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「見る」活動から始める創作ダンス学習

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(1)

「見 る」活動か ら始 める創作 ダ ンス学習

体育教室

佐 分 利

1.

は じめ に 創作ダンスは体育 の中にあ りなが ら表現教材である。 そのあ り方が学習上 の諸問題 を生み出す原 因 ともいえる。 昭和二十二年の学習指導要領改訂以来、創作 ダンス学習の指導研究 はその具体化 に向けて進 め ら れて きたがなお指導 は難 しい とされ、指導者 にも学習者 にも一種 の食わず嫌 いを作 り続 けた。 その ことが

,学

年 に応 じての積 み上 げのなさにつなが り

,再

び学習への大 きな壁 として悪循環 をまねい て きた。 幼児や低学年での伸 び伸 び した運動表現 は中学年や高学年で中断 され ることが多 く,結果 として, 運動表現の能力 と言語表現能力 とのギャップ とい う一 つの壁 を作 る。中学校で創作 ダンス と再会 し た とき学習者 はこのギ ヤツプを抱 えたままでのぎこちないダ ンス学習 を強い られ,今度 は不成功感, そして恥ずか しさ とい う心の壁 を作 って しまう。中学校 で改 めて開始 され るダンス学習で は

,創

作 ダンスその ものの学習指導 よりもまず

,ど

うした ら舜bずか しさを除 き学習 に参加 させ ることがで き るかに指導者 の精力が費や され るのが実態である。 中川 は,舜さずか しさのために踊 る楽 しさを味わ えないのは「動 くことへの自信 のなさ」か らくる として

,そ

の解決法 に

,①

動 きになれ ること

,②

動 きを知 らせ ることをあげるD。 三浦 も,リ ズ ミカ ルな動 きの連続

,非

日常的な世界への変身 を全 てのダンスの共通点 とす る立場 か ら

,

リズムにのっ て踊 る酔いの世界 の体験が創作への意欲づけにつなが るとしているり。また

,女

子体育連盟の研究 グ ループによる課題学習で も

,そ

の実践例 にリパ ミカルな動 きによる心身 のほ ぐしを行 っているもの が多 くみ られ る。「音楽 にのって楽 しく踊 る」0「音楽 にのって思い きり動かせ る」°ことによる心身 のほ ぐしの後

,運

動課題やイメージ課題 による学習 を進 めている実践例 な どである。 これ らの例か らは

,創

作ダンス学習への参加がスムーズに行われに くい現場 の様子 と同時 に,「リズムにのって思 いきり動 く教材」 とい う

,体

育の教材であ り続 けるための創作ダ ンス像

,創

作 ダンス観が うかが え る。このように,リ ズムにのって踊 ることの楽 しさを充分味わわせてか らの創作 ダンスヘの導入 は, 取 り組み易い方法 として一般化 している。 しか し一方,「リズムに乗 って踊 る楽 しさは味わ うことがで きて も,イ メージを動 きにして楽 しむ ことはまだ距離がある」と鳥井 は指摘す る0。 斉藤 も「ダンスウォームアップで楽 し く踊 つた十分間

,次

の時間 とのギ ャップは大 きかったようだ」と報告 している6ち そして鳥井 は日常動作 を題材 と

(2)

した即興表現 を多 く体験 させ

,斉

藤 は実際 に動 きを観察で きるものを学習者 に捜 させて このギャッ プを埋 めている。題材 を実際 に体験 させての導入が

,

リズ ミカルな動 きの体験 による導入 に加 えて 行われていると言 える。二重 の導入 によって学習時間 は削 られ

,表

現探求の充実感 も少な くなるこ とは心至である。 中川が図 らず も述べているように

,

リズムにの り動 くことは創作 ダンス学習 に限 らな くて も他の 教材の中で も体験 させ られ るつ。創作 ダンスは身体運動 を ともなって はいるが

,他

の表現教材 と同 じ ように享受 と表現 を体験 させ る教材であ り

,創

作ダンスにおける リズ ミカルな動 きは享受の結果で ある。体育における創作 ダンスの教材 としての意味の原点 をここに置 くことを再確認 したい。 谷道 は

,技

能 の優劣や勝負への貢献度 な どが問われ る他 の運動領域 の中で

,個

性が活かされ新 し い自我 を切 り開いて くれ る創作 ダンス型 のダンスを学校現場の中で見直 してみる必要があるのでは ないか とし

,中

学校や高校 で は

,個

が よ り活かされ る方向の内容 の検討が望 まれ る としている0。 た田中や長村 の

,体

験 を取 り込 んでの実践例910は,これ までの指導

,特

に体育教材 としての創作 ダ ンス指導が

,子

ども自身 による享受 よ りも表現 としての結果

,す

なわち運動 に偏 りす ぎていたこと を探 り当てている。創作 ダンスその もの としての楽 しさの要素 を持 ち

,し

か もリズ ミカルでダイナ ミックな運動体験 を包含す る内容があれば

,そ

して言語表現 とのギャップに悩 む ことな く学習 に取 り組 む ことがで きれ ば

,創

作 ダンスは体育 の中にあって も運動文化 のひ とつ として特性 を発揮で き るので はないだろうか。 今回の指導要領改訂で

,創

作 ダンスの他

,フ

ォークダンス

,そ

の他 のダンス も学習内容 に加 えら れるようになった。 また

,一

方で は男女共修 と背中合わせ に

,女

子で もダンスを選択 しな くて もよ くなった。今後 は

,各

ダ ンスの特性 をさらに明確 に押 え

,多

様 な楽 しさを学習者 に体験 させ るよう な取 り扱いが必要 ととなる と思われる。 2。 「見 る」 活 動 か ら始 め る創 作 ダ ンス 学 習 へ の 方 向 づ け 表現の楽 しさは追体験 の楽 しさである。実体験

,あ

るい はそこか ら得 られた心的体験があって こ そ

,表

現 を通 して再 び楽 しみたい と思 う。創作 ダンスの学習が うま く進 まないのは

,学

習者 にこの 心的体験

,そ

れ も運動 を通 しての体験が少 ないため といえる。 それ は特 に

,ダ

ンス学習 を中断 し, 言語 による体験 を豊富 に重ねて きた高学年 ほど著 しい。創作 ダンスの学習が話合 いでばか りでなか なか運動 につなが らない と悪評 なのはここに根本的な原因があると考 えられ る。指導者 の側で もダ ンス創作の過程 を,「イメージを動 きに置 き換 える」と言い表す ことが多いが

,こ

の時の「イメージ」 が言葉 によって得 られた ものであることがダンス学習 にとっての障害 になっていることに気づいて いないかのようである。 グループ表現で

,イ

メージを確認 し合 うのに必要な話合い もこの障害 を大 きくして しまう場合が考 えられ る。話合いで

,表

現 したい ことを余 りにも明確 に言葉で表現 して し まうと

,運

動 は表現媒体 として出番 を失 って しまう。「動 きがわか らない」「動 きが出て こない」 と の結果 を生む一因 ともな り得 る。 この障害

,言

葉 のイメージに悩 まされないダンス学習 を経験す ることがで きた。鳥取県立鳥取聾 学校での学習である。ここでの第一回目の学習への導入 は,タオルの動 きか ら始 めた11ち 言葉 の力 を 借 りず

,ま

たいわゆるリズ ミカルな運動 によるほ ぐしを行 わないでの創作 ダンス学習である。 原体験か らのイメージは

,筋

運動感覚 その ものに近 ければ近いほど運動 を媒体 とした表現 として 眼前化 され易いが

,そ

うでなければ言葉や音楽や絵画 な どで表現 した方が最初 のイメージに近い場

(3)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 31巻 第

2号

(1989 合がある。言葉 のイメージや

,

リズ ミカルな音楽 を学習の手がか りとして与 えることので きない鳥 取聾学校でのダンス学習指導の模索 は

,ダ

ンスで表すイメージは身体や身体 の動 きを通 して得 られ たイメージであることを再確認 させて くれた。 そして

,動

きを通 して ものを見 る活動 その ものを練 習課題 として

,ダ

ンス学習 に明確 に位置づ けることへの示唆 となった。 創作 ダンス学習指導の研究 は

,創

,踊

,観

るのまるごと体験 に視点が定 まって きている。 し か し創 る前提 の

,動

きを通 して対象 を見 るとい う

,

もう一つの「見 る」活動 について明確 に位置づ けている先行研究 は無い といって よいとり。この創 る活動の前提 としてのもうひ とつの見 る活動,すな わち対象 を動 きのイメージ として とらえる活動 を明確 に学習の中に位置づ けることこそ

,表

現その ものの意味 を知 らせ

,子

どもの内的欲求 に基づ く創作 ダンスのまるごと体験への導入が可能である と考 えられ る。享受 と表現 の楽 しさ

,対

象の形や動 き

,独

特の リズムをみつけ

,自

分 の身体 の動 き を通 して追体験する楽 しさその ものに近い体験 を学習の始 めの段階で得 させ ることをね らい として 「見 る」活動 を とらえたい。動 きのイメージ として対象 をとらえ

,動

きを通 して表現す るダンスヘ の入 り口を少 し聞いてみせ

,子

どもたち自身のダンスの世界 を創 り出す きっか け作 り

,そ

の手がか りを準備す るのが指導者 の役割である。

3.「

見 る」 活 動 か ら始 め る創 作 ダ ンス学 習 の過 程 見る活動 はすなわち

,対

象を見て自分のものとして とらえる活動であり

,創

作ダンスの楽 しさは 運動を通 して「 とらえ表す」楽 しさである。学習者が対象の何をとらえ

,何

を自分のものとして受 けとめたかの現れがダンス として観 られる形で演 じられる。ダンス学習における表現媒体 としての 舞踊運動獲得の過程 はそのまま「 とらえ表す」技能獲得の過程であり,「とらえる」技能の深 まりの 過程でな くてはならない。 学習によるダンス技能の最初の段階を,「とらえられる」とし10,「変化 させなが ら続 けられる」「ま とめられる」 と設定 した各段階の技能を目標 とした創作ダンス学習を

,五

人の聴覚障害児 を対象に 行った。学習後の即興表現の特徴 について六年間追跡 した結果

,下

記のようなより具体的な四つの 技能の段階が認められた14ち ①対象の形や動 きを身体や身体運動 と対応 させて とらえることがで きる ②対象の動 き・感 じの違いや変化 を身体運動の違いや変化 として とらえ

,続

けて表す ことがで きる ③一番表現 したいことが見つけられ

,始

めと終わ りをもったまとまりとして表現で きる ④印象づける独自の構成で表現で きる ①の段階は身体や身体の動 きを通 して とらえる

,す

なわち原体験 自体が動 きのイメージとして享 受される

,そ

れだか らこそもう一度 自分の身体の形や動 きで表すことのできる最初の段階であり, 創作ダンスヘの必要不可欠な動機づけである。 この①の段階に向けて学習が抵抗な く興味を持って 進められれば

,次

の段階の技能に向けての学習 も意欲的に進められる。特に

,言

葉での表現力 とし てはより進んだ③の段階以上の技能をすでに持っている高学年や中学生では

,①,②

の段階を興味 あるもの として体験させ

,身

体 ごと学習に導入することは不可欠である。そして

,学

習者の身近に あってしか も動 きでこそ新鮮な出会いができるものが この時の原体験のための手がか りとして準備 されるならばそれは可能に違いない。 以上の観点 よリダンス学習への導入の問題解決法 として先人があげている内容 を包含 し

,し

かも

(4)

創作 ダンスその ものの楽 しさに直接近づ けるための原体験 を与 えて くれ る手がか りとして

,表

1の ような題材 を取 り上げ学習過程 を考 えた。特 に中学校以上での初めてのダンス学習 を想定 して

, 4

つの異なる手がか りによる導入部 の学習活動 をで きるだけ具体的に立案 した。 表1「見 る」活動か ら始める創作ダンス学習の過程 対象 の形 や動 き を身体 や身体 運 動 と対応 させ て とらえる 心身 の ほ ぐし と創作 ダ ンス ヘ の導入 対 象 の動 き・ 感 じの違 いや変化 を身体運動 の違 いや変化 として とらえ

,続

けて 表す 動 きの持 つ感 情 表 出性 を知 る 対 象 の持 つ特 徴 を知 る 友達 の発見 を 知 る 色 々 な表 し方 が あ る こ とを 知 る 身体 の形 や動 き の手がか りの提 不 見 る 踊 る 極限 の動 き 動 きを内側 か らとらえる 見 る 踊 る 対象 の動 きと自 分 の動 きの対応 見 る 踊 る 対 象 の動 きや質 の特徴 を感 じな が ら星所る 薄 い 軽 い 折 れ 曲 が る 速 い 強 い 長 い … 見 る 踊 る 続 けて踊 る 見 えた まま動 く 人間 に戻 らない 二人で見つ けて 踊 る 倉Jる 観 る 見 る 踊 る 二人で とらえて 踊 る 新 聞 に描 かれ た人 のポーズ を真似 る ◆腕 は伸 びて い るよ ◆指 も開いて い る ◆笑 っている よ 指導者 が動 か す新 聞君 の動 きをゆっ くり 真似 る 指導者 が音楽 に乗 って踊 ら す新 聞君 を真 似 して踊 る ◆人 間 と違 う 動 きが ある こととこ気帯ず く 指導者 が動 か す新 聞 の動 き を続 けて動 く 二人組 で見つ ける 一人 は新聞 を動 かす人 一人 は新聞 二人 で新聞 に な る 指導者 の動 き を真似 る 伸 び る縮 む ◆手 の先 は天 井 を突 き抜 けるように ◆お腹 の皮が 痛 い位 に 今 の動 きが ゴ ムの動 きだ と 知 る ゴム を 見 なが ら動 く ◆ゴムが もっ と伸 び るの を知 る ◆縮 む ときに 急 に縮 む こ とを知 る 指導者 が い ろ い ろに動 かす ゴム の動 きを 続 けて動 く 二人組 で見つ ける 一人 はゴム を動 かす人 一人 はゴム ニ人 で ゴムに な る 手 を広 げた り 小 さ くなった りしなが ら く る くる回 る ◆木 の葉が舞 い落 ちて来 る様 子 を思 い浮かべて ,両る 指導者 が落 と す沢 山の落葉 を見 て今 の踊 りを踊 る ◆速 さや向 き が変 わ りな が ら落 ち, あ ま り音 が しない こと を知 る みんなで沢 山の落葉 指導者 が動 か す落葉 の動 き を踊 る 落 とす ま きあげ る 集 め る 飛 ばす 風 を見 よ う 走 る 風 が見 えた か 身体 の どこで 速 く走 って ピ タ ッ と止 まる 顔 で 髪 に 手 とこ 服 とこ 背 中 にぶ つ か っ た 走 った り回 つ た り座 った り して風 と遊 ぶ ◆空気 の動 き を知 る 二人組 で見 つ け る 一人 は人 間 一人 は風 音 は しない よ 透 き通 って 学 習 活 動 対 象 との出会 いの手 がか り 対象 の形 を真 十一 つ の動 きを 1 房雨ってみて

1

体験 して 似 して

1通

して

(5)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 31巻 第

2号

(1989 色 々 な特徴 が あ る ことを知 る 色々 な とらえ方 が あ る ことを知 る 見 る 倉よる I顧る 二組 づつで見せ 合 う 四人 で とらえて 踊 る 見 る 創 る 踊 る グルー ピング とグルー プで とらえる練習 の ために 三つ見つ け て続 けて踊 る 色々 新 聞記 な紙 事 新聞 を小 道具 に もっ と長 い ゴム

,動

き も大 きい 一人 が ゴム を 動 か し二人 が ゴム にな る 長 い ゴム もっ と細 か い部分 まで

1 1

ゴム こんな の旅 動 きを 持 つ の は他 に何 い る よ 何色 匂 い は 詔里か さ は 一人 が人 間で 二人 の風 を動 かす 風 は長 くつ なが って い るだ けか な ↓

↓ 色々 風 に動 な風 か され る もの 一人が沢山の 落葉 で遊 び, 三人 が落葉 に な って動 く 四人 で落葉 に な る ↓

↓ 落葉 秋 の風 の旅 景

4.「

見 る」活 動 か ら始 め る創作 ダ ンス学 習 の実 践 と評 価 表 1の 学習指導の実践では

,学

習者の学習への取 り組みも積極的で

,次

段階への発展の可能性 も 認められたが

,学

習者の感想 をもとに導入段階での問題が解決されているか検証できたのは次の3 種類の手がか りからの学習であつた。 学習

1

「新 聞 に描 かれた人 のポーズを真似 る」 を導入 とした大学生 の ダ ンス学習1° 学習者・ 鳥取大学教育学部小学校体育実技

(2)受

講生 期 間・ 1982年 ∼1986年 学習経過 。

(1)新

聞に描かれた人 の動 きを真似す る→指導者や友達 の動かす新聞の真似 をす る

(2)色

々な紙 になる…ティッシュペーパー 段 ボール カレンダー 紙袋

(3)見

つけた動 きを続 けて踊 る (3つ見つける

)

発表す る 学習

2

「風 を感 じて走 る」 こ とを導入 とした中学1年生 のダ ンス宰習

(6)

学習者・ 鳥取 県 中部 の中学校 よ り 人 が覚 えていた。) 6∼8人 ずつ任意に澤出した女子74名 (うち

,小

学校での学習は4 日 時 。1986年11月 6日

10:00∼

15 場 所 。倉吉市立河北中学校体育館 (昼休憩1時間) 学習経過 。中部中学校ダンスの集い として

,導

入か ら作品発表 まで4段階の計画で実施 した

(1)風

を感 じて走 る… どこで風が見 えたか→風 と人間

(2)風

に動かされるものになる…髪 スカー ト 他 に何?

(3)一

番 な りたい ものになる…中心 を見つけてまとめる

(4)発

表す る…練習 確かめ 発表会 (作品

)散

る花 ゆれる旗 舞い上が る木 の葉 砂嵐 風車 秋 の一角 たつ まき こわれた傘 学習

3

「伸びる縮む→ゴムになる」を導入 とした中学1年生 のダンス学習 学習者・鳥取県中部の中学校 より任意に選出した女子約60名 (感想文 を得 られたのは39名分だった。) 日 時・ 1988年11月日

10:00∼ 15:00(昼

休憩1時間) 場 所・ 倉吉市立河北中学校体育館 学習経過・ 中部中学校ダンスの集い として

,導

入か ら作品発表 まで4段階の計画で実施 した。

(1)伸

びる縮む→指導者や友達の動かすゴムになる→二人や四人でゴムの動 きを見つけ て動 く

(2)伸

びる縮む 速 さや強さを変 えると何みたい

?

ばね お もち 湯気 他 に ?

(3)一

番な りたい ものになる…好 きな ところが 日立つように前後 をつけまとめる

(4)発

表する…練習 確かめ 発表会 (作品

)ゴ

ム 想像の花 普通 のわかめ 木 の葉 しゃぼん玉 ゴム どの学習 も

,自

由記述 による感想 を学習直後 に得たが

,ダ

ンス学習へのつ まづ きの原因 とされて いる「恥ずか しさ」や動 くことの「難 しさ」 について書いているものはなかった。 学習の感想 の中に「恥ずか しい」 はなかった。対象 と向 き合 うことで

,他

人 の目を気 にす ること な く表現 に熱中で き,舜bずか しさを感 じないで学習 に入 り込んでいる と思われる。 「 どう動いて よいかわか らなかった」の感想 はなかった。「風が よ くわかった」「 自分の意見 も入 っている」「い ろんな意見が出て」(学習2)「けっこう踊れ るし

,す

ぐ倉Jれる」「私 も負 けずに言 っ てみた」(学習

3)等

難 しさを感 じないで学習 してい る様子が うかが えた。「安心感がある」(学習 1) ことが動 きを通 してみる活動 を取 り入れる価値 の一つ と言 える。手がか りとして与 えた題材 との出

(7)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第31巻 第

2号

(1989 331

会 い を

,明

確 な動 きの イ メー ジ を持 った もの として学 習者 が体験 して い る こ とが分 か る。 これに対 し

,導

入段階で楽 しさを見つけているものが多 く

,そ

の ことが次の段階の学習へ とつな がっていることが分かった。 また

,ダ

ンスの学習の場 としては最悪 とも言 える学習2や

3で

,導

入段階での学習活動がそのハ ンディー を克服す る力 となった と思われ る。 よ く知 っているはずの ものが身体 や身体運動 と対応 させなが ら見直す と

,新

しい一面 を発見で き る。 それ も友達 と一緒 に見つ ければ もっ と驚 く発見がある。「い ろいろな感 じが踊れて楽 しかつた」 等,「楽 しかった」 と書 いてい る者が学習

2で

は74名中45名 (60.8%)ヤゝた。「二人組でゴムの真似 をす るようになってか ら特 にお もしろ くなった」(学習

3)と

しているもの は39名中29名 (74.4%) で

,こ

の段階か ら学習への内発的な意欲が強 くなった といえる。 「その気 にな り

,思

い きり動 けた」「 自分 の心の動 きを感 じる」「新鮮 な動 きをす ることがで きた」 「大 きな動 きがで きる」 と

,身

体 ごと対象 に入 って行 けた楽 しさも学習1の感想文 にあった。 ダ ンス学習 に とって

,心

を開 き

,自

己表現で きるための環境 は大切である。 にもかかわ らず学習 2と 3は

,ダ

ンス学習が初 めての中学

1年

生が

,馴

みのない他校 の体育館 にたった 1日 集 まっての ものであった。 しか も会場校 の生徒がのぞ きに来 る。一緒 に学習す る友達 も指導者 も初対面の うえ 多人数 と悪条件が揃 っていた。始 めの うちは「 どんな人たちだろう」 とい う戸惑 いがあった ことが 感想文か らもうかが えた。 そ して

,結

果 として は

,い

ろんな人 と友達 になれた ことを学習の最大の 喜び としている生徒が学習

2で

55名

(74.3%),学

3で

26名

(66.7%)も

いた。活発で

,お

互いに 認 め合 い

,高

め合 えるグループ活動 の展開があった ことを裏付 けている。 すなわち

,一

人一人が動 きとイメージの明確 な宝物 を持 ってグループに参加 で きること

,グ

ルー プ として とらえるときにも見 る活動 に返 りなが ら動 きで とらえる回路 をメンバ ーみんなが持 ってい たこと

,共

通 の目標 を確認で きた ことがグループ活動 を活発 にした と思われ る。 一人一人が友達 のよい環境 として学習で きた満足感 は,「人が言 った ことを台無 しにす るような こ とはなかった。 うれ しかった」 の言葉 にも現れている。(学習 3) さらに,「身体 を自由に動かす楽 しさと

,物

を注意深 く見 ることを教 えられた。「今 日一 日

,心

と 体でい ろんな物 になって…」「身体全部 を使 って表現す ることが こんなにお もしろい とは思わなかっ た」「 自分たちで うま く表現で きることがわかって

,表

現す ることってす ごいな と思い ました」(学 習

3)な

,身

体やその表現性 に気づ き

,相

手の表現 に共感 した り個性 を見 つけた りしている感想 が多 くあった。 また一番表 したい ものを中心 に作品にまとめる段階への発展 も

,様

々な題 の作品に 現れているように可能性 を持 っていると期待で きる。 以上 のように,「見 る」活動 を明確 に位置づ けての創作ダンス学習への導入 は

,初

めて経験す る学 習者 に学習の第一段階か ら「 とらえ表す」楽 しさをまるごと体験 させ,`ダ ンスヘの自発性″を持た せ得 るとの確信 を得た。 そして この ことが

,一

緒 に学習す る友達 の良 き環境 として

,学

習への意欲 を高 め合 う原動力 にもなるとの新たな示唆 も得 られた。

(8)

5。 「見 る」 活 動 の た め の手 が か り 突然現実離れで き

,驚

きと発見があ り

,独

特 の リズムを楽 しむ ことがで きれば

,そ

して友達が一 緒 に発見 し楽 しむ仲間になれば

,学

習者 は内的意欲 を持 ってか らだごと創作 ダンスの世界 に入 って くれ るに違いない。 「見 る」活動のための手がか りとして学習 に取 り入れる題材 としての条件 を

,導

入 と次への意欲 の

2点

に分 けて次のように考 えた。 ◎導入・・ 身体や身体 の動 きで とらえるもの としての最初 の出会い を体験 させ られ る手がか り 全 身 でダイナ ミックに とらえ られ る ――――他 の表現媒体 に置 き換 えて認識 しな くて よい 極限の動 きがで きる 単一 の運動要素で真似で きる 一 一――――一学習者 にも指導者 にも簡単である きを体験 で きる 驚 きと発見がある ◎意欲 。・ 次の段階に向けて体験 させたい ことが明確 に提示で きる手がが り 繰 り返 し真似で きる 着象特有の リズムを確かめた り楽 しんだ りできる 色々な感 じや動 きを体験 で きる 一 一一一一―動 きと感 じの関係 を学習者 自身が見つけられ る 友達 と確かめあえる 多 くのイメージやテーマに発展で きる グループで とらえるもの として発展で きる 一 自分 の とらえ方や動 きを持 ってグループに参加で き

,新

たな発見 もで きる

6.お

わ りに

実際に手 にとってみることので きるものを学習 に取 り入れ る方法 は従来か らあった。 けれ どもそ れ は,「動 きを引 き出すため」であって,「動 きとして とらえるため」で はなかった。対象か ら主体, 主体 か ら身体 の動 きへのプロセスは同 じであって も

,前

半 と後半の どち らにウエイ トを置いて創作 ダンス学習の内容 を考 えるかには大 きな隔た りがある。「言葉かけ」や「 リズム言葉」で表現 を引 き 出 している指導例か らは

,学

習者 のダイナ ミックな動 きの反面

,内

的体験 の外在化 とい う本来の表 現活動 を行 っているのは誰 なのか とい う疑間を感 じることがある。「何 をどうとらえたのか」「何 を 自己の もの として体験 したのか」 とい う

,も

との体験 の部分 を学習者 に戻 さなければな らない。身 体 の動 きを通 しての実体験

,そ

こでの出会いに驚 きの目をもって行動する体験が極端 に生活の中か ら抜 け落 ちている今の子 どもたちの学習 にこそ この「見 る」活動 による導入 は必要で はないだろう か と考 える。 「様々な種類 のダンスのそれぞれの楽 しさを体験 させ る」,「どの入 り日か らで もダンスのお もし ろさに出会わせ る」方向に向けてダンス学習 を考 えようとしているのが今 日的な傾 向である。 リズ ミカルな身体運動 による表現 としてのダンスの申で創作ダンスが どのようなお もしろさの特性 を持 つ もの として学習 され るのか

,他

のダンスはどうなのか引確 におさえられなければな らない。 学習者 自ら

,身

体 と身体 の動 きで とらえる世界 を自分の周 りに広 げることを最初 の目的 とし

,そ

して

,そ

こか ら生 まれ る リズ ミカルな身体表現 を友だち と共感 しあい

,さ

らに深 め楽 しむ創作 ダン

(9)

鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第31巻 第

2号

(1989 333

ス学習 を考 えて行 きたい。

1)中

川憲道 創作型ダンスの学習活動の活性化の工夫 耳bずか しさのために踊 る楽 しさを味わえない場合の工 夫 学校体育 第40巻第 2号 1987年

p20

2)三

浦弓杖 ダンス指導のあ り方をめ ぐって 学習内容の見直 じ 学校体育 第41巻第 6号 1988年p74

3)佐

藤記美代 表現運動 (三の二

)海

の中をのぞいたら 「第22回全国女子体育研究大会」報告 小学校の部 女子体育 第31巻第 3号 1989年

4)松

本千代栄編 こどもと教師でひらく 表現の世界 大修館書店 1985年 5)鳥井典子 即興表現 を通 して個が生 きるダンスの授業 身近な日常動作(マイム)か らユニークな表現へ 学 校体育 第40巻第12号 1987年 p lo2

6)斉

藤章子 ダンス指導挑戦記 ダンス指導をしてみて 学校体育 第40巻第 2号 1987年

p78

7)同

1)

8)谷

道七郎 ダンス指導のあ り方をめ ぐって 学習過程の工夫を 第41巻第 8号 1988年

p75

9)田

中順子 よい授業をめざして 一人ひとりが喜んで取 り組む模倣の運動 学校体育 第40巻第 2号 1987 年

p102

10)長 村功之 ダンス指導挑戦記 大上段 に構 えずに 学校体育 第40巻第 2号 1987年

p72

11)佐分利育代 動 きの世界にとびこんで 女子体育 第23巻第 7号 1981年

p26

12)西谷怜子他 表現 ダンス,学習の体系化 をめざして 一幼稚園か ら高校 までの学習内容を考 える一 遊戯 社 1986年

西谷 らは原体験の必要性

,学

習への原体験の導入には触れるが,体験か ら直接動 きとしての ィメージを得 るという発想 よりも,言葉など他の表現手段 による介在 を手がか りとしている。 13)佐分利育代 ダンスにおける技術 と学習内に関する一考察 鳥取大学教育学部研究報告 (教育科学

)第

20巻 第 2号 1978年 14)佐分利育代 舞踊運動の発達について 鳥取大学教育学部研究報告 (教育科学)第23巻 1981年 同 表現運動ダンスの教材論 因伯体育 第 6号 1984年 同 ダンスの即興表現の発達について 一聴覚障害児 を対象 として一 山陰体育学研究 第 2号 1986年 15)佐分利育代 ダンス学習における「新聞」の教材化 について 鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第26 巻 1984年 本稿の内容の一部 は,日本体育学会第38回大会において「原体験 をとりいれた創作ダンス学習指導」 として発 表した。(1987年9月11日 於.立命館大学) (1989年8月31日受理)

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参照

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