工学院大学 建築学部 卒業研究梗概集 田村研究室 2021年度
マンション改修工事と外壁塗装劣化の実態分析
DB19224 南部 璃咲
1. はじめに
マンションの ストック戸 数は令 和2年末で 約675万戸 であり、毎年 増加を続け ている。 これらのマ ンションを 安全・快適に 長く使って いくため には定期的 な改修工事 が不可欠であ る。脱炭素 社会に向 けて建設業 界でも様々 な取り組みが 進められて いる中で 、マンショ ン改修工事 においては耐 震面や見栄 えの面で の改修工事 は実施され るが、性能は 低いままと なってい る建物が多 い 。また、
現状のストッ クでは湿式 タイル張 り外装が多 く、その補 修工事は大が かりで、工 事のたび に廃材処分 や工事車両 によるCO2が排出される ことが課 題としてあ げられる。
さらに、外壁 塗装が劣化 して塗料 が剥がれる ことで生じ るマイクロプ ラスチック も問題と なっている 。
本研究は、こ れらの課題 を 解決す るために現 在の改修 工事の実態を 分析し、仕 上塗材の 環境影響改 善性につい て検討する。
2. マンション改修 工事の実 態分析 2.1タイル
タイルの補 修は、構造 部分のコ ンクリート によって生 じた、浮きや 爆裂部分の 補修がほ とんどであ った。打診 棒をタイル面 に滑らせて 診断する 。補修の必 要がない部 分のタイルは 補修せず、 補修が必 要な部分の みタイルを 剥がし補修を する。
2.2外壁塗装
塗装は改修 の際に塗り 直すこと が多く、マ ンションの 他の部分より も補修の頻 度が高い 。塗装は塗 料が3層に なっており、 塗料を塗り やすくす る塗料、下 地となる塗 料、仕上塗料 の順番に塗 っていく 。
3. 建築仕上塗材パ ネルを用 いた屋外暴 露試 験 3.1屋外暴露試 験の概要
八王子市 に45°、90°、180°の台 を 3台 設置して屋 外暴露試験を 行う。
測定は2ヶ月に1度行う 。1つ 目の質量測 定は、はか りを使用して 試験体の汚 れ変化の 重さを軽量 する。2 つ 目の白亜化面 積の計測は 、白亜化 テープを使 用して測定 部分に貼り付 け、テープ の画像解 析を行い、 汚れ面積率 を算出する 。3つ目 の色彩値 測定は 、色差計を 使用して、
色彩値の変化を L*, a*, b*により測定 する 。4 つ目の 光沢度測定は 、光沢 度計を使用 して 、光沢度を 測定する。
図1 マンション のストッ ク戸数
a)診断後のタ イル面b)補 修のため タイルを剥 がした様子
写真1 タ イル面補修 の様子
a)仕上塗材施 工後の外壁 b)施工途中の 様子
c)施工中の様子 写真2 外 壁塗装補修 の様子
上記の測定デ ータをまと め、2021年~2031年を想定し て試験を行う 。
3.2屋外暴露試 験の測定結 果
図2に 劣化後質量 変化の例 を、図3に白亜 化の汚れ面 積率の推移を、表1に劣 化試験体 表面の白亜 化テープに よる剥離の画 像を示す。図 3の グラフは 、45°の5%か
ら85% の6種類 をまとめ たデータで 、白亜化 テープの付
着する粒子が 多いのは、5%や 25%の樹脂量 が少ないか らであり、85%の試験体 の汚れ面 積率は相対 的に少ない 割合となって いる。表1は、屋外 暴露試験と 促進耐候試 験に使用した 白亜化テー プを画像 解析した画 像で、黒色 を汚れと認識 する。
4. まとめ
1)補修中の様 子を知るこ とができ た。
2)2021 年 4月~2022年 11 月ま での屋外暴 露試験で使 用した試験体 の質量変化 は、同様 な変化であ る。
3) 2021年 4月~2022年11月までの汚れ面 積率は、樹 脂量が少ない 試験体ほど 高くなる 。
a)25%
b)85%
図2 劣化 後質量変化 の例
写真3 屋 外暴露試験
a)45°
b)90°
c)180°
図3 汚れ 面積率の推 移