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全国の新車需要台数(乗用車系)の予測

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(1)

2008年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文

「車に対する価値観の変化」

~自動車モデル数と団塊世代と団塊ジュニアからの考察~

A0542130 佐藤 寛晃 提出 2009年1月15日

(2)

車に対する価値観の変化

目次

1 はじめに 1.1 素朴な疑問 1.2 仮説 1.3 分析方法

2 国内自動車の現状 2.1 国内販売の現状 2.2 若者の車離れとは

3 分析① 3.1 仮説 3.2 検証 3.3 検証結果

4 団塊世代と団塊ジュニア

4.1 本論文における団塊世代と団塊ジュニア 4.2 団塊世代

4.3 団塊世代にとって自動車とは 4.4 団塊ジュニア

4.5 団塊ジュニアにとって自動車とは 4.6 まとめ

5 メーカー 5.1 仮説② 5.2 検証 5.3 検証結果 5.4 仮説③ 5.5 検証 5.6 検証結果 5.7 まとめ

6 全体を通したまとめ 参考文献

(3)

1 はじめに

1.1 素朴な疑問

最近国内において自動車販売の低下が問題となっている。その原因の一つとして若者が車に興 味が無くなり、購入しなくなったからだと言われている。ではなぜ若者は車に興味が無くなった のか。著者自身は車に対して興味があり、様々な本を読んでいく中で昔の若者にとって車はステ ータスだったという内容をよく目にした。しかし今の若者は車の話すらほとんどしないし、まし てやステータスだという話を聞いたことすらない。そこで車に対する価値観が変化して、自動車 離れが起きているのではという疑問をもち研究対象とした。

1.2 仮説

そこで消費者側の意識の変化とメーカー側の戦略の2点から考えていく。メーカー側はモデル 数に注目する。「タイプ数の増加による一台あたりの価値の低下」また「若者向けの自動車(タ イプ)が減った」ために、車離れが起きたのではないかという仮説を中心に検証していく。

1.3 分析方法

消費者側は団塊世代と彼らの子供である団塊ジュニアを研究対象とする。彼らを取り上げたの はまず日本の人口面において最も出生数が多い世代だからである。また団塊世代は、戦後日本の 代表産業である自動車が発達した時代であり、彼らが若者の時に強い影響を受けているからであ る。また団塊ジュニアを取り上げる理由は、団塊世代と比較しやすいこと、また自動車販売数が 低下してくる90年代に若者として過ごして、親の世代と逆の環境で育ったからである。両世代 の特徴と車との関わりをまず分析する。

次に仮説の検証の為、90年代のメーカーのモデル数を検証していく。

さらに団塊ジュニアが90年代に車に対してどのような意識変化をしたか調査することで、車に 対する価値観の変化を分析してみる。

補助的な仮説の後に、団塊・団塊ジュニアの検証。そして本仮説であるメーカ側を検証して いきたい。若干読みにくくなるがご了承願いたい。

(4)

2 国内自動車の現状

2.1 国内販売の現状

図1 新車販売台数推移1

日本自動車工業会」より)

2 保有台数の変化

(出所 「

台数は、508 万 2233 台となっており、前年比5.1%減となっている。(上記グラフに記載無し 乗用車は 321 万 2342 台、軽自動車は 186 万 9891 台となっている。このまた、グラフから日本国 内の自動車需要数は 1990 年以降総じて減少傾向にある。人口そのものの減少や自動車の普及率 の向上・飽和(携帯電話と同じ現象)などが原因とされている。

全国の保有台数(乗用車)の予測

42,365 42,747 40,762 40,218 39,592 12,617 16,228 19,364 19,813 19,681

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000

00 05 10 15 20 (年度)

千台 軽自動車

登録乗用車

(出所「乗用車市場動向調査」より筆者作成)

(5)

保有台数は、乗用車系総数で 05 年度の 5,898 万台から 2010 年度まで増加し、その後やや減少 に

3 新車需要の変化

414 万台、

2

ラフより国内の保有数の変化が少なく、新車需要台数が減少していることから、現在保有して

.2 若者の車離れとは

の特に男子が自動車を所有しないことである。上記でも述べたが若者 転じ、2020 年度には 06 年度実績と同水準となる見通し。また登録乗用車系は 05 年度から 20 年度までに 7.4%減少し、2020 年度には 3,959 万台となる見込み。一方、軽自動車は 05 年度か ら 20 年度までに 21%増加し、2020 年度に 1,968 万台となる見込み。

全国の新車需要台数(乗用車系)の予測

3,575 3,340 2,763 2,610 2,438 1,404 1,495

1,554 1,527 1,508

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

00 05 10 15 20 (年度)

千台 軽自動車

登録乗用車

(出所「乗用車市場動向調査」より筆者作成)

乗用車系総数で、05 年度の 483 万台から減少が続き、10 年度に 432 万台、15 年度に

0 年度には 400 万台となる見通し。05 年度から 20 年度までに 17.3%の減少となる。登録乗用 車は 20 年度には 243 万台となる見込みで、05 年度から 25.5%の大きな減少率となる。一方軽自 動車は、20 年度に 151 万台と、05 年度とほぼ同じになる見込み。

いる車を長く使用して新車を買うことを控えている状態であることが推測される。さらにこれら の現象は今後も長く続くと考えられ、国内においては新車に対する需要はさらに減少していくと 考えられる。

2

一般的な定義では20代

の車離れという言葉を見かける機会が多くなった。車離れという言葉が使われ始めたのは00年 頃からと言われている。そして様々な原因が挙げられており、代表的なものとして携帯電話・パ ソコン・インターネットの普及が言われている。また Media Shakers(2005)による首都圏男女 各 100 人に調査した車を持たない理由上位5位は、必要性を感じない・維持費等のコストがか かる・他の交通機関で足りる・車以外のものにお金をかけたい・車を買うお金がないからと順に 回答を得た。この結果は他の若者にも当てはまると考えられる。

(6)

またモータージャーナリストや自動車コンサルティング会社では、交通量の問題、環境問題、人

図 2 と数値が異なる

分析①

.1仮説

考えるにあたってまず「若者は自動車そのものに興味が無くなった」という仮説を

.2検証

代男子の自動車保有率

作成)

まず20代男子の保有率を検証してみると96年が最高の保有率を示し、それ以降は減少して 口低下の問題が挙げられ分析されている。車離れといっても 1 つの答えではなく、様々な問題 が多く絡んでいるといえる。

1) 軽自動車を含む 2) 商用車を除くため

3

3

この問題を 立て検証してみた。

3

図4 20

20代男子の自動車保有率

70 72 74 76 78 80 82 84 86

93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 年

% 保有率

(出所 日本自動車工業会「乗用車市場動向調査」「国内自動車販売の現状と課題」より

きている。図には載せていないが05年現在での保有率は若干の誤差はあるが約60%となってい る。やはり20代男子の保有率は減少していることが分かる。

(7)

図 5 自動車に興味を持った時期 (男性)

(出所 「ネットエイジアリサーチ」より)

男性の20代では約3割、女性(図無し)では4割近くの人が全く興味を持ったことがないと 回答しており、他世代に比べて若い人ほど興味が無くなっている事が分かる。しかし注目してみ ると、小学生低学年からコンスタントに車に興味を持つ人が増えていき、大学生の頃までには約 半数の人が車に興味を持ち始め、社会人まで含めると約7割を超える人が興味を持っていると言 える。また掲載して いないが同調査によると男女ともに興味を持ったきっかけは、父親の影響 と友人の影響が高いことが分かった。さらに同調査によると 20~30 代は父親の影響が非常に高 く、40 代~50 代は友人の影響が大きいと言える。

3.3 検証結果

若者は自動車そのものに興味が無くなっているという仮説に対して、検証した結果興味そのも のは無くなっていないと言える。つまり現代の若者の多くは車には興味を持ったことはあるもの の、購入に至ってないと結論づけられる。図から分かるもう一つのこととして、50 代以上の男 性の約 9 割以上が自動車に興味を持っているという事実である。彼らの特徴として小学生高学年 の時から高校生の時までに、高い割合で自動車に対して興味を持ったことである。

そこで興味を持ったことがない 20 代と 50 代を少し極端かもしれないが、団塊世代と団塊ジ ュニアに置き換え、なぜ自動車に対する興味が減ってしまったのかを検証すると共に価値観の変 化を考察していきたい。

(8)

4 団塊世代と団塊ジュニア

4.1本論文における団塊世代と団塊ジュニア 図6 日本の人口推移

(出所「日本の将来人口推移」より)

一般的に言われている定義によると 1947 年から 52 年までの6年間を団塊世代と、71 年から 74 年までの 3 年間に生まれた世代を団塊ジュニアと呼んでいる。この論文ではほとんど変化は ないがさらに幅を広げて60年代半ばから 70 年代前半までを20代で過ごした世代を団塊世代、

90 年代半ばから 00 年年代前半を過ごした世代を団塊ジュニアと呼ぶことにする。

4.2 団塊世代

まず彼らの社会的な背景を見てみると戦後の復興期に生まれ、人口が多いのが特徴的である。

その人数の多さから義務教育時代は「二部授業」と呼ばれる教育体系、また高校受験や大学受験、

就職試験といった、人生の各ステップにおける試験においては「受験地獄」や「狭き門」といっ た流行語も作られた。

団塊世代の特徴は、「「団塊」家族(1999)」によると、1省化生活(無駄を省く生活)2自親 設計(自分の将来は自分で考える)3不良中年(フェンダーのギターやスポーツ車に憧れる)4 永遠青年(若くいるための消費を惜しまない)5知好知楽(好きな者にはお金をかける)6連隊 気分(団体行動が好き)の6テーマに分類されている。

団塊世代が育った時代は、日本の経済成長の時代でもあった。彼らが幼少期の時の 50 年代後 半には、冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビといった所謂「三種の神器」が普及し始め、その他にも様々 な商品が普及していた。それらは全て生活向上のための消費であった。そして彼らが 20 代を迎 えるころまさに日本は高度経済成長の真っただ中であった。製品の種類は増え、生活消費を満た した彼らは次にファッションや家具、食べ物など様々な商品を通じ、自分たちの生活スタイルを 表現する差別化消費の時代を過ごした。テレビではアメリカ中流家族の様子が頻繁に放映され、

その暮らしに憧れ少しでも近づくために良い製品を常に買い続ける、上昇志向が強い消費形態で あるのも特徴である。つまり団塊世代は、「自己表現の手段としてモノを位置づけた」。そしてそ のモノの中で特に影響力が強かったのは自動車である。

(9)

4.3 団塊世代にとって自動車とは

団塊世代にとって、自動車とは単なるモノや道具ではない。彼らにとって自動車とは、光り輝 く存在である。自動車に限らず、人にとってモノとの出会いは非常に重要である。特に男性は、

自動車や電化製品のような「機械もの」に、何歳で出会ったかは重要であり、その後の性格を左 右する場合もあると言われている。なかでも自動車と男性は、その男性がいくつの時にどんな自 動車と出会ったかによって、将来の車との付き合いも決定されることすらある。

ここで団塊世代が若者だった時、60 年代半ばから 70 年代前半までの時に各社から発売された 自動車を挙げてみる。トヨタからはスポーツ800・67 年に登場し未だに多くの人の印象に残 っている名車トヨタ 2000GT、日産からはスポーツ車の代名詞でもあったスカイライン・Z、ホン ダからは S800・N360、マツダからはコスモ等が発売された。また世界に目を広げると、1960 年 代のランボルギーニ・フェラーリ、AC コブラなどいわゆる「スーパーカー」が世に出回ってお り、団塊世代の車意識に影響を与えた 1960 年代は、未だに「黄金の 60 年代」と呼ばれている。

この世代にとって自動車は憧れであり、その後の人生に自動車が大きく関わることになる。

図 7 定年後の「消費」としてのお金の使い道

(出所「HI-PANEL」より筆者作成)

事実団塊の世代の退職金の使い道調査結果を見ると、男性の約4割の人が車に使いたいことが かる。男性は新しい人生を新しい車と歩みたいと考えている。その時思い出されるのが幼少期

ここまでを結論付けると団塊世代にとって自動車は自己を象徴するステータスシンボルであ る。「いつかはクラウン」という言葉があるように、 上のも

0 10 20 30 40 50 60 70 80

国内旅行 海外旅行 趣味 車

% 男性

女性

からモノを自己表現として位置づける考えである。

自己成長ともに自動車もワンランク のやスポーツ車を始めとするカッコいい自動車を求めているのだ。

(10)

4.4 団塊ジュニア

代にはディズニーランド オープン、高校時代にはバブル経済を経験するなど史上最も豊かな時代に青春時代を過ごした。

「団塊家族(1999)」によると、1最的生活(自分の身の丈にあった生活ス

経済成長でみてみると、経済成長は終わりバブル崩壊を迎えた時であった。親である団塊世代

、製品数が増え いくにつれてその発売を隔週へと変化せざるをえなかった。しかし次第に売れ行きが落ち始め、

ニアにとって自動車とは

は友人達と遊びにいくことが出来た。では彼らは親 代と同様に、車に対してステータスの価値を見出して購入しようとしたのか。

まず彼らの社会的な背景を見てみると、親である団塊の世代は、戦後平等主義を享受した時代 で、夫婦平等で子供の意見を尊重する家庭であった。団塊ジュニアは、親と暮らしながらも個性 を重視し素直で自由に行動しながら育ってきたのである。また小学生時

彼らの特徴として

タイル)2少考賞行(大がかりな活動を行わない)3集中好事(好きなものだけお金を使う)4 現状満足(ずっとこのままの生活スタイルを望む)5自力本願(自分のことだけを考えたい)6 後味爽快(満足感が得られるものを望む)という6テーマに分類できる。

と違って、生まれたときから全ての家財道具が揃っており、モノが溢れかえっていた。あまりに も多くのモノがあるため製品を買うことで差別化することができず、むしろ製品が彼ら自身の存 在を迷わすモノであった。これらを象徴する例として「ぴあ」「東京ウォーカー」がある。72 年 に発売された「ぴあ」は映画や音楽製品を紹介する雑誌として月刊で登場したが

そこに登場してきたのが90年に登場した「東京ウォーカー」である。「ぴあ」と違いお勧めの 映画や音楽を限定紹介することで、若者に対してマニュアル本的な雑誌として広く受け入れられ 現在に至っている。モノが多くなってしまったために、彼らに指針を与える製品が必要になった のである。

団塊ジュニアは、自分自身の生活にあったモノを購入しようとした。過剰なまでのモノや情報 に囲まれてきたせいか「もっといいモノ」という上昇志向がみられない。あくまでも自分にとっ ていいモノという条件がつくのである。

4.5 団塊ジュ

彼らが青春時代を過ごした時には、モノや情報があふれ、個性が重視される時代であった。そ して自動車は親世代と違って、自動車は家に当然あるもの、つまり自動車ありきであった。新し く買わなくても、家の車を使えば外出、また

(11)

図 8 今後充実させたい消費分野(20~28 歳までの男性調査)

1 旅行関連費 41% 7 TV・DVD購入費 22%

2 趣味・教養関連 41% 8 パソコン購入 21%

3 食費 39% 9 交際費 21%

4 子供の教育費 32% 10 家電購入 20%

5 技術取得費 32% 13 自動車購入 13%

6 住宅関連費 24% 15 自動車関連費 7%

出所 用 向調査 02 年度」 成)

この図から の購入 を当て い はかなり低く

なってい こ 代わりにT ソコ 購 けたいと思っ が

多い。団塊世代の若い頃の消費分野の調査が無いため確実なことは言えないが、図から予測して

団塊ジュ にとって があ ある可能性は 。

では団塊ジュニアは自動車に対して何を求めているのか。意識変化から考えてみたい。

9 団塊ジュニアの意識変化

団塊ジュニア 男性 団塊ジュニア 女性

( 「乗 車市場動 より作

も分かるように車 に費用 た と思っている若者の割合

る とが読み取れ、 Vやパ ンの 入にお金をか ている人

ニア 自動車は価値 るモノで 低いと言える

調査方法

団塊ジュニアの大部分を占める25歳から29歳を調査(01年現在)。過去の同世代(93 年現在)と比較することで、意識の変化を調査。調査項目に対して、「非常にそう思う」「そう思 う」「そう思わない」「全くそう思わない」の4段階で回答してもらった。

「非常にそう思う」と「そう思う」の回答

93年調査→01年調査 93年調査→01年調査

車内のゆとりもよいスタイルの良い車 50 58 65.2 38.4

室内が豪華で贅沢な車 34.6 45.7 32 38.4

サイズが小さく、小回りのきく車 34.6 36.4 48 68.5

荷物スペースが広く、使い勝手の良い車 80.8 83.9 66.7 87.7

価格は高くても燃費の良い車 88.5 77.5 64 78.1

内装や装備は普通で、小さく価格の安い車 53.8 43 60 57.5

高性能エンジンのスポーツ車 53.8 34.3 52.2 32.8

耐久性があり、買い替えの必要が少ない車 84.6 68.3 79.2 65.7

多目的に使える車 70.1 78.5 65.1 54.8

自分の生活スタイルをアピールできる車 61.5 39.8 36 37.5

特別仕様車などの買得な車 34.6 44.8 37.5 52.1

(12)

10ポイント以上増加 10ポイント以上減少 ( 「JAM INE」02 号より

団塊ジュニアの男性は、親である団塊世代が憧 スポーツ車に対しては興味が低くなってい る。車内のゆとりよりもスタイルにこだわる半面、燃費や価格といった経済面を重視しているこ とは変わらない。そして最も注目する点は、買得な

合った車へとシフトしていると予測できる。

層であると考えられる。

図 が分か

出所 AGAZ 年 7 月 )

れた

車のポイントが上がって、自分の生活スタイ ルをアピールできる車のポイントが大幅に減っていることである。車が憧れの存在から、生活に 見

一方女性の方だが、女性は男性と違って元々車で自分の生活スタイルをアピールしようとは考 えていなかった。そのため男性で目立った、生活スタイルをアピールできる車の項目の変化は少 ない。注目するべき点はゆとりもよくスタイルのよい車の項目が大幅に減っていることである。

その半面、小回りや荷物スペースの項目ポイントが増えていることが分かる。この調査から考え ると、女性の多くがハッチバック形式の車の購入

以上、分析した8年前の同世代との比較結果を踏まえて考察してみると、団塊ジュニアにとっ て車は、それ自体に価値のあるものではなく、道具の一つとして意識されてきていることが分か る。

図10 「憧れ」の自動車はあるか?

(出所 「CAR SENSOR」編集部「車購入意識調査」(99年3月)より

10より分かるように、自動車そのものに憧れを抱く若者は少なくなってきていること る。

「憧れ」の自動車はありますか

38 35

26

27 30

0 20 40 60 80 100

30~39歳

% 44

23~29歳

なし

あり(外車)

あり(国産車)

(13)

4.6 まとめ

団塊世代・団塊ジュニアの社会的背景や経済的背景をもとに自働車に対する価値観を考察して

あった。一方団塊ジュニアにとって自動車とは、道具的要素であり、「憧れ」の存在はな 自分の生活スタイルにあった自動車を求めていることが分かった。

トヨタのすごろく戦略とも呼ばれ、上級移行しやすいように価格帯が適切に設定されてい た。

きた。団塊世代にとって自動車は、ステータスシンボルであり、青春時代の経験から「憧れ」の 存在で

ここでは消費者の意識変化から自動車に対する価値観を考えてみた。ではなぜこのような意識 変化が起きたのかを、次の章でメーカー側の製品戦略から考えていく。

1) カローラ→コロナ→マークⅡ→クラウンという自動車買い替えモデル

(14)

5 メーカー

.1仮説2

「自動車モデルの数が多くなったために車そのものの価値が低下したのではないか」という仮 を検証したみたい。自動車メーカーの製品展開、特にモデル数を中心に検証していきたい。

.2検証

カーは、トヨタ・日産・ホンダ・三菱・マツダ・いすゞ(01年まで)・富士重工・ダイハツ・

9 社とする。また対象車種は軽自動車を含め、商用車を除く。またモデル数はメーカ の中の車種ブランドを示し、バリエーションは一つのモデルの中で何車種の自動車が設定され

す。

5

5

検証方法

「伊丹(1994)」を基に、「自動車ガイドブック」に載っている自動車を対象とする。対象メ ー

スズキの ー

ているかを示

図11 モデル数 推移

(出所「日本の自動車産業 なぜ急ブレーキがかかったか」 伊丹敬之より)

5.3検証結果

モデル数に注目する。全体として右肩上がりであることが分かり、90年には約100モデルと なっている。60年代には約20モデルと非常に少なく、平均バリエーションも少ないことから市 場に出回っている自動車そのものの数自体が少ないと予測される。自動車を持つこと自体が、お 金持ちの象徴であるつまりステータスシンボルであったと考えられる。

(15)

ここで少し簡単にだが図の理解を深めるため、戦後から80年代までの自動車メーカーの動き を説明する。

(1)戦後から50年代

0年代は一般のサラリーマンが自動車を所有するなど、夢のまた夢と思われる時代であった。

55

業がスバル360を発表し庶民に手が届く車の道を切り開いていった。

てこの 代に影響が大きかったのが、若者たちに向けられたスポーツ車である。技術の発展とともにス

なき挑戦が続けられ、モータースポーツも盛んであった。

ポーツカーに再び力 入れ始めた。

ばの円高により、海外での展開が厳しくなると国内へ目をむけ、今まで培った 術力を武器に、消費者ニーズを満たすため様々な製品を開発して販売していった。そのため

までには、国内の自動車モデルは溢れ返えるぐらいの勢いであった。

5

年には通産省が「国民車構想」を発表し、日本のモータリゼーション時代を築こうとした。

58年に富士重工

(2)60年代

高度経済成長を迎え始め、同時に交通インフラの建設もスタートし、道路網の整備が本格化し 始めた。人々が豊かになったことにより一般庶民が自動車を持つ「マイカー時代」が到来した。

トヨタが発売したカローラと日産が発売したサニーにより大衆車は一気に広まった。そし 時

ピードへのあく

(3)70年代

70年、アメリカで自動車の排気ガスを規制する法案が成立した。70年代前半は各社で低公害 エンジンの開発に取り組み志成功し、日本の技術力は世界に並ぶほどになった。70年代後半に はマツダのロータリーエンジンを始めとする技術力をつけたメーカーは、ス

(4)80年代

国内での需要の低下により、自動車メーカーは海外展開を拡大し始めた。日本車は壊れにくく、

魅力的な製品というブランドイメージを確立し、特にアメリカでは飛躍的な販売台数となった。

しかし80年代半 技

90年代にはいる

(16)

図12 モデルとバリエーションの推移

90

まで増 と非

常に毎年

以上を踏まえてもう一度検証結果を考える を所

すること自体の価値は下がっていると推測される。仮説は正しいということができる。また下

(図4を引用)

(出所「自動車ガイドブック」より著者作成)

年代から00年前半までのモデルとバリエーションを見てみると、モデルの数は200 え60年代に比べると約6倍近くなっている。バリエーションに至っては年間約600

多くの自動車が販売されていることが分かる。

近く

とモデル・バリエーションの数の多さから自動車 有

記にも述べたが同タイプの上昇により、消費者側に飽きがきたとも考えられる。

図13 モデル・バリエーションと20代男子自動車保有率

(出所「自動車ガイドブック」より著者作成)

ここでモデル・バリエーションと20代男子の保有率の関係を見てみたい。バリエーシ ンと モデルとバリエーション

600 700

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03

年 台

0 100 200 300 400

500 モデル

バリエーション

モデル・バリエーションと保有率

700 86

0 100 200 300 400 600

93 94 95 96 97 98 99 0001 0203 年

70 72 74 76 78 80 84

500 82

モデル

バリエーション 保有率

(17)

保有率の関係に注目してみると、ほとんど同じような動きをしていることが分かる。バリエーシ ンの数が増える90年代半ばには保有率は最高値を取り、後は両者ともに減少していくことが かる。これは普通に考えれば製品数が多ければ、それだけニーズを満たす自動車がある可能性

が高いので保有率が増えるのである。若干話 備率

らメーカーがどのようなモデル展開していったかを検証する。

はyahoo 動車ガイドブック中のボディタイプ区分を基準とする。

ヨタ・日産・ホンダ)

) ョ

がそれるが携帯やネットの普及率やインフラ整 高くなったから若者は車離れしたという考えは、この図から考える限り正しくないのではない かと思う。もちろんこれは普及率や整備率を正確に調べてみないと分からない話であるが。

話を戻すがバリエーションと保有率が連動するなら、メーカーは数を増やせば若者にもっと自 動車を買ってもらえるという考えが浮かんでくる。もちろんこれはコスト的に非常にきつい話で ある。しかし97年や99年のようにバリエーションが増えているのに、保有率が減少している のも事実である。そこで次の仮説では、メーカーのモデル数をさらに詳しく検討して考えを発展 させていきたい。

5.4 仮説3

「若者向けの自動車が減ったことで車離れが起きたという」仮説を検証してみる。前章でモデ ル・バリエーションの数が増えていることが分かった。ここではさらに自動車の種類を分けるこ とで、90年代半ばか

5.5検証 検証方法

トヨタ・日産・ホンダの 3 社を対象とする。対象モデルはセダン・クーペ・ハッチバック・

ミニバンの4つとする。またモデルは「自動車ガイドブック」を基準とし、モデル区分 自

図14 モデル(ト

モデル

50

(出所「自動車ガイドブック」より作成 0

10 20 30 40

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 年

セダン クーペ ハッチ ミニバン

(18)

図15 バリエーション(トヨタ・日産・ホンダ)

60年 である。

だから 占めている

る。両者の図からからはモデルの数が増え、バリエーションの数が減少すること 一つのモデルから、ほとんど1バリエーションと絞って販売している。

の年を転換点に バリエーション

200

0 50 100 150

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 年

セダン クーペ ハッチ ミニバン

(出所「自動車ガイドブック」より作成)

まず、なぜセダン・クーペ・ハッチバック・ミニバンの4区分にしたかを説明すると、

代から各自動車メーカーが若者向けに販売していた自動車の多くがセダン・クーペだから また現在多くの家庭で使われ、メーカーから販売されているのがミニバン・ハッチバック である。また数的にみてもこの4 区分が各メーカーが販売してるモデルの約7割を からである。

まずモデルの図から考えられることとして、ハッチ・ミニバンの90年代半ばからの急激な上 昇が見て取れる。バリエーションの図から考えられることとして、セダンの90年代半ばからの 減少が見て取れ

から

ここでなぜメーカー側がミニバンやハッチバック車を増やしたか説明する。90年代前半にも このミニバンやハッチは各社から販売されていたが、安っぽく狭いというイメージであった。し しかし94年にホンダから発売されたオデッセイが従来のイメージを全て壊し、若者から中年ま でを惹き付け、多くの人の需要を満たしたのではないかと考えられている。こ

消費者側の心理が動き、車に対して外装や性能より内装と空間という新しい購入基準が生まれ、

99 年のトヨタから発売されたウ“ィッツや 01 年ホンダから発売されたフィットへの成功へと繋 がったと一説で言われている。また日本の自動車業界によくあることだがヒットした他社を真似 し同じような車種を展開させたり、また合理化の名の下に、似たような車種を展開させてバリエ ーションを稼ぐという事実もあることを加えておく。

もちろん 3 社とも同じようなモデル戦略をとっているわけではない。そこで国内でシェアが一 番大きいトヨタを例として取り上げる。

(19)

図16 バリエーション(トヨタ)

5.6

取 れる。仮説である若者向けの自動車は減少していることは正しいと言える。セダン・クーペは、

車である。それに対してミニバンやハッチバックは、

数で乗れ・荷物などを置ける空間が非常に多いのが特徴である。90年代半ばに自働車に求 換した可能性が高いと言える。それと同時に車に対する価値観も転換して の

に連

( 出所「自動車ガイドブック」より作成)

検証結果

図14~16を踏まえて考察すると、セダン・クーペの減少、ハッチ・ミニバンの増加が見て

スピードや馬力、カッコよさを追及した自動 大人

められている機能が転 ではないかと考えられる。

ここでセダン・クーペが若者に対して影響力が本当に大きいのかという疑問が浮かぶ。そこで 新車としてその年に発売されたモデルを見てみたい。

図17 新車モデル(トヨタ・日産・ホンダ)

(出所 「自動車ガイドブック」「yahoo 自動車カタログ」より作成)

20代男子の保有率(図4参照)と比べてみるとセダン・クーペの新車モデルとほぼ同じ 新車モデル

10 15

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 年

0 5 20

セダン クーペ ミニバン ハッチ トヨタ

60

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 年

0 10 20 30 40 50

セダン クーペ ハッチ ミニバン

(20)

動していることが分かる。これは偶然一致している可能性が高いのも事実である。しかし新車で る以上テレビや雑誌に取り上げられる機会が多く、若者に影響力を与えたのは確かである。

.6 まとめ

自動車モデル・バリエーションに注目してみた。その結果モデル数の増加により、自動車を持 ことの価値が下がったと考えられる。またさらに詳しく見てみると、若者向けのセダン・クー の数が減り、代わりにハッチバックやミニバンといった家族向けの空間が大きい自動車の数が きくなっていることが分かった。90年代後半に車に対する求められる機能が変化し、同時に 車

アの生活スタイルや自動車に対する ーズと一致したことにより、自動車は移動手段だけの道具的な要素が強くなったと考えられる。

買う必要はなく、自分の身の丈あった自動車を買えばよ

この論文は自動車メーカーの製品戦略から、若者の車離れを考えることを目的とする論文であ

・パソコンの普及、少子化といった様々な要素が絡んでいるのも事実 ろう。それらを詳細に調べていけば、本論文の説は間違っている場合もあるし、さらに発展 あ

5

つ ペ 大

に対する価値観が変化したのではないかと考えられる。

1)新車・モデルチェンジされた自動車を対象とする。また対象車種は「yahoo 自動車カタロ グ」に掲載されている自動車を基準とする。

6 全体を通したまとめ

消費者側の意識変化、自動車メーカーのモデル数変化から車に対する価値観の変化を考えてき た。90年代後半にメーカーがハッチバック・ミニバンの数を増やしたことにより、団塊世代に 共通する自動車に対する憧れはなくなった。また団塊ジュニ

道具的な要素が以上、高い車や早い車を

いのである。さらに道具だったら買う必要すらないのである。その結果車離れが起きていったの ではないかと結論づけたい。

る。最初にも述べたが携帯 であ

する場合もあり非常に興味深い内容になるだろう。

(21)

あとがき

自動車はモテるために必須だという考えはもはや都市伝説化し、また自動車の知識をどれだけ 知っているかが男友達同士の優位を分けるという考えは、もはや知れば知るほどオタクのレッテ を張られる時代になった。同じモビリティーでも女性のファンが増えて、爽やかなイメージに りつつある鉄道マニアとは対極的な立場である。

こんな時代の中でも、自分は自動車が好きである。そして自動車好きな友達もおり、肩身の狭 ながらも話の話題は尽きない。そのなかでよく上がる話題の一つが、最近の自動車メーカーは まらない自動車を作っているという話である、これは他の年配世代とも話していても話題によ 上がる。だからこそ今回メーカー側から車離れを考察する論文を書きたいと思った。

不況の影響もあってますます自動車離れが進んでいくだろう。そして各自動車メーカーとも収 がよくて売れやすいミニバンやハッチに特化していって、ますます走る楽しさが無くなってし な時代だからこそ、団塊世代が憧れたような、見るだけで心が躍るような自動車を作 ル

い つ く

まう。こん

って欲しいと心から願っている。

補助資料1

図1 90 年~08 年のモデルとバリエーション(9 社総合)

モデルとバリエーション

500 600 700

0 100 200 300 400

90 92 94 96 98 00 02 04 06 08

台 モデル

バリエーション

(22)

補助資料2

図2 日産 バリエーション推移

図3

日産

10 20 30 40 50 60 70

96 97 98 99 00 01 02 年

セダン クーペ ハッチ ミニバン 0

90 91 92 93 94 95

補助資料3

ホンダ バリエーション推移

ホンダ

0 10 20 30 40 50

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 年

セダン クーペ ハッチ ミニバン

(23)

考文献

丹敬之「日本の自動車産業 なぜ急ブレーキがかかったのか」 NTT 出版株式会社 1994 年 丹敬之「競争と革新」 東洋経済新報社 1988年

本隆宏 キム・B・クラーク「製品開発力」 ダイヤモンド社 1993 年 p96-p127

屋勉男・大鹿隆・井上隆一郎「世界自動車メーカーどこが一番強いのか?」 ダイヤモンド社

本潔 「トヨタとホンダ」 光分社新書 2001

売新聞車取材班「自動車産業は生き残れるのか」中央公論新社 2008 年

佐 徹「日本の名車 今なお光り輝くMade in Japan のインパクト」イカロス出版 2004年 売広告社「「団塊」家族」PHP 研究所 1999 年

川 芳之 花島 ゆかり 森住 昌弘「団塊と団塊家族の家族学」 電通 2005年

「団塊ジュニア 15 世代白書」 誠文堂新光社 1988 年

の軌跡」日本経済新聞社1995年

2008 年 5 月号

6―2008 参

伊 伊 藤 土 2007 塚 読 岩 読 袖

辻中俊樹

三浦展 「団塊世代を総括する」 牧野出版 2005年 岩間夏樹「戦後若者文化の光芒―団塊・新人類・団塊ジュニア

「JAMAGAZINE」日本自動車工業会 1999 年 5 月号 2002 年 7 月

「自動車ガイドブック」 自動車工業振興会 198

「国内自動車販売の現状と課題」日本自動車販売協会連合会 2007 年

「週刊朝日」朝日新聞出版 2009 年 1 月号 p182

参考URL

日本自動車工業会 http://www.jama.or.jp/

日本自動車販売協会連合会 http://www.jada.or.jp/

図1  新車販売台数推移 1
図 2 と数値が異なる
図 5  自動車に興味を持った時期  (男性)
図 7  定年後の「消費」としてのお金の使い道
+7

参照

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表 1

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