中学国語通信 2011年 春(第22)号
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平成二十四年度版の中学国語教科書『伝え合う言葉 中学国語』が完成しました。本誌では、教科書の紙面を掲載しながら、改訂のポイントについて紹介します。
︻表紙絵︼
東 ひがし山 やま魁 かい夷 い 一九〇八年―一九九九年。神奈川県横浜市生まれ。画家、著述家。二十世紀を代表する日本画家の一人。皇居新宮殿の大壁画や唐招提寺御影堂の障壁画なども手がけた。代表作品は「残照」(一九四七年第三回日展特選)、「道」「白馬の森」などがある。 ■さとう まみ 一九八二年宮城県生まれ。
走り幅跳び選手。早稲田大学在学中に骨肉腫のため右足膝下を切断、義足の生活に。その後、競技生活を開始し、日本代表として、アテネと北京のパラリンピックに出場。アテ
ネでは九位、北京では六位に入賞。著書に『ラッキーガール』『夢を跳ぶ』がある。
平成二十四年度版中学国語教科書『伝え合う言葉 中学国語2』に書きおろしの読書教材、『夢を跳ぶ』を掲載。
*読者プレゼント
佐藤真海先生のサイン入りの著書を三名のかたにプレゼントいたします。応募方法は、三十一ページをご覧ください。
巻頭メッセージ 佐藤 真海 (走り幅跳び選手)
平成二十四年度版 中学国語教科書の紹介
第3学年 表紙「白樺の丘」
第1学年 表紙「若葉の径」
第2学年 表紙「秋径」
特集
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第一学年の目次①第一学年の目次② 「読むこと」と他領域との関連
うにしました。 「読むこと」の教材と他領域の教材とを関連させて学習できるよ
改定された「常用漢字表」に対応
私たちは実生活の中で、新聞や書籍などを読み、文章をとおして語彙を拡充したり漢字を覚えたりします。「実生活に生きてはたらく国語の力」という観点から、「読むこと」の教材の中で漢字学習を行えるようにしました。
また、改定された「常用漢字表」に全ての教材が対応しています。 「読解力」が高まる「読むこと」の教材配列 新学習指導要領の「読むこと」の指導事項は、「PISA型読解力」のプロセスが考慮されているといわれています。新版教科書では「読むこと」の活動のプロセスを意識して、「読むこと」の教材を配置しました。目次に沿って「読むこと」の学習を進めることで、各プロセスに必要とされる知識・技能が身につきます(左参照)。
■ P I S A 型 読 解 力 の プ ロ セ ス
三学期制 二学期制「情報の取り出し」
・作品に書かれている情報を正確に取り出す。
↓
・情報のもつ意味を推論したり理解したりする。 「 内容の解釈」
↓ 「
熟考・評価」
・作品の構成や展開、描かれ方について、自分の
考えを述べる。
・作品の内容について、自分の知識や体験と関連
づけて考えを述べる。
教科書の全体構成 読解力が高まるように教材の配列を工夫しました。
特集平成二十四年度版中学国語教科書の紹介③ ②
②
①
①
■ 領 域 関 連 の 例
「読むこと」と表現領域との関連
・「読むこと」の「学習の手引き」の中で、適宜、「話すこと・聞くこと」「書くこと」の教材との関連についてふれました。
「読むこと」と文法教材との関連
・「読むこと」の教材間にある文法コラムで、言葉に対する興味・関
心をひき出し、巻末の文法本教材で系統的な学習を行います。
3
︻伝統文化︼百年後︑千年後の友人であるあなたへ︻伝統文化︼︵川柳/東海道中膝栗毛︶ ...
66
︻伝統文化︼物語の始まり︵竹取物語︶ ...
72
︻伝統文化︼中国の名言︵故事成語︶ ...
80 言葉のきまりの学習② 文の成分 ...
83
︻読み比べ・構成と表現︼
笑顔という魔法 ... 池谷裕二 84 自分の頭で考える? ... 野矢茂樹 90
︻メディアと表現︼写真と言葉が生み出す世界 ...
100
︻多様な表現︼三好達治の詩︻多様な表現︼︵雪/チューリップ/信号︶ ... 三好達治 108
︻ものの見方︼少年の日の思い出︻ものの見方︼ ヘルマン=ヘッセ/高橋健二 訳 110 言葉のきまりの学習③ 単語のいろいろ ...
123
︻ものの見方︼言葉がつなぐ世界遺産 ... 橋本典明 124 漢字の広場③ 菊は昔の輸入品 漢字の音と訓 ...
135
︻言葉と仕事︼言葉の上達は競技を上達させる ... 平井伯昌 136
︻読書︼蜘蛛の糸 ... 芥川龍之介 138
5
︻言葉の研究室③︼熟語の構成 ...
202
︻言葉のきまり①︼言葉の単位 ...
204
︻言葉のきまり②︼文の成分 ...
207
︻言葉のきまり③︼単語のいろいろ ...
214
︻漢字1︼関連させて覚えよう 練習問題 ...
220
︻漢字2︼小学校六年で学習した漢字 ...
224
︻折込︼一年で学習した漢字
付 録 言葉のとびら補充教材集 ふしぎ ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝金子みすゞ
228 花の詩画集 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝星野富弘
230 デューク ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝江國香織
232 風少年 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝小檜山 博
237 新しい世界をつくる言葉 ⁝池上嘉彦
244 銀のしずく降る降る ⁝⁝⁝藤本英夫
246 蓬萊の玉の枝とにせの苦心談 ⁝田辺聖子
256 トロッコ ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝芥川龍之介
260 常用漢字表 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
266 一年で読みを学習した漢字・語 ⁝⁝⁝
279
データベースコラム
1 十二支と月の呼び方 ⁝⁝⁝⁝⁝
280 2 故事成語と名句・名言 ⁝⁝⁝⁝
281 3 一年生のための読書案内 ⁝⁝⁝
282 4 メモの取り方 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
284 5 国語辞典と漢和辞典 ⁝⁝⁝⁝⁝
285 6 本の構造 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
286 7 現代の文字 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
287 8 ローマ字 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
288 9 アイディアの出し方 ⁝⁝⁝⁝⁝
290
10
表現テーマ例集 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
291
11
発表を工夫する ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
292
12
話し合いの仕方 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
293
13
原稿用紙の使い方と推敲 ⁝⁝⁝
294
14
さまざまな案内や報告 ⁝⁝⁝⁝
296
15
使ってみたい表現カタログ ⁝⁝
297
16
文章を書くときの注意点 ⁝⁝⁝
298
17
情報を整理・分析しよう ⁝⁝⁝
299
18
ウェブニュースを読む ⁝⁝⁝⁝
300
19
瞬間を切り取る ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
301 学習語句一覧表 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
303 索引 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
304
︻折込︼小倉百人一首
2
︻言葉︼わたしの中にも ...
10 新川和江
︻語句の意味︼私の好きな春の言葉 ... 俵 万智 12 言葉のきまりの学習① 言葉の単位・文節 ...
15
︻事実と意見︼花の形に秘められたふしぎ ...
16 中村匡男 漢字の広場① 糸は何画? 画数と活字の字体 ...
25
︻展開と描写︼暗やみの向こう側 ...
今26江祥智
︻読書︼ベンチ ハンス=ペーター=リヒター/上田真而子
訳
36
︻場面と人物︼河童と蛙 ...
46 草野心平
︻構成と表現︼オツベルと象 ...
宮50沢賢治 漢字の広場② 間は門の仲間 聞は耳の仲間 漢字の部首 ...
65
言葉とは何か ...加藤周一身につけたい言葉の力 ...
6
国語学習の進め方 ...
7
この教科書を使うにあたって ...
8
学習のねらい/学習記録シート ... 折込 伝え合う言葉
中学国語1
読
むこと4
伝統文化と言語 ︻聞く︼聞き方入門 ...
146
︻話す︼事実と意見を区別して話す ...
150
︻話し合う︼意図を正確に伝えるには ...
154
︻文章名人︼日常生活
0 ﹁書く﹂学習を始める前に ...
162 1 材料を集めて自分の思いや考えをまとめるには ...
164 2 構成を工夫して書くには ...
166 3 根拠を明確にして書くには ...
168 4 相手や目的に応じてわかりやすく書くには① ...
170 4 相手や目的に応じてわかりやすく書くには② ...
172 5 文章を読み合い自分の表現に生かすには ...
174
︻全過程︼情報を選び効果的に伝えるには ...
176
︻伝統文化1︼落語﹁三方一両損﹂ ... 三遊亭円窓 184
︻伝統文化2︼月と古典文学 ...
190
︻言葉の研究室①︼日本語の文字 ...
194
︻言葉の研究室②︼日本語の音声 ...
198
話
すこと聞
くこと書
くこと(P.2−3)
(P.4−5)
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−7−
さまざまな観点から新教材を開発
○小学校との関連 第一学年の一学期の学習は、小学校とのつながりを意識しました。【文学的文章】『暗やみの向こう側』(今江祥智)
・小学校で慣れ親しんだ児童文学作家の作品を掲載しました。【説明的文章】『花の形に秘められたふしぎ』(中村匡男)
・植物や昆虫など、小学校でも扱う話題を取り上げています。
・「構成の型」を学習することができます。
○充実した教材群
第一学年の説明的文章では、「構成の型」を学習できるように、問題提起と結論部分のある教材をなるべく多く掲載しました。
また、各学年に、説明的文章の比較読みの学習活動を設け、文章の描かれ方についての理解を深め、「思考力・判断力・表現力」が身につくように工夫をしました。
○高校の学習へも連結
入試や高校の教科書などで取り上げられている筆者(福岡伸一、内田樹、内山節、毛利衛など)の作品を、積極的に掲載しました。 学習内容の明確化 「
国語は、理科や数学に比べると何を学習するのかがわかりにくい。」といわれることがあります。新版教科書では、「読むこと」の目次や教材の冒頭部分に、「何を学習するのか」を明確に示しました。さらに、「学習の手引き」で学びを深め、最後に、「ここが大事!」で学習のポイントを確認するという「学習パターン」を確立しました(左参照)。
これにより、教材ごとにどのような知識・技能を「習得」し、「活用」していけばよいかが見えるようになりました。
学習内容の明確化の例(第二学年『タオル』)
読むこと 教材 で 「何を学習 す る の か 」 を明確 に 示し ま し た 。
2
︻抽象と具体︼虹の足
...
吉野弘
10
︻全体と部分︼アオスジアゲハとトカゲの卵
...
福岡伸一12
漢字の広場① ﹁観﹂と﹁歓﹂は交換できない まちがえやすい漢字...
21
︻描写と言動︼タオル
...
重松清
22
言葉のきまりの学習① ﹁そこ﹂ってどこ?...
35
︻読書︼夢を跳ぶ
...
佐藤真海
36
︻情景と心情︼近代の短歌
...
44
︻構成と表現︼夏の葬列
...
山川方夫
48
漢字の広場② 川は水の流れる形から 漢字の成り立ち...
59
︻伝統文化︼直実の流した涙︵平家物語﹁敦盛の最期﹂︶
...
60
言葉の楽しみ
...
加藤周一身につけたい言葉の力...
6
国語学習の進め方
... ...
7
この教科書を使うにあたって
...
8
学習のねらい/学習記録シート
...
折込伝え合う言葉 中 学 国 語 2
読 むこと
﹃タオル﹄は亡 なくなった﹁祖父﹂への人々の思いが描かれている作品である︒﹁少年﹂の思いの語られ方の特 とく徴 ちょうを捉 とらえ︑﹁少年﹂の額に巻かれた﹁タオル﹂が象徴していることを受け止めよう︒ 描写の効果︑言動の意味を考えて
22
・
・
・
・5
・
・
・
・10
・ 重 しげ松 まつ
清 きよし
タオル
重松 清
[1963─ ]
岡おか
山やま
県に生まれた。
小説家。
ご愁傷さま
相手を気の毒に思うさま︒ここでは︑身内を亡くした人に対するおくやみの言葉として使われている︒
そげん そんなに︒ 作品に﹃ナイフ﹄﹃エイジ﹄などがある︒︽出典︾﹃はじめての文学 重松清﹄によった︒ 午後になって少年の家を訪ねてきた客は︑初めて見る顔だった︒背広に黒いネクタイを締 しめているのは︑朝から入れかわり立ちかわりやってくる他 ほかの客と同じだったが︑家の外にいた親 しん戚 せきに挨 あい拶 さつする時の言葉づかいが違った︒﹁このたびは︑どうもご愁 しゅう傷 しょうさまです︒﹂︱︱テレビでしか聞いたことのない東 とう京 きょうの言葉だった︒
祭 さい壇 だんのすぐ前に座っていた父は︑その人が来たのを知ると︑玄関まで迎えに出た︒﹁よう来てくれました︑ほんまに︑お忙しいのに⁝⁝︒﹂ 父はうれしそうで︑懐 なつかしそうだった︒久しぶりにお兄さんに会った弟のように︑自分より少し年上の客を︑まぶしそうに見つめていた︒﹁十二年ぶりになるのかな︒﹂﹁もう︑そげんなりますか⁝⁝︒﹂
父はそばにいた少年の肩 かたを抱 だいて︑﹁ほな︑コレが生まれる前いうことですか︒﹂と言っ
締 戚 愁
壇
みちしるべ
学 習 の 手 引 き
32
◆描写の効果や登場人物の言動の意味に注意して︑作品を読み深める︒●主人公が﹁少年﹂というように書かれていることの効果について考える︒◇場面の変化にともなう少年の気持ちの変化を表にまとめる︒
1 この文章は︑一行あきによって二つの部分に分かれているが︑それぞれの内容を文章にまとめよう︒2 祖父はどのような人物であったと考えられるか︑文章にまとめよう︒3 お父さん︑シライさんは︑祖父の死をどのように捉 とらえているのか︑文章にまとめよう︒
しない︒︵P ①なのに︑涙が出てこない︒悲しいかどうかもはっきり う︒ ようにとらえることができる︒二つの課題について話し合お 1﹁涙﹂ということに注目すると︑少年の変化を①から③の なみだ
24
Lなってきた︒︵P ②急に寂しくなった︒涙は出なくても︑だんだん悲しく さび
11
︶30
L③まぶしさに目を細め︑またたくと︑熱いものがまぶた
10
︶ からあふれ出た︒︵P31
L17
〜れるか︒ ⑴それぞれの描写から︑少年のどのような気持ちが読み取
18
︶↓文章名人3
−① ﹁心情が効果的に伝わるように書くには
①﹂︵P
178︶を参考にしよう︒
⑵ 少年が︑①〜③のように変化していくのは︑なぜか︒
いるのか︑文章にまとめよう︒ 2﹁タオル﹂はこの作品の中で︑どのような役割を果たして
おう︒ れていることは︑どのような効果をあげているのか︑話し合 3この主人公が︑語り手によって﹁少年﹂というように語ら かめよう
確
えよう
考
33
◆
ここが大事!﹁言動の意味﹂に注目して登場人物の気持ちの変化
に つ い て 考 え る こ と は︑ 文 学 作 品 を 読 む 楽 し み の 一 つ だ ろ う︒ た だ︑ ﹁ 気 持 ち ﹂ と い う と︑ 例 え ば ﹁ 思 っ た ﹂ と か﹁ 感 じ た ﹂ な ど の 気 持 ち を 表 す 言 葉 ば か り に 目 が い っ て し ま い が ち で あ る︒ し か し︑ そ れ 以 外 に も︑ さ ま ざ ま な か たちで︑気持ちは書き表されている︒ 例 え ば︑ ﹁ 家 の ど こ に い れ ば い い の か わ か ら ず に い た︒ ﹂︵ P
23
L
10〜
・・・・・・
ず ほ っ と し た︒ ﹂︵ P
11︶︑ ﹁ と り あ え
ま た︑ ﹁ お 父 ち ゃ ん と 知 り 合 い で す か?﹂ 心情が見えてくるのである︒ と 考 え る こ と に よ っ て︑ さ ら に 奥 底 に あ る い る ︒ な ぜ ︑ こ の よ う に 変 化 し て い く の か 主 人 公 で あ る 少 年 の 気 持 ち の 変 化 を 表 し て い な く て も︑ ﹁ 居 場 所 ﹂ と い う こ と を め ぐ る ﹁ 思 っ た ﹂﹁ 感 じ た ﹂ と い う 言 葉 は 使 わ れ て
25L 3 〜 4 ︶ は︑ ︵ P
25
L
こ と に し た︒ ﹂︵ P
17︶ と﹁ 自 分 か ら 話 し か け て み る
25
L 暇 を 潰 し た︒ ﹂︵ P
つぶ段 の 踊 り 場 に 座 っ て マ ン ガ を 読 ん だ り し て ボ ー ル を 蹴 っ た り ︑ 台 所 を の ぞ い た り ︑ 階
けな く し て し ま い︑ 外 に 出 て そ っ と サ ッ カ ー さ ら に︑ 家 に 戻 っ た 少 年 が︑ ﹁ ま た 居 場 所 を
もど葉 か ら も︑ 気 持 ち を 読 み 取 る こ と が で き る︒
16︶ と い う 少 年 の 言
29
L
20〜 P いのである︒ う 箇 所 だ け に よ っ て 把 握 で き る わ け で は な
かしょち の 変 化 は ﹁ 思 っ た ﹂ と か ﹁ 感 じ た ﹂ と い り や ︑ そ の 変 化 の 理 由 が 捉 え ら れ る ︒ 気 持 に よ っ て︑ 少 年 の 気 持 ち の 微 妙 な 移 り 変 わ こ の よ う に︑
言動の意味に 注 目 す る こ と 見えてくる︒ を 考 え る こ と に よ っ て︑ 心 情 の 揺 れ 動 き が
ゆう 行 動 を す る の は ︑ な ぜ な の か ︑ こ の こ と
30L 1 ︶ と い
タオル
エイジ重しげ松まつ
清きよし重松清
TUGUMI︵つぐみ︶吉よし本もと
ばなな吉本ばなな 晩年の子供山 やま田 だ
詠 えい美 み山田詠美
目次(P.2)
教材の冒頭部分(P.22)
「学習の手引き」(P.32)
「ここが大事!」(P.33)
■ 「 読 む こ と 」 の 主 な 新 教 材
※印は、書きおろし教材です。【文学的文章】第一学年『暗やみの向こう側』(今江祥智) 第二学年『タオル』(重松清)『つみきのいえ』(平田研也/加藤久仁生) 第三学年『みどり色の記憶』(あさのあつこ)※
【説明的文章】
第一学年『花の形に秘められたふしぎ』(中村匡男)『笑顔という魔法』(池谷裕二)※『自分の頭で考える?』(野矢茂樹)『言葉がつなぐ世界遺産』(橋本典明)
第二学年『アオスジアゲハとトカゲの卵』(福岡伸一)『学ぶ力』(内田樹)※
第三学年『歴史は失われた過去か』(内山節)『文化としての科学技術』(毛利衛)
【平和教材】
第三学年『無言館の青春』(窪島誠一郎)※
【伝記教材】
第一学年『銀のしずく降る降る』(藤本英夫)※
第三学年『無名の人』(司馬遼太郎) 特集平成二十四年度版中学国語教科書の紹介
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【メディア】
教科書初の課題解決型のメディア教材身のまわりに「あたりまえ」のようにあふれている情報には、必ず発信者の意図が含まれています。現代社会では、このことをふまえながら情報を読み取っていく力が必要とされています。
また、国語科においても、「PISA型読解力」や全国学力・学習状況調査の国語B、高校入試などにより、非連続型テキストで示された情報を読み取り、自分の考えを表現していく力が求められています。
これらに対応するために、生徒自身が体験しながら学習していく課題解決型のメディア教材を新設しました。
読解から表現へ
学習活動をとおして、「文章」と「写真」「映像」「広告」などの関係を考えながら、自分の言葉で表現する、というプロセスを体験していきます。
また、「読解→解釈→熟考→評価→表現」のステップをしっかりと学習します。
【読書】
系統的な情報活用の学習展開 読書に親しむとともに、情報を活用する力を育むために「学習の手引き」を工夫しました(左参照)。読んでおきたい近代の名作
第一学年に『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)、第二学年に『坊っちゃん』(夏目漱石)、第三学年に『最後の一句』(森鷗外)を掲載。また、時代背景や作家・作品がよくわかるコラムも掲載しました。 ○第一学年『ベンチ』と本の活用 ・本の目次や奥付などから、必要な情報を集めます。
○第二学年『夢を跳ぶ』と図書館・インターネットの活用
・図書館やインターネットで、試練を乗り越えて生きることについて書かれた本や文章に出会います。○第三学年『不思議の国のアリス』と読書記録・読書計画
・読んだ本の感想を読書記録に書くとともに、読書計画を立てて読んでみたい本のリストを作成します。
読書/メディア 情報活用 の 読書教材 と 、課題解決型 の メ デ ィ ア 教材を掲載し ま し た 。
第一学年『ベンチ』の「学習の手引き」第一学年の「メディア」の教材
43 ベンチ
﹁年表﹂はリヒター自身が作成したものであることがわかりました︒
田中さんは再び目次に戻もどり︑どんな内容の話が含ふくまれてい
るのか︑タイトルから想像してみようと考えました︒ところがタイトル名の中には︑﹁ラビ﹂﹁ソロモン﹂﹁ポグロム﹂など耳慣れない言葉がいくつか含まれていました︒
﹁ポグロム﹂とはどういう意味だろう︒
︿手がかり
︱
﹁注﹂﹀﹁ポグロム﹂のページを開いてみると︑タイトルの下に﹁*﹂が付いていました︒田中さんは﹁*﹂の印は注が付いている語句を表すのではないかと予測し︑巻末の﹁注﹂を調べてみました︒すると︑﹁ポグロム﹂のように歴史的な事こと柄がらを表す言葉や︑﹁ラビ﹂や﹁ソロモン﹂のようにユダヤ人の宗教や習慣に関わる語ご彙いについては︑作者リヒターによって説明が加え
られていることがわかりました︒
最後に田中さんは︑この本が日本語に翻ほん訳やくされたのはいつであるのか︑興味をもちました︒ とわかりました︒一九三八年にはユダヤ人に対する政策が相次いで打ち出され︑一九四一年にはドイツに住むユダヤ人の国外強制輸送が始まりました︒そして一九四二年にはユダヤ人のアウシュビッツへの移送が始まりました︒すなわち︑いくつもの話が集中しているこれらの年は︑ユダヤ人迫はく害がいの歴史の中で︑きわだって厳しくつらい年であることがわかりました︒
﹁目次﹂と﹁年表﹂の間には深い関かかわりがあると知った田中さんは︑新たに次のような疑問をもちました︒
この年表は︑誰が作成したのだろう︒
︿手がかり
︱
﹁訳者あとがき﹂﹀疑問②を解決するために︑田中さんはこの作品の解説が述べられている部分はないかと考え︑﹁訳者あとがき﹂を読んで
みることにしました︒
そこには﹁︵リヒターは︶真しん摯しな態度で︑あの一時期をそのまま描こうとしています︒詳しょう細さいな年表や注をつけているのも︑この態度の表れでしょう︒﹂という記述があり︑このことから 疑問② 疑問③
解 決 解 決
101
写真と言葉が生み出す世界
まど・みちお
詩人︒主な詩集に﹃まど・みちお詩の本︱まどさん
100歳さい
︽出典︾﹃まど・みちお全詩集﹄によった︒ げの一手﹄などがある︒100詩集﹄﹃のぼりくだりの⁝﹄﹃逃に
学習活動1
あなたの心にいちばんぴったりくる詩のポスターはどれですか︒ペアになって︑その理由を話し合いましょう︒
42
◆本や文章から︑必要な情報を集めるための方法を身につける︒◇読書をとおして人権や平和について考える︒
学 習 の 手 引 き
みちしるべ
は﹁一九二五年﹂のような年が付いていること︑そして間かん隔かく
のあいている時期がある一方で︑一九三三年や一九三八年の話はいくつもあることに気づき︑次のような疑問をもちました︒
なぜ特定の年に話が集中しているのだろう︒
︿手がかり
︱
﹁年表﹂﹀ タイトルに付いている年を整理してみると︑三十二の話のうち一九三三年には七話︑一九三八年と一九四一年には五話︑一九四二年には三話という構成になっていました︒そこで︑田中さんはこれらの年に何が起きたのか︑当時の 社会状じょう況きょうを把は握あくしようと考え︑巻末の﹁年表﹂を見てみることにしました︒
すると︑一九三三年はユダヤ人の排はい斥せき運動が始まった年だ 田た中なかさんは﹁ベンチ﹂の学習をきっかけに︑﹁ベンチ﹂が収められている﹃あのころはフリードリヒがいた﹄を読んでみることにしました︒
﹃あのころはフリードリヒがいた﹄の本を開いてみると︑まず﹁目次﹂がありました︒
﹁目次﹂には全部で三十二個タイトルが並んでいました︒田中さんはこれらのタイトルを眺ながめながら︑全すべてのタイトルに 疑問①解 決 ●メディアと表現●
言語表現と映像表現の相
そう互ご作用に注目しよう︒写真と言葉が生み出す世界︱メディアリテラシー入門 詩のギャラリーへようこそ
100 いつも読んだり書いたりしている文字と︑なにげなく見ている写真は︑それぞれ特とく徴ちょう的なやり方で︑伝えたい事こと柄がらを表現し︑私わたしたちに語りかけてきます︒文字で書かれた詩や文章が︑写真という異なる表現方法といっしょになると︑どんな化学変化が生まれるか︑体験してみましょう︒ ・・・・
5
43 ベンチ
﹁年表﹂はリヒター自身が作成したものであることがわかりました︒
田中さんは再び目次に戻 もどり︑どんな内容の話が含 ふくまれているのか︑タイトルから想像してみようと考えました︒ところがタイトル名の中には︑﹁ラビ﹂﹁ソロモン﹂﹁ポグロム﹂など耳慣れない言葉がいくつか含まれていました︒
﹁ポグロム﹂とはどういう意味だろう︒
︿手がかり
︱
﹁注﹂﹀ ﹁ポグロム﹂のページを開いてみると︑タイトルの下に﹁*﹂が付いていました︒田中さんは﹁*﹂の印は注が付いている語句を表すのではないかと予測し︑巻末の﹁注﹂を調べてみました︒すると︑﹁ポグロム﹂のように歴史的な事 こと柄 がらを表す言葉や︑﹁ラビ﹂や﹁