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(3) 拉致されたことで奪われためぐみさんの権利をあげ なぜ人権が大切なのか考えて みましょう (4) 5 人とともに帰国することができなかった被害者の家族の思いについて考えをまと めてみましょう (5) 拉致問題を解決するためにわたしたちはどのように行動したらよいでしょうか 自 分の考えをまとめて

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(1)

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拉致問題について考えよう①

映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」を活用して

ワーク1

 映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」を視聴してみましょう。

(注) 日本は、朝鮮民主主義人民共和国(通称:北朝鮮)を国家承認していないため、北朝鮮政府 を「北朝鮮当局」と表現しています。

ワーク2

 拉致問題について考えてみましょう。

(1) 突然めぐみさんが家族のもとからいなくなったときの両親の気持ちはどのようであっ

たと思いますか。

(2) 街頭で娘の救出を呼びかける両親に対する周りの人々の反応をあなたはどのように

感じましたか。

〈北朝鮮当局による拉致問題とは〉  1970年代から80年代にかけて北朝鮮当局(注)による日本人拉致が多発し、平成23年 10月現在、政府は17名を拉致被害者として認定しています。また、政府が認定した拉致 被害者以外にも、拉致の可能性を排除できない人たちがいます。  平成14年9月の第1回日朝首脳会談において、北朝鮮当局は日本人を拉致したことを 認め、謝罪しました。その後、5人の拉致被害者が帰国しましたが、残りの拉致被害者に ついては、いまだ、問題の解決に向けた具体的な行動がとられていません。

(2)

(3) 拉致されたことで奪われためぐみさんの権利をあげ、なぜ人権が大切なのか考えて

みましょう。

(4) 5人とともに帰国することができなかった被害者の家族の思いについて考えをまと

めてみましょう。

(5) 拉致問題を解決するためにわたしたちはどのように行動したらよいでしょうか。自

分の考えをまとめてみましょう。

(3)

14

拉致問題について考えよう②

アニメ「めぐみ」を活用して

ワーク1

 アニメ「めぐみ」を視聴して、拉致問題について考えてみましょう。

(注) 日本は、朝鮮民主主義人民共和国(通称:北朝鮮)を国家承認していないため、北朝鮮政府 を「北朝鮮当局」と表現しています。

(1) 突然めぐみさんが家族のもとからいなくなったときの両親の気持ちはどのようであっ

たと思いますか。

(グループ内での話し合いメモ)     (例)親と一緒に暮らす権利

(2) 街頭で娘の救出を呼びかける両親に対する周りの人々の反応をあなたはどのように

感じましたか。

(グループ内での話し合いメモ) 〈北朝鮮当局による拉致問題とは〉  1970年代から80年代にかけて北朝鮮当局(注)による日本人拉致が多発し、平成23年 10月現在、政府は17名を拉致被害者として認定しています。また、政府が認定した拉致 被害者以外にも、拉致の可能性を排除できない人たちがいます。  平成14年9月の第1回日朝首脳会談において、北朝鮮当局は日本人を拉致したことを 認め、謝罪しました。その後、5人の拉致被害者が帰国しましたが、残りの拉致被害者に ついては、いまだ、問題の解決に向けた具体的な行動がとられていません。

(4)

(3) どうして人権を大切にしなければならないのでしょうか。グループ内で話し合って

みましょう。

(グループ内での話し合いメモ)

(4) 拉致問題を解決するために私たちはどのように行動したらよいでしょうか。グルー

プ内で話し合ってみましょう。

(グループ内での話し合いメモ)

(5)グループ内で話し合った内容をクラス全体に発表しましょう。

(他のグループの発表メモ)

(6) あなたがめぐみさんの家族だとしたら、どのように考え、どのような行動をとると

思いますか。自分の考えをまとめてみましょう。

(5)

解説

14

拉致問題について考えよう①・②

1 ねらい

(1) 映画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」(以下「映画『めぐみ』」という。)や拉

致問題啓発アニメ「めぐみ」

(以下「アニメ『めぐみ』」という。)の視聴をとおして、

人権の意義やその重要性について理解し、人権尊重のための人権感覚を醸成する。

(2) 相手の立場に立って、気持ちを受け止め、共感的に理解し、人権が尊重される社会

に向けて、自ら行動していこうとする意欲や態度を育成する。

(3) 拉致問題を我が国が抱える未解決の人権課題として捉え、その解決のためには、幅

広い国民各層の理解と支持が不可欠であり、わたしたち一人ひとりに関心と認識を

深めることが求められていることを理解する。

2 進め方

 映画「めぐみ」とアニメ「めぐみ」の内容及び指導の手立て

  映画「めぐみ」

 •  映画「めぐみ」は、昭和52年、当時中学1年生だった横田めぐみさんが、学校か

らの帰宅途中に北朝鮮当局により拉致された事件とその被害者家族の救出活動を中心

に描いたドキュメンタリー映画である。報道映像や横田さん夫妻を始めとした関係者

の証言映像などにより構成され、視聴者にとって拉致問題を追体験するような内容と

なっており、高校生の視聴に適している。

 •  映画「めぐみ」は、約90分と長時間であるが、前半部分(チャプター①~⑧の約

42分)の視聴で拉致問題の概要や被害者家族の心情などを理解することができる。

  ※  北朝鮮がめぐみさんのものだと渡してきた遺骨が別人と判明する場面に対して、

映画の最後には「イギリス科学誌が、DNA 鑑定結果の不確実性を指摘」とキャプ

ションが流れるシーンがあるが(84分09秒)、「遺骨から検出された DNA は、め

ぐみさん本人のものとは異なる」というのが日本政府の見解である。

  アニメ「めぐみ」

 •  アニメ「めぐみ」は、横田めぐみさん拉致事件を題材に、残された家族の苦悩を中

心に描いた25分のドキュメンタリー・アニメで、小・中学生にも分かりやすい内容

となっている。

 •  小・中学校においてもアニメ「めぐみ」の視聴を促進しているため、視聴したこと

がある生徒もいると思われるが、生徒の発達段階に応じた感じ方の違いや新たな発見

への気づきの視点からアニメ「めぐみ」を活用することも考えられる。

(6)

  拉致問題について考えよう①  

映画「めぐみ」を活用した指導例

 (1)各チャプターの概要(視聴する際の参考としてください。)

① 突然いなくなっためぐみさんを捜す家族

0:00(5:41)

② テレビ番組でめぐみさんに呼びかける両親と相次いで起きた不可解な失踪事件

5:41(5:22)

③ いなくなった日のめぐみさんの足どりを振り返る両親

11:03(3:47)

④ 20年後に元工作員の証言から分かった事実

14:50(5:59)

⑤ 工作活動のための日本人化教育と大韓航空機爆破事件

20:49(4:45)

⑥ 拉致被害者家族の苦悩

25:34(6:59)

⑦ 聖書に救いを求める母親とめぐみさんの歌声

32:33(3:57)

⑧ 被害者家族の街頭活動と政府への働きかけ

36:30(6:24)

⑨ 両親からめぐみさんへのビデオレターと史上初の日朝首脳会談

42:54(4:02)

⑩ 北朝鮮当局による拉致被害者の生死の公表

46:56(5:43)

⑪ 生死公表後の家族の様々な思い

52:39(4:46)

⑫ 拉致被害者5人の帰国とめぐみさんの娘

57:25(5:24)

⑬ 5人とともに帰国を果たせなかった被害者の家族の思い

62:49(5:57)

⑭ 終わらない被害者家族の闘い

68:46(6:57)

⑮ 渡された遺骨と写真に対する家族の思い

75:43(5:51)

⑯ 虚偽の資料とめぐみさんの帰国を待ちわびる家族

81:34(3:44)

⑰ エンドクレジット

85:18(2:16)

 (2)展開例1(50分×3 事前にグループ分けをする)

学習活動 指導上の留意点 1 拉致問題の概要を理解する。 (10分) ○  ワークシートの冒頭にある概要説明、解説にある 「拉致問題の主な動き(背景)」、政府の拉致問題対 策 本 部 の ホ ー ム ペ ー ジ(http://www.rachi. go.jp/)などを参考に拉致問題の概要を正しく理解 させる。 2  ワーク1 映画「めぐみ」を視 聴する。(約90分) ○  視聴をとおして、拉致されためぐみさんや、めぐ みさんの家族の思いを想像し、拉致問題とはどのよ うな問題なのかを認識させる。 3  ワーク2(1)~(4)につい てグループ内で話し合う。 (30分)

(7)

学習活動 指導上の留意点 (1) 「突然めぐみさんが家族のも とからいなくなったときの 両親の気持ちはどのようで あったと思いますか。」(チャ プター①参照) ○  自分の生活と重ねて考えさせることで、自己の問 題として受け止めさせるとともに、何が大切にされ なければならないかを考えさせる。(ワーク2(1)) (2) 「街頭で娘の救出を呼びかけ る両親に対する周りの人々 の反応をあなたはどのよう に感じましたか。」(チャプ ター⑧参照) ○  拉致問題の解決に向けて、自ら立ち上がった両親 の姿に共感させるとともに、その活動に対する人々 の反応は様々であったことに着目させる。また、そ の解決に向けては、幅広い支持が必要であることを 理解させる。(ワーク2(2)) ○  拉致された後のめぐみさんがどのような生活を 送ったかは分からないので、あくまで奪われた可能 性のある権利として考えさせ、自分たちの言葉で表 現させる。(自由権、教育を受ける権利、親と一緒 に暮らす権利等)さらに、それが数多くあることに 気づかせるとともに、人権の大切さに気づかせる。 (ワーク2(2)) (3) 「拉致されたことで奪われた めぐみさんの権利をあげ、 なぜ人権が大切なのか考え てみましょう。」 (4) 「5人とともに帰国すること ができなかった被害者の家 族の思いについて考えをま とめてみましょう。」(チャ プター⑬~⑯参照) ○  自分の人権とともに他の人の人権も大切にしなけ ればならないことについて触れる。(ワーク2(3)、 (4)) ○  グループ内で話し合わせる際、また、全体発表の 際には、他者の意見を共感的に受け止めさせる。 ○  拉致問題は、韓国・朝鮮につながりのある在日外 国人などに責任を帰する問題ではないことに留意 し、拉致問題を正しく理解させることをとおして人 権についての理解を深めさせ、この問題を理由にし た差別や偏見は人権上の視点から誤りであることに 気づかせる。 ○  この問題を風化させてはならない人権課題として 捉えさせる。 4  グループ内で話し合った内容を クラス全体に発表する。 (10分) ○  話し合った内容をグループ内で振り返り、全体に 発表することによりクラスで共有する。 5 ワーク2(5)について自分の 考えをまとめる。 (10分) (5) 「拉致問題を解決するために わたしたちはどのように行 動したらよいでしょうか。 自分の考えをまとめてみま しょう。」 ○  拉致被害者家族の様々な思いに共感させるととも に、家族の思いが国や多くの人の心を動かし、拉致 問題の解決に向けて、様々な取組みが行われるよう になったことを理解させる。また、その解決に向け ては、幅広い支持が必要であることを理解させる。 ○  人権の意義やその重要性について理解させるだけ でなく、人権感覚を磨き、自ら行動していこうとす る意欲や態度を育てる。

(8)

 (3)展開例2(50分)

学習活動 指導上の留意点 1 拉致問題の概要を理解する。 (3分) ○  ワークシートの冒頭にある概要説明、解説にある 「拉致問題の主な動き(背景)」、政府の拉致問題対 策 本 部 の ホ ー ム ペ ー ジ(http://www.rachi. go.jp/)などを参考に拉致問題の概要を正しく理解 させる。 2  ワーク1 映画「めぐみ」の前 半を視聴する。  チャプター①~⑧ (約42分) ○  視聴をとおして、拉致されためぐみさんや、めぐ みさんの家族の思いを想像し、拉致問題とはどのよ うな問題なのかを確認させる。 3  前半の視聴後、ワーク2(1) ~(3)、(5)に自分の考えを記 入する。 (5分) (1) 「突然めぐみさんが家族のも とからいなくなったときの 両親の気持ちはどのようで あったと思いますか。」(チャ プター①参照) ○  自分の生活と重ねて考えさせることで、自己の問 題として受け止めさせるとともに、何が大切にされ なければならないかを考えさせる。(ワーク2(1)) (2) 「街頭で娘の救出を呼びかけ る両親に対する周りの人々 の反応をあなたはどのよう に感じましたか。」(チャプ ター⑧参照) ○  拉致問題の解決に向けて、自ら立ち上がった両親 の姿に共感させるとともに、その活動に対する人々 の反応は様々であったことに着目させる。また、そ の解決に向けては、幅広い支持が必要であることを 理解させる。(ワーク2(2)) (3) 「拉致されたことで奪われた めぐみさんの権利をあげ、 なぜ人権が大切なのか考え てみましょう。」 ○  拉致された後のめぐみさんがどのような生活を 送ったかは分からないので、あくまで奪われた可能 性のある権利として考えさせ、自分たちの言葉で表 現させる。(自由権、教育を受ける権利、親と一緒 に暮らす権利等)さらに、それが数多くあることに 気づかせるとともに、人権の大切さに気づかせる。 (ワーク2(3)) ○  自分の人権とともに他の人の人権も大切にしなけ ればならないことについて触れる。(ワーク2(3)) (5) 「拉致問題を解決するために わたしたちはどのように行 動したらよいでしょうか。 自分の考えをまとめてみま しょう。」 ○  拉致被害者家族の様々な思いに共感させるととも に、家族の思いが国や多くの人の心を動かし、拉致 問題の解決に向けて様々な取組みが行われるように なったことを理解させる。また、その解決に向けて は、幅広い支持が必要であることを理解させる。 (ワーク2(5))

(9)

学習活動 指導上の留意点 ○  人権の意義やその重要性について理解させるだけ でなく、人権感覚を磨き、自ら行動していこうとす る意欲や態度を育てる。(ワーク2(5)) ○  拉致問題は、韓国・朝鮮につながりのある在日外 国人などに責任を帰する問題ではないことに留意 し、拉致問題を正しく理解させることをとおして人 権についての理解を深めさせ、この問題を理由にし た差別や偏見は人権上の視点から誤りであることに 気づかせる。 ○  この問題を風化させてはならない人権課題として 捉えさせる。 ○  各チャプターの概要を参考にするなどして、映画 の後半部分について触れる。

 (4)評価

    人権の意義やその重要性について理解し、人権尊重のための人権感覚を醸成する

ともに、相手の立場に立って気持ちを受け止め、共感的に理解し、人権が尊重され

る社会に向けて自ら行動していこうとする意欲や態度を育てることができたか。

(10)

  拉致問題について考えよう②  

アニメ「めぐみ」を活用した指導例

 (1)展開例(50分 事前にグループ分けをする)

学習活動 指導上の留意点 1 拉致問題の概要を理解する。 (3分) ○  ワークシートの冒頭にある概要説明、解説にある 「拉致問題の主な動き(背景)」、政府の拉致問題対 策 本 部 の ホ ー ム ペ ー ジ(http://www.rachi. go.jp/)などを参考に拉致問題の概要を正しく理解 させる。 2  ワーク1 アニメ「めぐみ」を 視聴する。 (25分) ○  視聴をとおして、拉致されためぐみさんや、めぐ みさんの家族の思いを想像し、拉致問題とはどのよ うな問題なのかを確認させる。 3  ワーク2(1)~(4)につい てグループ内で話し合う。 (12分) (1) 「拉致されたことで奪われた めぐみさんの権利にはどの ようなものがあったでしょ うか。」 ○  拉致された後のめぐみさんがどのような生活を 送ったかは分からないので、あくまで奪われた可能 性のある権利として考えさせ、自分たちの言葉で表 現させる。(自由権、教育を受ける権利、親と一緒 に暮らす権利等)さらに、それが数多くあることに 気づかせるとともに、人権の大切さに気づかせる。 (ワーク2(1)) (2) 「突然めぐみさんが家族のも とからいなくなったときの 両親の気持ちはどのようで あったと思いますか。」 ○  自分の生活と重ねて考えさせることで、自己の問 題として受け止めさせるとともに、何が大切にされ なければならないかを考えさせる。(ワーク2(2)) ○  めぐみさんへの両親の思いに共感させることをと おして、家族の絆を大切にしていこうとする気持ち を育てる。(ワーク2(2) (3) 「どうして人権を大切にしな ければならないのでしょう か。」 ○  自分の人権とともに他の人の人権も大切にしなけ ればならないことについて触れる。(ワーク2(3)) (4) 「拉致問題を解決するために 私たちはどのように行動し たらよいでしょうか。」 ○  拉致問題の解決のためには、幅広い支持が必要で あることを理解させるとともに、その解決に向けて、 様々な取組みが行われるようになったことを理解さ せる。(ワーク2(4)) ○  グループ内で話し合わせる際、また、全体発表の 際には、他者の意見を共感的に受け止めさせる。 ○  この問題を風化させてはならない人権課題として 捉えさせる。

(11)

学習活動 指導上の留意点 (5) グループ内で話し合った内 容をクラス全体に発表する。 (5分) ○  話し合った内容をグループ内で振り返り、全体に 発表することにより共有する。 (6) 自分がめぐみさんの家族だ としたら、どのように考え、 どのような行動をとると思 うか。自分の考えをまとめ る。 (5分) ○  家族が突然いなくなった時の気持ちを想像し、共 感する心を育てる。 ○  人権の意義やその重要性について理解させるだけ でなく、人権感覚を磨き、自ら行動していこうとす る意欲や態度を育てる。 ○  拉致問題は、韓国・朝鮮につながりのある在日外 国人などに責任を帰する問題ではないことに留意 し、拉致問題を正しく理解させることをとおして人 権についての理解を深めさせ、この問題を理由にし た差別や偏見は人権上の視点から誤りであることに 気づかせる。

 (2)評価

     人権の意義やその重要性について理解し、人権尊重のための人権感覚を醸成する

とともに、相手の立場に立って気持ちを受け止め、共感的に理解し、人権が尊重

される社会に向けて自ら行動していこうとする意欲や態度を育てることができた

か。

(12)

3 解説

•  拉致問題の主な動き(背景)

1970~1980年代 • 多くの日本人が不自然な形で行方不明となった。 1990年代 •  政府は、機会あるごとに北朝鮮当局に対して拉致問題を 提起したが、北朝鮮当局側は頑なに否定し続けた。 1997年(平成9年)3月 •  拉致被害者の家族により「北朝鮮による拉致被害者家族 連絡会(家族会)」が結成された。 2002年(平成14年) 9月、10月 •  第1回日朝首脳会談において、北朝鮮当局は日本人を拉 致したことを認め、謝罪した。 •  拉致被害者5人が帰国した。 2003年(平成15年)1月 •  「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関す る法律(拉致被害者支援法)」が施行された。 2004年(平成16年)5月 •  第2回日朝首脳会談が開催され、拉致被害者の家族5名 が帰国した。 2005年(平成17年)12月 •  国連総会本会議において北朝鮮人権状況決議(拉致被害 者の即時帰国などを要求する決議)が採択され、以後、7 年連続で採択される。 2006年(平成18年)6月 •  「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対 処に関する法律(北朝鮮人権法)」が施行され、国及び地方 公共団体の責務等が定められるとともに、毎年12月10日か ら同月16日までを「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」とする こととされた。 2008年(平成20年)7月 •  北海道洞爺湖サミットの成果文書に拉致問題が明記され た。 2011年(平成23年) 2月、4月 •  「拉致問題を考える国民大集会 in 神奈川」が開催された。 •  閣議決定により国の基本計画における人権課題として、 新たに「北朝鮮当局による拉致問題等」が加えられた。 (参考 政府 拉致問題対策本部ホームページ)

(13)

•  拉致問題の指導における留意事項

 拉致問題は、他の人権課題とは異なる国際的な問題であるために、簡単に解決できな

い状況にある。そこで、基本計画では、「拉致問題の解決のためには、幅広い国民各層

と国際社会の理解と支持が不可欠であり、その関心と認識を深めることが求められてい

る。」としており、学校教育においては、人権の観点から生徒が拉致問題についての理

解を深めていくことを求めている。

 一方、本県には朝鮮半島につながりのある生徒が在籍している場合もあることから、

拉致問題を学習することにより、これらの生徒に対する差別、偏見などが生じないよう

に十分に配慮する必要がある。

 生徒一人ひとりを大切にするとともに、生徒が拉致問題に関心を持ち続け、この問題

が今後とも風化しないように、次のことに留意しながら指導してほしい。

 ア  拉致問題は北朝鮮当局による人権侵害行為ではあるが、北朝鮮当局に対する非難

に主眼を置くのではなく、人権課題の一つとしてこの問題を捉えさせる。

 イ  拉致被害者やその家族の心の痛みや叫びなどを中心に取り上げ、そのつらい気持

ちに共感する心情を育てるようにする。また、拉致問題を学習することにより育ま

れた共感する心は、他の人権課題について考える際にも大切であるという点に気づ

かせ、今後の人権学習に生かす。

 ウ  拉致問題は、北朝鮮当局以外の北朝鮮の人々をはじめとした朝鮮半島の人々や日

本で生活する朝鮮半島につながりのある人々に責任を帰する問題ではないことを押

さえる。また、この点を踏まえて、差別や偏見についての学習を深めることも考え

られる。

 エ  拉致問題を学習する時間として、各教科(地理歴史科、公民科等)・科目、総合

的な学習の時間及び特別活動(ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事)が考え

られる。また、北朝鮮人権侵害問題啓発週間(12月10日~16日)が設けられてい

ることを踏まえ、この時期に合わせて学習の機会を設けることも考えられる。

 オ  北朝鮮当局による拉致問題の詳細については、政府の拉致問題対策本部のホーム

ページ(http://www.rachi.go.jp/)を参照する。

参照

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