一般 演 題 〈実践 報 告 〉 生/性 の教 育
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思 春 期 保 健 に お け る病 棟 助 産 師 の 役 割 と は
一若者達との関わり方からケアや指導について考える―
高岡市民病院 ○廣 上 ひ とみ I.緒 言 当院 では 、2000年4月 よ り思 春期外 来 を開設 した。 受 診者 の 多 くは 中高 校 生 で あ り、続 発 性無 月 経 、月経 不 順 、月 経 困難 症 な ど月経 に関 す る もの が70%以 上 を 占めて い るが 、性感 染 症(以 下STD感 染)に よ る受診 者 は少 な い。 しか し病棟 に入院 して くる十代 の若 者 は、 STD感 染 に よる骨 盤 腹膜 炎(以 下PID)や 分 娩 、流 産 に よ る緊 急入 院 で あ り、対 象 年齢 は段 々 低 年齢 化 してい る。 そ の ほ とん どの若者 達 は 、妊 娠やSTD感 染症 につ い て の正 確 な 知識 を 持 たず 、 そ のた め か 自分 か らは積 極 的 に避 妊 を行 わ ない状 況 が あ る。 私 達 病棟助 産師 が思 春期 の若 者 達 に どの よ うに関 われ ば 、受 け入 れ られ る ケ アや 指 導 を行 うこ とが で き るの だ ろ うか、 事例 か ら考 えて見 た い と思 う。 II.実 践 内容 1.目 的:妊 娠及 びSTD感 染 が理 解 で き、BBT測 定 と コン ドー ムに よ る避 妊 が で き る。 2.期 間 と対象 者:2003年5月 ∼6月 入 院 した 十代 の患者3名 3.介 入 方 法1)時 期:症 状 が緩 和 した 頃 に思 春期 病歴 表 にて問診 し、相 談 記 録 用紙 を利用 して、退 院 指 導 を行 う。2)内 容:① 話 を熱 心 に聞 く② 具 体 的 な知 識 を教 え る③ 自発 的行動 を 引 き出す④ 自分 の行 動 に責任 を持 たせ る⑤ 将来 何 にな り た いか 目標 を持 た せ る。 <事 例I>入 院 中 は、母 親 が 片時 も離 れ ず 、ス タ ッフが話 しか け る と母 親 が 先 に答 えて しま う。母 親 が いつ も側 にい て 、彼 女 自身 か ら話 を聞 くタイ ミン グが なか なか 取れ ず に <表1.事 例I> いた が、退院 診 察後 、指導 を行 うこ とがで き た。 「彼 氏 と会 えるの は 月 に1回 位 で 、 これ か ら は受験 勉 強 で忙 しくな るか ら、 会 え な くな るか も知 れ ない。 母 親 は彼 氏 の存在 を 薄 々気 づ い て い るの で 、監 視 が きつ くな る と思 う。 病 気 の説 明 につ い てSTD感 染 と医師 よ り説 明 を受 け た 」 と 目を合 わ さず 話す 。STD感 染 とBBT測 定 につ いて 説 明す る と、婦 人 体 温 計 が母 親 に見 つ か った ら、何 を言 わ れ る かわ か らな い ので 、母 親 に も説 明 して欲 しい と言 う。母親 と3人 で 面談 。BBT測 定 につ い て母親 は最 初 「そん な もの は必 要 な い」 と否 定 して い た が 、体 の調 子 を見 る ときに も利 用 で き る こ とを話 す と、BBT測 定 す る こ とを許 可 した。 〈事 例II〉 人 工妊 娠 中絶5日 目に再入 院 す るが 、性 器 出血 もな く内診 所 見 も問題 な い。指導 164 日本 助 産 学 会 誌 第17巻 第3号(2004.3)時 、話 を聞 く。 「母 親 は私 に包丁 を突 きつ けて 、本 当 にバ カ な子だ と言 った。私 は本 当 に怖 か った。 コ ンパ ニ オ ンや レジの アルバ イ トを して働 い て い た。 堕す の が いや だ か ら好 き な人 が で きて も、 セ ック スは しな い」 と自分 の言 葉 に怒 りなが ら話 した。BBT測 定 とSTD感 染 ・避 妊方 法 を説 明 した あ と 「今 は 、お金 を貯 め てアパ ー ト暮 ら しが した い か ら、 じい ち ゃ ん の家 にい て、頑 張 っ てお金 を貯 め るこ とにす る」 と答 え た。 〈事例III〉セ ックス した相 手 は複 数 で 、感 染 した相 手 は 不 明で あ る。 病 室 で は カーテ ン を一 日中 引 き、他 の 患者 とは 交わ らない。 友 達 との面会 が多 いた め に部 屋 に居 らず 、指 導 は就寝 後 に実 施 す る。「定 時制 高校1年 時 に プチ 家 出 を し た。 学校 に行 か な かっ たの で学 校 か ら退学 届 け が来 た が、 母親 は深 いた め 息だ け して 何 も言 わな か った。 飲 酒 してい た こ とを母 親 が 学校 に言 わ なけれ ば、 退 学 にな らな くて済 んだ の に。 母 親 とは うま くいって ない 。生 活 は 、昼 起 きて 夜 は アル バイ ト先 で ご飯 を食 べ る。 好 きに なれ ばセ ック ス は しか たな い。 今 好 きな人 がい るの で、 も うバ カ な こ とは しな いつ も り」 と一 方 的 に 自分 の こ とを話す 。BBT測 定 と 〈表2.事 例II〉 〈表3.事 例III〉 コン ドー ム での 併 用 で避妊 を確 実 に行 うよ う説 明 したが 、女性 用 コン ドー ムの使 用希 望 が あ り指 導 を行 った 。STDに 感 染す る と、知 らな い うち に感 染 者 とな り相 手 に感染 させ てい るこ と、感 染 を繰 り返せ ば不妊 にな る可能 性 が 高い こ とを十分 に伝 えた。「避 妊 は相 手 にお 任 せ だ っ た け ど、 これ か らは私 も相 手 に病 気 を移 さない た め に も避妊 す る」 と話 す 。 III.考 察 自分 自身 の性 意 識 と向 き合 うこと もで きない うちに起 こる十代 の若 者 達 の性 行 動。 妊 娠 ・ STD感 染 ・中絶 な ど、 知識 が貧 しい ため に生 じた状 況 を、病 気 とは受 け止 め られ な い若 者 達 に、私 達 が一 方 的 な指 導 を行 なえ ば、受 け手 側 の若 者達 は理 解 しよ うとは思 わな い で あ ろ う し、意 識 も変 えな い と思 う。 で は私達 は、入 院 した 思 春期 の若者 達 に ど う関 わ って い け ば 良 い の だ ろ うか?ま ず 、信 頼 関係 を構 築す る こ とで あ る。 そ れ には 、若者 達 と接 す る時 間 を多 くと り、 よ く話 を聞 き否 定 的態 度 は とっ ては い けな い。 若 者達 が 「病 院 には信 頼 で き る大人 が い る」 と私 達 を認知 して くれ るこ とが 大事 なの で あ る。 ま た、私 達 が入 院 中 のケ ア を行 う 時 に 大切 な こ とは 、 自主 性 を尊 重 した対 応 が とれ る こと、退院 指導 時 に は、 それ ぞ れ の 生 き 方 を模 索 で き る よ うサ ポー トで き るこ とで ある。各 事 例 に介入 方法 を実践 した結 果 、各 事例 の若 者 達 は 、避 妊 の必要 性 やSTD感 染 につ い て理解 し、避 妊 につ い ては 自分 も参 加 す る意識 を持 っ た。しか し退 院 後 、与 え られ た知識 と意識 が どれ だ け生活 の中 で生 か され てい るか は 、 病棟 助 産 師 と して は把握 で きない も どか しさが あ る。 病棟 助 産師 の思 春期 保健 の役 割 は、若 者 達 と継 続 的 に 関 わ る こ とが必要 で あ る。 そ の 手段 と して病 院 を地域 に開放 し、場 所 と人材 を地 域 が活 用 で き るシステ ム作 りも有 効 で あろ うし、病棟 助 産 師側 は 、保 健 セ ンタ ーや 学校 な どに 出 向 き、 気軽 に若者 達 の相 談 に乗 れ る よ うな取 り組 み を して い か なけれ ば な らな い。
一般 演 題 〈実 践 報告 〉 生/性 の 教 育
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中学生の性教育 に関す る検討
―大 学 生 によるか か わりの効 果 ―
鳥取大学医学部保健学科 ○前 田 隆 子 植 田 彩 佐 々 木 くみ 子 鈴 木 康 江 片 山 理 恵 I緒 言 近 年 、 若 年 者 の性 感 染 症 や 十代 の妊 娠 、 中 絶 な どの 性 関 連 問題 が増 加 し、 「す こや か親 子 21」 で も思春 期 対 策 が 重 要 な課 題 で あ る。 高 校 生 を対象 と した対 策 で はす で に 遅 く1)、 で き るだ け早 期 の対 応 が 必 要 と考 え られ る。高 村 ら2)は 、若 年 者 へ の対 応 と して 、 ピア カ ウ ンセ リン グの有 効 性 を報 告 して い る。 本 報 告 で は 、大 学 生 に よ る中 学生 対 象 の性 教 育 の 有効 性 を 検 討 す る こ とを 目的 と した。 II実 践 内 容 鳥取 県 内1中 学 校 の2年 生57名(男 子27名 、女 子30名)、2ク ラ ス を対 象 に 、大 学 生 に よ る性 教 育 を実 施 した。 実 施 は2003年7月 初 旬 で、90分 の授 業 時 間 内で あ った 。 教 育方 法 は 、説 明 につ い て は 一斉 に行 い 、小 グル ー プ で の話 し合 い(8グ ル ー プ)を 組 み 合 わせ た。 教 育 の テ ー マ は性 の 自己決 定能 力 の 育 成 で あ り、プ ログ ラ ム は高 村 ら2)に 準 じ、 ラポ ー ル ゲ ー ム、 「理 想 の彼 氏 、彼 女 」、 「付 き合 うっ て ど うい うこ と」、 「人生 設 計」、 「妊 娠 した ら ど うす る」、 「自 己決 定 と責 任 」 で あ った。 主 に担 当 した大 学 生 は4年 生 で 、 グル ー プ で の 話 し合 い の 中に は3年 生 が 参 加 した。 大 学 生 は全 て 助 産 学 を学習 し、 ピア カ ウンセ リン グ に つ い て も 学 習 して い た。 事前 に性 関連 行 動 等 の 実 態 調 査 、お よび 終 了 直 後 に学 習 の効 果 をみ る た め の 無記 名 自記 式 質 問紙 調 査 を実 施 した。記 入 は 自由意 志 に よ る こ とを説 明 し、記 入 時 間 を設 けた 後 回 収 した。 後 の調 査 内 容 は1,性 の イ メー ジ を あた た か い 、冷 た い な どの言 葉 につ い て、 「全 く思 わ な い」 か ら 「非 常 にそ う思 う」の4段 階 の選 択 肢 、2,性行 為 を持 ちか け られ た 際 の態 度等 で あ った。 統 計 処 理 はSPSSII.OIJ(SPSS社)を 用 い た。 III結 果 1.当 日の プ ロ グ ラ ム に対 す る反 応 質 問 紙 で 「楽 しくな か っ た」 と回 答 した者 は 男子1名 で あ り、 そ の 他 の 者 は 「楽 しか っ た 」 と回 答 してい た。 小 グル ー プ で の話 し合 い は 、前 半 で の 発 言 が 少 な か っ た。 2・ 事 前 ア ンケー トに よ る性 関 連行 動 は性 交2%、 ペ ッテ ィン グ2%、 キ ス7%で あ った。 3・ 事 後 ア ンケ ー トに よ る性 行 為 を持 ちか け られ た 際 の 態 度 を 問 う質 問 の 回 答 166 日本助 産 学 会 誌 第17巻 第3号(2004.3)「は っ き り断 る」35名 、 「そ れ とな く断 る」14名 、 「分 か らな い 」7名 で あっ た。 分 か ら ない と した理 由 で は 「気 分 次 第 」 「嫌 わ れ た くな い」 等 が記 述 され た。 4.言 葉 か ら推 測 され る性 の イ メ ー ジ 言葉 につ い て 、 「全 く思 わ な い」か ら 「非 常 にそ う思 う」 3点 を配 して集 計 した 。 内 部 一 貫性 を検 討 し、 「下 品 」 「冷 た い 」 「悲 しい 」 な ど7語 か らの 陰 の イ メー ジ点 数 と、 「暖 か い 」 「きれ い」「楽しい」 な ど7語 か らの 陽 の イ メー ジ点数 を 算 出 し、 関連 を図1に 示 した。 5.性 行 為 に対 す る態度 と性 のイ メー ジ 点数 の 関連 性 行 為 に 対す る態 度 の解 答 と関連 す る と考 え られ る 因 子 との関 連 をみ た 。 「分 か らな い」 で 陽 の イ メー ジ 点数 が有 意 に 低 か った(P<0.05)(図2)。 図1陰 と陽 イ メー ジ の 関 連 IV 考 察 将 来 を 見据 え 、責 任 の もて る 自己決 定 の 必 要 性 図2性 に 対 す る 熊 度 別 イ メ ー ジ 点 数*:P<0.05 に気 付 かせ る こ とを 目的 に実 施 した。 しか し、性 交 につ い ての態 度 を、 終 了直 後 で も 「分 か らない 」 とす る者 が あ り、1回 の介 入 で は 効果 が薄 い こ とが判 明 した 。性 の イ メ ー ジで は陽 と陰 の イ メー ジ を混 在 して い る状 況 で あ り(図1)、 中学2年 生で す で に性 関 連行 動 を体 験 し てい る者 と 自分 の こ と と して 考 え る には 無理 の あ る者 、 また 身体 発 育 で 第 二 次性 徴 を 見 ない 者 の存 在 な ど体 験 や 成 長 発 達 の差 が大 き く、集 団 で の性 教育 の難 しさを痛 感 した。態 度 で 「分 か らな い」 と した者 で陽 の イ メー ジ点 が 低 い(図2)こ とに これ らの 心 身 状 況 が 影 響 してい る と も推 察 され 、継 続 した 見 守 り、適 切 な 関 わ りが 必 要 で あ る。 ス ター ト時 に は性 につ いて 語 る とい う形 式 に戸 惑 いが み られ たが 、 終 了時 には 楽 しか った とす る者 が ほ とん どで あ り、 有効 な教 育 法 で あ る と考 えた。 実 施 に 当た っ て は、 グル ー プ の編 成 、 会場 の 広 さな ど詳 細 な 詰 め が 必 要 で あ り、 担 当者 の 資 質 の 向 上 が重 要 で あ る。 V 今 後 の 課 題 大 学 生 は 中学 生 の ピア とは言 い難 い が、 よ り近 い年 代 で あ り、 中 ・高 校 生 の相 談 者 と して 社 会 に貢 献 して い け る よ うに継 続 した 資質 向上 の努 力 を した い と考 えて い る。 文献: 1) 島 崎 継雄 (1995), 日本 にお け る青 少 年 の性 行動, ペ リネイ タル ケ ア, 14(3), 237-242. 2) 高村 寿 子 (1999), 性 の 自己決 定 能力 を育 て る ピアカ ウンセ リン グ, 東 京, 小 学館.
一 般演 題 〈研 究 〉 生/性 の 教 育
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高 校 に お け る性 教 育 の 実 態 と高 校 生 の ニ ー ズ
ー男女差による比較―
新潟県立看護大学 ○加 城 貴 美 子 和 田 佳 子 笹 野 京 子 阿 部 正 子 西 方 真 弓 高 塚 麻 由 新潟県立看護短期大学 高 橋 初 美 小 林 美 代 子 I緒 言 女性 の生 涯 を通 じた健 康 を考 え る上 で次 世 代 の 性 に関 す る健 全 な 育 成 が 重 要 とな る.そ の た め に は子 ども を産 む 準備 の期 間 とな る思 春期 か らその 健 康 と教 育 が 重視 され る.し か し, 現 代 の社 会 環 境 は,マ ス メ デ ィア か らの情 報,携 帯 電 話,パ ソコ ン ・イ ン ター ネ ッ トな どの 普 及 に よ る情 報 化 の進 展 に よ り,思 春 期 の性 意 識,性 行 動 が 開放 的 か つ活 発 化 して い る.そ れ に伴 い若 年 妊 娠,人 工 妊 娠 中絶,性 感 染 症 が低 年 齢化 し,社 会 問題 とな って い る.し か し, 学 校 で お こな わ れ て い る性 教 育 の実 態 につ い て の 資 料 は 少 な い.そ こ で,今 回,高 校 生 が受 け とめて い る性 教 育 につ い て の実 態 とニー ズ を明 らか に す るた め に調 査 を行 い 男 女別 に 比較 検 討 を行 った. II方 法 1対 象:N県 内 の高 校 に 通 う高校 生855名.2内 容:学 年,性 別,性 教 育 に 関 す る調 査 は、 第5回 青 少 年 の性 行 動 全 国調 査 か ら一 部(性教 育 受 講 の 有 無,性 教育 の 内容,性 教 育 の有 用性, 知 識 につ い て 知 りた い 内容,)を 用 い た.3方 法:半 構成 的 質 問 紙 に よる調 査.質 問紙 は プラ イ バ シー保 護 の た め,す べ て 無 記 名 と し,各 自で封 筒 に入 れ,厳 封 後 回 収 した.4期 間:平 成15年2月 ∼3月.5分 析 方 法:男 子 と女子 とに分 け,百 分 率 の 差 の検 定 を行 っ た.な お, 統 計処 理 は汎 用統 計 学 パ ッケー ジSTATISTICAを 用 い た.6倫 理 的配 慮:学 生 に は,自 由参 加 で あ る こ と,無 記 名 で あ る こ とを書 面 で の提 示 と説 明 を行 い,同 意 の 得 られ た 高 校 生 に質 問紙 を 配 布 した. III結 果 対 象:回 収 は825名96.5%で,そ の うち有 効 回 答 は815名(98.8%)で あ っ た.対 象 は,男 子 281名(1年 生144名51.2%,2年 生137名48.8%),女 子534名(1年 生274名51.3%,2年 生260名48.7%)で あ っ た.1.性 教 育 受 講 の有 無:学 校 で の 性 教 育 を受 け て い る の は98.1% で あ っ た.今 ま で の性 教 育 が 役 に立 った と回答 した 男子 は58.4%,女 子 は56.1%で あ った. 2.性 教 育 の 内容:性 教 育 を受 け た 内容 で 男 子 と女 子 が50%以 上 で あ っ たの は,「 性 器 の つ く りと働 き」,「二 次 性 徴 」,「生命 誕 生 」 と 「避 妊 の 方法 」 で あ っ た.次 い で,男 子 と女 子 が 50%近 くの 回答 が あ っ た の は 「月経 」,「射 精 」 と 「性 感 染 症 」 で あ っ た.性 教 育 を受 け た内 168 日本助 産 学 会 誌 第17巻 第3号(2004.3)容 で は,「 月経 」 で 女 子 が 男 子 よ りも多 く,有 意 差(P<0.01)が み られ た。 ま た,「 男性 と女性 の心 理 や 行 動 の違 い 」 と 「男性 と女性 の役 割 」 は,男 子 が 女 子 よ り多 く,有 意 差(P<0.05)が み られ た.3.性 教 育 の 有 用 性:男 子 が性 教 育 を受 け て役 に た っ た 内 容で 有 意差(P<0.01)が み られ た の は 「月 経 」,「セッ ク ス 」 と 「避 妊 の方 法 」で あ っ た.5%水 準 で の 有 意 差 は 「性 感染 症 」 と 「エ イ ズ」 で あ った.女 子 が性 教 育 で 役 にた った 内容 は 「射 精 」,「セッ クス 」 と 「避 妊 の方 法 」で有 意 差(P<0.01)が み られ た.「エ イ ズ 」,「男 性 と女性 の 心理 や 行 動 の違 い」と 「愛 とは何 か 」 は5%水 準 の 有 意 差 で あ った.4.性 知 識 につ い て知 りた い 内容:男 子 が 女 子 よ り も性 につ い て 知 りた い こ とで有 意 差(P<0.01)が あ った の は 「性 器 の つ く りと働 き」,「月経 」, 「二 次性 徴,セッ クス 」,「性 欲 の処 理 の 仕 方 」 と 「異性 との 交際 の仕 方」 で あ っ た。 「男性 と 女 性 の役 割 」 は5%水 準 で あ っ た.女 子 が 男 子 よ りも性 に つ い て 知 り た い こ とで 有 意 差 (P<0.01)が あ っ た の は,「 避 妊 の 方法 」 と 「自分 の体 につ い て 」 で あ っ た. IV考 察 性 教 育 は ほ ぼ全 員 の 高 校 生 が 受 け てお り,高 校 生 の性 の 認知 は広 く行 き渡 っ て い る とい え る.性 教 育 の 内容 は,性 の 生 理 学 的 な側 面 を 表 す領 域(生理 学 的側 面),性 行 為 及 び そ れ に付 随 す る側 面 を表 す 領 域(性 行 為 付 随側 面),性 の心 理 的 ・関 係 的 側 面 を表 す領 域(心理 的 側 面) の三 つ に分 類 さ れ て い る(「 若 者 の性 」 白書).性 教 育 の 有用 性 で は,性 行 為 付 随 側 面 に つ い て役 に立 った と回 答 した 高 校 生 が 多 くみ られ た.青 少年 の性 行 動全 国調 査 で は,生 理 学 的側 面 の性 教 育 内容 が 中 心 で あ った と同様 の結 果 が み られ て い る.心 理 的側 面 で は,役 に 立 っ た と役 に立 た な か っ た と も回 答 者 数 が 少 なか った.役 に立 った性 教 育 内容 で は,男 子 は 「月経 」, 女子 で は 「射 精 」 に つ い て で,異 性 につ い て の理 解 で 役 に立 っ た と回答 して い る こ とは,性 教育 の効 果 とい え る.性 教 育 は 生理 的側 面 と性 行 為 付 随側 面 につ いて は 教 育 しや す い 内容 で あ るが,心 理 的側 面 につ い て は性 教 育 で どの よ うな 内容 で どこ まで 教 育 す るか が 今後 の課題 であ る.ま た,生 理 学 的 側 面 と性 行為 付 随 側 面 で も役 に立 た なか っ た と回 答 した 高 校生 も多 い こ とか ら,役 に 立 たな い とい うの は どうい う こ となの か を調 査 して,高 校 生 の役 に 立つ性 教 育指 導 内容 に す る こ とが 必 要 で あ る.性 教 育 につ い て知 りたい 知 識 は,生 理 学 的側 面 が 多 く,次 い で 男子 は性 行 為付 随 側 面 の 「セ ックス」,女 子 は 「避 妊 の方 法 」 につ い て で あ った. 心 理 的側 面で は,「 男性 と女性 の 心理 」や 「行 動 の違 い 」,「異 性 との交 際 の仕 方 」,「愛 とは何 か 」,「性 欲 の処 理 の仕 方 」 な どで あ っ た.近 年,高 校 生 の性 知 識 ・性 意識 を高 め る ため の ピ ア ・エ デ ュ ケー シ ョ ンの 導入 や,助 産 師 の性 教育 指 導 者養 成 教 育 が 盛 ん に な りつ つ あ る.今 後,本 調 査 の 結 果 を踏 まえ,性 教 育 プ ロ グ ラム作 成 に向 けて 調 査 ・研 究 を進 め て い き たい. V結 論 高 校 にお け る性 教 育 の実 態 と高校 生 の ニ ー ズ に関 す る調 査 で,男 子 も女子 も生理 学 的側 面 につ い て は 、 教 育 を 受 け た と回 答 したの は6割 前 後 で あ っ た.ま た,セ ッ クス と異性 との 交 際 の 仕 方 につ い て 男 子 の 方 が知 りた い と回 答 したの が 多 くみ られ た.性 教 育 の 有 用性 で は, 性 行 為 付 随 側 面 につ い て役 に 立 っ た と回 答 した のが 多 か っ た.
一般 演 題 〈研 究 〉生/性 の 教 育
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大 学 生 と親 世 代 の 性 の 意 識 に 関 す る研 究
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章完成法を用いた質的データの分析から-山口県立大学看護学部 ○小 神 野 雅 子 山口県立大学看護学部 木 戸 久 美 子 名古屋市立大学看護学部 北 川 眞 理 子 県立長崎シーボル ト大学看護栄養学部 内 山 和 美 I 緒 言 近 年 わ が 国 で は 、思 春期 の性 問題 や 犯罪 な どが 大 き く取 り上 げ られ 、 家庭 や 学校 で も性 教 育や 思春 期 教 育 が 大 き な課 題 とな って い る。 ま た 、「健 や か親 子21」 で も思春 期 の課題 が謳 われ て お り、 こ の 時期 の人 々 へ の支 援 が必 要 と され て い る。 ま た 、 そ の親 た ち は応 援 期 と位 置 づ け られ 、思 春 期 の人 々へ の適切 な対応 が 求 め られ てい る。 本 研 究 で は 、 大学 生 とそ の親 世 代 の 子 ど もに 対す る思 春 期 の想 起 を も とに親 世 代 と子 ども 世代 との 「性 に 関 す る意 識 」 に どの よ うな 特徴 や 違 い が あ るの か を比 較 し理 解 す る こ とで、 よ りよい 思春 期 の健 康 教 育 を 実践 してい くた め の 一助 とす る こ とを 目的 と し調 査 を行 っ た結 果 を報 告 す る。 II 方 法 対象:S大 学看 護 栄 養 学 部1,2年 生 とそ の 親 、Y県 立 大 学 生1,2年 生 デ ー タ収 集 方 法:無 記 名 自記式 調 査 票 を 作成 し、 平成14年5月 の1ヶ 月 間 に大 学 生 に配 布 、 回収 した。 大 学生 の親 に は 同 じ調 査票 を 学 生 よ り郵 送 し記 入後 、 返 信 して も らっ た。 対 象 者 には調 査前 に 書 面 にて研 究 目的 を説 明 し、 秘密 保 持 され る 旨も伝 え承 諾 を得 た。 デ ー タ 分析 方 法:性 に 関す る意 識 を聞 くた め 、9項 目の文 章完 成 法 の各 回 答 か ら単語 また は 文節 を 一 コー ドと して抽 出 し、KJ法 に よ り項 目毎 に分 類 し内容 の頻 度 を 出 した。 分 類 に あた り、デ ー タの 妥 当性 を高 め るた め に、研 究者 間 で カ テ ゴ リ内 容 につ い て の 検 討 を行 っ た。 III 結 果 大 学 生256名 、 大 学 生 の親69名 の調 査 票 を回 収 した。 性 に関す る9項 目 の 質 問 につ い て 分 析 した 結 果 、 各 々4∼9の カ テ ゴ リに分 類 され た 。 大学 生 と親 世代 との カ テ ゴ リ頻 度 に差 異 の あ っ た もの は以 下 の 通 りで あっ た。 1.【 性 と言 う言 葉 を聞 く と】(表1) 性 とい う言 葉 か ら考 え る事 と して 性 の問 題 を あ げた もの が 大 学生5.4%、 親 世 代11.9%と 多 く次 いで 性 と教 育 との 関連 、性 に 関す る責 任 で あ った 。 表1 設 問【性 とい う言葉 を聞 くと】の回 答 内容(一 部) 170 日本 助 産 学 会誌 第17巻 第3号(2004.3)また 、性 とい う言 葉 をネ ガ テ ィブ な イ メー ジ と して 捉 え る大 学 生 は12.2 %と 親 世 代 の6.8%よ り多 い。 2.【 性 に 関す る こ とで 】(表2) 「性 に 関 す る悩み 」 と して 悩 みや 不安 が あ る大学 生 は15.7%と 親世 代 の9.6%と 比較 して 多 く、逆 に親 世代 にお い て は 大学 生 には 見 られ な い 「性 に関す る社会 的 な問題 」11.5%「 親 子 間 の コ ミュニ ケー シ ョン」5.8%と 言 うカテ ゴ リが抽 出 され た。 3.【 親 ま た は 家 族 と性 に 関 す る こ と で 】(表3) 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン あ り」 は 両 群 に 差 は な く、 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン な し」 と した 頻 度 は 大 学 生42.6%、 親 世 代62%と 親 世 代 が 高 か っ た 。 表2設 問 【性 に関す るこ とで】 の回答 内 容(一 部) 表3設 問 【親 または家 族 と性 に関す る こ とで 】回 答 内容(一部) 表4 設 問 【男女 交際 は】 の回 答内容(一 部) 4.【 男 女 交 際 は 】(表4):「 肯 定 的意 見 」が大 学 生50.8%に 対 し親 世 代19.3%「 否定 的 意 見」 大 学 生3.9%に 対 し親 世 代9.7%と 大 きな 違 い が見 られ た 。 IV 考 察 性 に関 して 、 大 学生 は親 世 代 よ りもネ ガ テ ィブ な イ メー ジ を持 ち、 悩み や 不 安 を抱 い てい る事 が分 か る。 これ は思 春期 や 青年 期 の 心 理的 な 性 の発 達過 程 の特徴 とい え るだ ろ う。 社 会 的性 的 同 一性 を獲 得 す る この 時期 に性 意識 の発 達 は必 然 的 な こ とで あ るが 、性 につ い て のネ ガ テ ィブ なイ メ ー ジ は健 全 な性 意識 、性 行 動 の発 達 の支 障 に な りか ね な い。 ま た性 に 関す る 親 子 間 で の コ ミュ ニ ケー シ ョンは親 世代 の 方が 大 学 生 よ りも コ ミュニ ケー シ ョンの少 な さを 実感 し、 よ り意 識 してい る。 今 日の 社 会 的 問題 で あ る10代 の 人 工妊 娠 中絶 やSTDの 増加 を 見 る と、適 切 な知 識 の普 及 の た めに も親 子間 で の 会話 は重 要 で 、思 春期 特 有 の悩 み や ネ ガ テ ィブ なイ メー ジか らの解 放 の ため に も必 要で あ り、家 族 の 中 で 困難 で あれ ば 学 校 保健 や 地 域 の中で 補 うべ きで あろ う。 男女 交 際 に関 す る大学 生 と親 世代 の意 識 の違 い も大 きい が 、親 世 代 は 単 に否 定 す るだ け で な く、理 解 を示 しそ の 上 で健 全 な異性 関係 を築 け る よ う、支 援 す べ きで あ ろ う。 大 学 生 と親 世 代 の性 に関 す る意識 の違 い は明 らか で あ るが 、 それ を前提 と した支援 の あ り方 を検討 し効 果 的 な健 康教 育 を展 開 してい く必要 が あ る。 V 結 論 大学 生 世 代 と親 世 代 との性 に 関す る意 識 を文章 完 成法 を用 い て調 査 した結 果 、大 学 生世 代 の方 がネ ガ テ ィブ な イ メ ー ジ を持 ち 、親 世 代 は親 子 間 の性 に 関す る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン不 足 を 実感 して い る こ とが 明 らか に なっ た。 ま た、性 に 関す る問題 や 男 女 交際 につ い て の意 識 も 大 学 生 世代 と親 世 代 とで は違 い が大 き く、 それ らをふ ま えた効 果 的健 康 教 育 が 望 まれ る。