男5 (男5〜6)
38分・男1,女9(女3)
30分 30分 53分
男3,女1 男1,女5 男1,女2 60分i男3,女2
1
!5分
P如男1
デス
ダ.(デス)
ダ.(デス)
デス
アス
タ・ブース
デス
デス
デス
養老院での老人の雑談i 家族の雑談
芝繋紐当局と咽
NHK放送一対談・現鵠舗δ三芳腿智
歯さんたち
NHK放送一対談一
共同洗濯場での主婦た ちの雑談
NHK放送一仮設家族 の座談会一
研究室での面接録音調 査
同 上
注 1. 「蒔間」は,*をつけたもの以外は,およその時間を示した。なお,示さ れているものは録音時閥であって,発話時間ではない。
2. 「話し手」は,男女別の数だけを示した。 ()の中は,発墨量のごく少 ないものの数である。
3. 「話体」は,だいたいを示した。デゴザイマスはデスに含めた。
4. 「場画・内容など」は大まかな注記である。
以上の資料は.全体として,各種職業・各種年齢層・男女の話し手を含み,
各種の場面のものにわたって,なるべく多様の文がとらえられるように,、選ん だものである。
2共通資料と非共通資料 以上のうち,No.3三人の女性, N◎.5新聞 人二十のとびら,No.12職安女子部, No.16三鷹学生, No.22 葦 雑談(2),
No.27結婚式申込み の6種が共通資料で,他が非共通資料である。
共通資料とは,基礎的研究としての表現意図・講文。イントネーションの三 つの作業で,共通に取り扱った資料である。研究の進行途上で,三つの作業の 相互の関連を明らかにし,連絡を保つためのよりどころとなり,さらに,総合 的な文型のための中心資料となったものである。総合的:文型の文例は,共通資 料の中から選ばれた。
共通資料は,選ばれた資料の中からさらに,全体として,話し手の性・年齢 33
や罪体などの上で片よりのないように,また,場面・内容などに多様性もを ち,なるべく各種の表現意図にもとつく各種の形をもつ文がとらえられるよう に,という配慮:で選んだものである○
共通資料のほかのもの,すなわち非共通資料は,二丁意図・構文・イントネ ーションのそれぞれに単独に,あるいは2者に共通に取り扱われた資料であ る。それぞれ文についての着眼点が違うので,共通資料の不足を補うものが別 別に要求されたのである。
共通資料につい鴎その大体の内容を見るために,ある中間的な整理の段階 でカード枚数(:文の数)を数えてみたところをかかげる。
No. 3 No. 5 No. 12 No. 16 No. 22 No. 27
三人の女性 新聞人二十のとびら 職安女子部 三鷹学生
葦 雑談 結婚式申込み
詠嘆4︑8
2玉 322043
判叙 284 299 198 448 400 95
要求 154 323 277 169 151 81
応答 245 196 139 169 175 100
問 題 カード
51 40 76
111
84
44 計 777 940 692 917 824 323
この表は,対話における,表現意図の別から見た文の分布の大体の傾向を回 すものでもある。
3資料の処理 まずテープ録音によって資料を収集し,これを:文字化し,
さらにカード化して取り扱うようにしたのであるが,その間の作業について述
べる。
3・1録音収集 資料の一覧表にも示したように.,NHKの放送のものが あり,これはほとんどNHKからその録音テープを借用してリプリントした。
その他は,話しことば研究室でこれまでに録音収集してあったもの,他から罪 しことば研究室にゆずられて保管されていたもの,また,われわれが,新しく 録音したものである。選択に当たっては,二三や話題などから推してなるべく 多様な文型のとらえられそうなものをねらった。対話者のうちのある老には録 音されていることがわかっていないという程度の,かくし録音も少数あるが芝 大部分が,話し手にわかっている状態で録音したちのである。わか?ている話 .34
し手においては,発話にある程度編約の加えられることが考えられる。それは 文型の出方に影響する。たとえば,興奮した場合に出るある種の文型はとらえ にくい。われわれは,そのため,特に喧嘩その他,感情的な場面の録音をもね
らっteが,これはきわめて困難であった。
3・2文字化と訂補 録音資料の文字化をカナタイプの専門業者(注)に依頼 した。この専門業者が会議の速記録などを作る場合のやり方とちがった,忠実 な:文字化を,われわれは注:心した。語のおきかえ,語形の修正,語順の変更,
語の脱去等は絶対に許されない。音声の不明瞭な箇所を推定で埋めるというこ とも,じゅうぶん慎重になされなければならない。相づちの応答詞や遊びこと ばの類も,もらしてはならない。このようなことを厳重に.注文した。業老とし ては誠意をもって仕事をしてくれたことを,われわれは認めた。しかもなお,
結果においては不十分のところが多く,われわれは自分の手でこれに厳密な訂 補を加える作業を行なわざるをえなかった。これは作業量として非常に大きな ものとなり,予定をかなり狂わせたQ32年度に一応訂補を行なったが,33年度 に性能のいいレシーーバー(藤木電器KK製ダイナミック・レシー .R 一一 Elega,)
を用いて再訂:補を行なったが,資料作業のほとんど最後まで,その仕事が尾を 引いた。
正確な文字化の非難に,分析すると,二つの面がある。はやい速度で,しば しば予測されない形やくずれた形で出てくることばを,ありのままにおさえる ことのやりにくさと,不明瞭な音声の聞き取りのむずかしさとである。前者 は,しかし,時間をかけて忠実に作業するということで克服できる。後者はな かなか手ごわい。やや不明瞭な部分については,同一材料が違う作業者によっ て別のものに聞き取られたり,時間を隔てて聞くと,同一作業者に同一材料が 別のものに聞き取られたりすることが少なくない。そう思って聞けばそうも聞 こえるということもある。要するに,作業者の生理的条件や心理的条件によっ て,かなり聞き取りが左右されるのである。こういう状況のため,聴取困難で 切り捨てざるをえない部分があり,また,推定によってきめたところがあっ た。推定は,ふたり以上が何回か聞ぎ返してみて一i致したところによった。性 能のいいレシーバーで聞けば,静かな環境で録音器の音を外に流して聞くより 35
も,はるかに明瞭に聞き取られる。だが,それでもなお,ごれをなまのことば の聞き取りに比べれば,聞き取りの可能性はどれほどか落ちると思われる。そ れは,轡つセこは,われわれが使う録音器の録音・:再生の能力の限界による。ま た一つには,対話の場面に居あわせて話し手や場面に属する具体的な諸条件と 照合してことばをとらえることができるとできないとの根違があろう。対話の 場面に居あわせて聞く時は聞き取りやすいというのは.,話し手や場面に属する 条件と照合することにより,推定が行なわれやすいのである。(もっとも,この
ことは,対話の場齎に居あわせて聞く時は「わかりやすい」ということと全く同 じではない。生活的な立場では,一般に,ことばの意味を聞き取ろうとする。
その際は,唱ことばの形の細部まで一様に厳密に聞き取ろうという態度をもたな い。音声不明瞭で聞き取れない部分があっても問題にならないところがある。
こういう意味のわかりやすさと,ことばの形の聞き取りやすさとは別である。)
とにかく,日常的な対話などの録音資料を取り扱う際に,こういう制約のある ことはやむをえない。
注 録音タイプ速記拙その他。岡社は県議会の会議などを録音し,それをカナタイプ によって:文字化し,会議録を作る仕事:などを.している。
3・3文切りと文の選別 訂補を施して資料台帳を作成した上で,文に切る作 業を行ない,その文に選鯛を加えた上で,文ごとにカードに書き取った。 (た だし,カード化したのちにも,訂補は加えられ,また,その結果,文の切り取
り方を変更したところも少なくなかった。)
文切りは,「文の認定について」の章で述べるところの見方にもとづいてな された。どのように交を切り取ったかの具体的なことは,ここにはいつさい省 略する。作業は,必要に応じて録音テープを聞きながら,台帳の上に一切りを マークしていくというやり:方で進めた。文を切り取るに当たって,曹声的なあ らわれと照合しなければならない場合が多く,音声的なあらわれに決定をゆだ ねなければならない場合もある。その音声的なあらわれというものは,イソト まネーションと間とを主とするが,そのほかにも,声の強弱や長短,また音色な どの要素も加わり,全体として印象的にとらえられるものが,しばしば重要視 される。
36
以上の作業に,さらにイントネーション記号の記入が加えられて,資料台帳 が作り上げられた。
:文の選別は,すでに述べたように,われわれの書語意識に照らし,われわれ の採るところの文法理論の体系に照らして,正常な文と認められるものだけを 取り上げるとし\う選別である。具体的には,聞き取り困難のための不完全形や 不整表現や中絶,すなわち他の発言にさえぎられなどしての言いさし切れなど を捨てることである。省略の表現もまた,カード化ののちに,理論的検討の結 果,対象外とすることになった。それについては「文の認定について」の章で 述べられる。(申絶と省略との別は,一般論的にも,具体例についても,必ずし
も明確ではない。)
省略や不整衷現を取り上げる話しことばの研究は,もちろんありうるであろ う。しかし,あくまでも抽象的典型をとらえようとする文型研究は,立場が違 う。だがまた,話しことばには話しことば独特の,それなりに完全とされるべ き形のあることを認めなければならない。それはぜひとも拾い上げられなけれ ばならない。不整表現を捨てるという場合にも,書きことばを扱う基準をもっ て半捌しようとすると,話しことば独特の形を無視するという不当を犯さぬと もかぎらない。そうした警戒をもちながら,われわれは,不整表現を捨てた。
話しことば独特の形ともいうべきものを含んで,どういうものが残されたか,
どう解釈・整理されたかは,「交の認定について」の章で述べられる。
次に,不整表現の例をかかげる。
(1)○「アレガネー ケイキガ ヨク ナッテサP・ ソレデネ ソコニネー アノー ケッキョクネ ソノ ヒトモネ ダソナサソガ シソジペッタ, ソコヘ ヒヅコ シタ トタソニ」 <あれがねえ 景気が 良く なってさ一 それでね そこに ねえ あの一 結局ね その 人もね だんなさんが 死んじゃった, そこへ ひつ越した 途端に〉(22−15−18)(注)
(2)○「ソノ ウエヘ ウチガ デキテ ドウデモ コウ ナッテ アア ナッテッ テ モウ ナガイ……フルイダロウ ムカシノネ」<その 上へ うちが 出来て どうでも こう なってああなってってもう 長い……古いだろう 昔のね〉
(22−lzFll)
(3)OFダケド ユソゲソ ナソデスヨ カオヲ パット ミタ トte = ソバカス シカ モウ メニ ツカナイト イウヨウナ アレネー ヤッパリ ワタシミタイ 37