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UV-Vis-NIR 分光法

ドキュメント内 修士学位論文 (ページ 52-57)

第二章 実験方法

2.3 N ドープ SnO X 薄膜の評価法

2.3.3 UV-Vis-NIR 分光法

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(2-11)式に1モル光量子に対してはアボガドロ数をかけると

E = 3.97 × 10−19× 6.02 × 1023= 2.39 × 10−5 J = 57.1 kcal/mol 可視光線では,380 nmの光で315 kJ, 780 nmで153 kJになる[2.16]. 本研究では透過率スペクトルより,吸収係数αを(2-7)式で求めた[2.17].

α = In(100T)−1/𝑑 cm-1 ・ ・ ・ (2-11) ここでTは透過率,𝑑はフィルム膜厚である.

2.3.3.2 留意事項

本研究で使用した石英ガラス基板を本装置で測定を行った.ガラス基板の波長220~2600 nm における透過率スペクトルをFig.2-13に示す.

Fig.2-13 ガラス基板の透過率スペクトル[2.18]

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その結果,200 ~350 nm での透過率の減少を確認することができた.次に本研究で成膜した 膜を使用し,サンプリングピッチを変化させ,測定を行った.サンプリングピッチとは UV-Vis-NIR 分光法における 1 秒間にどれくらいの波長を計測するものである.今回はサンプリングピッチが 0.5nm, 1.0 nm, 2.0 nmでスペクトルの比較を行い,結果をFig.2-14に示す.その結果,0.5nmと1.0 nmではスペクトルの重なりを確認することができた.ただ,2.0nm では他のスペクトルと比べ透過 性が低いスペクトルになった.この結果より本研究ではサンプリングピッチを 1.0 nm と設定し計 測をした.

本研究では,Fig.2-15に示すShimadzu社のUV-3600を用いて測定を行った.測定範囲は220-

2600nmで測定した.光学系はダブルビーム方式である.

Fig.2-14 サンプリングピッチが0.5, 1.0, 2.0 nmでスペクトルの比較[2.18]

46 2.3.3.3 解析手法

2.3.3.3.1 Tauc’s Plot

光吸収スペクトルや光反射スペクトル,発光スペクトルの解析から伝導帯の最低エネルギーと 価電子帯の最高エネルギーの差である禁制帯幅(バンドギャップエネルギー)を精密に求める事が 出来る.一般に半導体の光学スペクトルは,運動量空間におけるエネルギー帯構造に多くの情報 を含んでおり,スペクトルを解析する事によりバンドギャップのみにならずエネルギー帯構造に対 してかなり詳しい描像を得る事が出来る.光学測定より半導体のバンドギャップを求める場合の 基本は,吸収スペクトルの解析である[2.19].

半導体のバンドギャップエネルギーは,電子を価電子帯から伝導帯に励起するために必要な エネルギーを表します.バンドギャップエネルギーを正確に決定することは,半導体の光物理学的 および光化学的特性を予測する上で極めて重要である.特に,半導体の光触媒特性を議論する 際には,このパラメータがしばしば参照される.1966 年,Tauc は光吸収スペクトルを用いてアモル ファス半導体のバンドギャップエネルギーを推定する方法を提案した[2.20].彼の提案は,Davisと Mottによってさらに発展させられた.[2.21] [2.22]

Tauc法は,エネルギー依存の吸収係数αが以下の式(2-12)で表せるという仮定に基づいてい る.

(α ∙ hν)1𝛾= 𝐵(ℎ𝜐 − 𝐸𝑔) ・ ・ ・ (2-12) ここで,h はプランク定数,νは光子の周波数,Eg はバンドギャップエネルギー,B は定数であ る.γ因子は電子遷移の性質に依存し,直接遷移と間接遷移のバンドギャップではそれぞれ1/2ま

たは 2 に等しい[2.23].バンドギャップエネルギーは,通常,拡散反射スペクトルから決定される.

1931年に発表されたP. KubelkaとF. Munkの理論[2.24]によれば,測定された反射スペクトルは,

Kubelka-Munk 関数(F(R∞),式(2-13))を適用することにより,対応する吸収スペクトルに変換する

Fig.2-15 本研究で使用したUV-Vis-NIR分光装置

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F(R) =𝐾

𝑆 =(1−𝑅2𝑅)2

・ ・ ・ (2-13)

ここで,Aは無限に厚い試料の反射率,KとSはそれぞれ吸収係数と散乱係数である[2.25].α の代わりにF(R∞)を式(2-12)に入れると,式(2-14)の形になる.

(F(R) ∙ h𝜈)1𝛾= 𝐵(ℎ𝜈 − 𝐸𝑔) ・ ・ ・ (2-14) Kubelka-Munk 変換したスペクトルの横軸(波長 nm)と縦軸(F(R)値)の値をそれぞれhν値,

(hνF(R))1/2 値に変換する.横軸hν,縦軸(hνF(R))1/2のグラフ上に(hν,(hνF(R)) 1/2)の値をプロ ットした曲線を描く.ここで,hνの単位はeV(エレクトロン・ボルト)であり波長λ(nm)との関係は,

hν=1239.7/λとなる.この曲線における変曲点の位置で接線を引き,横軸と接線が交わる点の hν

値がバンドギャップEg値となる.[2.26]

2.3.3.3.2 留意事項

本実験における横軸は式(2-15)を用いて波長λから格子エネルギーに変換した.

hυ =ℎ𝑐

𝜆 ・ ・ ・ (2-15)

ここで,cは光速を示し,299792458m/sで計算を行った.また,縦軸は式(2-16)を用いて透過率 Tから吸収係数αに変換した.

α =𝑑1ln (1−𝑅𝑇 ) ・ ・ ・ (2-16) ここで,dは試料の膜厚,Rは反射率をそれぞれ示す.更に,この吸収係数と光子エネルギーの 積を算出し自乗した値で縦軸を設定した.

通常,バンドギャップの算出を行う際は縦軸をリニアスケールにして値を算出するため干渉フ

リンジ等[2.27]の影響を大きく受けないため無視する場合のある.しかし,本研究では,縦軸をロ

グスケールで示すことで吸収係数の増減を比較したため干渉フリンジ等の影響を取り除く必要が ある.そのために反射率の値を用いることに留意されたい.

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