はじめに
みなさんは愛知県にどのようなイメージを持っていますか。名古屋城のシャチホコや、味噌カツや手羽先など食べ物の印象が強いのではないでしょうか。実は、愛知県では私達があまり知る機会がない国際芸術祭が定期的に開かれているのです。それが「あいちトリエンナーレ」です。二〇一〇年から三年ごとに開催されているこの「あいちトリエンナーレ」は二〇一六年で三回目、今回のテーマは「虹のキャラヴァンサライ 想像する人間の旅」、ペルシア語で隊商宿を意味する「キャラヴァンサライ」は旅の疲れを癒やす休息の場所でもあることから、旅の疲れを癒やしつつ英気を養おうという意味が込められています。今回は八月十一日から十月二十三日まで、三年ごとの開催とあって規模も大きく会場は名古屋・豊橋・岡崎の主に三つの地区・十一の会場で開催されました。 「あいちトリエンナーレ2016」では国内外の様々な地域から100組以上のアーティストが出展し、多くの来場者を集めました。私達中国語学科孫ゼミの三人は今回機会を頂き、最終日の十月二十三日にあいちトリエンナーレの会場を回ってまいりました。私は主な会場となっている愛知芸術文化センターの展示についてレポートしたいと思います。
愛知芸術文化センター
愛知芸術文化センターは愛知の中心地・名古屋駅から地下鉄で五分程の栄に位置しています。そうそう、名古屋周辺を周る際には地下鉄を使うのがおすすめです。私達が今回使った「土日エコきっぷ」は一日600円で地下鉄と市バスが乗り放題になるすごくお得なフリーパスです。土日祝日と毎月をトリエンナーレのチケット売り場で提示すると 8日と限られてはいますが、土日エコきっぷ 愛知県美術館がある
全身で感じる作品たち
内は多くの人で賑わっていました。 階と非常に広く綺麗なだけあって、当日もセンター まった総合文化施設です。地下二階から地上十二 愛知県美術館や芸術劇場、アートプラザなどが集 助けられました。さて、愛知芸術文化センターは 200円割引になるなど特典満載で滞在中は大分はフィリピンのカワヤン・デ・ギアさんの作品。 なっていました。もうひとつ人気を集めていたの ち止まって鑑賞しており、また写真スポットにも パンフレットにも使われておりたくさんの人が立 描き続けたというこの作品は、トリエンナーレの Map》です。長い間落書きとして想像上の地図を Jerrys リー・グレッツィンガーさんの作品《’ きな作品です。この作品はアメリカ出身のジェ を引くのが、壁一面そして床にも広がっている大 10階に入って一番最初に目
あいちトリエンナーレ体験記
外国語学部 中国語学科
3年柴田あけ野
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あいちトリエンナーレ体験記
引けを取らない日本
さて、ここまで海外の作者の作品の紹介ばかりでしたが、日本人も負けてはいません。ダイナミックな作品では大巻伸嗣さんの《Echoes-Infinity》、こちらの作品は一辺が
たです。三田村 きながら全身で鑑賞する感覚は新鮮で非常に面白かっ 末で描いた花模様で埋め尽くしており、360度を歩 15メートル以上の空間を細かい鉱石の粉
形たちが訴えかける重いテーマは心に残りました。 ます。メッセージ性が強い絵画とポップな見た目の人 向かう人間と、昔話「さるかに合戦」を絡め描いてい です。戦後という現実を忘れ未開の土地を求め宇宙に た。もうひとり紹介したいのが、竹川宣彰さんの作品 冊の本を読んだような気分になるほど素敵な展示でし でつながっており、最後までその糸を追いおえると、一 ありました。展示のはじめから最後まで一本の黒い糸 ており、立ち止まってじっとみてしまうそんな魅力が そこにポエムのような教訓のような言葉たちも展示し た。たくさんのおもちゃや人形・日用品を組み合わせ、 スト》は多くの人気、特に女性の人気を集めていまし 光土里さんの《アート&ブレックファ この馬の像はなんと
ました。 ません。寂しさを感じ、しかし訴えるものがあり の彫刻もどこか一部が欠落しており完璧ではあり うなこの空間に多くの彫刻が並んでいますが、ど スさんの展示があります。ひとつのアトリエのよ 部屋に入っていくとオランダ出身マーク・マンダー も印象的でした。会場のなかに進んでいき、白い 会場の子供達がこの馬たちの周りで遊んでいたの おり、何とも言えない重圧感に圧倒されました。 影のために使われ廃棄されたフィルムで作られて からできているんです。フィリピンのB級映画撮 35ミリのセルロイドフィルム
↑カワヤン・デ・ギア「24 コマ:4 幕のパラダイム」
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↑大巻伸嗣氏「Echoes Infinity―永遠と一瞬」
↑ジェリー・グレッツィンガー「Jerry's Map」
↑マーク・マンダース氏「サイレント・スタジオ」
最 後 に
あいちトリエンナーレは非常にボリュームがあり、今回は愛知芸術文化センターと名古屋市美術館のみを廻るのが精一杯でした。もっと時間をかけて多くの会場を廻ることができなかったのが残念です。全体を通して気づいたのは、来場者の方は広い年齢層で特に若い方々が多く、またみなさんスマホやカメラ片手に鑑賞していたことです。トリエンナーレでは多くの展示が撮影可能になっており、また写真映えする作品が多く、SNSが普及している現代だからこそ若い年齢の人々が来場しやすいのでしょうか。実際、instagram等のSNSにはあいちトリエンナーレのタグ付けがされた写真が多く投稿されています。フォトジェニックな展覧会、非常に新鮮でした。次回の開催は三年後、みなさんも体験されてはいかかでしょうか。
学生が見た世界●
↑三田村光土里氏「アート&ブレックファスト」
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↑竹川宣彰氏「新・猿蟹合戦 戦争と戦争の間に浮かぶ宇宙船より(2)」 ↑竹川宣彰氏「新・猿蟹合戦 戦争と戦争の間に浮かぶ宇宙船より」