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プロダクション規則と局所評価関数に よる制約充足問題の解法

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Academic year: 2023

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Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19 IPSJ-SIG Symbol Processing

プロダクション規則と局所評価関数に よる制約充足問題の解法

1

新情報処理開発機構 金田 泰

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

目次

まえおき

計算モデル CCM

CCM による制約充足問題の解法

制約充足問題の計算過程と結果

むすび

2

まえおき

計算モデル CCM (化学的キャスティング・モデル) を提案して いる.

現実世界の問題をとくための自己組織的計算をめざす.

局所的に計算される評価関数が導入された非決定的 (確率 的) なプロダクション・システムにもとづくモデル.

CCM にもとづく制約充足問題の解法をしめす.

多数の局所的な記号的制約を充足する問題の解法.

最適化や制約充足は CCM が本来めざす計算ではないが,

そこへの第 1 歩.

これまでに,CCM により TSP などの最適化問題も実験し た.

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

計算モデル CCM

計算モデル CCM (化学的キャスティング・モデル) を考案.

CCM は化学反応系とのアナロジにもとづく計算モデルで あり,プロダクション・システムにもとづいている..

◆ “キャスティング”

は “プログラミング” や “計算” にかわるこ

とば.

以前は CPM または MCP (化学的プログラミング・モデル)   とよんでいた.

CCM では計算を秩序化 (

自己組織化

) とみなす / をめざす.

局所的情報にもとづく計算によって大域的な “秩序的構造”

をつくることをめざす.

4

(2)

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

CCM におけるシステムの構成要素と動作1

作業記憶オブジェクトのあつまり

オブジェクト (WME)

原子 :  データの単位.原子は内部状態をもつ.

分子 :  原子がリンクによって結合されたもの.

キャスタ (プログラム)

反応規則 :  系の局所的な変化のしかたをきめる規則 (前向き推論によるプロダクション規則).

化学反応式に相当し,双方向に動作しうる.

反応順序は非決定的 (確率的) — 複数の反応がおこりう るとき.

局所秩序度 :  局所的な情報から計算される評価関数 (秩序化 の程度をあらわす).原子 (対) ごとに定義される.

局所秩序度 (の和) が増加する時だけ規則が適用される.

5 IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

CCM におけるシステムの構成要素と動作2

6

CCM の動作

反応規則が適用できる原子のくみが存在するかぎり反応が つづき,なくなると停止する.

大域的な 

“秩序状態” (

目的状態 ?) を探索する.

3 12

10

4 2 1

5 7 8

3 12

10

4

1 5

7 8

作業記憶

反応

原子 分子

キャスタ

(反応規則, 局所秩序度)

リンク

2

目次

まえおき

計算モデル CCM

CCM による制約充足問題の解法

制約充足問題の計算過程と結果

むすび

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

制約充足問題をとく手順

8

反応規則の仮決定

解探索空間を移動するための適当な操作をみつける.

データ構造の記述

なにを原子としてどのように表現するかをきめる.

局所秩序度の記述

原子 (対) が解にふくまれるための必要条件からきめる.

反応規則の記述

反応により秩序度が増加するように規則を補正・記述.

初期状態の設定

探索空間内の適当な状態を初期状態として設定する.

計算

システムを動作させる.

(3)

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

反応規則の仮決定

探索空間を移動するための 適当な操作反応規則とな るべきものをみつける.

これらの操作は,反復適用 によって探索空間をおおい つくすようにきめる.

この段階では記述する必要 はかならずしもない.

N クウィーン問題のばあい :

2 個のクウィーンの列を交換 する操作がつかえる.

9

r 2

c 3

r 3 Q

Q Q

Q

Q Q

Q

c 2

Q

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

データ構造の記述

10

なにを原子として表現するか,どのように表現するかをきめ る.

リンクをつかうか,内部状態として表現するかなどをきめ る.

計算言語 SOOC (Self-Organization-Oriented Computing) によ って記述する.

N クウィーン問題におけるデータ構造の SOOC

による表現 (defelement queen

      …… 

Lisp の defstruct にちかい (element = 元素)

  row   …… 行番号

  col)   …… 列番号

局所秩序度の記述 — 1

CCM においては局所秩序度の定義がもっとも重要.

原子 (対) が解にふくまれるための必要条件をつかって局所秩序 度を定義する.

自己秩序度または相互秩序度のかたちで定義する.

自己秩序度 o(x)

各原子 x について定義される.

解にふくまれるための必要条件が 1 個の原子について定 義できるばあい.

相互秩序度 o(x, y)

2 個の原子

x, y のあいだに定義される.

解にふくまれるための必要条件が 2 個の原子のあいだに 定義できるばあい.

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

局所秩序度の記述2

自己秩序度の定義法の説明は省略する (相互秩序度に準じる).

相互秩序度のばあい

解は原子対によって構成されるとかんがえる.

定義 :「解にふくまれることなる原子からなるすべての対  

<a1, a2> (a1 ≠ a2) について C(<a1, a2>) がなりたち,かつ

探索空間内の任意の状態 S について作業記憶がふくむ任意 の原子の対 p について C( p) がなりたてば S が解である」と いう命題がなりたつような条件 C( p) がみつかれば,

 

if C(<a1, a2>) then o(a1, a2) = 1 else o(a1, a2) = 0

のように定義する.

o

は C をみたす集合のメンバシップ関数.

o 0 ≤ o ≤ 1 の連続値をとるとすると,ファジィ制約充足にな

る (?)

12

(4)

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

局所秩序度の記述3

13

Q

Q Q

Q

Q Q Q

Q

Q

Q Q Q

Q

クウィーン数が すくなすぎる

同位置に複数のク

ウィーンがある 盤面をはみだすク ウィーンがある

命題後半部が必要な理由

命題後半部 :「探索空間内の任意の状態

S について作業記

憶がふくむ任意の原子の対 p について C( p) がなりたてば S が解である」

理由は「この条件がないとシステムが不正に停止する可能 性があるから」

N クウィーン問題における,命題後半部をみたさない例

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

N クウィーン問題のばあい

相互秩序度の定義

SOOC による表現

(deforder ((x queen) (y queen))

(if (or (eql (– (queen-col x) (queen-col y)) (– (queen-row x) (queen-row y))) (eql (– (queen-col x) (queen-col y))

(– (queen-row y) (queen-row x)))) 0

1))

局所秩序度の記述4

14

o(x, y) = 0 if x.column y.column = x.row y.row or x.columny.column = y.row x.row , 1 otherwise .

反応規則の記述

必要ならば反応により秩序度が増加するように規則を補正して 記述する.

N クウィーン問題のばあい

規則にあらわれるクウィーンが 2 個だけだと,反応によっ て秩序度は変化しない.

第 3 のクウィーン (触媒) を規則の両辺にくわえる.

c1, r1 c2, r2 c3, r3

c3, r2 c2, r3

Queen1:

Queen2:

Queen3:

Queen2:

Queen3:

rule Swap

Queen1:

行 列

c1, r1

さらなる補正が

必要ないこと は,計算してみ ることによって わかる.

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

初期状態の設定

16

探索空間内の適当な状態を初期状態として設定する.

N クウィーン問題のばあい

クウィーンはすべて盤面にある.

クウィーンは各行各列にただ 1 個とする (対角線方向には  2 個以上あってもよい).

(5)

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

計算

システムを起動する.

N クウィーン問題のばあい

前記の規則と局所秩序度とでほぼ 100% 解をもとめること ができる.

規則の再補正などの必要はない.

17 IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

CCM による制約充足問題解法の特徴

バックトラックをつかった制約伝搬によらない.

ランダムに部分的な制約充足をくりかえす.

充足度に関するやまのぼり法とはことなる.

マクロには大域的な充足度をたかめるように動作するが,

充足度は計算しない.

確率的な方法である.

解の正当性は保証できるが,計算の停止性は (確率的にし か) 保証できない.

■ “プログラム

が非常に単純である.

N クウィーン問題や地図彩色問題のようなかんたんな問題

のばあいは.

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目次

まえおき

計算モデル CCM

CCM による制約充足問題の解法

制約充足問題の計算過程と結果

むすび

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

計算過程

20

大域秩序度の定義

局所秩序度の作業記憶全体にわたる和.

N クウィーン問題のばあいは,全クウィーン対に関する局

所秩序度の和.

局所秩序度と大域秩序度との変化の例

0 1 0 0

1 1 0

0

0 0

0 1 0

0 1 1

1

0 1

1 1 1

1 1 1

1 1

大域秩序度 3 大域秩序度 4 大域秩序度 9 反応

作業記憶内の原 子 (対) の集合

(6)

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

計算過程N クウィーン問題のばあい

21

0 20 40 60 80 100

反応回数

0

5 10 15 20 25 30

大域秩序度

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

平均計算時間N クウィーン問題のばあい

22

100 10

1 10 0 10 1 10 2 10 3 10 4 10 5 10 6 10 7

Actions Tests c2*N^4

N

Number of actions and tests

マッチング回数は

O(N

4.6

)

計算時間の分布N クウィーン問題のばあい

0–20 20–40 40–60 60–80

80–100 100–120 120–140 140–160 160–180 180–200 200–220 220–240 240–260 260–280 280–300 300–320 320–340 340–360 360–380 380–400

反応回数

0 10 20 30 40 50

頻度

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

触媒数と計算時間

24

1 2 3

触媒数

100

1000 10000

反応回数*10 マッチング回数 計算時間*100

触媒数 2 のときが計 算時間は最小.

触媒数 1 〜 3 の 範囲で 20 回測定 した結果.

N = 8

(7)

IPSJ-SIG Symbol Processing Yasusi Kanada, Real-World Computing Partnership, Tsukuba, Japan 93.3.19

むすび

結論

多数の局所的な記号的制約を充足する問題を CCM にもと づいてとく方法をしめした.

この方法によれば,制約伝搬によらない確率的な方法によ って,単純な “プログラム” によってある種の制約充足問題 をとくことができる.

今後の課題

よりひろい範囲の制約充足問題に適用できるようにする.

システムがうまく動作しなかったときの補正法の洗練.

大域的な制約もとけるようにする.

従来の手法が適用しにくい動的な問題に適用すること.

この研究の本来の目標は仕様が時間とともに変化する,

あるいは仕様を記述できない問題.

25

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