環境教育に関わる日・中・韓の初等・中等理科教育内容の比較と実験教材作成を目的とした大気環境測定
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(2) (3)分析項目. の化学組成を測定して,降水試料の月平均のイ. 【銅板】. オン濃度と腐食量との関係を検討した結果,水. ・腐食量…回収した銅板と亜鉛板を用いてレ. 素イオン等の酸性汚染グループは,銅板の腐食. モン電池を構成し,ソーラーモーターの回. を促進するように働き,他方,塩化物イオン等. 転時間を測定し,腐食量を推定した。. の海塩由来のイオングル』プは,銅板の腐食量. ・試料銅板の表面分析:SEM−EDS法. を減らすように働いていることがわかった。 (3)SEM−EDSを用いて試料銅板表面の元素. 【降水】. ・pH…ガラス電極法. 組成を調べた結果,腐食が進むほど,酸素の原. ・電気伝導度(EC)…導電率計. 子数割合が高いことがわかった。このことから,. ・主要イオン濃度:イオンクロマトグラフ法. Cu20,Cu0などの存在が推定される。. 陽イオン(Na+,NH4+,K+,Mg2+,Ca2+). (4)環境教育実践案の作成. 陰イオン(C1一,N02■,N03一,S042一). 中国の中学校2,3年生を対象に,銅板腐食 実験を用いた環境教育実践案を提案した。この. 4.結果・考察. 実践案では,生徒各自に銅板を取り付けさせ,. (1)小学校理科教科書の比較研究 ここでは,小学校の教科書について比較研究. 大気中に一ヶ月間曝露した後,試料銅板の腐食. した結果を述べる。. 量を測定させる。この実践教育によって,生徒. ・日本:単元の流れなどが考慮されて,非常に. 自らが身近な環境問題に目を向け,大気環境の. コンパクトにまとめられている。. 現状を認識することができると考える。. ・韓国:物質の混合,分離,溶解,溶液の性質. と反応などの内容が非常に詳しい。また,酸性. 5.結論. 雨に関する記述が非常に丁寧になされている。. 本研究によって,同じ東アジアに位置してい. ・中国:水溶液に関する記述が少ない。他方,. る日本,中国,韓国でも,教科書の内容に違い. 実社会で役に立っ技術に関する内容は詳しい。. があることがわかった。. しかし,最新の教科書(2007年)には,「化学. 一方,銅板の腐食が,気温の高低や,降水量. 反応」という単元があり,中国の教科書の内容. の多少だけでなく,降水申に溶けている溶存イ. の変化が著しいことがわかる。. オンの種類,特に,酸性雨の原因になっている. (2)銅板腐食量と降水量,気温,降水の化学. 酸性の汚染グループの濃度にも依存している. 組成との関連. ことから,本研究で開発したシステムは,初. 大気中に暴露した銅板は,気温の高い夏季に. 等・中等課程の理科学習の中で環境に関心を持. 腐食量が大きく,気温の低い冬季に腐食量が小. たせる実験教材として有用であると考える。. さいという結果が得られた。銅板の腐食にもっ. とも大きな影響を与えた因子は気温であった が,降水は銅板を腐食させる要因になっている. 主任指導教官 尾関 徹. ことがわかった。一方,期間中に採取した降水. 指導教官 尾関徹. _357一.
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