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人工芝と天然芝の日射反射性状実測と Wufi

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Academic year: 2023

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(1)

屋上緑化の UHI 緩和効果に関する研究

- 人工芝と天然芝の日射反射性状実測と Wufi Pro による数値的検討

Research on Mitigation Impact for the Urban Heat Island Phenomenon by Rooftop Turf Numerical Evaluation of the Measured Albedos and Thermal Performance for the Artificial

Turf and the Natural Turf by Using Wufi Pro

芝池 英樹(京都工芸繊維大学) ○前田 淳志(京都工芸繊維大学)

Hideki SHIBAIKE Atsushi MAEDA Kyoto Institute of Technology

The purpose of this study is to illustrate performances of natural turf for mitigation of the Urban Heat Island phenomenon. We measured the roofs of the two buildings at Kyoto Institute of Technology. Monitored heat balances on the horizontal roof covered with artificial turf sheet,and the natural turf. This artificial turf is simplified. So it does not have rubber tips and sand parts. Correlations between measured and simulated convective heat fluxes are in an acceptable range. In the sunny day, the average of heat flux by the natural turf is less 11.9 W/m2 than the artificial turf sheet.

1. はじめに

近年, ヒートアイランド現象(以下UHIと略称する)

による都市住民の生活環境の悪化や, 熱中症などの健康 面への悪影響が問題視されている.その主な原因の1つ

は, 人工構 物による日射エネルギーの吸収・蓄熱およ

び夜間の放熱である.

冷房などのエネルギー消費の増大以外にも, 集中豪雨 を誘発する原因となりうるので大規模災害につながる可 能性を含んでおり,早急な対策が望まれる問題である.

冬期においては温度環境を緩和するという利点もあるが 短期間での急激な変化は悪影響が懸念され,また都市周 辺部での汚染質の濃縮などの問題も知られている.

条例改正などにより屋上緑化は普及しつつある.しか し日当たり, 土壌の管理などの点から不向きな建物もあ り,人工芝シート(グラウンド用などに使うゴムチップ

の充填, 砂で施工する人工芝と違い簡易的なものなので

人工芝シートと表記)を敷いた場合の熱環境性能を測定 するのが本研究の目的である.加硫ゴムシートの上に人 工芝シートを敷いたものと土壌, 天然芝を計測対象とし て比較検討し,数値シミュレーションの結果を報告する.

2. 計測方法および計測期間

人工芝シートの測定対象は,京都工芸繊維大学(以下 本学と呼称))東守衛棟屋上, 高さ3m地点(グラフ内表

記はArtificial turf), 天然芝の測定対象は,同じく本学

形工房屋上, 高さ4m地点(グラフ内表記はNatural turf) であり,計測時期を変えて熱性状を測定をした.

計測では入・反射測定用 Class-2 日射計[kipp &Zozen CMP-3 2台],放射収支計 [kipp &Zozen NR-LITE],熱

流計[(株)プリードPHF-02],外気温・表面温度測定用 T-CC熱電対(2点)をそれぞれ屋上に設置し,測定機器 設置場所直下には温・湿度[(株)ティアンドデイTR-72S]

を設置した.各屋上の熱収支測定結果を比較して天然芝 および人工芝の効果を考察する.なお,天然芝と人工芝 の日射反射率は,2 点較正法により同定した。即ち,反 射率が既知の正方形(一辺0.91m)の白・黒シート(反

射率は白8.4% 黒76.7%)で各々測定し,周辺部の影

響を抑えて日射反射率を求めた.人工芝シートおよび天 然芝に関する計測期間は,各々2013年12月25 日から 2014年1月22日,および2014年1月23日から2014年 2月7日である.本来ならば条件を同じにするため同時 に測定すべきだが測定機器の台数上不可能だったので京 都地方気象台とのデータを比較することにより補う.

3. 夜間放射量(長波長放射量), 対流顕熱量推定式 3.1夜間放射量推定

RN = (1 − 0.62 ×CC

10) (1 − Br) × 5.67 × 10−8

× (Ta + 273.15)4 (2) Br = 0.51 + b√𝑃𝑤

RN:夜間放射量[W/m2] Br:射出量 [W/m2]

b:0.209(PwがkPaのとき)0.076(PwがmmHgのとき)

Pw:水蒸気圧[kPa] Ta:外気温[℃] CC:雲量[-]

これに京都地方気象台の値を代入して夜間放射量の推 定をおこなう.(グラフ内表記Kyotoとする.) 3.2対流顕熱量,実測値からの計算および推定

放射受熱量などによる人工物の大気熱負荷を表す対流熱 顕熱量q は, 日射吸収量, 日射反射量, 長波長放射 資料A3 空気調和・衛生工学会近畿支部学術研究発表会論文集(2013年3月) 

(2)

収支量, 伝導熱流量の実測値を用いる.

q = Q − a𝑠𝐽𝑖+ 𝜀𝐽𝑛𝑒𝑡 (3) Q:伝導熱流量[W/㎡]a𝑠:日射吸収率[-]

𝐽𝑖:入射日射量[W/㎡]𝜀:放射率[-]

𝐽𝑛𝑒𝑡:長波長放射収支量[W/㎡]

また, 外気温, 表面温度と Jurges の式と京都地方気 象台の毎時風 により算定した対流熱伝達率より推定す ると

q=α0𝑎− θ𝑠) (4) q:対流顕熱量[W/㎡]

α0:外気側対流熱伝達率[W/㎡]

θ𝑎:外気温[℃] θ𝑠:屋上面の表面温度[℃]

4. 人工芝シートと天然芝の熱収支実測結果の比較 測定期間の内, 比較的天候が優れた連続した3 日間 を比較する.10分間隔で測定したものを1時間値に平均 したものを示す.アルベド値の比較をFigure.2に示す.

入・反射日射量比較をFigure.3に示す.夜間放射量推定

(1)式※(2)式の比較を Figure.4 に示す.表面・外 気温の比較をFigure.5に示す.各々次ページにグラフと して示す.アルベド値に関して,人工芝シートの反射率 が低く,その影響を受けて白シートのアルベド値も下が っていると考えられる.また, 測定期間の内, 比較的 雲量が少ない日をそれぞれの測定期間から1日ずつ選び

(人工芝シート:2013/12/29 天然芝:2014/1/24)直達 日射量, 正味放射量, 外気温, 表面温度, 夜間放射 量推定の平均値をTable.1に示す.屋上緑化の方が正味 放射量38.4(W/㎡)高く,外気温度は2.5(℃)高く,表面

温度は1.9(℃)高い.夜間放射量(2)に関しては8.5(W/㎡)

低い.対流顕熱量は11.9(W/㎡)低い.

Table.1 Average of measured items on the sunny day

Measured Artificial turf Natural turf

Incident Solar radiation (W/㎡) 128.3 168.8

Net Radiation(W/㎡) 30.8 69.2

Outdoor temperature(℃) 2.4 4.9

Surface Temperature(℃) 4.3 5.2

Nocturnal radiation (1) (W/㎡) 84.4 38.9 Nocturnal radiation(2) (W/㎡) 56.3 47.8 Sensible heat flux(3) (W/㎡) -207.9 -151.2 Sensible heat flux(4) (W/㎡) -123.0 -98.0

※実測値における推定は正味放射量𝑅𝑛𝑒𝑡から直達日射 量𝑅𝑖𝑛𝑐と反射日射量𝑅𝑟𝑒𝑓の差を引いたものである.

(Figure.4内表記Artificial turf,Natural turf)

𝑅𝑁 = 𝑅𝑛𝑒𝑡− (𝑅𝑖𝑛𝑐− 𝑅𝑟𝑒𝑓) (1)

Figure.1 Roof components with artificial turf,natural turf

Figure.2 Albedo the surface of the object,white and black Artificial turf

Natural turf

(3)

Figure.3 Incident and reflected radiation

Figure.4 Nocturnal radiation

Figure.5 Surface and outdoor temperature

Figure.6 Measured and calculated by Wufi sensible heat flux

(4)

5. 計算プログラムWufi Proによる予測値

非定常熱・湿気同時移動解析アプリケーション Wufi Pro を用いて, 計測結果の計算による再現を試みた.

2012年から2015年をシミュレーションする.設計図書 をもとに組み込み材料物性値を用いて各屋根の構成をモ デル化した.しかし人工芝シートに関しては物性値に不 明確な点が多く,熱伝導率以外はポリエチレンシートな どの物性値を入力してFigure.7で比較した結果, XPS シートと同じ値を入力した.外気側気象条件は京都地方 気象台での毎時測定値をもとに作成した.全天日射量に 関しては現在,京都地方気象台では測定していないので 条件の近い大阪地方気象台の値を使用する.

実測値より二点校正法(参考文献5))により,短波長 吸収率は人工芝シート0.91[-],天然芝0.75[-],長波長 放射率は人工芝シート0.95[-], 天然芝0.95[-]とする.

Wufi Pro による一般的屋上緑化のガイドラインに従

い,含水率に関しては, 土壌の下200mmに降水量の 40%の水が浸入するとして土壌の飽和含水率を上限とし て設定(雨水は土壌の表面にとどまらず,土壌を通って 排出されるという仮定),計算されたものをFigure.6以 降に示す.

Figure.6では対流熱顕熱量の実測値とWufiによる予

測値を示す.日中ピーク時で誤差が生じている.

Figure.7では実測値での対流顕熱量とWufiでの予測

値を相対的に示す.天然芝に比べて,人工芝の誤差が大 きいのは人工芝の物性値が不明確なためだと思われる.

Figure.7 Correlation between measured and calculated value

6.まとめ

屋上緑化の利点としては, 夏のオーバーヒート防止,

冬の熱損失の抑制や,都市型気候を改善することがあげ られる.一方で,保水層を有する屋根外皮には,必然的 に防湿性が高い構 が求められ,防湿・防水層より中側 の湿気は室内側にしか排出されず,屋根の温度上昇も抑 えられるため,湿気の排出量能力は限定的となる.さら に,普通の屋根では問題にならない程度の防水・防湿の 瑕疵も,大きな問題に繋がる可能性がある.それらを踏 まえた上で慎重な計画と施工が必要となる.

人工芝シートが天然芝の代替品として利用可能かを確 認することが一つの目的であった.今回の測定では,天 然芝による屋上緑化に関しては,UHI緩和効果が十分に 期待できることが分かった.しかし、人工芝シートに関 しては,夜間放射量が多く,表面温度も高く,アルベド 値が低いことから,今のところ大きな効果は期待できな い.水分を吸収して蒸発冷却する素材等が利用可能とな れば,状況の改善が期待されている.今回の人工芝には、

そのようなゴムチップが組み込まれていないので逆効果 となってしまったと考えられる.

今後も天然芝や人工芝を用いた屋上緑化に関する研究 は引き続き実施し,大気への潜熱フラックスの影響の他、

をまだまだなされていない部分が多いので,様々な素材 で研究していくのが今後の課題である.

Figure.8 Measuring devices on the natural turf

参 考文献

1)宇田川光弘, オーム社, パソコンによる空気調和計算法,

第5章 気象データ, 1986

2)武田 仁, 他4名, 最新建築環境工学, 第6章 建築 伝熱, 井上書院, 2012

3)丸山達也, 他2名, 保水性人工芝システムの水分パラ

メータの同定結果, 土木学会 第64回次 学術講演会,

2008

4)一之瀬 雅之, 他3名, ヒートアイランド低減化手法と しての屋上緑化の実測評価, 日本建築学会環境系論文集,

第605号, 47-54, 2006

5)村田康孝,他12名,高反射率塗料施工面の日射反射率現

場測定法に関する研究日本建築学会環境系論文集,第632 号,p1209-1215,2008

6)NEDA YAGHOOBIAN , JAN KLEISSL ,他1名,Modeling the Thermal Effects of Artificial Turf on the Urban Environment,

JOURNAL OF APPLIED METEOROLOGY AND CLIMATOLOGY VOLUME 49,p332-345

Net radiometer ↓

T h e r m o c o u p l e

↓ y = 0.5312x - 11.078

R² = 0.7751 -800 -600 -400 -200 0 200

Measured Artificial turf

y = 0.9211x + 21.314 R² = 0.7675

-800 -600 -400 -200 0 200 -800 -600 -400 -200 0 200

Measured Natural turf

Pyrheliometer ↓ Net radiometer↓

Thermocouple↓

内容

目次項目が見つ かりません。

した

Heat flux sensor ↓

Calculated

参照

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