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公益社団法人日本都市計画学会 都市計画論文集 Vol. No. 8年 1月 Journal of the City Planning Institute of Japan, Vol. No., October, 8 通路を体系的に整理しまとめた石川ら ) の調査が挙げられ るものの 既成の住宅市街地

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Academic year: 2021

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河川管理用通路と沿川建物の特性の関係性に関する研究

—江東内部河川における西側河川を対象として—

A study on the relationship between the characteristics of river management passages and the river side

buildings

—Focusing on the Western part of the Inner Rivers in Koto—

かにし、河川管理用通路の開放への課題と利活用促進に向 けた方策について論じることを目的とする。 1-2 研究の方法  2 章では、河川管理用通路及び河川空間整備の実態と課 題を河川管理団体に対するヒアリング調査から把握する。 続いて 3 章では、河川管理用通路の実態に関する評価軸の 設定や、河川管理用通路の実態と沿川建物特性に関する調 査手法を、2 章の成果を踏まえて整理する。4 章では、3 章 で設定した調査方法に従って現地踏査等により河川管理用 通路の実態と沿川建物特性の実態を把握する。5 章では 4 章で把握した河川管理用通路の実態と沿川建物特性の関連 を統計的分析により調査することで、通路の実態に影響を 与えうる沿川建物特性を明らかにする。最後に、6 章では 以上を踏まえ、河川管理用通路の開放への課題と利活用促 進に向けた方策を論じる。 1-3 対象地概要  本研究では、既成の住宅市街地内を通る河川であること、 河川管理用通路が存在し民地と接しているといった理由か ら、江東区を流れる江東内部河川(4) のうち、特に西側河 川の大横川、大島川西支川、大島川南支川、仙台堀川、平 久川を対象とする(図 1)。  西側河川とは、昭和 46 年に策定された江東内部河川整 備事業の計画により定義されている河川である。東側河川 は比較的河川幅が広いこと、沿川整備が進み河川と民地が 接していないなどの理由により、高密な土地利用がなされ ている市街地を沿川に抱える一般的な都市河川と状況が異 なる。それに対し西側河川の大半の区間は河川幅が小さく 民地が河川管理用通路に接した状態であり、在来護岸に対 して前面に矢板を打つことで通路が整備されているため、 対象地としてふさわしいと考えられる。 1 章 はじめに 1-1 研究の背景と目的  近年、我が国の河川の利活用に関する状況は大きく変化 している。河川法は 1997 年の改正によって、治水や利水 だけでなく、近隣住民による利用などを含む「環境」を考 慮することの重要性を示した(1) 。また、2004 年の「河川 敷地占用許可準則」改正による規制緩和(2) や 2009 年「か わまちづくり支援制度」(3) の策定に伴い、近年全国各地 で様々な河川空間の利活用がなされ地域に賑わいを生み 出している。  都市部においてこうした利活用事例の多くは観光地、商 業地で実施されている。一方、日常的に接することができ る都市河川の水辺空間は、居住者の生活習慣に大きく影響 を与え1) 、住民参加を促しコミュニティ意識を育む、子供 の教育機会となる2)高齢者の外出促進に寄与する3)といっ た報告が行われている。このことから今後は、不特定多数 が行き交う都市部の既成住宅地においても、河川空間の利 活用が進むことが望ましい。  河川空間の利活用促進のためには、河川管理用通路の開 放や沿川街路からのアクセス性、通路の連続性の向上等に よる、河川管理用通路の質的向上が必須である。また一方 既成の住宅市街地においては、河川と民地が河川管理用通 路を挟んで接している場合が多いため、河川空間の利活用 促進にあたっては、河川管理用通路だけではなく河川管理 用通路に接する敷地や建物の利用実態を含めた一体的な 空間としての検討が必要である。  そこで本研究は、既成の住宅市街地における、開放状況・ アクセス性といった河川管理用通路の実態と沿川建物の 特性に着目する。そして、現地踏査を含む調査と分析から 河川管理用通路の実態に関係する沿川建物の特性を明ら

Recently, various ways of utilizing riverside spaces have been recognized widely. However, these cases are mostly taken place in commercial areas. Considering the growing needs in increasing the Quality of Life in urban areas, utilization of riverside spaces within residential areas is crucial. Considering this, the management of buildings and passages along the river is important. Through this research, the following findings were identified. 1) Local administrations managing riverside spaces considers the privacy of residents and crime prevention. 2) It was identified that dwellings combined with commercial and industrial use was located on the northern side of the river. Furthermore buildings located in these sections often have verandas impacting the management of river passages, due to concerns relating to privacy and consciousness towards crime prevention.

Keywords:Existing residential area, River front, River management passage

    既成住宅市街地、沿川空間、河川管理用通路

*   学生会員 早稲田大学大学院創造理工学研究科 (Graduate School of Creative Science and Engineering,Waseda Univ.) **  正会員  早稲田大学理工学術院(Faculty of Science and Engineering,Waseda Univ.)

***  非会員  早稲田大学医学を基礎とするまちづくり研究所(Planning Inst. of Medicine-Based Town,Waseda Univ.) **** 正会員  早稲田大学理工学術院社会文化領域(School of Creative Science & Engineering,Waseda Univ.) ***** 非会員  早稲田大学医学を基礎とするまちづくり研究所(Planning Inst. of Medicine-Based Town,Waseda Univ.)

北村 佳恋*

・後藤 春彦**

・高嶺 翔太***

・馬場 健誠****

・林 書嫻*****

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通路を体系的に整理しまとめた石川ら11) の調査が挙げられ るものの、既成の住宅市街地において、沿川空間の特性と 通路との関係性に着目した研究は無かった。しかし背景で 述べたように、今後は既成の住宅市街地における河川空間 の利活用促進のために河川管理用通路の質的向上が望まし く、それを沿川の市街地との関係性の中で考えていくべき である。本研究はこの点を補い、既成の住宅市街地におけ る河川管理通路の開放に向けた課題と利活用促進に向けた 方策について論じるものである。 2 章 河川及び沿川空間の整備実態と行政の意向 本章では河川管理団体へ のヒアリング調査から河川 及び沿川空間整備の実態と 課題を把握する。なおヒア リング調査の概要を表1に 示す。 2-1 管理体制  江東内部河川東部低地帯として整備計画を立てており隅 田川と一体の計画区域に含まれる。そのため東京都が整備 計画を隅田川との一連で取りまとめ、治水工事や耐震工事 等の大きなコストのかかる整備に関しては東京都が行って いる。また河川法 6 条「特別区における東京都の事務処理 の特例に関する条例」により、江東内部河川の日常的な維 持管理や植栽の植え付け、護岸の化粧などの景観整備は区 が担っている。 2-2 河川管理用通路の管理に対する方針  ヒアリング調査により把握された、沿川空間の整備に関 する言及とそれから窺える課題を図 3 にまとめた。河川管 理用通路については、耐震護岸整備を行った際に、既成の 護岸に対して前出しする形で矢板を打ったことで民地と河 川との間に広がったスペースを「水辺の散歩道」として開 放しているとのことであった。  しかし沿川住民から「防犯上やプライバシー等の関係で 締め切りを要望されることがある」「住民の方から気にな るといわれ鍵をかけている」とあり、その区間については  図 2 には、対象地の河川空間の標準断面(5) を示す。民 地と河川の間には民地から 1、2m ほど高い場所に河川管理 用通路とそれを囲う柵が設けられている。 1-4 先行研究に対する本研究の位置づけ  都市河川空間の利活用に関しては、全国の社会実験事例 を対象として河川区域の空間利用及び連携体制の傾向や特 徴を明らかにした菅原4) 、また水都大阪の推進体制に注目 した圓道寺5)、東京都臨海部で実施されている「運河ルネ サンス事業」に着目した菅原ら6) 、広島県広島市「水辺のオー プンカフェ」に着目した藤本ら7)の研究など、商業・観光 用途を中心とした社会実験に関する調査が多い。  一方都市部の既成住宅地における河川空間の研究として は、河川環境整備が周辺の住民や小学校に及ぼす影響を捉 えた畔柳ら2) 、既成市街地において水辺空間が居住者生活 に与える効果を捉えた田島ら1) 、都市内河川の空間構造に 対する住民の選好性に関する小田ら8) の研究等、都市河川 空間と住民の関係性に着目した研究が多数みられる。また 菅原ら9) の河川利用の地域連携に着目した研究や、猪俣ら 10) の河川の特性を成り立たせる空間構成を捉えた研究が挙 げられる。  しかし、具体的な沿川住宅地の空間特性と河川空間との 関係性に着目した研究は無い。また、わずかに河川管理用 河川管理通路 河川区域 水辺の散歩道 (開放通路) 河川 道路 道路 民地 民地 在来護岸 未開放通路 約 8 ~ 20(m) 沿川空間 沿川空間 1 ~ 2(m) 図 2 対象河川の河川空間現状標準断面 大横川   仙台堀川   平久川    大横川西支川 大島川南支川 1 2 3 4 5 番号 河川名 1 2 3 4 5 1km 2km 3km 0 0.5km 横十間川 小名木川 東側河川 西側河川 旧中川 越中島川 対象河川 図 1 江東区の河川と対象河川 対面式ヒアリング 東京都建設局河川部、江東区河川 公園課・まちづくり推進課 「江東内部河川整備計画」の詳細、 河川空間利活用に向けた取り組 み・体制、河川管理用通路の開放、 地域特性を考慮した河川整備、「江 東区都市計画マスタープラン」の 詳細等 調査方法 実施日 調査内容 対象 2017 年 9/29,10/5 表 1 行政ヒアリング概要 ・通路が開放されない要因は沿川の住民がもつプライバシー・防犯に対する懸念である。 ・河川管理用通路の質向上、利活用に向けては地域、住民の意向が重要である。 河川管理用通路の管理方針に関する言及 通路の実態向上に向けて明らかになった課題 ・「水辺の散歩道」として歩けるようになっているが防犯上やプライバシーの関係で行 政に閉め切ってくれと要望されることがある。 ・桜を植えている場所もあるが住民の方から気になるといわれ鍵をかけている。 ・( 管理者としては)『開放している場所があるよ』程度で細かくは(通路の実態を) 把握していない。 ・河川の利活用を進める人は多くなっているが依然として沿川住民は「民地がみられて しまうとプライバシー的に嫌だからやめてくれ」というような反対意見が多い。 ・最近そういった(河川の利活用)ニーズは多いし理解はできるが、依然としてずっと 住んでいる人としては「やってくれるな」「1ミリでも音を出してくれるな」という 人も多い。そういう人との合意が得られなければならない。 図 3 行政へのヒアリング調査より明らかになった 河川管理用通路の開放に向けた課題

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開放していないとのことであった。このことから、河川管 理用通路の開放状況には沿川住民のプライバシー・防犯上 の懸念が関係していることが明らかになった。一方で「(管 理主体としては)『開放している場所があるよ』程度で(通 路の実態を)細かくは把握していない」とあり、具体的な 通路の開放に向けての実態調査・把握までには及んでいな いようであった。また、河川空間の利活用に対しても「依 然として沿川住民は民地がみられてしまうとプライバシー 的に嫌」という意見が多いとのことから、利活用に向けて は地域、とりわけ沿川の住民の意向が重要であるといえる。 3 章 河川管理用通路の実態と沿川建物特性の把握方法  本章では、河川管理用通路の実態と沿川建物特性の関連 を調査するにあたり、河川管理用通路の実態に関する評価 軸の設定や、河川管理用通路の実態と沿川建物特性に関す る調査手法を、2 章を踏まえて整理する。 3-1 河川管理用通路の実態に関する評価軸  河川管理用通路の実態に関する評価軸として、図 4 に示 すような 3 段階のモデルを整理した。  まず、開放されていない河川管理用通路については、利 活用の可能性が極めて低いとして第 1 段階目にあるとして 設定した。続いて、開放されている通路に関しては、アク セス性の観点から通路を 2 分した。  具体的にはアクセス性とは、河川管理用通路間を連続性 をもって歩けるか、または河川管理用通路への端部以外の アクセス路である通り抜け路が存在しているかといった(6) 整備実態によって左右される河川管理用通路へのアクセス のしやすさを示している。そのうえで、開放されている河 川管理用通路について、このアクセス性が低い(連続性・ 端部以外のアクセス路が無い)と判断されるものは第 2 段 階に、アクセス性が高いと判断されるものは、第 3 段階に あると設定した。その上、第 3 段階の中でも通り抜け路を 有する開放通路を第 3-a 段 階、歩行の連続性を有する 開放通路を第 3-b 段階、通 り抜け路と歩行の連続性の 両方を有する開放通路を第 3-c 段階と設定した。  また、歩行の連続性につ いて、具体的には隣の区間 の通路へ渡る際に柵や道路 (横断歩道無し)といった 整備状況によって迂回しな ければならない状態を「歩 行連続性なし」、横断歩道 が設置されている等により 遮えぎるものが無く河川管 理用通路の間を直線的に歩 行できる状態を「歩行連続 性あり」と定義する(図 5)。 3-2  調査する沿川建物特性  調査する沿川建物特性 として図 6 に示すような 4 つの要素を抽出した。2 章 の行政ヒアリング調査か らは、沿川住民のプライバ シー・防犯上の懸念が河川 管理用通路の開放状況に 影響を与えていることが 明らかになった。このこと から、沿川住民のプライ バシー・防犯意識に影響を 与えると思われる沿川建物の具体的な形状を沿川建物特性 として抽出している(7) 。なおⅠ建物用途に関する調査にあ たっては、対象地域の主要建物用途として 4 つの用途に着 目する。またⅢ築年数については、築 40 年を基準とし(8) 、 建物の新旧を二分する。 3-3 データの収集方法  河川管理用通路の実態については、①河川管理用通路の 河川管理用通路の実態 未開放通路 開放通路 通り抜け路 又は歩行連 続性を有す る開放通路 ・歩行連続性 ・通り抜け 開放 の確保 1 段階 2 段階 3 段階 図 6 4 章で扱う沿川空間特性 Ⅱ河川に向いたベランダ有無) 建物用途 河川に向いたベランダ有無 建物築年数 戸建住宅 集合住宅 事務所 商 / 工併用住宅 調査用途 沿川 建物 特性 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅰ 建物 用途 Ⅳ 河川に対する方角 Ⅲ築年数 Ⅳ方角 河川管理用通路 河川管理用通路 通り抜け路 歩行連続性あり (遮蔽物なし・横断歩道あり) 連続性なし(柵などの遮蔽物あり) BRIDGE 図 5 歩行の連続性に影響を 与える整備状況 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 通 【A: 通路 - 建物(民地)】 通 車 【B: 通路 - 車道 - 建物(民地)】 把握された沿川空間の断面タイプ凡例 通 公 【C: 通路 - 公地】 通 車 公 【D: 通路 - 車道 - 公地】 ※公地は民地に対し公共用地また公園・運動場等を指す。 記号: 記号: 記号: 記号: 500m 0 100 300 記号 調査単位 巽橋〜福島橋 福島橋〜御船橋 御船橋〜緑橋 元木橋〜松永橋 松永橋〜清川橋 清澄橋〜海辺橋 海辺橋〜木更木橋 木更木橋〜亀久橋 亀久橋〜大和橋 大和橋〜鶴歩橋 鶴歩橋〜汐見橋 汐見橋〜東富橋 東富橋〜巴橋 巴橋〜石島橋 石島橋〜黒船橋 黒船橋〜越中島橋 越中島橋〜練兵衛橋 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 30 31 32 33 練兵衛橋〜巽橋 松永橋~清澄橋 清川橋~清澄橋 亀久橋~末広橋大和橋~末広橋 崎川橋~大榮橋 大横橋~沢梅橋 平久橋~時雨橋 時雨橋~石浜橋 大榮橋~福壽橋 福壽橋~三石橋 三石橋~玄之堀橋 玄之堀橋~扇橋 扇橋~新扇橋 新扇橋~猿江橋 平木橋~平野橋 平野橋~平久橋 平野橋~汐見橋 平久橋~東富橋 扇橋~新高橋 新高橋~猿江橋 豊木橋~大横橋 12 13 14 沢梅橋~新田橋 弁天橋~新田橋 弁天橋~西州崎橋 西州崎橋~豊洲運河 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 29 新田橋~平木橋 ※上記の 44 区間のうち、調査対象である東岸・西岸または南岸・北岸を有するもの(図 中 n,s,e,w と表記)が 21 区間であり、21×2+23=65(区間)が本研究の対象区間 となる。 図 7 沿川空間の断面タイプと 65 の調査対象区間 図 4 河川管理用通路の実態 未開放通路 1 段階 開放通路 2 段階 3 段階 通り抜け路 を有する 開放通路 歩行連続性 を有する 開放通路 3-c 3-b 3-a 開放 通り抜け路の確保 河川管理用通路の実態 歩行連続性の確保 通り抜け路、及び 歩行連続性の確保

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開放/閉鎖実態、②通り抜け路の有無、③隣接する河川管 理用通路との歩行連続性の有無を、現地踏査により把握す る。  また沿川建物特性のうち、Ⅰ建物用途については現地踏 査およびゼンリン住宅地図14)と土地利用現況図15)を用い た調査より、Ⅱベランダの有無については現地踏査より、 Ⅲ築年数については年代別のゼンリン住宅地図(9)14)16)の比 較調査により、Ⅳの方角についてはゼンリン住宅地図14) を用いた調査により把握する。  河川管理用通路の実態調査は、基本的に橋から橋の間の 区間を 1 調査単位(10)とし集計する。また沿川建物特性に ついては、まず建物単位で収集し、その後橋から橋を 1 調 査単位として集計した。なお集計にあたっては各特性を有 する建物がどれだけ存在しているかという点を、長さ(距 離)を基準に割合に換算することとした。  なお、実地調査からは図 2 に示した河川区間標準断面以 外にも、河川と沿川の民地の間に車道がある区間、また民 地ではなく公園が接している区間が把握された(図 7)。本 研究では民地と河川管理用通路が接している場合に着目し ているため、これらタイプ B,C,D にあたる 13 区間は対象 から除外し、残りのタイプ A【通路 - 建物(民地)】(標準 図 8 調査対象区間毎の河川管理用通路の実態 通り抜け路 隣区間との間に 歩行連続性のある地点 第 1 段階 第 2 段階 第 3-a 段階 第 3-b 段階 第 3-c 段階 凡例 河川管理用通路の実態 500m 0 300 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 図 9 調査対象区間毎の沿川建物特性の割合 河川に向いたベランダ割合 築年数 40 年未満割合 Ⅰ建物用途 Ⅲ築年数 40 年未満  建物用途【戸建住宅】割合  建物用途【集合住宅】 割合  建物用途【事務所】割合  建物用途【商 / 工併用住宅】割合 Ⅱ河川に向いたベランダ 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 1e 2 3e 3w 4e 5 7 8s 8n 9s 9n 10s 10n 11 12w 12e 13w 13e 14 15n 15s 16n 16s 17n 17s 18 19n 19s 20 21 23 25w 26 27 29e 30s 31s 31n 32 33 34 35e 36e 37w 38 40e 40w 41 42 6 43 28w 28e 29w 24 25e 44 22 39 35w 36w 1w 4w 37e 30n 0-20% 21-40% 61-80% 81-100% 41-60% 0-20% 21-40% 61-80% 81-100% 41-60% 0-20% 21-40% 61-80% 81-100% 41-60% 0-20% 21-40% 61-80% 81-100% 41-60% 0-20% 21-40% 61-80% 81-100% 41-60% 0-20% 21-40% 61-80% 81-100% 41-60%

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断面)にあたる 65 区間を本調査の対象とすることとした。 4 章 河川管理用通路の実態および沿川建物特性の把握  本章では、3 章で設定した調査方法に従って河川管理用 通路の実態と沿川建物特性を把握する。 4-1 河川管理用通路の実態の把握  河川管理用通路の実態を図 8 に示す。 ① 開放/閉鎖実態  65 区間中、開放されている河川管理用通路は 34、未開 放通路は 31 であった。 ② 通り抜け路の有無  通り抜け路が存在するのは 10/65 区間で、通り抜け路の 数は計 13 であった。なおこれら通り抜け路の内訳として は、公園が 6 か所、総合設計制度を活用した建設によっ て生まれた公開空地が 2 か所、その他(公道など)であっ た。これら整備事業は河川管理用通路の実態向上に有用で あると言える。 ③ 隣接する河川管理用通路との歩行連続性の有無  歩行の連続性がみられた箇所は 5/65 区間であった。区 間の両端において歩行連続性がある区間は存在せず、連続 して歩行が可能であるのは最長でも 2 区間にとどまること が分かった。  以上の実態把握から、各調査単位の河川管理用通路の実 態を特定した。その結果全 65 区間中、第 1 段階にあたる のは 31 区間、第 2 段階にあたるのは 21 区間、第 3-a 段階、 第 3-b 段階、第 3-c 段階にあたるのはそれぞれ 8 区間、3 区間、2 区間有ることが分かった。 4-2 沿川建物特性の実態把握  沿川建物特性の実態を建物単位、区間単位の順にそれぞ れ把握する。 4-2-1 建物単位での割合  建物単位の沿川建物特性の割合を表 2 に示す。結果から は、用途として戸建住宅が 42% と最も多いこと、ベランダ のある建物が 52% と半数以上あること、河川に対する方角 は概ね均等に分布していることなどが読み取れる。 4-2-2 区間単位での割合  沿川建物特性の区間ごと割合を調査しその分布を示す。 Ⅰ 建物用途の割合  区間ごとの建物用途の割合の分布を図 9 に示す。対象地 は住宅市街地であるが、調査の結果からも戸建住宅と集合 住宅の割合が主な用途であることが把握された。しかし事 務所や商/工併用住宅も割合は低いもののゼロでは無い。 Ⅱ 河川側に向いたベランダの有る建物割合  河川側に向いたベランダがある建物の割合の分布を図 9 に示す。ベランダの有る建物割合が 80 ~ 100% である 9n,10n,15n,16n,31n の 5 区間は何れも河川に対して北岸に 位置する区間である。 Ⅲ 築年数割合  建物築年数 40 年未満である建物の割合の分布を図 9 に 示す。対象地において築 40 年未満の建物が多いが、少な からず築 40 年以上の建物も分布していることが分かった。 Ⅳ 河川に対する方角  方角に関しては 1 区間において基本的に同じ方向を向い ているため区間ごとの割合の分布は示さなかった。おおむ ね均等に分布していることが地図からわかる。 5 章 河川管理用通路の実態と沿川建物特性の関連  本章では河川管理用通路の実態と沿川建物特性の関連 を統計的分析により明らかにする。 5-1 分析方法  まず河川管理用通路の実態 3 段階毎 (3-a,3-b,3-c を区 別)に、沿川建物特性の割合を建物単位、区間単位で算出 した(表 3,4)。続いて、河川管理用通路の実態全 3 段階 の間に、沿川建物特性の平均値の差があるのかという点を 一元配置分散分析(11) によって検定した(表 5,6)。尚、第 3 段階の 3-a,3-b,3-c についてはそれぞれ該当箇所数が少 なく統計分析に適さないためひとまとめで分析し、それぞ れの特徴については別途 5-5 で考察する。次に河川管理用 通路の 3 段階の評価の間に差があると判断できた沿川建物 特性について、具体的にどの段階とどの段階の間に差が あるかという点を、多重比較法により検定・把握した(表 7,8)。最後に、差があると考えられる河川管理用通路の実 態について、沿川建物特性がどのように影響しているかと いう点を考察により把握した。 5-2 河川管理用通路の実態に差のある沿川建物特性 5-2-1 建物単位  表 3,5 の分析結果から、河川管理用通路の実態 3 段階の 間に差のある沿川建物特性を把握した。明確に差がある ( 有意確率が 0.05 以下 ) と考えられるのは、Ⅰ建物用途 のうち戸建住宅、集合住宅、商/工併用住宅、Ⅱ河川側に 向いたベランダの有無、Ⅲ築年数 40 年未満の建物、さら にⅣ河川に対する方角のうち西側と南側と北側であった。 また有意確率はやや高くなるものの差がある可能性が高 い沿川建物特性としてはⅠ建物用途のうち事務所建築が あげられる。 5-2-2 区間単位  表 4,6 の分析結果から、河川管理用通路の実態 3 段階の 間に差のある沿川建物特性を把握した。明確に差がある(有 意確率が 0.05 以下)と考えられるのは、Ⅰ建物用途のう ち商/工併用住宅、Ⅱ河川側に向いたベランダの有無、さ らにⅣ河川に対する方角のうち北側であった。また有意確 率はやや高くなるものの差がある可能性が高い沿川建物 特性としては、Ⅳ河川に対する方角のうち南側であった。 5-3 沿川建物特性ごとの河川管理用通路の実態の差 5-3-1 建物単位 表 2 沿川建物特性割合(建物単位) 23 24 21 52 32 42 25 14 11 26 636 Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数 Ⅳ河川に対する方角 戸建住宅 全建物数 (軒) 集合住宅 事務所 商 / 工 併用住宅 有り 40 年未満 東 西 南 北 沿川建物特性(%)

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Ⅰ 建物用途  戸建住宅、集合住宅、商/工併用住宅と河川管理用通 路の実態の間に関連がみられた。特に戸建住宅は河川管 理用通路の実態として第 1 段階である場合と第 3 段階で ある場合に、集合住宅は第 1 段階と第 3 段階である場合、 第 2 段階と第 3 段階である場合に、商/工併用住宅は第 1 段階と第 2 段階、第 3 段階である場合に有意差がみられ た(表 7)。具体的には戸建住宅と商/工併用住宅が隣接 する河川管理用通路は第 1 段階である場合が多く(それ ぞれ 47%,15%)、第 3 段階である場合が少ない(それぞれ 33%,5%)。また商/工併用住宅の場合は通路が第 2 段階で ある場合も少ない(5%)。 Ⅱ 河川側に向いたベランダの有無  河川側に向いたベランダの有無と、河川管理用通路の実 態の間には関連が見られた。特に河川管理用通路の実態と して第 1 段階と第 2 段階、第 3 段階である場合に有意差が 見られた ( 表 7)。具体的にはベランダの有る建物が隣接 する河川管理用通路は第 1 段階の場合が多く (63%)、第 2 段階、第 3 段階である場合が少ない(それぞれ 37%、41%)。 Ⅲ 築年数  築年数 40 年未満と河川管理用通路の実態の間には関連 がみられた。特に河川管理用通路の実態として第 1 段階で ある場合と第 2 段階、第 3 段階である場合に有意差が見ら れた ( 表 7)。具体的には築年数 40 年未満の建物が隣接す る河川管理用通路は第 1 段階である場合が比較的少なく (67%)、第 2 段階、第 3 段階である場合が多い(それぞれ 81%、82%)。 Ⅳ 河川に対する方角  河川に対して西側、南側、北側と河川管理用通路の実態 の間には関連が見られた。特に河川管理用通路の実態とし て西側は第 1 段階と第 3 段階、第 2 段階と第 3 段階である 場合に、南側は第 1 段階と第 2 段階、第 3 段階である場合に、 北側は第 1 段階と第 2 段階、第 2 段階と第 3 段階である場 合に有意差が見られた(表 7)。具体的には、南北方向に 流れる河川においては河川に対して西側の河川管理用通 路が第 1,2 段階である場合が多く(それぞれ 26%,28%)、第 3 段階である場合が低い(14%)。また東西方向に流れる河 川においては河川に対して北側の河川管理用通路が第 1 段 階の場合が多く(38%)、第 2,3 段階の場合は低い(それぞ れ 14%、34%)。また南側の河川管理用通路が第 2,3 段階で ある場合が多く(それぞれ 38%、29%)、第 1 段階である場 合は低い(10%)。 5-3-2 区間単位 Ⅰ 建物用途の割合  商/工併用住宅の割合と河川管理用通路の実態の間には 関連が見られた。特に河川管理用通路の実態として第 1 段 階である場合と第3段階である場合に有意差がみられた(表 有意 確率 p 有意確率 P≦0.05 有意確率 P≦0.1 .123 .607 .577 .001 .714 857 .968 .095 .044 全 3 段階間 Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数 Ⅳ河川に対する方角 戸建 住宅 集合住宅 事務所併用住宅商 / 工 有り 40 年未満 東 西 南 北 沿川建物特性 .027 表 4 通路の実態 3 段階毎の沿川建物特性割合(区間単位) Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数Ⅳ河川に対する方角 戸建 住宅 集合住宅 事務所併用住宅商 / 工 有り 40 年未満 東 西 南 北 第 1 段階 第 2 段階 全体 沿川建物特性 管 理用通路の実 態 単位: (%) 該当 区間数 ( 区間) 3 2 65 31 21 8 50 16 19 9 27 15 13 44 24 54 17 30 19 10 15 0 0 16 3 18 21 0 14 18 36 51 52 23 21 13 10 5 7 32 17 6 13 24 22 0 0 6 19 52 0 18 18 27 12 27 15 2 18 52 12 17 27 10 19 8 17 0 0 60 0 33 26 57 15 15 3 ※1 1 列目「該当区間数」の単位は%ではなく区間である。 ※2 長さを基準に割合に換算しているため、またⅠ建物用途に関してはこれらの主な 4 用途以    外の用途も含まれているため、各項目の合計が 100(%)になるわけではない。 3-a 第 3 段階 3-b 3-c 表 6 通路の実態全 3 段階の間での有意差有無の検討(区間単位) 表 8 各通路の実態の組み合わせ間での有意差有無の検討 (区間単位) 有意 確率 p 因子 : 河川 管 理用通路の実 態 .020 .020 .011 .011 ※等分散の場合は Turkey HSD、等分散でない場合は Games-Hoewell の方法で得られ  た値を示している。 有意確率 P≦0.05 .084 .084 .876 .876 .004 .759 .759 .004 .035 .150 .150 .035 .171 .171 .905 .905 第  段 階 1 第 2 段階 第 2 段階 第 3 段階 第 1 段階 第 3 段階 第 1 段階 第  段 階 2 第  段 階 3 Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数 Ⅳ河川に対する方角 戸建 住宅 集合住宅 事務所併用住宅商 / 工 有り 40 年未満 東 西 南 北 沿川建物特性 .264 .998 .264 .998 表 5 通路の実態全 3 段階の間での有意差有無の検討(建物単位) 有意 確率 p 有意確率 P≦0.05 有意確率 P≦0.1 .014 .001 .069 .000 .000 .238 .002 .000 .000 全 3 段階間 Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数 Ⅳ河川に対する方角 戸建 住宅 集合住宅 事務所併用住宅商 / 工 有り 40 年未満 東 西 南 北 沿川建物特性 .000 表 7 各通路の実態の組み合わせ間での有意差有無の検討 (建物単位) 有意 確率 p 因子 : 河川 管 理用通路の実 態 .000 .000 .000 .000 ※等分散の場合は Turkey HSD、等分散でない場合は Games-Hoewell の方法で得られ  た値を示している。 有意確率 P≦0.05 .000 .000 .999 .999 .016 .016 .172 .172 .655 .655 .001 .001 .986 .986 .002 .002 .000 .737 .737 .000 .001 .001 .001 .950 .950 .001 .000 .000 .890 .006 .890 .009 .006 .009 .000 .000 .722 .722 .000 .000 第  段 階 1 第 2 段階 第 2 段階 第 3 段階 第 1 段階 第 3 段階 第 1 段階 第  段 階 2 第  段 階 3 Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数 Ⅳ河川に対する方角 戸建 住宅 集合住宅 事務所併用住宅商 / 工 有り 40 年未満 東 西 南 北 沿川建物特性 .000 .275 .000 .275 Ⅰ建物用途 ⅡベランダⅢ築年数 Ⅳ河川に対する方角 戸建 住宅 集合住宅 事務所併用住宅商 / 工 有り 40 年未満 東 西 南 北 第 1 段階 第 2 段階 3-a 第 3 段階 3-b 3-c 全体 沿川建物特性 管 理用通路の実 態 単位: (%) 該当 軒数 ( 軒) 6 15 338 157 120 67 26 26 10 81 20 12 33 0 23 0 24 100 21 5 20 15 12 21 0 0 0 38 33 33 0 0 7 100 0 28 63 17 13 52 37 46 25 23 38 32 14 41 39 83 36 12 6 ※1 1列目「該当区軒数」の単位は%ではなく軒である。 ※2 Ⅰ建物用途に関してはこれらの主な 4 用途以外の用途も含まれているため、各項目の合計    が 100(%)になるわけではない。 47 38 0 40 42 20 141 33 38 12 5 41 82 21 14 29 34 25 14 11 83 73 74 636 表 3 通路の実態 3 段階毎の沿川建物特性割合(建物単位)

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8)。具体的には第 1 段階である場合には商/工併用住宅割 合が高く(10%)、第 3 段階である場合には割合が低い(2%)。 Ⅱ 河川側に向いたベランダの有る建物割合  河川側に向いたベランダの有る建物の割合と、河川管理 用通路の実態の間には関連が見られた。特に河川管理用通 路の実態として第 1 段階である場合と第 2 段階、第 3 段 階である場合に有意差が見られた ( 表 8)。具体的には第 1 段階である場合にはベランダの有る建物割合が高く(44%)、 第 2 段階、第 3 段階である場合には割合が低い(それぞれ 24%、18%)。 Ⅲ 築年数割合  築年数別の建物割合と河川管理用通路の実態の間には 関連が見られなかった。 Ⅳ 河川に対する方角  河川に対して北側にある建物割合と河川管理用通路の 実態の間には関連が見られた。またやや関連性は弱いもの の、河川に対して南側にある建物割合との間にも関連が見 られた。  河川に対して北側にある建物割合に関しては特に河川 管理用通路の実態として第 1 段階である場合と第 2 段階で ある場合に有意差が見られた(表 8)。具体的には第 1 段 階である場合には河川に対して北側にある建物割合が高 く (27%)、第 2 段階である場合には割合が低い (6%)。  河川に対して南側にある建物割合に関しても河川管理 用通路の実態として第 1 段階である場合と第 2 段階である 場合に比較的差がある確率が高い(有意確率 p の値が小さ い、表 8)。具体的には第 1 段階である場合には河川に対 して南側にある建物割合が低く(9%)、第 2 段階である場 合には割合が高い(27%)。 5-4 河川管理用通路の実態と沿川建物特性との関連につ いての考察  本節では、河川管理用通路の実態と沿川建物特性の関連 についての建物単位、区間単位両方での統計的分析結果を もとに考察を行う ( 図 10)。 Ⅰ 建物用途  建物単位で分析した表 3,5,7 によれば、戸建住宅、商/ 工併用住宅が沿川に多いことは、河川管理用通路の評価に 対して負の相関にあると考えられる。また集合住宅は正の 相関にあると考えられる。また区間単位で分析した表4,6,8 からも商/工併用住宅が沿川に多いことは、負の相関にあ ると考えられる。このような関係性の要因を本研究で扱っ たデータから探ることには限界があるため、本研究ではこ の関連性を述べるにとどまる。 Ⅱ 河川側に向いたベランダの有無  建物単位で分析した表 3,5,7 によれば、河川側に向いた ベランダの有る建物が多いことは、河川管理用通路の評価 に対して負の相関にあると考えらえれる。また、区間単位 で分析した表 4,6,8 を見ても同様に考えらえれる。これは、 3 章で河川管理者から把握できたプライバシー・防犯意識 が河川管理用通路の閉鎖につながるという知見が、統計的 分析からも把握できた結果であると推察できる。 Ⅲ 築年数  建物単位で分析した表 3,5,7 によれば、築年数 40 年未満 の建物が多いことは、河川管理用通路の評価に対して正の 相関にあると考えられる。このような関係性の要因を本研 究で扱ったデータから探ることには限界があるため、本研 究ではこの関連性を述べるにとどまる。 Ⅳ 河川に対する方角  建物単位で分析した表 3,5,7 によれば、北岸に建物が多 いことは河川管理用通路の評価に対して負の相関に、逆に 南岸にある建物は正の相関にあると考えられる。また区間 単位で分析した表 4,6,8 をみても同様に考えられる。これ は、建物の南北がベランダも含めた住戸の計画に影響を与 えているためであり、ベランダの有る建物の割合と同様に 3 章で河川管理者から把握できたプライバシー・防犯意識 が河川管理用通路の閉鎖につながるという知見が、統計的 分析からも把握できた結果であると推察できる。 5-5 通路の実態第 3-a,3-b,3-c 段階と沿川建物特性の関 連についての考察  統計分析で結果が得られなかった第 3 段階中の第 3-a,3-b,3-c 段階について、該当箇所に着目することで沿川建物 特性との関連を考察する。  通り抜け路のある段階(3-a、3-c):通り抜け路のある区 間のうち 15s については、沿川企業が社屋建替の際に総合 設計制度を活用し公開空地を設けた結果通り抜け路が形成 されていた。また区間 12e,13e,17s,19n については近くに 存在する公園とをつなぐ通り抜け路となっており、公園の 立地が影響していると考えられる。  歩行連続性のある段階(3-b、3-c):歩行連続性のある区 間については沿川建物特性との関連は考察できなかった。 しかし歩行連続性のある区間の間を通る橋は、いずれも片 側 1 車線以下と比較的狭幅員の道路に限られていた。 無 多 少 負の相関の 方向 正の相関の 方向 凡例 多   割合の 多少の方向 少 割合の多少 河川管理用通路の実態 通路の実 態 に影響する沿川 建物 特性 商 / 工併用住宅 集合住宅 河川に向いたベランダ 河川に対して北岸 河川に対して南岸 多 多 多 多 多 少 築年数 40 年未満 少 少 少 少 戸建住宅 多 多 少 少 未開放通路 1 段階 開放通路 2 段階 3 段階 通り抜け路 を有する 開放通路 歩行連続性 を有する 開放通路 3-c 3-b 3-a T T T T T T K K K T K T K 建 物単位の分析か ら 見 ら れ た関 連 区間単位の分析か ら 見 ら れ た関 連 図 10 河川管理用通路の実態の向上に向けた特性と課題

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6 章 まとめ  本研究は、既成の住宅市街地における、開放状況・アク セス性といった河川管理用通路の実態と沿川建物の特性 に着目した。そしてそれらの関係性について、現地踏査を 含む詳細な調査と分析から明らかにした。その結果、河川 管理者が河川管理用通路の開放に向けた課題として認識 している「近隣住民のプライバシー」「防犯意識」が、< ベランダが有る建物の多い区間>、<北側に河川がある建 物の多い区間>、<建物用途に戸建住宅、商/工併用住宅 が多い区間>において強く作用していることが明らかに なった。  また調査対象地における河川管理用通路の実態は、開放 しているものが半数程度、第 3 段階に達しているものは 2 割程度にとどまっていることがわかった。特に、沿川建物 において、一般的に住宅はベランダを南向きに設置するこ とが多く、プライバシーや防犯に対する危惧から河川の北 岸は河川管理用通路の開放すら難しい状況にある。  以上、河川管理用通路の開放に向けては、河川に対する 沿川建物の方位を考慮したきめこまやかな対応が求めら れる。本研究では沿川空間に限定して調査分析した結果、 河川管理用通路の利活用促進に向けて河川管理用通路の 南岸が比較的開放しやすいことが明らかにされた。接続す る公園・公開空地等の沿川空間整備及び横断歩道設置を 南岸の河川管理用通路において優先的に進めることが提 案される。しかしながら、河川管理用通路の開放にあたっ ては、本研究で扱った沿川空間のみならず周囲の市街地に おける様々な文脈にも考慮した上で整備されることが望 まれる。 【補注】 (1) 国土交通省でも魅力ある水辺空間の創出の推進を河川利用の高度 化に関する検討会の取りまとめ結果として挙げている。国土交通省 (http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo02_hh_000007.html、 閲覧日 2017 年 10 月 30 日 ) (2)「河川敷地占用許可準則の特例措置」により河川区域内の占用主体 や施設に対する規制緩和が図られ、河川局長が指定した河川区域に おいて民間事業者による占用及び営利活動が可能となった。 (3)「河川とそれに繋がるまちを活性化するため、地域の景観、歴史、 文化及び観光基盤などの「資源」や地域の創意に富んだ「知恵」を 活かし、市町村、民間事業者及び地元住民と河川管理者の連携の下、 河川管理者が「かわまちづくり」の取組みを支援し、河川空間とま ち空間が融合した良好な空間形成を目指すことを目的とする。」と 国土交通省は示している。 (4) 江東内部河川とは荒川と隅田川に挟まれた江東デルタ地帯を流れ る、旧中川、大横川、大島川西支川、大横川南支川、北十間川、横 十間川、仙台堀川、平久川、小名木川、竪川、越中島川の計 11 河 川の総称である。 (5) 文献 12 と実地調査により著者が作成した。 (6) 文献 3 より親水公園経路選択において「歩行空間の連続性」が大 きく影響しており、また「他公園との接続点や目的施設に近い路」 が配置されている路の利用者が多いことが示されている。 (7) Ⅱベランダの他にも、窓の形状や居室の配置等のプライバシーや 防犯意識に影響を与える沿川建物特性は存在すると考えられるが、 それらはカーテンや家具の配置等の工夫により影響の軽減が可能で ある一方で、ベランダは直接的に河川管理用通路に接しているため、 プライバシー・防犯意識により影響を与える要素だと判断し、本論 文で着目した。 (8)40 年前後で分けた理由としては、S.46 年の江東内部河川整備事業 で策定された護岸整備計画前後に建てられた建築を比較することが 可能となるためである。 (9) 調査対象年は現時点で最新の「2016 年」、40 年前の「1977 年」とした。 (10) これは沿川の街区が橋によって区切られ、河川管理用通路もそれ に伴っており河川管理用通路の開放/閉鎖実態が橋~橋間の性質に 因ると考えられるため、また今後整備の指針を示すにあたって優先 して整備すべき区間の選定を容易にすると考えられるためである。 (11) 分析には SPSSver.23 を用いた。 【参考文献】 1) 田島佳征 , 渡辺秀俊 , 畔柳昭雄 (1997),「高密度住空間における水 辺空間の効果に関する研究-居住者の生活習慣より見た水辺空間の 効果-」, 日本建築学会計画系論文集 62(494),pp.277-284, 2) 畔柳昭雄 , 田中郁臣 (2002),「都市小河川の環境整備が行政・住民・ 小学校に及ぼす影響と三者の役割-水辺環境整備が子供の水辺との 関わりに及ぼす影響に関する研究-」, 日本建築学会計画系論文集 67(553),pp.253-260 3) 上原奏 , 佐藤宏亮(2016),「親水公園の歩行空間の連続性に着目 した高齢者の移動経路に関する研究ー江東区の親水公園を対象とし てー」, 都市計画論文集 ,Vol.51,No.3,pp.299-304 4) 菅原遼 , 畔柳昭雄(2016),「水辺の社会実験から見た河川区域の空 間利用と地域連携に関する研究ー空間構成と事業スキームに着目し て」, 日本建築学会計画系論文集 81(722),pp.971-981 5) 圓道寺ゆみ , 宮脇勝(2014),「規制緩和に伴う河川沿いの占用と利 用に関する研究 : 水都大阪官民一体事業の特徴と利用状況に着目し て」, 都市計画論文集 49(1),pp.33-40 6) 菅原遼 , 坪井塑太郎 , 畔柳昭雄(2014), 「運河ルネサンス事業に おける運河の利用実態と課題」, 環境情報科学論文集 ceis28(0), pp.413-418 7) 藤本和男 , 嘉名光市 , 赤崎弘平 (2011),「公共空間を利用した外 部地先利用空間の利用実態と評価に関する研究」 都市計画論文集 46(1), pp.63-68 8) 小田龍聖 , 脱穎 , 深町加津枝 , 柴田昌三 (2017),「京都市白川にお ける都市内河川の空間構造に対する住民の選好性」, 日本緑化工学 会誌 43(1),pp.92-96 9) 菅原遼(2015),「大岡川下流域の河川利用に見られる地域連携の特 徴」, 環境情報科学論文集 ceis29(0), pp.219-224 10) 猪股弘樹 , 横内憲久 , 岡田智秀(2001),「都市内運河の特性と空間 構成に関する歴史的研究ー東京都江東区の運河を事例としてー」  土木計画学研究・論文集 18, pp.331-338 11) 石川浩 , 丸岡武史 (2000),「まちづくりからみた河川管理用通路の 在り方」, リバーフロント研究所報告 (11), pp.377-384 12) 東京都(2016),「江東内部河川整備計画」 13) 東京都(2016),「隅田川整備計画」 14) ゼンリン(2016),「ゼンリン住宅地図東京都江東区 2016」, 住宅 新報社 15) 東京都都市整備局(2011),「東京都土地利用現況図」 16) ゼンリン(1977),「ゼンリン住宅地図東京都江東区 1977」, 住宅 新報社 17) 国土地理院(2017),「基盤地図情報」 18) 江東区(2011),「江東区都市計画マスタープラン」

参照

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