1. 部局の人員配置、採用、任期制、昇格
(1)人員配置
本研究科の教員の構成は、表5-1に示すとおりである。大学院の教員組織の中核は、経済 学部および協力講座となっている経済研究所教員であるが、そのほかの部局からの協力を 得ている。総勢71名のスタッフ数を誇っている。
経済学研究科に限っての教員数の推移は、表5-2に示した通りである。教員数は近年にな って着実に増加の傾向をみせているが、ここ数年は増加のペースが少し穏やかになってき ている。1983年までは横這いのままで推移してきたものの、その後は、ほぼ毎年のように 増加の一途をたどり、1998年以降専門職大学院として経営管理と公共政策の各大学院が分 離する2005年度までの間に、42名から56名に増加した。これは、特に2002年度までに 教員定員の充足率が急速に改善されたことと新たな講座が新設されたことの両方の効果が 大きく、その後の増加のペースは緩やかになっている。2006年度に教員数が減少している のは,この年度に経営管理と公共政策の両大学院が正式に発足し,本研究科から教員(人 数は下記参照)が各大学院に移籍したからである。
経済学研究科の基幹講座においては、専任教員数は教授22名、准教授12名、講師2名 助教1名である。これに経営管理大学院との併任として教授9名、准教授 2名、さらに公 共政策大学院との併任として教授1名、准教授1名が加わる(2010年9月現在)。
大学院ではさらに経済研究所が専攻ごとに協力講座を担い、教授15名、准教授4名が加 わる。学士課程と大学院課程を合わせた外部非常勤講師は26名(2009年度実績)である。
教員の年齢構成は 2010 年3月末現在、以下の状況である。研究科教授の平均年齢 52.8 歳、准教授41.9歳である。また特定の年齢層への偏りはみられず、40歳以下の准教授は経 営管理との兼担も含めて 4 名であり、学内研究会や共同研究を通じて相互の交流が活発で ある。ただし、全教員で女性教員が2名、外国人教員が 2名とやや少ない。このため、公 募条件では男女共同参画社会の理念より女性研究者の応募を呼びかけている。
(2)採用
2001年度までの5年間は、講座の拡充などもあって積極的に採用を進めてきたが、2001 年度以降については採用の基準に関しては、これまでは部局内に委員会を設けて、内外の 研究者から適切な候補者を選定し、絞り込んだうえで、審査を行い、採用に至るというプ ロセスが中心であるが、近年、公募による採用を原則としている。2007 年度(平成 19 年 度)以降に関しては、次の各講座等に関して、公募による採用人事を行った。このように、
2007年度以降は全て公募による採用人事を行い、幅広い人材を獲得している。
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公募年月 内容 講座等 採用者 採用年月
2007 年 1 月 「ファイナンス工学」教授または准教授 江上准教授 2007 年 8 月 2007 年 7 月 「経営管理・戦略」教授 武石教授 2008 年 4 月 2007 年 7 月 「経済理論」准教授 若井准教授 2008 年 10 月 2007 年 9 月 「国際経営・経済分析」教授または准教授 劉教授 2008 年 4 月 2007 年 11 月 「大和証券グループ寄附講座」准教授 尾崎准教授 2008 年 4 月 2008 年 6 月 「市場・会計分析」准教授 草野准教授 2009 年 4 月 2008 年 6 月 「比較制度・政策」准教授 神事准教授 2009 年 4 月 2008 年 12 月 「統計・情報分析」准教授 矢野准教授 2010 年 4 月 2009 年 1 月 「市場動態分析」教授または准教授 敦賀准教授 2010 年 4 月 2009 年 4 月 「国際経営・経済分析」准教授 高野准教授 未定 2009 年 7 月 「プロジェクトセンター」准教授 佐々木准教授 2010 年 4 月 2009 年 11 月 「プロジェクトセンター」講師 末石講師 2010 年 9 月
(3)任期制
京都大学においては、「京都大学教員の任期に関する規定」が改正された。(2000(平成 12)年11月21 日)これに伴い「大学院経済学研究科プロジェクトセンター」に任用する 教員(教授、准教授および講師)について、任期2年(再任1回1年 可)とする旨、規定 された。さらに2009(平成21)年10月21日 講師のみ任期3年(再任1回3年 可)に 改正された。
この規定により、プロジェクトセンター設立の目的に適合する教員を募集し、下記の教 員を任用している。括弧内はおのおのの前の所属機関である。
2001 年 6 月~2003 年 6 月 東條吉郎助教授(経済産業省)
2003 年 11 月~2005 年 11 月 北野尚宏助教授(国際協力銀行)
2006 年 5 月~2009 年 4 月 宮崎卓准教授(国際協力銀行)
2010 年 4 月 佐々木啓明准教授(新規採用)
2010 年 9 月 末石直也講師(新規採用)
(4)昇格
昇格の基準は、経験(年齢)と業績(博士学位と研究歴)を基準にしつつ、充員可能な 空きポストの教育・研究内容との関連で、総合的に評価されることになっている。従来は、
この基準にやや明確さが欠けることがあったが、近年は、この基準が明確になり、特に准 教授から教授への昇進については、2009年11月12日に決定された「教授昇進ルール」に より迅速な認定がおこなわれるようになっている。
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表 5-1 大学院担当教員の構成 (2010 年 3 月 31 日現在)
所 属 教 授 准教授 講 師 助 教 計
経済学研究科 22 12 2 1 37
経済研究所 15 4 19
経営管理大学院 9 2 11
公共政策大学院 1 1 2
地球環境学堂 1 1
東南アジア研究所 1 1
計 49 19 2 1 71
表 5-2 教員数の推移
年度 教 授 准教授
(助教授)
専任講師 助 教
(助手)
計 1980(昭和55) 13 14 0 2 29
1981 12 15 0 2 29
1982 13 14 0 2 29
1983 13 14 0 2 29
1984 17 11 1 2 31
1985 20 11 1 2 34
1986 17 13 0 2 32
1987 23 8 2 1 34
1988 23 9 3 1 36
1989(平成元) 23 6 3 1 33
1990 24 12 2 1 39
1991 23 14 3 1 41
1992 23 15 3 1 42
1993 21 17 3 1 42
1994 26 13 3 1 43
1995 24 14 3 1 42
1996 22 14 2 1 39
1997 23 14 2 2 41
1998 29 9 2 2 42
1999 28 10 3 4 45
2000 28 11 2 3 44
2001 28 14 3 4 49
2002 29 16 4 3 52
2003 32 17 3 2 54
2004 31 20 4 1 56
2005 30 21 4 1 56
2006 21 11 4 1 37
2007 21 10 5 1(注1) 37
2008 21 11 5 1 38
2009 20 12 4 1 37
(注1) 2007(平成 19)年度より助教に名称変更。
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2.寄附講座・寄附講義
経済学研究科では、企業の協力により寄附講座・寄附講義が設置されている。2002年度
~2008年度まで金融工学講座(大和証券グループ寄附講座)を設置し、大学院・および学 部において授業を提供していた。また、2007年度から京都大学経済学部にみずほフィナン シャルグループ寄附講義として「先端バンキング論」を開設することを決定し,以後現在 に至るまで学部において授業を提供している。
3. ティーチング・アシスタント、リサーチ・アシスタント
ティーチング・アシスタント(TA)は、文部省の大学院「高度化推進特別経費」の一環 として 1992(平成 4)年度から制度化された。本研究科においても、大学院重点化の内実 を向上させるための改革の中に TA を位置づけ、その制度の運用について検討を重ねながら 実施してきた。
その後、1994(平成6)年度からは、これまでの大学院博士後期課程の院生に加え、修 士課程院生も TA に任用することが可能になった。そこで、博士後期課程の学生は大学院修 士課程学生の教育・研究指導補助、学部ゼミナールの教育補助の双方、修士課程学生は学 部ゼミナールの教育補助を担当することになった。また少人数授業という性格をもつ学部 の外国経済書購読の授業補助も担当できることとした。
この制度により、少人数教育における授業の充実がなされるとともに、TA となる学生に とっても、将来高等教育機関に就職し、教育業務に就くための職業研修的な意義だけでな く、他の院生・学生に研究の援助・教育を行うことにより、自らの学習にも大きな効果が もたらされることが明らかになっている。
TA 制度の実施経験の詳細については、1994(平成6)年度の教育研究学内特別経費によ って経済学研究科・経済学部教育改革研究会が検討をすすめ、『京都大学経済学研究科・経 済学部教育改革研究会報告書 ティーチング・アシスタント制度の研究と実施経験(1996 年 7 月)』がまとめられている。
この間の経過においては、年間を通じて計画的に実施したいということで計画したにも かかわらず、経費の配分がそれに見合わないことが限界となっている。また 2007 年度より 経費圧縮と経済学研究科採択の COE プログラム終了により、TA の人数は減少した。しかし、
今後は経費の拡充による TA 制度の計画的運用の安定化を図るとともに、大講義授業におけ る TA の活用の仕方等についても検討をすすめて、経済学・経営学教育における質の向上を 図る必要がある。
2002 年度以降の TA 実施の状況を表で示す(表 5-3 参照)。
57 表 5-3 TA採用状況
修士課程 博士課程 計
COE
2002年度 38 44 - 82
2003年度 49 42 7 98
2004年度 46 34 4 84
2005年度 35 45 7 87
2006年度 31 50 4 85
2007年度 28 36 4 68
2008年度 23 35 58
2009年度 31 37 68
また、1996(平成8)年度に、研究支援体制の充実・強化ならびに若手研究者の養成・確 保を促進し、学術研究の一層の推進を図るため、「リサーチ・アシスタント(RA)経費」が 新規に計上された。これにもとづき、本学でも「リサーチ・アシスタント実施要領」を定 め、実施を始めて折り、採用人数は拡大している。(表 5-4 参照)。
表 5-4 RA採用状況
採用人数 総時間数 経費総額(千円)
2002年度 5 1,425 1,995 2003年度 5 1,570 2,198 2004年度 6 2,333 3,266 2005年度 6 1,550 2,170 2006年度 7 1,584 2,217 2007年度 7 1,638 2,293 2008年度 7 1,428 1,999 2009年度 7 1,248 1,747
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