@④に準ずるが可逆性のやや強いものがある。2例(金)
「アレハネー ボクノ トモダチデネー チョウコクカガネー一 チョウド ブソ キョゥノ アノ ブソキョウクヤクショノ ソバニ スソデタソデスヨネ,ヒサ カタチuウ」 〈あれはね一 ぼくの 友達でia 一 彫刻家がね一一ちょうど文 京の あの 交京区役所の そばに 住んでたんですよね,久堅町〉(22−12−15)
「チョット アサ ハヤカッタデスカラネ,クジ ジュヅプソグライデシタカ」
くち淘つと 朝 畢かったですからね,9時1G分ぐらいでしたか〉 (27−5−15)
⑳ 数詞を後置するが可逆性が弱く,単なる補充の表現と見るほうがよいか もしれないものがある。 1例(全)
「(ダイシツキ)」「…ダケデゴザイマスネ,ニマイ」〈(台紙つき)…だけでござい ますね,2枚〉(2アー6−16)
3・2・8 *印8「ト」の用法
「ト イウ トコロカラ ハジマッチ,ジャ ミナサソニ グット オシャベリヲ シテイタダキマショウ」 〈と いう 所から 始まって,じゃ 皆さんに ぐっ と おしゃべりを していただきましょう〉 (22−1−8)
「ト イウ ワケデス」 (22一!一8)
このような,やや特殊な会話の受けかたは,Fト…」以外にもある。
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「ソウイウノモ アルヨ」「ノモ アルダPtウケド アソマリ ミナイ.ネ」(22−6−7)
「オソロシイヅテ コトデハナイ」「ナイノ,」 (22−28−13)
「トウキョウニモ ゴザイマス」「ア ニモ アル」「ニモネ」 (5−7−14)
「ア アノ カブトトカ ナソカネー ヨク アノー オッテ ツクリマスネ,コ ドモサソガ,=一」「ジャナイノ?」「ジャナイデス」(5−6−16)
「カテイデモ ツカイマス」「カテイデモネ」「デモ」(5−14−3)
これらは,典型からはずれる特殊な表現であり,前の発話を受けて,あるべき 部分を,場面と文脈とによりかかることによって,省略してしまったものであ る。前述した省略は述語省略であり文末省略であるが,これは文頭雀略である。
ただ,そのなかで,「ト」は,他と少し性質がちがう。「ノモ」は,一般に文節 のなかでの附属的要素であるにとどまって,文頭に立つことがないと認められ るのに対して,「トJは,「トハイエ」 「トイウワケデ」 「トイウノデ」のよう に,交頭に立って,他の語と一緒に接続詞の役割を果すことがある。また,文 節に切るばあいに,つねに文節のなかで,その末尾に位置する附属的要素かど
うか,問題になるところである。前述のように,やや特殊な終止に,「ソコデ クモニモ イロイロ アルト」(5−1−H)のように,判断叙述の文を押さえる 表現もある。しばしば言われるように,「ト」には,指示詞の役割があって,
その能力が,このようなばあいに,あらわれる。ただ,他の純然たる指示詞と ちがって,今日では,このように「イウ」「オモウ」などと結合したり,「トニ カク」のような熟合語のなかで,その力をあらわしうる程度の,独立性の弱い ものであるから,「ソウ」などと同様には扱えない。理論上は,機能の連続性を 認めれば足りるが,作業上は「ソウ」に準ずると認めるか,文頭省略と認める か,いずれかに決定しておく必要がある。ここではなお,独立性の弱いものと 認めて,これらは,:文として不完全なものに扱うこととした。したがって,前
言己実例中の,
「ト イウ トコロカラハジマッテ」 (22−1−8)
は,その意味でも,また:文末の述語の省略という意味でも,不完全な文と認め られる。
上述の前記実例のほか,共通資料には,つぎのようなものがある。
「5 イウワケナノヨ」 (22−ll−13)
rテ イウト チョット チガッチャウソジャナイカナ 一」 (22−25−4)
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「ト モウシマスト」 (5−7−19)
4問題点のまとめ 以上のようにして,前記実例にあらわれた問題点を処 理したが,このほかにも,いくつかの問題点があった。それらを通じて,文と
して認めるものを定めて,われわれの文型をもとめる作業の対象とし,また,
文として不完全なものと認めるものを定めて,対象外とした。以下に,そのま とめを述べる。
文は, 陳述を負う述語または独立語1つを持ち,社会習慣として,ひとまと まりの意味をあらわして言い切ることば と規定する。
われわれの対象外とする文的な表現は,(1)不整文(誤用文を含む),(2)省略文
(中断文を含む)であるが,対象とするかしないかのさかい鰍こある表現も,
いく種類かある。主要な部分については,前述したが,なお,以下魯項で,述 べるところがある。
単純な文のうち,一般の述語または独立語1つを持つ交については,述べる までもないが,その他の問題になりそうな文について前述したところを含めて 例とともに箇条書にしておく。
1 単純な文(_脚部が1文)
(1)感動詞文
「アー アー アー アー」 (5−1−16)
「アー ハー一 1 (5−3−10)
響アー ナルポド」 (22−19−2)
「アーソ ソウカ」 (5−6−23)
② 応笛高文
「ウソ ウソ」 (16一正3−14)
「フーソ フソ」 (22−8−1)
「イヤ イヤ」 (22−8−12)
「ノ、一 !、一」 (27−8−1)
(3)接続助詞由来の終助詞終止文
「ダケドネー モウ トル ポウガオモシロクッテ」〈だけどね一 もう 販る 方が おもしろくって〉 (3t2〕一13−10)
「カルク ウゴカスカラネ,カラダ」 <軽く 動かすからね,体〉 (3c3}一6−6)
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rドッチデスカト キカレルト コマリマスガネ」 〈どっちですかと 聞かれると 困りますがね〉 (5−12−24)
「デモ コトシハ ナソデスカ スコシ サイテマスケド」 くでも 今年は なん ですか 少し 咲いてますけど〉 (3c2)一4←10)
(4)単純提示文
「ダッテネー・一 熱心ッテキテサ ヨル トウキョウへ ツイタデショ,ソイデ ア クルヒネ カイシャノ パスリョコウデネー イッタソダモソ」 〈だってね一一 帰って来てさ 夜 東京へ 着いたでしょ,そいで 明くる日ね 会社の パス 旅行でね一 行ったんだもん〉(3{3}一2−2)
「ソレデ シバラク マヅテイルト カワクデショ,ソコヲ トルソダナ」 くそれ でしばらく待っていると乾くでしょ,そこを
rソウイウ ヤシキノ ナカニ バカガ アンダヨネ,
ノマソマニ ナヅテ…ソノ ケッキョク トリコワシニ ソノVソマニ ノコッチャッテソノネ」〈そういう
だよね,そこへ埋めてっから そのまんまに なって…その しに なったりなんh{して そのまんまに 残つちpってんのね〉
(5) くり返し表現の一つごとの:交 「アゲテ アゲテ」 (22−17−6)
「並烹 一新三」〈比喩 比喩〉 (5一レ!5)
「ヤッテタ ヤッテタ」 (22−20−6)
「ソウデス ソウデス」 (5−8−11)
(6)述語並列的表現の一つごとの文
rオオドオリヤナソカ デルト ゼソゼソ ダメデスカP ゼソゼソ
販るんだな〉(22−19−12)
ソコヘ ウメテッカラ ソ ナッタリナソカシテ 屋敷の 中に ;墓が あん 結局 取りこわ (22−lzF8)
ノレマセン カ?」く大通りやなんか 辿ると 全然 だめですか?
「デモネ マエノ トコハヤクニシ=ウカソグライノ
全然 乗れませんか?〉
(12−6−6)
ケイ乞ソガ アノkテショ,
サイショカラ ソレダケ モラッテタ ワケジャナイソデショ?]〈でもね の とこは 約2週間ぐらいの 経験が あるでしk,最初から それだけ
らってた わけじゃないんでしlt?〉 (12−3−9)
「アノ…デ カラダヲ スゴク コウフニ ウゴカスノネ,オチツイテナイノネ」
前
も
くあの…で体をすごくこうふに動かすのね,落ちついてないのね〉
(3(2)一3−6)
「コノーソバカスト イウノハネブカクナイソダッテネ,ソシテ ヒョウメソダ 之霊互ろニノテ捧」 〈この一 そばかすと いう.のは
そして 衷面だけなんですってね〉 (22−20−19)
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根深くないんだワてね,
(7)補充表現としての完全な文
「ダス,ダス,ダスヨ,アノ シラキハ ダスヨ」 <出す,繊す,鋤すよ,.あの 白木は 繊すよ〉 (22−10−5)
「モウ ナイ,モウ ヤッテナイ」 (16−5−3)
(8)省略文由来の慣用による完全な文
「ポスターヲ ドウゾ」 (5−2−10)
「ソイジャー一 ドウモ」 (27−5−24)
「ドウゾ コチラへ」 (27−8−17)
到 文的要素( 線部)を含む文( 線部が1文)
(1) くり返し裏現としての文節または文節連結を含む文
「スヅパイソデ ミナサソi=v オアゲシヨウト オモウソデるケド シヅヒイダ カラネ,アVリ スッパイソデ」 〈すっぱいんで
思うんですけど 失礼だからね,あまり rバカノ ナカ ハイッタ コト アル?
皆さんちに おあげしょうと
すっぱいんで〉 (3c2)一IO−3)
オハカノ」く墓の 中 はいvた こ と ある? お墓の〉 (22−8−3)
「アトカラ ソコヘ イレタソグッテ,ソコへ」 (22−6−18)
(2) 補足の表現
i 先行の指示語に対する補足の蓑現
「イハイトソレカラアレニカィテアルジ・ナ{・アノセキヒJ=・ll〈位牌と それから あれに 書いてあるじゃない,あの 石碑に〉 (22−5−12)
「ソレヲネー エイゴデ イウ バアイ ヒジョウニ ムズカシイソデスヅテ,ビ ヨウキノ ジョウタイヲセツメイスルッテ コト」 くそれをね一i英語で需う
trimt−Mtt,t.t=tWt..t..tvxtv, di.,Vvt..xu.vXA.r=
場食 非常}こ
「アレヲ コウ
むずかしいんですっ一沿黶C病気の 状態を 説明するって こと〉
(22−23−iO)
ホラ ケズッチャッタデショ,ガケヲネ,ホトソド」 くあれを こう ほら 肖』ちゃったでしょ,崖をね,ほとんど〉 (22−12−18)
ii倒置の表現
「イロイロ アルデショウ,クモノ ナマエガ」 〈いろいろ あるで1.よう,雲の
名育むカヨ〉 (5−1一三8)
rソウイウノガイッパイ カイテアルソダ,マワリニ」(22−7−1)
「ヤケドシタノネ,キョネソバ」 〈やけどしたのね,去年は〉 (3{3⊃一4F−6)
「アジ・ティウノモチガゥカラネ1:鷹カク=;纏却く味っていうのも
ちがうからね,正確に 署うと〉 (22−23−18)
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iii言いかえによる補足の表現
「ヤマビラキ,タ轟ガウノ、:ヤマビラキノ マエ」 く由開き,谷珊の 由開きの
gkEa> (3 S 一8−8)
「アノ ヒトタチハ イッパク,マルイッパクシタノヨネデチゴヴド」〈あの 人
nv
たちは 1泊,:丸1賢したのよねジちkうど〉 (3(3)一5−6)「ソレヲ ゼソブ イワユル カロウトX ナオシタ ワケネ,コンクリ ハッチ .一一〉い シタヲコウネ,アナニ」くそれを全部いわゆるかろうとに直したわ
けね,コソクlj はって 下を こうね,.穴に〉 (22−1(H 9)
(3)挿入文を含む文
「デ=e 一 ナソカ ソウイウ ザイリョゥ…ザイジョウッテ イウノカシラ テソ ピ5カ ソウィウ 孟ノガズィブソ ィルソジャナィ?」くでも一 なんか
そういう 材料…材料って いうのかしら 天火とか そういう ものが ずい ぶん いるんじゃない?〉 (3tl)一9−6)
「ナソカ フツウニサー一 アノー ナソトイウノカナ・・一 ,キニ…キニ…キニ クワ ナィテ ヨウナ コトヲネ イヤラシィテ ィウ ワケデスヨ」くなんか 普通 にさ一 あの一 なんというのかな一,気に…気に…気に くわないて・ ような ことをね いやらしいて 言う わけですよ〉 (22−26−6)
「ダカラ ガイジソガ キイタ バアイ ドウナノカシラ,ヤヅパリ コウ ザー 一一一twrx =.:.
ット キイテミテサー・キョウトベソヲ イチバソ ウツクシイト カソジルカ シラ」 〈だから 外入が 聞いた 揚合 どうなのかしら,やっぱり こう ざ一 つと 聞いてみてさ一一 京都弁を 一番 美しいと 感じるかしら〉(22−27−17)
(4)挿入的提示文を含む:文
「ダケドネー一 フシギニサ、タト=バネー ウチナソカデモネ ソノー チチノ vv. V Ab..stt−r.MNsNt−xtx.wW一. N−ww.一,wwt PVwt
シャシソト…(略)…コウ シャシソガ カザッテアルソデスヨ,ソウスット……
nv
@@H vwvwvwvvvsi−rvw,ttt vvwwVVVVSihrVVV−Y 一.ww.親掛)…ヲ イヅテミ窪クナルネ」 くだけどね一一一一 不思議にさ たとえばね一 うちなんかでもね その一 父の 写真と…(略)…こう 写真が 飾ってあるん ですよ,そうすっと…(略)…を 言ってみたくなるね〉 (22−2−22)
rワタクシモ アレ ホラ ヨク デパートナソカデ ヤッテルデショ,アノ ガ ラスバリ マワリ シテネ ミソナ ナガメテルデショウ,スト
勲
ソカ 霊リタクナッチャッテネ」<私も あれ ほら よく やってるでしょ,あの ガラスばり まわり してね みんな
よう,すと 見てると なんか やりたくなうちゃってね〉(3ω一5−8)
「,トシハネー。トシ.、モ1 E
̲。テアタシタチホライモウトトヤ・
ウデ イッテサ,アサ ツイテ スグ スベッタデショウ,ダカラ モウ ノム ww
ミテルト ナ デバートなんかで ながめてるでし
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