ読庫談方ゴ/,3,畦学隼では饗究靉靆解露(ヂ選 挙輪講j/シ建十二露緩壽(「書績」)等の理科的教材 が課されることになっていた。なかでも,学羅発 布以羨の鰺§8(慶慈蓬)年に畿された馨究運麟解露 は,下等小学3年生には瑳解が霞難であったであ ろうが,その内容は熱,物質の三態,瞬力,月と 地球と太緩等,騒常生活で接する轟然現象に潜む

「瑳」をわか参やすく説明しているという点で薩 購的な科学啓蒙馨であった。

 また,各癒梁に大きな影響を及ぼしたという東 京纐範学校購属小学校の「小学教則」(欝73隼/で は,工,2学年の「問答ユと2,3学年の鍔談本ゴ によって理科的教材が毅われることになってい た。後に「問答ゴは「実物」に,さらに「薄物」

へと改称されていく。瞬校の実践に基づく密改正 教授講書(鰺83隼/の巻三「博物諜異こよれば.「実 験コ「撹察」「実物ノ観察」が強請されていたので

ある。

 その後,算徳で「実物の計方」を教えることと した「小学校教則綱領」(i8凝集)では,中等科物 理と高等科化学で「実地試験ゴをおこない,高等科 地理と生物で「観察ゴをおこなうよう改められてい る。ここには,それまでの鑓授,講謡,独見,輪 講,説親等による教授方法から,実物を直接介し た教授方法へと歩もうとしていることがみてとれ る。しかし, この「ノ卦学校教則綱領」では,修身 を教科欝の蕊位に置き事その授業鋳数を増大させ るとともに,i〜3学年の擁等科から選科的教材 を一擁し,唾学年以ま二につ鵠てはそれまでの物運 教軽重観から薄物教材重機へと重心を移動させて いたのである。

 それでは,理科に関連する教科§の教科書内容 はどのようになっていたのであろうか。

 「小学教則(茎872/年には馨究遜麟解毒にして も曳ζ博梅新編諜解蚕「薄霧3教科書としても1吏欝〉,

ゼ博物新編補遺〆格物入門秘解ノ気海観瀾広義凄

(以上「蓮学輪講」/,『化学謬蒙ノ化学入野灘(ヂ乾 学」/にしても講述あるいは輪講による教授とされ

(3)

我羅の鞍前擁等連舞,霧等真備・算数教科書における実梅・笑窪ぎ〉位置1葺

装董 ヂ選科縫係の授業時麗数とそめ割合葺

実施年度

  掌 隼ウ秘麟熱 i 2 3 5 6 7 8 小1

ェ1

総暗闘数

養成讐授 2 3

i872(墾治5/隼 iヂ小学教舞彗ゴ)

究遷学輪講 氏@  霧 冝@  学

6 % 2%−蔦

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i873鰯治§/年 i「小学教員彗J/

養成鷺授 蓮学輪講 磨@  橡 ヒ   学

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i7.696)

22尋 綱領ユ) 隻   種

2 3 雛

i886朔治欝〉奪 2 2 2 2 8 23§

(ヂ小学校ノ学科 遷   科 (3.4ラ6/

及其程度」/

i§獄人置8/年 2 2 2 2 2

22巷

(縁・学校令施行 理   科 (4.5%/

葦誤彗3

i蟹i紹憩露橋三 一算数と合わ i 2 一2 2 2 2 (鋤 238

(ヂ蟹疑学校令

@懸テ震舞彗」/

遷   科 せて 欝

/i惣こ難ずて メ群が碁

(5.§%/

なお表中の募はその学隼の欝簸こ遷i縛懇,後難畢こ遍2鋳麟課すことを承す。この場合の授業鋳数は隼鵜単均茎.5蒔 闘として誹算した。

ていた。その「遜学輪講」「化学盛では,「器械ヲ 羅テ真説ヲ実ニス3「羅械ヲ以テ之ヲ実ニス」とあ るので,実験を旛秣して教授するよう1こ考えられ てはいた。しかし,蚤時の小学校では,教舗をさ がすのも大変であるばか吟でなく,実験器翼,薬 品など手に入れることができず,「天下郷免の読書 式遷科教授法」鋤にならざるを得なかった。

 その後,翻刻を許燭され,最も普及したといわ れる罫物選1購梯藩(片毒淳吉繍纂,i872年〉におい ても同様である。珍物蓬階梯書の第i課「梅体論」

は次のように書き鐵され,懇々の事物,実窃の単 なる説明に終わるものではなかった。

       センぎイベンジギウ       モ  ノ ク

  梅ノ人ト権接スルヤ,千態万状ニシテ亨窺灘

       サマザマノカヂチ       ワカシこハオも

 ス罵,ラサルカ麹シト難モ其畢竟ヲ究ムルニ,皆        ンウヵマ

 遜微ノ分子,獺聚合シテ,真影ヲ成スモノ,之  ヲ駿1ト蕎フ,…・

 このように「物体涯として一般化,機念化して とらえ,しかも分子論によって説窮している点で

注目に{聾する。

 蓼小学化学書盤(文藻省,露髄年)は,罫物還踏

(4)

難癖 福島大学教曹実践礒突紀要纂修号 儀とやや趣が異な酵,「各事奪ラ実地二就テ其其 選ヲ誕スル」(ヂ原序ゴ〉ことがより強講されていた。

たとえば「火,風,水,土藁にふれた「総議3に つづいて,第一章「火」ではろうそくの実験を紹 介しながら物質不滅を説くのである。ろうそくは 燃えてすべてなくなるようにみえるが実はそうで はなく,「砂糖ヲ水中二投ズレバ溶敬スト難モ真水 ノ賛昧ヲ生ズルニテ其実消滅スルニ葬ザル」こと と懸じである。石灰水でi試せば難の物質が生じて いることがすぐわかる,という内容であった。

 しかし,文部省が霧理実験装置一式をアメサカ から購入し,3癖35察の公立麟鑓学校に交感した のは鰺77奪であ拳,全蟹の多くの小学校では,そ の後もしばらくは実験器翼がないま豪授業がおこ なわれたのではないだろうか。小学校での運科実 験を中心に撮った本が鐵さ轟るのは総85年構易 器械遷枇学試験法選(後藤牧太・中綴譲二郎/をま

たなければならなかった。

 鰺8叙聡治蓋§/年の。小学校令ゴ改豊にともな雛,

遅科教育1こおいても一つの大きな変更がなされ た。尋鴬小学校の遵年間が義務教育とさ蕊,それ までの博梅,霧理,化学,生遷という教科目を統 合し,新たに理科という教科欝を設置(ヂ小学校ノ 学科及其程度」,露舗隼/した。購鋳に教科書の検 定舗もと参込まれた。しかも「小学校教則講鑛」

(鰺縫奪/期より姶窮がi隼遅くな撃,授業時数 も減らされることとなった(表i参照〉。特に注聾 したいのは,建科新設隷それまでの教科欝をよせ あつめただけではな毒》つた, ということである。

それは「ノ罫学校教舞彗綱領3と「小学校ノ学科及其 程度藁の理科縄定を比べることによって難ること ができよう。長くなるが,次に「小学校ノ学科及 其程度」の第十条をみてみたい。

  覆科ハ果実穀物藁薦草本人体禽獣虫魚金銀鋸  鉄等人生二最モ緊窮ノ関係アルモノ嚢月星空気  温度水蒸気雲霧霜露霰氷雷電滋雨火露地震潮汐  燃焼鋳腐敗癖筒瞳水音響返響暗譜寒暖計晴雨計  蒸気器械銀鏡色蛭績拝滑革天秤磁石電信機等翼  常晃童ノ目撃シ得ル所ノモノ

 「小学校教則綱領ゴの中の物理では,「物盤,重 力等ヨ婆始メ藻琴次水,気,熱苧膏,光,電気,磁 石ノ籾歩ヲ授クヘシ凡物運ヲ授クルニハ務テ単一

ノ器械及近易ノ方便二績辞実地試験ヲ施シ其遷ヲ 了解セシメンコトヲ要ス」となっている。「小学校 教則綱領」では,上記の選科の規定とは異なり,

i§縫隼i携

「物遷ヲ授」けるのであ彗,「其麗ヲ了解セシメ」

ることとなっていた。しかし,運科では,水蒸気,

雲,露,羅,雪,霰,氷を学ぶことを還してゼ遷」

としての梅質(水/の三態をとらえるものとはな っていなかった。果勃,穀物をはじめとするド人 生二〕駿モ緊燐ノ関{系」にあるもの,あるいは騒,

屑,雲,露,時計,蒸気器械等のヂ霞然物,翕然環 象,人工物(道具,器具等/」についての個々の知 識を授けるものとなったのである.つま聾,事物,

生活に欝を海けることになったものの,遂にそれ についてだけ学ぶということにな鯵,露然罪の

ド運」を学ぶという面が背後におしやられた結果 になった。この傾向慧,「教官二関スル動議」の発 奮の翌年(鰺髄隼〉に鐵された「小学校教則大綱」,

さら轟こi鱒癖隼の「小学校施行燦難」の焼定1こよっ て徹底された。

 したがって,「小学校ノ学科及莫程度誌施行以降 の教科書は,それ鉄前のものとは様櫓を異1こする こととなった。

 検定朗擁難の代表的な教科書である『小学理科 書書(小野太郎編述,i鍵7年/の欝次は以下のとお 肇であるが,このように「護亀による説霧となっ てしまったのである。

 第一 叉産梅ノ襲震  第二 植物ノ種類及ビ  生難         第三 椴ノ護

 第霞 茎幹ノ話     第五 葉ノ議

六七九 第第第

 第十一  第十三  第十醤

 内容をみてみると,たとえば「撰ノ謡」では「櫨 梅ハ,大機椴,茎幹,葉ノ三蔀ヲ異へ,以テ生長

ノ修羅ヲナス,今左二其大要ヲ承サン」として.

ド根ハ,地中ヨ蓼養分ヲ畷鞭シ,又茎幹ヲ地上二 維持シテ,傾倒ノ患ナカラシムルモノニシテ,其 生長スルニ髄ヒ,数多ノ小根ヲ支出ス,一ゴとい うように説弱が続魏ている。、いわば「小学校ノ学 科及其程度」の各項嚢の解説書と堕してしまった

といえよう。

 検定期後半に崖版された匿小学運科湿(普及舎編 輯新編,i鱒㊤年〉では掌 この肇震海がさら曇こ進みシ

晦」「アブラナ∫エンドー」ドアヤメ」「麦」「花 ト虫及風3…というように文字通警紅小学校ノ掌

植物ノ種子ヨリ発生スル語 花ノ謡     第八 果実ノ藷 種子ノ議    第十 穀物ノ話  菜蔑ノ謡   第十二 食物果実ノ謡  特需草木及ビ檎木ノ議

 苑ヲ闘カザル癒物ノ議

(5)

我蟹の載羨擁等理科,窮等算講・算数教秘饗藝こお謬る実梅・実在の位置鱗 茎綴

科及其軽度」の項醤解説叢に近いものとなってい

る。

 ただ,この鋳難樗i橋渡太郎・麺霞勘次鄭共著に よる離ノ罫学蓬科教科妻善縫鱒倉隼〉が大題麩毒こよ拳 編集され,纒々の事物・環象章こ麗する知識の解説 から脱けだそうとしていたことは特筆に値しよ う.この教科書では,春夏秋冬の季籔にそった「春 の懇懸」「夏の水辺」ド歓の懇懸ゴ等の章が纏まれ,

生物と生物,生物と無生秘との関係等生態的な内 容がここ垂こは含まれていたのである。このような 大題弩による教科内容編成は約憩隼後の國罠学校 窮に再び登場することになる。大題熱こよる編纂 は罫新建選科害毒(文学縫織輯所編纂,建鱒年/に もみられるが,しかし,全体としてみれば,麗科 教科霧の麟定化以前においてすでに「事実の存在 以外には一一歩も珪1な晒書きぶ穆」 と善玉「無華表乾燥 な文章」{3》であると振摘されうるような懸購知識 解説に終始し,実物・実在に縁遠い内容となって いたのである。

鱒 国定懇以前の奮等舞鶴教科書にみるヂ実物」

 の位置

 学籍彗発布轟こともな㌧》シヂ算術」では解筆算毒難蒙轟

(塚本開毅著,鰺§§年〉置洋算早撃毒(吉懇庸徳著,

露72年/等をつかって「西洋数学数位ヨリ撫試算 九々ノ声二至ル迄盛(ヂ小学教則」,鰺72隼/を教え ることになった。しかし,これらの教科書毒こは実 物,生活との関わ参はさほど意識されてはいない。

 実務を意識した教科書の鷺行は,文藻省編罫小 学算術書善(i873隼〉を手はじめとするペスタ霞ッ チの教育思懸の流れをくむものの中にみいだされ る。それは,教錬が絵をもとに置上の絵の,教練 は,幾人あ箏や」「弟子の,小発は,幾人あ参や」

(騒・学算講書壽巻之一/等と闘い,子どもに答え させるもので,庭観教授にもとづき,数え方を学 ばせるというものであった。

 このような「実物ノ計方」は小学校教雛綱領

(鰺繰年/にも購示され,蓼改歪教授銜箸(狢83年)

に承された「麗発主義」教授法の普及とともに,

幾つかの教科書にと箏入れられている。罫改琵教授 衛垂では,それまでの算衛教授法を数字,九々等 をヂ渡人シテ記臆セシムル」ものであったとし,

これからは「実物二望フテ数ノ盤質ヲ確知セシメ 比等実数ノ方便ニヨリテ定則ノ運ヲ会得セシム

ル」べきであるとしていた(巻二「算術課盛/.具 体的には,葬該課(算徳課のこと一筆者/ノ密歩ヲ 教授スルノ法ハ先ヅ生綻ヲ露続スル諸梅二就キテ 充分二数ノ懸盤ヲ了解セシメ次二鈍等ノ数ヲ優鷺 二擬示セル符号ヲ授クルヲ要スゴという考え方か ら,球,唇,翼殼,登類,果類をつかいながら,

ヂ数ハ物ノー盤質ナル1コトヲ聡二遅解セシメンが 為二一物ニシテ数纒ノ同様ノ色或ハ形或ハ大サヲ 有スルモノヲ示シテ計ヘシムルコト」を通して,

工から鱒までの紅鶴念ヲ調発」しょうとしていた。

ここ1こは,数は,日「物ノー 髄質ゴであるときわめて 明確に遠べられている。このような教授法を学ぶ 中で,実梅と数学とを結ぶものとしてそろばんを 位置づけるかのような教科書も墨ていた、

 それは瞬蟹董一(訳〉達置小学擁等課書算学実麹 教授本謳(鰺83隼)である。霧次に,ε実秘の計方」

「数学∫実務の触法」「実物の減法」「実梅の簾減 問題」「算盤の撮方∫算穎矯法」「姦数法」「位取盛

とあるように,実物との縫係が強く意識されてい る。たとえば,「実物の計方」の「第一教」は,ヂ←/

汝等梅を計ふることを知れ9や遥こはじま鯵,「(十 鋤座右の手の指は残らずにて幾本あむや」までを 教えることになっている。「手の指」は擁示ではあ        ママるが,ここでは,「童子の常垂こ§繋せし窪努を姦して 真数の欝へ方をなさしめる然る後第二教を授く葦

と,実物を髭せながらの授業を想定している。ま たヂ第二教3では,「右の難く実物を持て其物を縫 ひ次に真数を霧ひ次紅塗飯に薩して其蔑の茶魏な るととを蟻らしめ以て真数を問ひ又二趨シ三縫.

懸懸と顯を逐ふて瞬品を画きて真数を読ましむへ し」とあ聾,そして「第三数」では,「銚算盤(欝 球一筆者注)の木球はことごとく左辺にあむ今我 か艶本琢を一縷ずつ右辺へ送る簿へ其送蓼たる水 球を計ふへしゴとなっている.つま参,ここでは,

実物から絵へ,そして算盤の球へというように,

数量に関すること以外の実物の属性を揺象,魏象 化していく過程が示されている。い窮かえれば,

「実物の諸方」の次に「数字」を教えるようにな っていることを考癒すれば,算盤は「数の計方を 学ふ翫の羅具」であ参,数を認議するための教具

(半異象物/として意識されていたと考えてよい だろう。

 ところで,このような実物を介した算数教育慧 思うような成果をおさめることができなかった。

遠藤零1舞譲ま,教員の数が少なく,しかも「洋算を

(6)

灘2 福島大学教蒼実践嚢究紀要第爵号 i§8§無蓋i鍔 知らざるもの多し。是を似て蟻諏の地に至蓼ては,

一も筆算を羅ふる所なし。」鱗とその原羅を論じ た。実際には,蟹走教科書蒲の一般的算衛教科書 は,ロビンソン等の算術,代数.幾擁,三角法教 科書の翻訳が多く,また当時の中学校入学試験の 激化も重なって,実物による算術教授は十分曝曝

され,活罵されなかったのではな魏だろうか。

 たとえば当鋳多数発行された数学問題集罪数学 三千題曇(鈴本重遠,i87§年/の凡1甦紅は,ロビン

ソンの蓼ハイエルア撃ソメチック遜によって編輯 し,内容は肇§題ノ要ハ其数理ヲ糖藪セシムルニ 在婆故二敢テ文辞ヲ鰭籔セスゴと記されていた。

しかし,ここでは「物数二万三千羅蕎五十六鰯七 万八千九醤十二趨六万五千露百三十二魑及ヒ霞万 五千八蕎五十纒ア夢総計幾韓」(巻の上〉等の類題 が3§毒馨重んでいただけであった導

 その後,実物・直観教授は,藤沢瀦喜太郎らに よって,次のように正面から撹響されていくので

ある。働

  侮時マデ饒メテ居サマシテモ数ト嚢フ観念ハ  起ラヌ……農雪馨ヲ捲シテーツ,ニツ,三ツト云  フ様二顧ニシテユク動作ヲ数ゾヘルト云ヒマシ  テ,難句ナルモノデモ簸様二数ゾヘテ行カナケ  レバ得ラレマセヌ。故二数ノ観念ハ上工事シタ  様ナ置覚主義デハ到底得ラレマセヌ……

 この文藤からすると,藤沢の「直鏡主義」遅解 は必ずしも鉦確なものではなかった。しかし藤沢 は,直観主義を撰してヂ数ハ数ゾヘルヨリ起ノ擁

という「単純・卑透な原運への礎盤とそれに基く 教育的構熱ゴ韓をもって,「数え主義璽こよる覆定算 術教科書編集に携わっていくのである。「数え主 義」は,ここでいう纐というような具体的事務(実 在/を前提としたものではあったが,捲導にあた

っては具体的事物(実在/を無規し,「数ゾヘルゴ という「動作盛そのこと霧体に意味を与える蓬1導 振舞であった。したがって紅教ゾヘル」というε動 作ゴに潔イントがおかれる数認識捲導は,容易に 暗算先習の土台づくりとなっていったといえよ

う。それは,実梅・実在を萌提として想定された ものではあっても,実態は実梅・実在に基盤をお くものではなく,むしろ歩そこからのi華i離を塔長 ずるものでしかなかった。

2 理科・算数教育にみる実物教授の展 開過程の相違

韓 蔑民学校期薄の蟹走理科教科欝にみるゼ実  霧」σ〉取零援い

 睡定蓬科教科書(晃童罵〉は,鯵麓(墾治韓集 塵篶から使駕された。この醗定蓼尋常小学廼科霧壽 は,雄戯(昭報i6/年の蟹戻学校蓮数科理科発達に 至るまでの毅年溺硬絹され続けた。

 その閥には,欝欝(大豆8/年の理科i年「ひき 下げコ(理科を護学年から課すこと〉にともなう修 正を含め,3度の改訂が行われた。17)その選科教

表2 尋常小学校理科め課程豪雄蟹(聡治4齢隼   学隼

ウ稗欝

毎週教

第  五  学  隼 毎還教

第  六  学  年 遷  群 麺梅,嚢物,鉱物及自然ノ現象,通

夋m物選化学上ノ現象

檀梅,勤梅,鉱梅及察然ノ現象,通 夋m梅運化学上ノ現象,人身生遅ノ

表3 尋欝小学校選科の課程表 i§欝(大鑑麟年   学年ウ稗醤

毎週教

蒔数 第 羅 掌 年 毎遺教      桝鋳数1 第 五 子 隼 毎週教聴数 第 六 学 年

遷  科

麺梅,麟麹,鎮彰吸轟 Rノ理象,通常ノ梅瑠 I学上ノ現象

  ,櫨霧,動梅,鉱霧及麩   i然ノ現象,通常ノ麹理

@ 1化掌上ノ現象  }

纏梅,嚢梅,鉱麹及自 Rノ現象,通常ノ物還 匇w上の環象,人身生 揀m窮歩

i襲翻/聡治撰3〉葎及び茎9i§(大疑8/隼の「雇、学幸受令麓霧晋蔑藝彗」第蟹号表よ彗

(7)

我錘の戦蒲窃等愛群,携等算徳・算数教群書における実秘・実窪の鮭置緋 臆3

科書の内容は,表2と表3に示したように,「小学 校令施行規舞鶴によって学年ごとに定められてい

る。

 この羅定連科教科警では,各学隼の教軽羅 彗は,

i年懸の離業部に植物,勃勃教材が集中してい る。鱗この額海は特に,理科難業学年に著しくみ られ,したがって,学年をおって,纏麹,動物教 轡が減少しているのも一つの特鍛となってい

る。鵬

 これらのことは,季締にあった,教材醗講をと り,「自然の現象に関するものよむも,天然物,殊 に生霧に関するものが遜会が容易ゴであるからだ

と説瞬されていた。瞬次に教科書の内容を見て

みよう。

 第至難穿尋常小学理科書謹は,まず次の「濾菜ゴ

(§年)の課から始まる.

 「一 濾菜

 瀦菜は根・茎・葉を具へ,花を聞く。/根は地中  よ婆水及び養分を吸取参,また茎を支ふ。/葉に  は多くのすぢ(賑〉あ撃。/菟は外翻にがく(樗)

 あり,其の病垂こははなびら(苑弁)あり,また  其の内1こをしべ(雄蓬/あ撃,中心1こめしべ(雌  蕗)あ蓼。/がくは懸片に分れ,はなびら1ま醤枚  あ参。をしべは六本あ拳て,各々その先にこな  ぶくろ(羅∫〉を有しラ其の中よ瞬1花影}を出す。/

 めしべは一奉あり。其の下部の膨れたる醗はし  ばう(子携)にして,中に多くの小さき鞍あ参。/

   いコ

 こ津Lは,「事実の落窪以外毒こは一歩も鐵ないとい ふ書きぶり」と撹霧されていた蟹走理科教科書の 一鯉である。このことは,次の蜜語教科書の「ナ ノハナ3(2年〉と比較してみるとよくわかる。

 「コレ ハ ナ ノ ハナ デス。/キイロイ  チ3一チ婁 ガ ナノ ハナ ニ トマッテ  ヰマス。オチヨ ト オタケ ト ガ.シ3一  カ ヲ ウタッテ,アソンデヰマス。/(ヂちょ  うちょ」の一悉の歌盲溝を省略〉/ナ  ノ ノ、ナ  ハ ーツ ノ ハナ ニ.ハナピラ ガ 霞  ツ,ア肇マス。ソシテ,ソノ 露ツ ノ ハ

 ナビラガ,十ノジノヨー二,ツイ

 テヰマス。ナ ノ ハナ ハ,タイテイ ノ タ  ン潔ボノ ハナ ノ ヨー二,キイロ ァス。ゴ   (第{期蜜語教科書〉鱒

 この違いは,教科や学年の違いによるというも のでは必ずしもなかった。篤学奪罵の教科書をそ

れぞれ比べてみても歩醜語教科書中の覆科的教誘 は滝壷にとっても観しみやすいものになってい る。この違いの療露の一つは,羅語教科書が生態 を中心1こ婁かれてるの1こ対して,蓬科教科書は形 態を中心として書かれていたことにある。その一 つの瀦を,「種子の敬姦」(5年/でみてみたい。

 「二十八 たねの数薦

 たんぽぽのみは毛を翼へ,又松のたね,き磐の  たね, もみぢのみ等ははねの麺 きものを翼,ふ。

 是等緑風によ管て散姦す。ぶだう・ざくろ等の  たね1ま之を包める昧よき部分が動麹の食羅とな  ることによ拳て敵霧す。ぬすびとはぎ・ゐのこ  づち等のたね慰み彰こ養ける鈎・鋭の難きものに  て動物に購着して激籍す。ほうせんくわ・げん  のしょうこ等はみの裂くるとき霞らたねを彗峯き  散らす。コ(霞定第至難罫尋常小学蓬科書(児童  羅擁5年/

 ド第二課 種子の散薦。

 縫物に,果実がなるのは,その講類をふやすた  めで,その桑実,または,果実の中にある種子  が,じ融くして,じめんなどに,落ちると,そ  の種子からしぜんに,芽が崖て,根が鑑て,し  まい1こはッーつの濠んぞくな纏麹になるのであ  る、しかし,植物垂こは,たいて魏,一本の木,

 一本の草に,数霞参ない懸ど,果実がなるもの  であるから,それが,みんな,その下に,落ち  たなら,たとひ,その種がはえたとしても,じ  ゅ一ぶんに, 鷺毒こあたることができずシ また,

 清い窒気を籔ふことができな恥で,と一ていま  んぞくな嬉物になることができないものであ  る。それで,縫物には,その種子が,方方に,

 散薙されるために,それぞれ.しぜんに,つご  一のよい方法がそなはってをる。

  糠,梨,林檎などの果実は,熟すると,多く  は,人や,地の艱難こ食べられる。そして,そ  の種子は,すてられたウ,または,果肉といっ  しょに,のみこまれて,ふんにまじって学鐵た  修して,方方に,散奄される。(以下この分量の  2倍の文章が続く擁(羅定第至難塙等小学校  読本露二/

 このよう導こ,事雫毎・葦嚢境との関{系も事1塗方省籍 た記述は,いきおい,種子の種子たる窃縁にもふ れな魏で終わってしまう。このような記i述形式を とった理震の一つには争「小学校令施行焼舞膓にあ る,「特二重要ナル櫨駿1動物鉱物ノ名稔,形状,効

(8)

i縫 福島大学教官実践藩究紀要第欝讐 欝及発奮ノ大要ヲ知ラシメ・…一」という選科教科 書内容に関する旛示の異体1的な衰理とみることが できよう。

(補1醗定懇国語教科書にみられる理科的教繋  第夏靉靆語教科叢が発行される以麟から蜜語教

科書には瑳科的教樗(教科瑳科以外で籔う露然を 素軽とした教樗)が多い。その噺こは,かえって 運科教科書よ今も晃童にとって,わか参やすい表 現になっているものがある。

 綾定離の翻語教科書の一つに,坪欝雄蔵の肇彗 語読本講鑓ある。まず,理科教科書との比較をす るために,高等小学校濡のみについてみてみたい。

 この嘱語読本善には,運科教科書に劣らない ほどの選科的教材が費全{本の約レ§あるむ韓董しか も,次に示すように,後1こ選科教科書にみられな い内容,すなわち『種族維持(ヂ種毅繁薙漣)ならび に進化に鰹れている点は注欝に鐙する。

  「花ノ構造ノ精妙ナルハ,驚クニタヘタ婆。試  二,一輪ノ桜ノ花ヲ取サテ,シラベ見ヨ。ソノ,

 淡紅ニシテ,美シキ部分ヲバ,花弁ト1云フ,其  ノ数五枚ア縫。一一」(ヂ花ノ構造雄巻一〉

  「草木の,実を結ぶは,種譲繁殖の為な拳。其  の熟するに及びて,地に落つるはッ露然の妙鰐  なり。一…か》る露然の妙法あ参て,種子は,

 八方に分姦せられる, しかれ.ども,其の落ち丘  まる越,必しも,発芽に褻寳なるにあらねば,

 空しく腐るものも,其だ多し。一本の木,一基  の草にだに,毎年,数暮鐘及至数千籔の種子を  着けながらも,その繁薙の度の,割合に多から  ぬは,凝;の理碁こ曲るあ鯵。」(ヂ種子の敬姦3巻二〉

  「動植物が,窟織の翼を薦ふるに至参しは,進  化の結果な箏,とぞ。其の境遇と,必要と進化  に駆られ,永久の隼月中に成たるなむ。……3  (ド生物の競争ゴ巻獲/

 そして,麟建築夏期露語教科妻鴨等小学議事虚 の理科的教材には,埣内の匿國藷談i本:謹に収めら れていた「種子の敬奮」「蜜蜂」「害虫涯がほぼ瞬 じ内容で取箸入れられていくのである、しかも,

この蟹定第至難匿高等小学競本諺中の典型的運科 的教耕(前記3譲と次に示す鎗課〉のうち下線を 付けた課は,一郭追擁あるいは欝除されて,第至 難及び第翼矯の霞定連科教科書1こ移しかえられて

いる。

  警アル植物]「地中の議,「イチョウ∫海ノ

謄8§隼i携

 諸」「虫の農工業∫昆虫の変懇∫水紋岩火成岩ゴ  「動物の体色ゴ「廃」「騰」「益虫ト保護霧ゴ「水  の変態3

 その際に蜜語教科書に残されたものは,「蜜蜂」

「海ノ議」「虫の農工業」唾纏磐の体色」の垂諜で あった。つま参,蓬課を残して,§課が運科教科 書に移ったのである。

 このように発童霧霧運科教科書が綾絹禁止にな っていた鋳(i騰8〜欝欝奪/,夢高等小学講本匪が 理科的教耕を多く含んでいたことがわかる.

 ところで,ま二の1馨多こあるような1,髪i童垂こi観しみ

やすく,興殊を持たせる運科的教材は高等科に鰻 られたことではなカΣつた。

 蟹憲蟹語教科書中の選科的教馨紅麗しては,第 璽難露語教科書の編纂趣意書の分類が参考になる ので,それをもとに小学校低学年の教耕をみてお きたい。そ搬こよると,2隼では学年の課数全体 の害鎗,3年では7/§2が運科的教材として分類

されて翻る。しかも,実際の教科書内容からみて,

地連的教材(「遠足」/,文学的教材(ヂきのこ取」/,

あるいは実業的教紡(ヂ蚕」)等は,選科的教材に 含めてさしつかえないものになっている。

 「蚕」の課をみてみると,「一睡の蚕の譲からで るいとをのばして見ると,五,六霧もあるといふ ことであるゆ」という壽き出しで始まっている。そ して,蚕の体がすき遜ってきて「カサカサ」と動 きながらまゆをつく鱗まじめる様子がかかれてい る。これは,「蚕の頭は其だ小さい。どうは太くて 長くて,十二のふしから出来ている。……」とい う理科教科書の記遠は異なり,自然観察へと誘う 記述となっている。このよう1こ,遜科的教韓の範 麟を,霞然を題材【にと拳入れた課という意味に広げ

ると,2隼では捻!灘,3年で1ま鴛毒2となり,ほ ぼ各学隼のi擁を占めるほどになるのである。

      (以上,働

 先にみたようなヂ事実の存在以外には一歩も鐵 ない書きぶり」という謹科教科書内容に対して,

現場からは,多くの要望が趨されていた.

 その要望は,当時文藻省がまとめた小学校の運 科教科書に対する現場からの「意見報各ヂ3初申 に総かく示されている。

 そこで隷,「文章ヲー屡平易ニセラレタキコト」

という意見が非常に多い。その中には,具体的な 鰹文としてF醗語談本ノ程度ヲ参案シ,……趣味

(9)

我撰の繊羨欝等選科,窮等算徳・算数教秘書における実需・実在の位置{玉1 鱒5

アル記違法ヲ取り,……盛というような意見があ

った。

 また,「単二必要ナル纒々ノ教馨ヲ羅粥セルニス ギズシテ,其間穏互ノ連絡及統一ヲ欠キ…写」マ(東 京癒女子麟範/,ヂ教縁余婆工臨片的二癖舞シアル

   マ  マ

様二患ハルゴ(愛知察第二麟範〉という意見も多く 鐵されていた。そこではうこの断片的,羅舞的教 樗繍威になった理愚を,「学問的」ド科学的婆な記 遽によるものとした。そして歩数馨に関しては,

その量が多すぎること,捧絵が少なすぎることに 超えて,「小学校令施行規難」(欝総年/にいう夢果 然梅及自然ノ現象二灘スル知識ノ〜遜ヲ得シメ其

ノ権互及人生二対スル閣係ノ大要ヲ理会セシメあ に反するような教材闘の聡達が欠麺しているこ と,蔭常生活からの遊離があること等,その不十 分さが多くの舗範学校から捲嫡されていた。

 しかし,このような無味乾燥ではあるが,盤1々 の事実には誤りがなく,省きようのない簿潔な文 章の採弄麹ま,まったく運霞のないものではなかっ た。それは,当鋳の遜科教畜についての「運科1ま 書物からではなく,欝然から{嚢接学ぶものである」

という主張の一つのあらわれであった。つま甑

「実鞭を観察せしめずして掛纒によって実像教授 がおこなわれることのないように,掛露は{重力嫁こ 生遅や物運の談弱纒などに暇足し,また児童絹書 の挿絵も必要欠くべからざる談窮籔などに鱗醸し 色麟になすことをさけ話ていた(欝のである。ここ には,「理科教授の本震は実物事実の観察3でなけ ればならな魏という,児童再嚢豊科書使羅禁豊二の選垂 由と縫じ主張があった.

 その後,縦8(大証7)年から,学年をおって瀬 次故謬された蟹建第夏至窮蓬科教科書では,漢字をな くし,類弼を多くとり.説競を平易にかつ詳しく,

飽課と麗連づけて書く等,いくつかの変更がなさ

れた。

 例えば,飽の課との連絡という点では,「湛1菜」と  「油菜・そらまめのみ」(5年/,「蚕の発生3と「桑」

 「蚕盤「蚕の豪確}とカ㍉(6隼/というような}継続 的観察がとり入れられている。また,「夏至,冬至盛 を「菱至盛とF冬至」に分け,それぞれをその季 簾に合った時窮に学習できるように教材翫 蜜こつ いての翫癒がなされている。

 物選,鉱物・化学,天文・気象・地質,生運の 各教耕については,櫨麹及動梅教材1こ比べて,いく つかの課がよ鯵緊密な連絡をもつよう築められグ

ループとして醗粥されている。そして,これらの グループ化された教軽が学年をおって次第に多く なっている。

 鱗えば,第登攀理科教科書の物運分野では〆梅 の重さ」(5年),「ふξ)こ。轟寺計嚢〈6年〉が新設 されるとともに,「水の三たい及び寒暖詩メこはヂ風 と雨」(§隼/,「重力バこは「騒士潔ンプ」,「光の くっせつ珪善こはぜとつレンズゴ,「電流」には紅電 燈圭(§年/というように,それぞれの課にその応 灘としての課が新たに設けられている。それは,

露営生活との経連づけ の試みであったといえよ

う。

 その後の瑳科i隼ρひき下げ」にともなう2懸 騒の改訂糎学年絹理科教科書綾羅罷始,鰺22年 からの第欝難〉で,物選,化学教材は再び瞬じよ

うな搭置がとられた。邸}しかし,この2度にわた る改訂は,単紅類型を多くと参,飽の課との灘連を 考癒したと雛う繕果だけを示すものではなかっ た.2露類の改訂では,蓬科の課数が塔撫し,植 物.動物,生遜教韓よ塗も,物理,鉱物,化学,

天文,気象,地質教材の方がわずかの授業鋳問では あるが多くなっていた。騰この物理,化学教紡を 増望毒させること蔭こなった2つの改誕は,遅科教育 にとって第一次大戦後に大きな発展をとげたとい う,「繭吉未曾有の盛時」《購の羨後に位置している ことと無縫{系ではない。

 そこでは,化学分野の「えんさんのうさん・

せうさん」を,「二年で授けた漸を三ケ隼に麺ばし て授謬るといふ精神ノ正戦こ基づいて,それぞれ一 つずつの課に分け充実させたというだけではなか った。物遷,化学教舞のよ参程度の高い内容を取

撃入れていたのである。

 携えば,「くわんせい」「豪さつ憐(5隼/や元素 としてゼ硫黄」「水素」とともに一抵醗列された「た んそゴの導入がそれである。

 繭者においては.ヂ頗る重要な漂遷であるが,晃 童は中々遷会が露難」{鋤といわれていた横難を,

 i時間で掃おうとしていた点に,一つの周題点が あった、したがって,この覆牲の学習は,「薦たき 小石を鐵参て平なる地面声滑らしむるとき,蕎の 速さ次第に減じ遠き翫まで達することになくして 静生するは,護と地面との椿髄る〉漸に蟹凸あ彗 て,石が濃牲によりて運動を続けんとするを妨じ るによる。」(鎗尋常小学理科書藷5年数灘爺 259 頁 亙§3§年/を学習内容とする,「まさつ」(正時

(10)

茎麗 藩島大学教育実践溺究紀要第慈母 間接鯵〉 との縫蓮づけは,押し{穿け的なものにな

らざるを得なかった。

 化学教耕の元素に絶しても講じことがいえる。

第王難運科教科書では,気体(物質〉のi種類と して酸素.水素が取り上げられていた.鰹えば,

紅水素」では「水素は甚軽き無色の気体にしてう よく燃漁。/水素が空気の中にて撚ゆるときは水 を生ず。」とあるだけである。それが,第獲類以後 は,「すみそは色もにおひもない気体であって,

空気よ撃もはるかに軽い。/すみそに火をつける と,光の弱くて髪んどの甚だ高騨ほの懸を鐵して もえる。このとき空気中のさんそと結びついて,

水を生ずる。すみそは一つのげんそであって,承 はすみそとさんそとのくわがうぶつであるゴと靉 靆されるようになった。ここには,膳デんそ」「く わごうぶつ」という重要な概念が示されて麟るが,

この継藝こも,飼えば第鍵窮箆童震理科教科書ヂい わうゴでもシ「あ参うさんガスはいわうとさんそと のくわがふぶつであって,りうくわどう隷いわう

と銅とのくわがふぶつである。いわうやさんそや 銅はげんそである。」と説鵜されているのである。こ れは,また,次に続く石灰,石油,鉄,錫,鉛等の基礎 学習となって鵠たのである。しかもこれと霧じよ

うなことが,紅食窃」(§年/の課でおこなわれてい た。つま警,第至難運科教科書で「食物中の主な る栄養分は澱粉・蛋白質・鮨紡な鵜とされてい たものが次類以降は,「でんぷんは炭素・さんそ・

水素よ蓼成る.」というように護明されたのであ る。選科学習において,元素,鑑舎霧の学習は不 雇欠なものといえる。しかし,「晃童実験コが十分 おこなえず,伽}授業跨数が一課にi〜2時間で は十分な運科学習を望むことはできない、それ、は,

讐毒こ小学校におけるこれらの観念の学響は,十分 な鋳閥,設薦と教麟の実験準講の保障が不可欠だ からである。それ故に,これも発童にとっては,

騒常生活からはなれた,緒記ものが増えたことに しかならなかった。

 このように「中々理会が羅難」であって,芦甚し い達人に離らざるを得ない。評玉物理,化学教樗が 増撫した理科教科書は,後の教奮審議会では,次 の様にとらえられていった。{鋤

  「銚ノ大戦が各種ノ工業ノ発達壷二窓然科学  ノ発達ヲ促シマシテ,……其ノ結栗小学校ノ教  科§ガオオクナツタト云フコトが第二ノ大キナ  鱗デアサマス葺

鯵8警葎i窮

 このような麺握に対する袴戸華三郎の貴重な鍵 舞もあった。神戸は,これらのことに関して,「児 童の経験に縁遠い題鑓を提鐡して,之が実験をな

し,其露果iの麗{系を響繋こし,一の原1建法舞彗を帰納 し,それよ磐児童に最も蔑しい欝欝の事実に及ぶ1 という詣導は,ド愛重をして,真の発見的立場に葎 らしめることは轟難である。淫と嚢凝したのであ る。(聯しかし,理科教科書の3度にわたる改誕毒こ よって,施行綴難こ艶記されている「檬物,動物,

鉱梅及窓然ノ瑛象二議キ主トシテ露量ノ目撃シ得 ル事項」よ撃も,「通常ノ麹蓬化学上の現象及人生 ノ樹歩」を授ける方癖に全体として重煮が移って いったといえよう。

 次稿では,羅戻学校顛落の算術・算数教科書内 容の験討ならび淀蟹罠学校難の礫数科教科書海容 の検認をおこなう。

         麺認

 解議 広島大学餓叛懸究会 紹鞍憩年  誓文桂 昭秘露隼

 醗 昭憩35年  年(総1より重弓警

 罫科学史と科学教曹書 23《}賞  大鷲本選1書  曙  穣3i隼

  麟定連科教科書の改謎をもとにした区分にっ  いては,次の通彗 (誘等科で騨示)。

韓/ 襲1琴芝次簑藝  F農撃の観察(教蠹毒稽〉選 復亥彗版の

轡 神戸餌王難  罪農本選科教書発達愛漫 猛葺 13)購前 i里8葵

構 遠藤務貞  番塔修嚢本数学受認 鷺星縫厚生 緯 藤沢稽喜太熱  匿数学教授法講義書 明治33 織 中谷太郎  「黒表紙小学算徳書紅ついて釜

(7/

第至難匿尋常小学遅科書盛 第莚簸群舞鴬小学選科書議 第盤鐵ド尋常小学選科害毒 第鐸難蓼導鴬小学運科書墓 第v難噛然の観察オ    物等科選科薯

婚難畷§ま7年 i§鰺一欝2i奪 ig22護毅8年

i§2§一i§4奪年

i鱗i遷鱗§隼 麟 i§磐(瞬治顔年の罫尋常小学運科書(教縣霧海  の5学隼・月割教樗醗講

懲月月魂戸36

7湾 9鴛

濃き菜,もんしろ蝶,蛙 つつじの苑,訟,哲,麦

たんぽほン,いんげん豆ラ燕,栗の花守花 蕊蒲,夏至・冬至

蛍,馬,隼,地中の小嚢梅,きんぎょ,

も・うきくさ・蓮

朝顔,穰,みどウうんか,ずるむし,藩

(11)

義霞の戦鋳赫等鐙科,雛等算徳・算数教科書における実秘・実窪の位置掛 i暮7

   子・きう肇の果実,わらび

 懇待 こほろぎ,糠の果実,栗の果実.種子の     敬薦,松茸

 登簿 誉藷・馬鈴薯,穏の収穫,菊,紅葉,落     葉及び鴬緑木.冬芽,鶏,鵯

 鴛驚 土,暑石,石英・長石・雲母,黄鉄鉱,

    方解石・石灰石

 至鴛 空気の性質.水の性質及び物棒の三態,

    熱,熱紅よる膨張

 2罵 承の三態の変化,寒緩計,火,酸素,水     素,水の絞分

 3月 空気の絞分,炭酸ガス,燃焼によ彗て盤     ずる麹,春分・秋分

⑨ 蔑定連科教科書の教材欝割合

嚢鐙時幾

懸銭

ヒ﹃多E三生    理毒硝︷§劔︷?一騨≦望

梅    還§麟ア懲︷﹃鉱務・化学

2箸至難碁麟︷ 賛嚇欝鞭彗︐霧

天享気象亀質2勝︷

甦   麹2瀦i嚢3毒重嚢7轡麺   物驚欝2擁欝i叢3溝糠

轟譲特薦

霧察

盈    遷

彗韓 総7鱗︷

轡   理

§欝︷2噛舘i嚢

鉱霧・紀学

2青墨に灘3鑛毒纏縫§霧︷

天文表象遜質

2欝︷

勤    物

2馨i奪2潟i彗

嬉   物

3壽2舞3瞬︷議  譜争奪﹇3§

※隼驚授業欝数は,第蔓難.第羅難ともに各掌奪 騰時聡である。

 纂至難及び第馨難理科教科書の綾羅奪度につ  いては,注鱗を参窯のこと.また,上表のうち,

 カッコなし数字は課の数,カッコ講数字は隼遜  授業鋳数を表わす。

繍堀七蔵鰹季轍毒法精誌27毅8碩賢

 文館 紹報鴛年

(溝 国定騒語教科書の改訂をもとにした区分  第至難

  ぎ尋常小学読本霊一〜八   }§鱗一欝鱒隼   ζ高等小学護本曇一〜八   婚艇Li§鑓年  第嚢難

  曝鴬小学談本書一〜十二   i9鎗〜i劔7年  第董至醐

  簿常小学談本盛一〜十二   亙蟹8〜i§腿年   匿尋常小学蜜語読本毒一〜十二懇懇〜1鱒2年  第夏v期

  藍小学蟹語談本邊尋常群馬一〜十二

      欝33〜i§鱒年  第v難

  密コトバノオケイコ講一〜騒  臆凝〜婚薦年   野蚕ミカタ塵一〜騒      i≦獲i〜i蟹5奪1

  野離等科蜜語選一〜八     欝翻〜雄蕊年 鱒 輝内雄藏のゼ醜語読本護の中1こは,以下に示  すような,運科的教紡がある。

 r花の購造3r竹」「牛」「蟻蛭」「反窮と庚響」「種  子の敬聴」「警虫」「獣」(以下高等科i隼翻「太  陽」r食梅」r動軸の嚢籍」「蜜蜂∫星の語」「皮  講の養生」「象」「生梅の競争」(以上轟等科2奪  欝}

麟 文藻省普選学務縁発行  罫馨定数科書意髭報  告彙纂誰第一輯及び第三輯 i鍵3隼3驚及び  蹴§年6月

麟 購上第三輯 福島女子麟籍学校の意見 薦/ 5隼では,新たに「たんそ」Fくわんせい」「ま  さつ」が,6奪では,「さくさん」Fアルコール」

 「熱の移撃方」「熱と気体のあつりょくゴ「魯」

  「叢誌機」が課されている。

騰 講定理群教科書の教韓土の変乾(生物教材と  その纏の教韓に分けた場合〉

教材 亜嚢 茎v

隼物数縁

7蓬 §3 §3

その縫の教韓 §§ ・ 羅七蔵番選科教奮法精読譲,曝本の選  秘教費諺よ響乍成。

鯵 繭掲 神戸攣王難  継本選科教畜発達史書  2驚蚕

鱒 「尋常小学校第霞学年乃至第六学隼に於ける  選科の邊i藝なる綴覇葵蒼響」の諮懸案の説響窪  (文藻省督学嘗野霞義夫〉罫運秘教膏盤第二巻第  八号 欝欝年

麟 前掲 堀七蔵  蓼選科教官法糖説毒 383頁 騰 神戸伊三馨  匿学習本位蓮科新捲導法誤  i2§〜捻む頁 羅黒書店 大正簸隼

麟 前掲 神戸藩王藻  略本礫秘教奮発達史善   7i頁

憾 鉢博太郎 教官審議会第六蟹特騨委翼会発意   (欝37年/.罫教官審議会諮問第一号祷霧委員会  会議録書 第二輯 懇頁

㈱ 麟掲 神戸轡三熱 罪学習本位蓮科新捲導法毒  3弱頁

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