農作物にたいする環境汚染の影響に関する研究 1 瀬戸内沿岸五色台西部地域の実態調査-香川大学学術情報リポジトリ

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農作物にたいする環境汚染の影響に関する研究

1瀬戸内沿岸五色台西部地域の実態調査

玉置鷹彦,上原勝樹,梅田 裕 Ⅰ ま え が き 農作物紅たいする気象災害の主なものとしては寒害,霜害,冷害,凍結害,高温害,風害,水害,雨害,湿潤菩,草 書,雪害,ひょう害などが古くからよく知られて:いる小 しかし,近時産巣の発達紅伴なって煙,降じん,汚水,鉱毒, 塩風などの愚作物にたいする被害が増えてきた∴ とくに,最近は柑橘類の増砥が叫ばれて,これまで農耕地としては倣 気象的に,あるいは立地環境条件として,不適地と考えられていたところまで拡張利用されてこいる傾向にあるので,こ のようなところでは殊に.災害を受けやすくなるのは当然のことである. 以上のように,エ場その他からの排気ガスや降じん,あるいほ.枝条架塩田を通しての風による塩味の飛散など,産業 の発達紅伴なって一層環境汚染の度が強まり,そのため,従来問題に.ならなかったような諸害がクロー・ズアップしてき た.しかし,これらによる被害の程度は,そのときの環境条件によって非常にちがうことは勿論である… また大気汚染物質の植物にたいする影響について.は,これまでu・般に煙害(2,4,=0・11・1214・16)の名で呼ばれている..そ して植物は人その他の動物に比較して大気汚染物質により著しく影響をうけやすいことが知られて.いる(3)ハ植物体殊に. 生薬の表面は多湿の状態にあるので,ここに.大知ニトlに.含まれる酸性あるいはアルカリ性の汚染物質がふれる場合に.は,そ・ の部分のpH値は菓細胞自体がもつpH値と場合によっては著しく異なる値を示すものと思われる.こ.の観点に立ち我々 のうら玉置,梅田(7)は野外に.おいて簡易に葉汁pH値の大略を知ることのできるpHメ一夕一億極を試作し,前報(8・9)紅 おいて.現地に.おける測定結果の事例を報告した‖ 本報紅おいてほ.,香川県瀬戸内沿岸五色台西部すなわち坂出市番の州地区臨海工業灘帯の東方約5払1の地域を主体と して,1969年7月から9月に.かけてここに自生する野草,樹木およぴこ.の地域に栽培されている柑橘類の葉を採取して, その葉普pHと生業水浸液の比電導度を測定し,それらの結果を同時に.調査した気象観測値と対照して.報告する. この調査を行なうにあたり白井桂子,宮脇勝美,八木道明の3氏の協力を得たことを深く感謝するしだいである. Ⅱ 調査地域の概況 本調査地域は第1図に示したように.,高松庸飽水町より坂出市の王越,大屋富,青海の各町を経て加茂町に至る範囲 で,白峯,黄峯,紅峯,濡峯,背峯の五適峯からなる熔岩台地,すなわち通称五色宙として知られている地域の西部山 麓と北部周辺である. この五色台周辺の海岸地帯は,我が国塩米の一天中心地であって,とくにその代表的な地域ほ本調査地域の西に隣接 しており,また西方に位置する番の州埋立地は,当地方随一・の工業地帯として発展の途上紅ある. この台地の北轍には,瀬戸内海に.面するリアス式の湾入があり,発から酉へ飽水,木沢,乃生の三湾が配列しているい これらの各湾に接して」点在するせまい平地に.は,水田のほかたばこ作を主とする畑が分布している−.また本地域の南西 部紅は金山,郷師山,城山を結ぷ凸地があり,これと五色台凸地との間に林田平野が南北に扇状に㌧入りこんで綾川が流 れ,瀬戸内海から吹送する海風(北風)の格好な通路となり,さらに西寄りの季節風の通路に・もなりやすい地形でもあ る.この地帯ほ水田として利用されている” 五色台附近の農業はその主体が殆んど山麓部に限られ,本調査地域セある台地の西側山麓でほ,傾斜地虚業とく紅果 樹栽培が盛んで,いわゆる松山みかんの名でよほれて:いる県内有数のみかん生産地をなしている‖最近府中ダムを水源 として,大規模な畑地かんがい工事が行なわれており,今後本地域の果樹栽培ほさら紅著しい飛躍をとげるであろう, また本地域に.おける果樹園の分布は,高度と傾斜に支配されていることで,標高約100肌が限度のようである・、そし て下限ほ約20m′でとくに利用度の多いのほ40∼807花の間であるとれは標高100仇を越えると地質が花崗岩から安山岩 に.移行するため紅傾斜角度が急変し,40∼100m′の間ほ傾斜も10∼20◇程度であるが,100肌を越すと20∼300のところが 多くなるため園の造成や栽培竃理が凶灘となることによるものであろう.

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第1図 調査地域と観測点配置図 Ⅲ 調 査 内 容 第1図に示した地域について1969年7月4日,25日,8月4日,25日および9月8日の釘5回紅わたって夏期に.おけ る調査を行な」つた.. 調査の対象として㌧供試した植物葉ほ各地名別につぎのとおり討10種である−. 飽 水 あれちのぎく,つゆくさ,はぎ,まき,かし,みかん 木 沢 あれちのぎく,つゆくさ,はぎ,かし,みかん 相模坊 あれちのぎく,つゆくさ,ふじ,にれ,むく,みかん 北須加 あれちのぎく,つゆくさ,ふし,軋れ,みかん 青 海 あれちのぎく,つゆくさ,に.れ,まき,みかん 山 神 あれちのぎく,つゆくさ,いぬたで また調査方法ほつぎのとおりである. pH値の測定 各調査地点より得た供試生薬約2gを秤取し,清浄なビニ・−ル・シ・−・ツの小片に包み,指先でよくも んで葉汁を得た後約3mlの蒸溜水を加え,直ちに携帯用pHメ−ダー(ピンホ−ル型特殊竃極邑用)でpI‡値を測定し た(1) 比電導度の測定 各調査地点より得た供試生薬約5gを100ml容ピ−か一にとり,蒸湛水約50mlを加え,時々手で容 器を振とうして30分および5時間室内に放置し,浸出液につき携帯用電導度計を用いて比電導度を測定した。. 気象観測 以上の各調査のはか,それら化学的調査における測定値が示した原因究明の袋何として穿象観測を併行し

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76 香川大学農学部学術報告

て実施した.それにはまず海風や季節風など風に・よる塩汎 煤煙などの飛翔経路を明らかに・することである・従って籍

1図に示した坂出市松山地区並びにそれに接続して傲在する傾斜地果樹園など農地における作物災害を対象に・して,坂

出市加茂町から乃生岬にかけて南北線上の県道沿いに,約500仇間隔に15ケ所と青海,木沢・亀水の各果樹園内に,森式

風向風速自画器をそれぞれ約100C澗の高さに・据付けて,風向と風速の観測を行なった・・そして各観測地点番号とその所在 地名を第1表に示した巾 籍1表 観測地点と所在地名 註 地点No.のゴデックは植物葉試料採取地点を示す Ⅳ 調 査 結 果

8月4日,25日および9月8日の展間における風向と風速の調査結果を示したのが寛2∼4図である・また植物の葉

p 第2区l 風向・風速分布図(44.8小4)

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香川大学農学部学術報告 78 (1) あ れ ち の ぎ く 木 沢 相較坊 北須加l育i毎 山 神

●・・・・

・・・・・・・・・・.∴・・・・

(2)つ ゆ く さ 亀 水 木iJ∼ 相模坊 北須加 .−1海 山 神 .∵

即日

%%%プi%%%%% %% % %%%%%脚冒 ‰タ去 ‰% %% 鬼% 施% % 貨5図(1)葉 汁 の pH %% %タイ%%%% % %%%% % %%% 綱査月日 %% ‰% %% %% %% % 第5図(2)葉 汁 の pH (3いぬたで(4)は き(5)に れ 亀 水 木 沢 相模班 北相加 青 海 ・・−・∴∴ %%%%%%% % %% %タ≦%% % %% %% 鬼% % 鬼%網査月日 第5図f3)葉 汁 の pH (10)み か ん 他 水 木 沢 相模班 北力i抑 i−f 渥 1あ れ ち の ぎ く 此電輝度 (ミクロモー) %%%%%%%%%%%%%%%11粧川 川 ‰% 猛% ‰% %% %% 第5図(5〉 葉 汁 の pH %%% % % %% % %% % % 調査ノけ† % % % % % % 第6区l(1)生葉水浸液の比電導度

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(ミグ111−−・ノ !(520)丁(375) (ミクロモー) 亀 水木iノ川=突放北寡言仙i辞 書毎山 神

、、へ−ノ

し 山 神 亀 水 木 沢 北須加育 海 100 %%%%%%%%%%%% 調査りH

% % % % % %

辣6図(2)生菓水浸液の比電導度 %% %% %% ヂご. さ=. ㌔. % % %% 調査則] タ左 夕孟 % 鰭6図し3)生薬水浸液の比竃導度 10 み か ん 比竜凋腰 (ミリり七N) 6ふじ 7まき 8かし 9むく 比■勘榊曳 (ミクリ■仁一・) ・・・∴・・・・・・・... ﹂ 州校班北鋤l王 維∴水+晋 洋症亀 カ 相模坊 租 水 木i尺 相模城 北脇机 脊 海 【 M. /一 ・ . 寛6図(5)生共水浸液の比電導度 ・・・・−・・ . 雄6図(4)生菓水浸彼の比竃導度 汁pH値を箆5図(1∼5)に.,生業を30分間水浸した液の比竃導皮を算6図(1′−5)に,そして∴比電導度の測定に潤 し,生葉の水浸出時間を30分間より300分間に延長した場合の比電導度値の増加を第2表に示した・ 風向,風速に.関する記録の表示に当ってほ強い風速が戚も数多く記録されている方向,或いは最も濃くぬりつぶされ ている方向を最多出現風向として一矢印で表わしたいまた記録が明瞭になっている範配を風向変化の巾とし,羽根の広が り角度でその変化巾を表わした。なお矢の長短ほ風速の大小に.−・応比例させてある、また風速のピークが2方向に」見ら れるものとか,風向記録が3600にわたり,特にピ・−・クが見られないものなどもあった. Ⅴ 考 察 この調査の目的のひとつは同地域山麓の果樹園や農地における風向,風速分布の英態を明らかにすることであるが, 地表附近の風は故地形の影響をうける度合が大きく,地域性が著しいので,一地点の観測値が代表する範囲ほ非常に狭 い。従ってかかる局地気象の調査に.は多くの風速計を必要とするが,経理と人手等の関係で精密な自記計器での多点観 測ほ屡難であって,粘度ほある程度でがまんしなければならなかった. 本地域沿岸部における風の−・般的通性(5)として:ほ,海岸線に適角をなす方向のものが最も多く,内海Lt]央部の島吸に おいては瀬戸内海の走向に沿った東西寄りの風が流行する一.そして風速も7∼8月の候には年間のうちで最も小さいい また夏期には海陸風が卓越するい 寛2∼4図に示した調査結果をみると8月4日,25日,9月8日何れも本地域における最多風向の分布は,乃坐岬か ら北須加(No.16∼12)に至る半島部分では,海岸線の山系に沿う方向の北寄りの風がゴ滋も多く,そこでは風速ほいずれも 小さい.さらに.南方へ陸地の内部に.進むに.つれて8月4日を除き次第に西寄り紅変り風速も増大しているが,No.9∼5の 地点やその附近では西方に隣接している雌山,雄山その他地形の影響のためか乱れが強くなり,方向性が不定である‖ それらの地点を過ぎるとまた北寄りの風向になっている. 8月4日にほ,四国の南方海上の弱い熱帯低気圧が台風7号に発達し,時速25Kmの速度で北上しつつあって,同日夕 刻には紀伊半鳥楠端の潮岬こ上陸した‖ 従って−当日ほ凪強く†司∃模様の大損で,夏期の一戯的な最圧配最の場合とほ遜が

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第2衷 水軍時間差に.よる生葉水浸液の比電導度の増大(ミクロモ−,200C)  ̄■▼一】 ̄ ̄

「ここ=≦≦三二=二二二 由客「

北須加l青 梅】 山 神

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8月25日は,西日本ほ弓恥、高気圧におおわれて小たが,南海上の前線がゆっくり北上していたので,盛り時々暗の天気

であった..また9月8日は前線が南下して.,四国地方は高気圧の圏内にあって快晴の天気であった巾

植物体のpH測定に潤し作物について:は搾汁法や生体染色法が用いられている…そしてこのpHの測定は作物の生理現

象を解明する一手段として行なわれているが,このpH値は組織全体を通じて同一・pH値を示さぬばかりでなく細胞によ

り,また細胞の組成,植物の種類などでちがいがあり,環境条件によっても多少異なることが知られて;いる(13)・また植

物体のpHほ細胞のもつ緩衝能によりはば一定の値をもつことも認められている・

さらにpH測定で被検液が少崖の場合に.,より正確なpH値を得るためにほ溜示薬による測定法が多くの場合用いられ

ている(15)漆調査においてほ葉習のpH値を測定する上にこれらのことを考慮紅おいて虜験を行なった・すなわち植物

体表面が生育環境たとえば大気中の汚染物質により影響をうける場合,汚染物質の作用が植物汁液がしめすpH値に変動

を与え.るようなときにほ汁液のpH測定により大略ながら植物に対する大気汚染物質の影響あるいはそ−の被害の判定が

可能であることが考えられるリ ーガ大気汚染物質の測定ほ自動的,連続的に分析を行なうことが必要である・そしてこ

れを導電率(1叱よって求める方法は吸収溶液と大気中の気体との反応の結果にもとづく導竃率の変化が汚染物質の濃度

に関連することによるものである−しかしこの方法ほ共存する物質の種嶺に・より影響をうけること,吸収反応液の定期

的な補充を必要とすることなど測定上煩雑な点もある・殊に植物の場合紅は,たとえ・ば生薬を蒸濁水中に浸潰して葉に・

付着している汚染物質を溶解し浸出液を得るときに座薬の生理的作用が加わるであろうことも考慮に入れなければなら ない=しかし汚染物質の生尭匿対する大略の影響傾向を知る上にほ有効な方法のひとつとして使用可能である(7)・・ただ し野外の現地において簡易に・これを行なう上には今後はさらに植物用簡易自動測定装露の開発を必要とする′ 本研究に

ぉいては.上記pH値の簡易測定に併用して,野外で採取した試料について実験室内で比電導度を測定して以下にのぺるよ

うにその結果をpH値と比較考察した‖

発5図(1∼5)よりあれらのぎくは各調査地点紅見出され,その生薬の柴汁pH値ほ飽水試料6l1∼6・4,木沢試料

6.0∼6…5,相模坊試料6”3∼6.65,北須加試料6…1∼65,青海試料5い8∼′6い5,山神試料6い2∼6・4であった一・相模坊地区試

料のpH砥がより高い傾向を示すことほ第3∼4図からもわかるようにこの地点が西向斜面上檻あるため西方隣接海蘭か

らの風をまともに受ける場合が多く,我々(玉乱梅田)が前報〈8)において認めたこ・とと同様に潮風あるいは海霧によ

る影響が考え.られる.つゆくさの葉汁pH値は飽水試料5−3∼5・・8,木沢試料5・6′}6・1,相模坊試料5、8′・ノ61・6,北須加試料

5.5∼6リ0,青海試料5、6∼6り2そして山神試料5い7∼6い4であった・・相模坊試料が8月4日調査値を除き,他の調査地点の

試料紅比較し.て,より高い数値を示したことは,あれちのぎく同様潮風あるいは海霧の影響が推定される・いぬたでは

山神地点のみで見出されその葉汁pH値は8月4日,25日,9月8日の3回のみの測定であり,明らかな傾向は見出し難

い/はぎは飽水試料5.2∼5一.6,木沢試料4・8∼4′9の数値であった… 亀水地点は木沢地点よりこの調査期間においては東 ないし北東からの海風を受けやすい位置にあることは葦3∼4図に示したとおりであり,若干潮風あるいは海霧檻よる

影響が存在するように考えられる・にれほ相模坊試料5・9∼6・4,北須加試料5−・8∼6・2,そして青海試料5ハ8∼6い4であっ

たい 7月25日測定値を除き相模坊試料の葉汁pH値は他の2地点のそれよりやや高い値をもつことほあれちのぎく,つゆ くさの場合に認められた傾向と同様であるいふじは相模坊試料517ハ・ノ7」・4,北須加試料6い25∼7・3であり,両地点における 試料間のpH値に.一億傾向の差異を認め難いいまきは飽水試料4・2∼5・・2,青梅試料5・3∼6い0であり,青海地点の試料が飽水

地点に比較してより高いpH値を示したことほ,当地点は標高が高かったため,南西斜面上に位屈していたにも拘わらず

地形の関係で潮風の影響が若干加わっているもののようである1・かしは飽水試料4・1∼5=35,木沢試料4l9・〉5い7で,はぎ の場合に示されたような傾向は認め難い.むくは相模坊試料のみであり,葉汁pH値は6小0∼6り4で,調査全期間を通じて 6以上のpH値を示したが,他地点の試料が得られなかったので潮風あるいは海霧の影轡の有無を考察することほできな いuみかんほ飽水,木沢両試料5、9∼6い2,相模坊試料5い8′叫・6、6,北須加試料6・0∼6・2,そして青梅試料60∼6い3であっ た.9月8日調査の試料を除き相模坊試料の菓汁pH砥がより高い値を示すこ・とはこの地点より得たあれちのぎく,つゆ くさ,にれの生薬に.おいて認められたことと同様の傾向で,若干潮風あるいは海霧の影響があることが考えられる. 第6図(1∼5)より蒸溜水で30分間生葉を浸出した溶液の比電導度濫閲し,あれちのぎくは亀水試料70∼150ミク ロモー・(以下単位同じ),木沢試料110∼130,相模坊試料50∼220,北須加試料40∼150,青海試料45∼180そして山神試 料70∼220で,葉汁pH値に認められたような,すなわち相模坊試料水浸液の比電導度がその他の地点における試料のそ れと比較して特に異なる数値をもっような傾向は認め難い.つゆくさの生薬水浸液の比電導度ほ亀水試料32′、ノ50,木沢 試料21∼45,相撲坊試料24∼40,北須加試料25∼27,青海試料20−33そして山神試料35∼95を示し,つゆくさ同様相模

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坊試料の比霞導皮は他の地点における試料のそれと比較して特異な一定傾向ほ認め難い.いぬたでの生薬水没液ほ山神 試料33∼85を示したがこれは柴汁pH値同様他地点における試料を欠くので明らかな傾向は見出し難い.はぎの生葉水没 液は亀水試料17∼約,木沢試料20∼120であったが葉汁pH備に.認められたような傾向ほ此電導度において見出し難い. にれの生葉水浸液は青海試料37∼100で,はぎ同様1地点のみの試料のため比較すべき試料を欠いている.ふじの生葉水 浸液ほ相模坊試料65∼85,北須加試料35∼65で,両地点における試料間の比電導度に一・定傾向の差異を認め難い.まき の生薬水渓液は飽水試料26∼50,青海試料22∼90で,9月8日調査以外は両地点における試料間の比竃導皮は著差が認め られず,窯汁pH値において.青海試料が飽水試料より,より高い値を示したような傾向は比電導度値においてほ認め難い.. かしの生薬水渡波ほ飽水試料40∼75,木沢試料50∼65で,両試料間の差は各調査期日ともわずかに10ミクロモー・であり, しかも両地点における試料間に−・定傾向を認め難い.むくの生薬水浸液ほ相模坊試料糾∼220であるが,他地点の試料 が得られなかったので,比較検討が困難である.みかんの生薬水域液は飽水試料29∼85,木沢試料26∼110,相模坊試料 27∼75,北須加絆料21∼90そして青梅試料17∼35であるが,柴汁pH値にみられるような相模坊試料の特徴ほ比電導度 他に.おいてほ.認め難い. さらに算2表にしめした生薬水浸時間を300分とした場合の比電導度と30分間浸出液の比電導度との差は,各地点紅 おける各試料とも浸出時間の長い試料の値がいずれも増大しているが,その値は植物の種類に.より,また調査期日紅よ り著しい差異が認められる.たとえばあれちのぎくは全調査地点に.おいて各調査期間を通じて110′−470ミクロモ−・増大 し水浸時間の長短に著しく左右されたのに対し,みかんにおいてほ2∼50ミクロモ」−・と水浸時間に左右されることが少 ない.これほ植物の種類,其の生理的作用そ・の他の理由紅よるものであろうがこの点に関してほ生薬自体の作用により汚 染物質の植物への影響が打ち消されぬ範囲内での水浸出が好ましく,これについては今後の研究にまたねばならない. 以上のように本地域紅おける大気汚染物質の植物紅対する影響を調査した結果は,この調査の範囲における大気の汚 染憬十・部の植物紅対する潮風あるいは海霧の影響が若干認められる以外にほ特に.著しい現象は認め難い.しかし酸性ガ スたとえば亜硫酸ガスあるいぼフッ化水素ガス,フッ素化合物などにより大気が汚染される場合には。これ紅潮風ある いは海霧が加わるとき,植物に.対する影響ほ著しく激化する傾向のあることほ,既に他の地域においても認められて.い るので,番の州工業地帯の発展ととも紅本地域においては将来この点紅ついて充分留意しなければならないだろうり Vl摘 要 香川県坂出領東部に位置する五色台台地の北辺および西部山麓地帯において1969年7月から9月にかけて風向,風速 ならびに植物菓汁のpH,植物葉水授液の比電導度を測定し,実態調査を行ないつぎの結果を得た. 1,調査期間中紅おける最多風向の分布は,乃生岬から北須加に.至る半島部分でほ海岸線の山系に沿うカ向の北寄り の風が最も多く,風速ほ/トさい.さらに・その南部の陸地内部へ進むに従い次発紅西寄りの風向虹変り,風速も増大 する爪雌山,雄山の東部附近では乱れが強くなるが,この地点以南でほまた北寄りの風向になる. 2.あれちのぎく,つゆくさ,紅れ,みかんの生業葉汁のpH値ほ潮風の影響をうける地点において.は他の地点の試料 より,より高い値を示した. 3.生其の水浸液の比電導度ほいずれの地点の試料もー足の傾向を示さなかった. 4.生発の水没時間ほ植物の種類匿より,その水浸出液の比竃導皮に著しい影響を与えることを認めた. 引 用 文 献 (1)荒木峻,高橋昭編:大気汚染の機器分析,62,京都,化学同人(1967). (2)大後美保編:農林防災,499,束京,共立出版(1967). 伯)公害と防災編集委員金偏:大気汚染(Ⅱ),48,東京,白亜書房(1967)… (4)黒川啓一イ由6名:大気汚染研究,3,69(1968). (51神戸海洋気象台:瀬戸内海の気象と海象,神戸海洋気象台柔報,161,26(1952). 6】松島二良,原田学:三壷大・恩・学報,30,11(1964). (7)玉置鷹彦,梅田裕:日本土壌肥料学会講演要旨集発15集,支部講演会講演要旨集,60(1968).. (8)玉置鷹彦,梅田裕,原田学:大気汚染研究,3,(1),76(1968).

(10)

nα 田崎桂一郎,船橋錠助:土肥誌,18,12(1944)・ (11)田中栄介:果実日本,22(1ゆ,62(1967). (1分 立谷寿雄:農業技術,1g,69(1964)・ (1劫 二戸刈義次,山田 登,林 武編:作物生理講座(4),236,東京,朝倉(1961)・ (Ⅷ 山崎守正,西山喜一・:大気汚染研究,3,78(1968)l・ (摘 吉村寿人:pHの理論と測定法,378,東京,丸薯出版(1950)“ (16)米丸忠太郎:四阪島製錬所煙害問題の経過と煙害地に処する農耕砿ついて,愛媛県東予一滴四郡四阪島煙害期 成同盟会刊(1930).

STUDIES ON THE EFFECTS OF AIR POLLUTANTS TO THE PLANTS

lInvestigation of theeffectsof seawind to plantleavesat the western

part of Goshikidaion theSetouchicoast

Takahiko TAMAKI,MasakiUEHARA,and Yutaka UMEDA

Summary

FromJuly to September,1969,tenSpeCies of plantleaves were collected at the western part of

Gos:1ikidai,Ⅹagawa.ken.Japan。The deteIminations of the pH values of the cellsap obtained from ground plantleaf tissue wer’e performed at the fieldi’n situby the portable pHpmeter with the

specialelectrode which was designed by us and the electric conductivities of the waterextracts ofthe

same plantleaves were determined by the portable electIic conductometerin thelaboratory・On the

other hand,thewind direction and thewind velocity at the eighteen observation stationsinthis district

we工e meaSuIed by Mori,s apparatus..The pH values and the specific electric conductivities of above described plantleafcellsapwe工eStudied to thedirectionsand thevelocitiesofthewind at each observ ation statiっコS eSpe〇ially noting the effects of the sea wind.It was recognized that some plant cellsap

samples obtained from the plant leaves which were gained from thc observation stations where the

effects of the sea wind to the plants predominated had higheIpH values thanthe othersbut no definite

relations were observed between the specific electric conductivities c董the water extract of the plant leaves and the effects of the sea wind to the plants.

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参照

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