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ポリフェノールパラドックス - J-Stage

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Academic year: 2023

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(1)

近年植物性食品に含まれるポリフェノール類は,食品の機能 性 研 究 の 大 き な タ ー ゲ ッ ト の 一 つ と な っ て い る.ポ リ フ ェ ノール類を豊富に含む食品の摂取は,心血管系疾患のリスク の低減につながるが,そのメカニズムについてはいまだ不明 な点が多い.その理由としては,ほとんどのポリフェノール 類の生物利用性が極めて低いことにある.われわれは最近,

ポリフェノール類が摂取直後から循環系・代謝系に変化を与 えること,またその変化がアドレナリン受容体阻害剤で消失 することを見いだした.これらのことは,ポリフェノール類 が 消 化 吸 収 を 経 ず に,交 感 神 経 を 刺 激 す る こ と を 示 し て い る.本稿では,ポリフェノールの作用メカニズム解明に対す る最近のアプローチについて解説する.

ポリフェノールとは

ポリフェノールはベンゼン環に複数の水酸基が結合し た化合物の総称であり,天然物はもちろんのこと,酸化 防止剤として開発された合成品も含まれる.天然物とし てはこれまでに8,000を超える化合物が同定され,これ らはジフェニルプロパン構造をもつフラボノイド類や単

純フェノール類,また加水分解型(ピロガロール型)タ ンニン類,縮合型(カテコール系)タンニン類に分類さ れる(1)(図1.この中でも,フラボノイド類,単純フェ ノール類,縮合型タンニン類は食品の機能性研究のター ゲットとなっており,特定保健用食品として認可されて いる成分も多い.フラボノイドは最も研究されているポ リフェノール類であり,緑茶に含まれるカテキン類,タ マネギに含まれるケルセチンなどのフラボノール類,ダ イズに含まれるイソフラボン類やブルーベリーに含まれ るアントシアニン類などがある.また単純フェノール類 としては,カレーの色素であるクルクミンやコーヒーに 含まれるクロロゲン酸などがある.一方,加水分解型タ ンニン類は,さらにガロタンニン類・エラジタンニン類 に分類され,生薬成分として知られている.また縮合型 タンニンは,一部の食品に含まれるが,その多くはリグ ナンとして木材に含まれる.近年の研究で得られた食品 中のポリフェノール化合物の定量分析結果は,Polyphe- nol Explorerや米国農務省データベースに収載されてい る.これらデータベースを基に算出した疫学調査結果に よると,一日にヒトが食事から摂取するフラボノイド類 は20 mgから1 gと幅がある.この差は,食事内容に依

ポリフェノールパラドックス

生体利用性と機能性の矛盾

越阪部奈緒美

Polyphenol Paradox: Contradiction between Bioavailability and  Physiological Function

Naomi OSAKABE, 芝浦工業大学システム理工学部生命科学科

日本農芸化学会

● 化学 と 生物 

【解説】

(2)

存することはもちろんであるが,2つのデータベースに おける個別の食品中の含有量を比較した場合,数値に乖 離が見られる食品も存在することから,データベースの さらなる整備が必要であると考えられる(2)

ポリフェノールの機能性

植物性食品に含まれるポリフェノールの機能性につい ては からコホートや介入試験に至るまで多種多 様の研究報告がある.多くのポリフェノールはカテコー ルやピロガロール構造を有することから, oにお いて強い抗酸化作用を有することが古くから知られてい る.長い間動物やヒトを用いた研究で発現するさまざま な効果が,これら抗酸化能に基づく作用であると考えら れてきた.しかしながら,食事やサプリメントとしてポ リフェノールを摂取した場合には,体内で代謝(後述)

され化学構造が大きく変化することにより,その抗酸化 能のほとんどは失われてしまう.それにもかかわらずポ リフェノールの摂取により,抗炎症・抗アレルギー作 用,骨粗鬆症予防作用,視覚機能調節作用,また最近で は認知機能維持作用などといった有効性が報告されてい る.このようなポリフェノールの種々の生理機能の中で も代表的なものとしては,心筋梗塞・心不全や脳梗塞・

脳卒中といった心血管系疾患のリスク低減効果が挙げら れる.ポリフェノールの中でも特にフラボノイドを豊富 に含む食品と心血管系疾患のリスクの関係については国 内外で疫学調査が実施されており,茶(紅茶),ココア やチョコレート,リンゴ,タマネギ,赤ワイン,イチゴ

などの食品の摂取頻度と心血管系疾患リスクとの間には 負の相関が認められている(3).ほかのフラボノイド類と 比較して,フラボノールには強い心血管系疾患のリスク 低減が認められていることから,微細な化学構造の違い が大きく作用の発現に影響することが示唆されている.

またフラボノールを豊富に含む食品の循環系に対する影 響については多くの介入試験による検証結果があり(4), ココアやチョコレートの摂取により軽度の高血圧患者の 血圧が有意に低下するといった有効性が明らかとなって いる.さらにフラボノールを豊富に含む食品の介入試験 では,脂質異常症やインスリン感受性の改善効果が確認 されている.このようなポリフェノールの有するメタボ リックシンドロームのリスクファクターの改善効果が,

心血管疾患リスク低減につながっていると推測される.

ポリフェノールの生体利用性

これまでの研究結果から,食事から摂取したポリフェ ノールの生体内における挙動はその化学構造によって大 きく異なることが明らかとなっている.ほとんどのフラ ボノイド類は配糖体として植物中に存在しており,アグ リコンのみならずその糖鎖の種類によっても動態が異な る.アグリコンのうち,カテキン・イソフラボン・フラ バノール・カルコンは比較的吸収されやすいが(吸収率 5〜30%程度),アントシアニンや縮合型タンニンの生体 への移行率は極めて低く難吸収性である(〜0.1%程度)(2). これらの化合物はいったん腸管上皮細胞内に取り込まれ,

配糖体の一部が乳糖‒フロリジン加水分解酵素(LPH)

図1ポリフェノール類の分類と化学構造

日本農芸化学会

● 化学 と 生物 

(3)

β

グルコシダーゼ(CBG)の作用によって加水分解さ れアグリコンが切り出される.ケルセチンを例に同じア グリコンをもつ配糖体でも生体内動態が異なる結果につ いて示す.ケルセチン4′- -グルコシドは小腸上皮細胞内 で酵素により切り出されたアグリコンが生体内に吸収さ れるため,血中濃度のピークが30分程度に認められる が,ケルセチン3

β

-ルチノシドはこの反応が起こらず,大 腸に移行した後にアグリコンが切り出されるため,その 血中濃度のピークは6〜9時間であることが明らかと なっている.一方,その後受動拡散によってカテキンや フラバノールなどのアグリコンは上皮に取り込まれる が,アントシアニンや縮合型タンニンはトランスポー タ ー で あ るP糖 タ ン パ ク 質 や 多 剤 排 出 タ ン パ ク 質

(MRP)を介して細胞から排出され消化管に戻る(図 2.このように腸管上皮細胞への取り込みと排出は,親 化合物の化学構造に大きく依存するが,生体における認 識機構についてはいまだ不明である.また腸管上皮細胞 に取り込まれたアグリコンのほとんどはグルクロン酸転 移酵素によりグルクロン酸抱合,硫酸転移酵素により硫 酸抱合,カテコール- -メチル転移酵素によってメチル 化を受け,循環血流中に入る.循環血中に分泌したアグ

リコン代謝物は肝臓において,フェーズII肝臓代謝酵素 によってさらなるメチル化,グルクロン酸抱合化または 硫酸抱合体化を受け水溶性となる.これら一連のプロセ スによって,活性を有する親化合物と体内に存在する代 謝物の構造は全く異なるため,一般的な生体利用性(活 性体の生体内への移行率)は易吸収性化合物であっても 極めて低い.循環血流中のアグリコン代謝物は腎臓で一 部脱抱合され,尿中に排出される.一方,吸収されずに 消化管に残存したり,胆肝循環によって肝臓から消化管 に排出されたポリフェノール類はそのまま大腸に到達す る.大腸に存在する多様な腸内細菌叢はアグリコンおよ びその代謝物のフラボノイド環構造を瞬時に分解し,

フェノール酸や水酸化ケイ皮酸エステルといった低分子 に分解する(図2).これらの分解物の一部は大腸上皮 細胞から吸収され,循環血流に分泌され,再び肝臓で二 次代謝を受ける(5)

ポリフェノールの機能性発現メカニズム

栄養素は分解され低分子となって生体に吸収・利用さ れる一方,プロドラッグを除く多くの生体外物質は,摂 取(または投与)された活性本体が標的臓器に分布し,

何らかの生化学的変化を生体分子に与えることでその活 性を現す.しかしながら,ポリフェノールについてはそ のようなメカニズムを想定することは難しい.前述した ようにポリフェノール類は易吸収性化合物(カテキン・

イソフラボン・フラバノール・カルコンなど)と難吸収 性化合物(アントシアニン・縮合型タンニンなど)に大 別される.難吸収性化合物はもちろんのこと,前述のよ うに易吸収性化合物であっても生体内で代謝を受けるこ とから,活性本体である親化合物の組織内濃度は極めて 低いからである.一方で,疫学調査や介入試験において は,ポリフェノール類の摂取が心血管疾患の予防に効果 的であることは明らかであり, 吸収されにくい にも かかわらず 明らかな有用性を示す という矛盾,すな わち本稿のタイトルともなっている「ポリフェノールパ ラドックス」が作用メカニズム解明のうえで大きな壁と なっている.

最近では,大腸に到達し腸内細菌叢によって分解され たポリフェノール分解物が吸収され,組織に移行して生 理活性を発現するという仮説の検証のため,多くの研究 者が糞便中の代謝物についてメタボローム解析を実施し ている(6).これらの研究結果では,摂取したポリフェ ノールの種類にかかわらず,糞便中にはほぼ同じ分解代 謝物が検出されるため,疫学調査や介入試験で認められ 図2ポリフェノール類の腸管における挙動

LPG:  乳糖‒フロリジン加水分解酵素,CEG: βグルコシダーゼ,

MRP: 多剤排出タンパク質.

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● 化学 と 生物 

(4)

る化合物間の活性の差異を説明することは難しい.

一方,これまでに実施された介入試験において,ポリ フェノール含有食品を摂取した後,2〜4時間という短 時間でFlow Mediated Dilatation(FMD)を指標とした 血管内皮機能が改善されることが報告されている(4).血 管内皮機能は高血圧,高脂血症,糖尿病,肥満,運動不 足,喫煙などの慢性的な要因によって障害される.また 動脈硬化における血管内皮機能の低下は顕著であり,進 行により心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患を引き起 こすことが知られている.このような長期にわたって惹 起された障害が,ポリフェノール類を摂取した直後に一 過的に緩和されることは非常に驚くべきことであり,多 くの研究者がそのメカニズムについて解明を進めている が,いまだ詳細は明らかとなっていない.そこでわれわ れもポリフェノール投与直後に起こる循環系の変動に着 目し,実験動物を用いて投与後の大循環および微小循環 に対する影響について検証することとした.エピカテキ ンおよびその重合物の画分であるflavan-3-olsをラットに 強制経口投与し,投与直後からの血圧・心拍数・挙睾筋 細動脈血流量の変化を60分観察したところ,血圧・心拍 数は投与直後から上昇し60分後には投与前値に戻った.

一方,睾丸周囲にある挙睾筋の細動脈血流量は60分間を 通して顕著に上昇した.また投与60分後に摘出した大動 脈における一酸化窒素合成酵素(eNOS)のリン酸化が 亢進した(7).われわれは,同様な条件下におけるエネル ギー代謝の変動についても検証を行った.Flavan-3-ols をマウスに強制経口投与し,投与後24時間の呼気を分

析し,エネルギー代謝量を算出したところ,有意な上昇 が認められた(8).また投与2時間後においては血中アド レナリン濃度の有意な上昇と同時に,褐色脂肪組織の熱 産生タンパク質である脱共役タンパク質(UCP-1)や骨格 筋におけるエネルギー代謝のキーとなる転写コアクチ ベーターであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体

γ

コアクチベーター1

α

(PGC-1

α

)の増加が認められた.

一方これらの変化は,アドレナリン受容体阻害剤の併用 によって消失した(9).以上のことから,flavan-3-olsの投 与により交感神経が興奮し,神経末端から分泌されたカ テコールアミンにより,循環刺激作用やエネルギー代謝 亢進作用が発現することが明らかとなった.

近年,運動の健康効果についての研究が盛んに行われ ているが,運動は骨格筋や骨といった運動器官に対して メカニカルストレスを及ぼし,そのストレス刺激は中枢 へと伝達される.中枢ではこのようなストレスに対し て,視床下部‒下垂体‒副腎(HPA軸)と交感神経‒副腎 髄質(SAM軸)がそれぞれ応答する.SAM軸の活性化 により交感神経が興奮し,神経末端からノルアドレナリ ンが放出され,全身の臓器に分布するアドレナリン受容 体を介してさまざまな生理反応が惹起される.心臓にお いては

β

1アドレナリン受容体に結合して心拍数の上昇 が,また末梢血管平滑筋に発現する

α

1アドレナリン受 容体と反応して血管の収縮が起こることから,一過的な 心拍数・血圧の上昇が生じる.これらの循環動態の変化 は血管内皮細胞にシェアストレスを負荷し,血管内皮に 存在するシェアストレスセンサーに認識され,eNOSの 図3ポリフェノール経口投与後の交感神 経を介した生理作用

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● 化学 と 生物 

(5)

活性化(リン酸化),つづいて一酸化窒素の生成が起こ り血管が弛緩する.その結果,血圧・心拍数は投与前の 水準に戻る.運動を習慣化することによって,この反応 が 繰 り 返 さ れ,eNOSの 誘 導 や 血 管 内 皮 増 殖 因 子

(VEGF)の生成により,血管の再構築や血管新生が生 じ,血圧の低下につながると考えられている.

一方,実験動物にflavan-3-olsを単回投与した場合には 前述したような一過性の血圧・血流の上昇が見られ,ま たflavan-3-olsを豊富に含む食品の介入試験においては血 管内皮機能の改善が認められる.また同様にflavan-3-ols を動物に反復投与した場合には,数週間の介入試験と同 様に有意な血圧の低下が認められる(10).また運動時に は,交感神経末端から放出されたノルアドレナリンが褐 色脂肪組織に発現する

β

3アドレナリン受容体に結合する ことで,熱産生タンパク質が活性化しエネルギーを熱と して体外に放出する.さらに,SAM軸の活性化により 副腎髄質からアドレナリンが血中に分泌され,骨格筋に 発現する

β

2アドレナリン受容体と反応し,PGC-1

α

を活 性化し,糖代謝や脂質代謝を亢進することが示唆されて いる.前述したように,flavan-3-olsを動物に単回投与し た場合にも同様の変化が認められた(図3.このよう に,運動時とポリフェノール摂取時の循環系や代謝の変 動は一致しており,いずれも交感神経の一過的な興奮に よって発現した生理的変化であると考えられる.

一方,最近の報告では,食品成分の中でも強い味質を もつ成分,たとえば辛味成分であるカプサイシンやアリ ルイソチオシアネート,あるいは冷感をもつメントール などが,消化管知覚神経を通じて交感神経を興奮させる ことが知られている(11).カプサイシンは全身に分布する 侵害受容器であるtransient receptor potential vaniloid 1

(TRPV1)のリガンドであり,痛みと同様な刺激を中枢 に伝えストレス応答反応を惹起させ,SAM軸を通じて 交感神経を興奮させることが明らかとなっている.

そこで,ポリフェノール類にも同様な作用機構が存在 するかどうかについて検証することを目的に,神経毒を 大量投与して作成した除知覚神経モデルラットを用いて,

循環およびエネルギー代謝に及ぼすflavan-3-olsの作用 について検討した.その結果,正常ラットで認められる flavan-3-ols投与後の循環刺激作用やエネルギー代謝亢 進作用は除知覚神経モデルラットにおいてすべて消失し た.これらのことから,ポリフェノールの一部は消化管 に存在する知覚神経に認識され,その結果として交感神 経を刺激する可能性が示唆された.

今後の検討課題

前述のようにポリフェノールは,フェノール性水酸基 を複数もつ化合物の総称であり,抗酸化作用や心血管系 疾患予防作用をもつと言われている.しかしながら,こ れらの化合物の作用強度には明らかな差異がある.われ われはこれまでに20種類強のカテキン・フラボノール・

フラバノン・アントシアニン・イソフラボン・単純フェ ノール・テアフラビン(緑茶カテキンダイマー)・プロシ アニジン(エピカテキンオリゴマー)に属する化合物を マウスに同用量投与した後の循環刺激作用について比較 したところ,活性発現には微細な化学構造の違いが大き く影響することが示唆された(12).これらのことは,分子 量や化学構造もさまざまな8,000以上の化合物の集合体 である ポリフェノール をひとくくりにして,その活 性を議論することは妥当ではないことを示している.今 後のポリフェノールの機能性研究においてはいくつもの 課題があるが,その一つとして統一された評価系による 化合物の作用強度・作用特性を明らかにすることが挙げ られるだろう.また次の課題として適切な摂取量の設定 がある.われわれは最近,flavan-3-olsまたはその構成成 分を数用量動物に投与し,循環刺激作用ならびにエネル ギー代謝亢進作用について用量反応性を検討したところ,

食品から摂取可能な用量においてはいずれの作用も発現 したが,食品から摂取不可能な高用量では効果が消失す るという興味深い現象を確認している.また,単独では 効果の見られない高用量と

α

2アドレナリン受容体阻害剤 の併用実験では,いずれの作用も強く発現した.この結 果は,高用量投与による交感神経の過度な興奮を上位の 中枢に存在する

α

2アドレナリン受容体が抑制した(ネガ ティブフィードバック)と考えられ,化合物によって適 切な用量が存在することを示唆している.さらに最も大 きな課題としては,ポリフェノール作用発現メカニズム における脳‒消化管軸の役割の解明である.前述のよう に,ポリフェノールが消化管知覚神経を介して認識され ている可能性が示唆されてはいるものの,現在までその 詳細は明らかとなっていない.この課題を解明すること によって,簡便な評価系が構築することができ,第一の 課題として挙げた化合物間の比較が可能となる.また,

同様に第二の課題に挙げた適切な用量の設定も容易にな ることが予測され,ポリフェノールの作用メカニズム研 究は画期的に前進すると考えられる.

以上のように,ポリフェノールの作用発現メカニズ ム,特に脳‒消化管軸による作用機構の解明については いまだ多くの課題を抱えているのが現状ではあるが,近

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● 化学 と 生物 

(6)

い将来全容が解明されることであろう.

文献

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11)  G. P. Ahern:  , 24, 554 (2013).

12)  N.  Aruga,  M.  Toriigahara,  M.  Shibata,  T.  Ishii,  T.  Na- kayama & N. Osakabe:  , 10, 355 (2014).

プロフィール

越阪部 奈緒美(Naomi OSAKABE)

<略歴>星薬科大学薬学部卒業/明治製菓

㈱を経て現職,博士(薬学)<研究テーマと 抱負>ポリフェノールの機能性研究<趣 味>料理

Copyright © 2016 公益社団法人日本農芸化学会 DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu.54.726

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