日本
の
タ イ
ポ
グ
ラ フ
ィ
の
現 状
一 プ
ロ
ダ ク
ト に
お
け る
タ
イ プ フ
ェイ ス の
変イ匕
The
Current
State
of
Typography
in
Japan
−
Changing
Typefaces
in
Products
笠 井 則 幸
KASAI
Noriyuki
和光
大学
Wako
Unjversity
1 .
はじめ
に現
在、
文
字 は 色 々 な メデ ィア、
プロダ ク トのインター
フェ イ ス な どで使
用 され て い る。
活
版 印刷
が発
明 さ れ てから500
年と いう タ イポグ
ラ フ ィ の歴史
か ら見
る と、
現 在
、
私
た ち は非 常
に 短い時 間
で コ ンピュー
タ、 メー
ルな ど新
た なメ ディ ア の環 境
で 大 量 に コ ミュ ニ ケー
シ ョ ン を取ら な け ればな らない状
況だ。
特
にこ の コ ミュ ニケー
ショ ン ツー
ル の代
表 を 成 している のが携 帯
電 話であろ う。
日本で は、
こ れがコ ミュ ニケー
シ ョ ン の ツー
ル と して異 常
な ほ ど世
の中 に浸
透 して い る。
ワ ンセ グ、
音
楽のダ ウン ロー
ドな どの そ の使い道は様 々で あるが、
特 にそ の使
い道 と しては メー
ル や ウェ ブ 探 索 な ど小 さ な 画 面 に お け る 文 字 情 報の取 り扱いは膨 大 な もの である。
ま た 雑 誌 な どのグ ラフィ ック デ ザ イン の現 場では デスク トッ プ・
パブ リッシング (DTP
)
に お ける環 境の変 化 か ら複
雑 な 文 字 組、
合 成フォ ン トな どの複雑
な 組 版 が 可 能 に なっ た。
しか し デ ザ イ ナー
の手 に 委 ね る 点 が 多 く なっ た その タイポ グ ラフィの 環 境 は 「読みや す さ ユ と情 報 量 をいか に多
く 詰 み 込 ま な け れ ば な ら ないか が 課 題 と して多 く残 る 結 果 と なっ た。
ま た 世 界 的 にデザ インの分 野 にユ ニ バー
サ ル デ ザ イン (注1
> の 考 え が 広 ま り、
デ ザ インが八 ンディキャ ップ を もっ た 人 を 含 め、
あ ら ゆ る 人 を 対 象として その価 値を見 直さな け ればな ら な く なっ て き た。
これ は勿 論、
プロダ
ク ト、
インター
フェ イ ス、
グラフィックデザ
インも例 外で は な い。
そ し て そ の環境
の変 化
か ら日本
もタ
イポ
グラフ ィ は その書 体 形 状
を 見直
さなけれ ばな ら な く なっ た。本 稿
ではこ の現 状
を踏
ま え、
特
にフロダ ク トやそ のインター
フェ イ ス に おける文 字
の形 状
の変 化
を 取 り上 げ、
現在
のプロダ ク ト に使
わ れ るタイプフェ イ スが どう変化
し て い る か を考察
し て みた。
2 .
GUI
〔
グ
ラ フィ ック
・
ユー
ザ
ー ・
イ ンタ
ー
フェ イ ス)
の
謦 体
(
携 帯 電 話
で のタ
イポ グ
ラ フィ の現 状 )
携 帯 電 話の画 面 は 日 々
、
高精
細 に なっ ているがそ の画 面
の小 さ さと印
刷の精度
を 比べ る と 可読 性
の悪 さ は 否 め ない。
携 帯
に 限らず
すべて の コ ンピュー
タは そ の画 面の情 報
表 示には 限 界が ある。
05
年か らこ の問 題に取 り組んでき たの が携 帯 電 話 に 文 字 を 表示ずる ソ フ トを作
る リ ム コー
ポ
レ シ ョン(
浜松 市 )
と千 葉大
学工学部
の宮 崎
教授
と日
比野教 授
である。(
注2
)
小さな 携
帯 画面
で どう し た ら瞬
時に読
み 間違わ な い文字
を作
るか、
開発
に 知 恵 を絞
ること となる。日
本 語 書 体
には大
き く分
ける と2
つ の書 体
に分
ける こ とがで き る。 お 馴染
み の 「 明朝 体
」 と 「ゴシック体
」 で あ る。
ただコ ンピュー
タ な どの デジ タ ル画 面
に表示する時 に使
わ れる ドッ ト (ビッ トマ ップ)
をうま く 表 現できるものとし て、
ほと んどの コ ンピュー
タで 「ゴ シ ック体
」が標 準 書体
と してイン ス トー
ル さ れてい る。
携 帯 電 話の書 体 に 限 ら ず、
視 認 性で苦 労 す るのは、
濁 点 と半 濁 点。
大 き な 級 数では 問 題 ないが 携 帯 画 面の場 合、
小 さ な 表 示 だ と わず
か3
旧m四 方で文 字 を 表 示 し な け れ ば な ら ない。
携 帯 ユー
ザー
でも 「パ リ 」 か 「バ リ」 かに 迷っ た 経験
は 誰でも あ る と 考 え ら れ る。
し か し、
書
体 設 計の上で、
卩 」 や 「°
」 を 大 き く す れば字 本 体が小さく なる。
これ ら を 踏 ま えて
、
開 発 さ れ たのが 「Uni−Type
」 フォ ン ト だ。
こ のフォン トの特 長として大 き く3
点挙
げ ら れ る。
ま ず、
1
点 目が 正 方 形の仮 想 ボ ティー
杯に作 られて い ること。
この 仮想 ボ
ディの考
え 方 は、
活 版 印 刷で文字
を 制 作 す る 時、
ま た は組む時に取られた処 置であ る。
図1
の 「Uni
−
Type
」 のひら が なとMS
ゴシックのひ らが な を 比較
してみ るとそ の 大 き さ の違
い が良く分か る。
漢字 自体
は そ の大き さ に変
化は見られ ない が、
ひ らが な を比 較
してみると仮 想 ボ
デ ィ に お け るその大
きさは 歴然
で あ る。
つま り字 面と言わ れ る書体本
体 が 大き い の で あ る。
普 通
、
書 体 設 計
では、
ひ らが な は漢 字 よ
り小
さく設 計
され
る のが普 通
である。 これ
は漢字
と同じ大
き さ で設計
する と錯 視
の 問題 で ひ ら が なが漢 字
よ り 大 きく 見え る か ら で あ る。
2
点 目
の特 長
と して、 文 字の ふ とこ ろ の深
さ が深
くし て い る (図2
の 「ら 」)。
ふ とこ ろを 深 く する こ と で余 白 が 生ま れ、
文 字 の 視 覚 的 ツブ
レ が な く な る。
ま た 「ら 」 の下の横
棒 を 縮 めて スペー
ス を確 保し た り す る こ と が試 行 錯 誤されて い ること が見 て とられる。
3
点 目の特 長 と しては 漢 字の細 かい作 りを 大 き く する こ とが あ る。
図2
を 見ても ら うとわ か る が 「清 水 」 の 「清 」 の 「月 」 のっ く り を 大 き く し たことで よ り視 認 性が良 くなっ て い るの が 確 認できる。
28
デザイ ン学研 究特 集号NII-Electronic Library Service
HSゴ シ.
.
.
一
一 一
ック帚
一
一 一.
.. 一
一
.
一
.
一
醒
図 1「
Uni
−
Type 」 とMS ゴシ
ックを 比較Uni
−
Type
覊靉
覊 纓 覊藏
覊
囃 難靆
钁鑼 蔭
ll
図31丿ム コ
ー
ポレー
シ ョン開発 (Unl−
Type)ら
ら
清水
清
フ
劃
プ
定
図2
ゴ シック 体 を 「Uni
−
Type」 の考 え に基 づい て書 体 設 計 (例 ) 図43 .
イ
ンタ
ー
フ ェイ
ス の書
体 (
家 電
の製
品 た
めイ
ンタ
ー
フ ェ
イ
ス)
こ の イ ンタ
ー
フェ イ ス の文 字 を見直す動 きは携帯
電話
に 限 ら な かっ た。
パ ナソニ ック も03
年 秋、
真
野一
則・
主幹
意 匠 技師
を 中 心 に 「フ ォン ト研 究 会1 を 社 内に立 ち 上 げ た。
「フ ォン ト研 究 会」 を 立 ち 上 げ た 背 景 と しては2
つ の理 由 が 挙 げ られ る。
一
つ 目 はパナ ソニ ック (当 時 :松 下 ) に はM
[S
(Matsushita
Industrial
Standard
)とい う 製 品 規格
が あ り、
その中
で、
製 品 の操作 表
示 部 分 に使
う書
体 が 定 め ら れてい た。
ところが指
定の 書 体はMIS
がで き た 当 時 主 流だ っ た 写 植 (写 真 植 字 )の 書 体が
そのま ま使
わ れていたのだ
。
PC
を 使 う デ ザ インの 現 場では、
写 植の書
体 に 近い丸ゴ
シッ ク を 代 用として使っ て い た が、
各 製 品のヂ ザ インチー
ム によっ て、
使
用 して い る書 体
メー
カー
も バラバ ラ だっ た のだ。「ヂ ザ インをブラン ド戦 略の柱に掲 げて い る パ ナ ソニ ック が
、
ヂザ
イン の要素
とな
る書 体 を
こんな 状態
に し ておい て は いけ
な い。
」 そ う 思っ た のがそ も そもの きっ か け。
」 と真野一
則・
主 幹 意 匠 技 師 は、
語っ て い る。
(
注3
)二 つ 目の背 景 と して高 齢 化 社 会 が 進 ん だ 現 在、
弱 視 や ディス レク シア (難 読 症 ) (注4
) と いう障害
に加え、
老
眼、
白内 障等
々、
衰
え に よ る視 力
の低
下 に悩む人 が 急増
し て い る こ とだ。
そ の一
方で製品 の多 機 能・
高機
能 化、
小 型 化、
デ ジ タ ル 化 が 急 速 に 進 んでいる。
「フ ォン ト研
究会
」 は フ ォ ン ト の研究
・
調査
を行 ない、
最適
なフ ォ ン トを探
すこ とを 目的
とした。主
に家 電製
品に文 字 盤
な どに使
う 「2
〜
5
ミ リ角
」 に 狙 い を定め て い る。「「定 」 が 「足」 に
見
える」(
図
4
)
といっ た 過 去の苦 情
や改
善 例 を もと に 「間 違え に く い書 体 」を探るため、
海外
を含め対面
調 査 を し た。100
人 近 く に 色 々 な書 体
を見
せて印 象
を聞
き、 ヂィ ス レ クシ ア (難 読 症 )の論 文 な ど も 参 考 に している。
ゴ シッ ク 体 は も と も と 印 刷 を 前 提 に 作 ら れて いる 書 体であ る。
印 刷 前 提で作 ら れているの で少
しの空 白でも判読
が 比較
的 可 能であると 考 え ら れる。
また ゴ シック 体の使 用 頻 度 が 多い のは 広 告 などの 「キャ ッチ コピ
ー
」 やエ ディ ト1丿アル な どの 「見出
し」 な ど 比 較 的 文字
を 大 き く 使 うこと が多
い場 面であ る。
小 説・
雑 誌 な どの本 文 に組 むこ とは ほとんどな く、
視 認 性 よ り 目 立っ こ とが 前 提と されて い た。 そ して 日本
語、
特
に漢 字
の画数
の多
さ が同 じ統
一
幅
で、
ある程度
の太さ を維 持し な け れ ばな ら なく、
な お かっ 文 字と し て の役 割
を 果 た さ なけ れ ば
な ら ない、
椙
反す
る部 分
をこ の ゴ シック 体は求め られて い る。
そ のため、
イ ンター
フェ イ ス で使 わ れ る 「2 〜5
ミ リ角 ゴ で視 認 性の良い ゴ シック 体 を 探 すこと とな る。
こ こ で サ ンプル となる のが ゴシッ ク
体
の中
で も 「角
ゴシ ッ クt と 「丸 ゴシ ック」 の2
種 類 だ。
現 在、
ナシ ョナルを 含 め、
家 電の主 流 を 占 め るのが 「丸 ゴシ ック 体」 であ る。欝
1
∵
:
:
誤
1
乳
その理 由として 「導 入 当 時
、
新 しい書 体 デザイン であ り、
先 進 的 な イ メー
ジ
が あっ た」 「日 本 人の筆 記 用 具 が 筆 か らペ ン に 変 わっ て いく 中でそ の 筆 跡 が 近 似 している た め、
受 け 入 れ ら れ 得 た」 な どの理 由があ る。
そ し て
、
製 品表
示 の 今 回 の書 体
は 長体 (
横 方 向
に縮
小 し た も の)が使 わ れて い る。
これは狭い場 所でより多
くの情 報を入 れ る ため に使
わ れ る タ イポ グ
ラフィの手法
であ る。長
体
にす るこ とでタ イプ フ ェ イス の印象
は多
い に変 わる し、
その構 造
も勿 論
、
変 化
する こ と とな
る。 元来
、
「ゴシ ッ ク体
」 は、
それを成し てい る骨格
は同じ太さ に見え る よ う に デザイン さ れて い る。
これ
は錯視
の関係
で縦
を成 す骨 格
と横 を成 す 骨 格
では 縦 画 を成
す 骨格
の方を太
くす る。 こ のよう にゴシ ッ ク体
は 微 妙な太さ や角度
の調 整で 全体の骨格
が同じ太
さ に な る よ う に 調整
さ れて い る。し か し 長
体
に す る こ と で こ れ ら の 関係
は微
妙に変化
し て く る。 正体 (
縦 横 比
1
:1
)
で デザ インさ れて、
我 々の目
に ゴ シ ック体 とし てき ちん と見
え て い たタ イ ブフェ イ スが、
そ の形状
を崩
さ れ、
そ してわ ず か 「2 〜
5
ミ リ角 」の大 き さでその情
報
を伝
達 し よう と して い る こと は、
そ の ゴシ ック 体 をデザ イン し た書
体 設計
家 も ほ と ん ど 考 えて いな かっ たの では ないだろう か? いや、考
え ていても写植
の時代
では 想 定し ていな かっ たの かも しれ ない。
これ ら
書 体
デザ インの問
題 も 含 め、
家 電 製 品のインター
フェ イ ス の課 題 を 抽 出 する こと が 出 来る。
ま ず 「視 認 性 ゴ と 「判 読 性」 であ る。
「視 認 性 」 と は 「文 字 が 分 か り や すいか」。
そ して 「判 読 性 」 とは 「読 み 間 違 わ ないか」 の2
点 が 挙 げ ら れ る。
「視 認
性
」 で問 題 が挙 げ
ら れ る 夕一
ゲ
ッ ト は、
まず
近視
・
遠
視ユー
ザー
である。
これら のユー
ザー
は モ ノ が ぼ んや り見え る た め 焦点
がず
れ、
線
が 太い書 体
は 認識
し づ らい。 「臼内 障
」 「弱視
」 ユー
ザー
は 明 るい所で は モ ノがま ぶ しくて見え にくい。
光 が多
いと細
かい文 字
は 認識
しづらい。次に 「判 読 性」 で問 題が
挙
げ られる 夕一
ゲ ッ ト と してデ ィス レク
シアユー
ザ
ー
(
難 読症 )
であ
る。 こ のユー
ザー
は対 称 文 字
を 誤読
しや すい傾 向
にあ
る。 ま た白 内障
・
弱視
ユー
ザー
は明る い所で は モ ノ が ま ぶ し く て見え に く い。
光 が多
い と細
か い文 字 は 認識
しづ らい。
ま た 特 にこれ らの症 状 を 抱 えていない ユー
ザー
でも、
図5
の よ う に何
かのきっ かけ で 文字
の一
部
が 隠 れ た 場合
に 誤読
す る 可 能性
が ある。
これ ら を 現 状の課 題 と して認 識 し、
角 ゴシック と 丸 ゴシッ ク体
の視
認性
評価 を
ユー
ザ
ー
によ る 調査
に よっ て パナソニ ックの内 山 勝義 氏
が行
なっ て い る。 ま た これと同時
に幾
つか の書体
を 使用 し、
長体に お け る視認性も お こなわ れ た。
(注5
)
こ の結 果は論 文 「家 電 製 品 本 体の ユ ニバー
サルデ ザ イン フ ォ30
デ ザ イ ン学研究特 集号P
P
図5源
一電
源
立
日電
源
里
日
里
β}立
日日
里
(c) 図6
ン ト研 究一
ユ ニ バー
サル デザ イン視 点による読みや すい 日本 語 フォ ン トー
」 に も記
さ れている が、
角ゴ シック 体の方 が、
評 価 が 高い。
特 に3mm
以 下の小 さい文 字に関 しては 圧 倒 的 に 評 価 が 高 かっ た。
ま た、
長 体 に お け る 視 認 性 評 価 に おいては 図6
の 文 字か ら特に(B
}の評 価 が 高 かっ た。
そ して こ の(B
)の書 体、
「イワタ新 ゴ
シックR
」 を採
用 す ること と なっ た。
し か し こ の 「イワタ 新ゴ シッ クR
」 はその ま ま 使 わ れ るこ と は な かっ た。 ここまで調 査 した結 果 が あ る た め に 色々な 課 題 が判
明 す るので あ る。
●従 来
の 「丸
ゴシック1系 書 体
と比較
して、
煩雑
な 印象 が
ある
。
(特
に漢 字 ) ●ひ らが な/カタ
カナ の濁 点
/半 濁 点 が
つぶ れて しま う 可能 性
が
あ
る。 ● ひ ら が な 仂 夕 力 ナ の中に隣 接 するエ レ メン ト の隙 間が狭 い。
以 上の課 題 に 対し て、
パ ナ ソ; ッ クの当 時の社 内 書 体を統 括管
理 して いる松 下 ソフ ト リサ
ー
チ と 「新 ゴ シ ック」 の開 発ベ ンダー
であ るイ ワ タ に協 力を依 頼し図
7
のように修 正したの である。図
7
(
a)
の示 す よ う に 角 ゴシック 系 書 体の特 徴である飛 び 出し を な く し、
すっ き りと した 印象
に な る よ う に 修 正 し た。
ま た 図7
(
b
)
で 示 す よ う に隣 接す る線の隙 間が小さい文 字は全 体の バ ラ ン ス を 考 慮 しな が ら、
隙間
を 大 き く広
げるよう に修
正 し た。NII-Electronic Library Service
帚
帚
(
卑
⇒
E
巳
L
壷
丶
⇒
お
図7
小 塚 ゴシック PRO パナソニ ックフ ォ ント (イ ワタ UD ) 図8 ・c
(
U
・9
9
モモ
モ
L
e ・C
n
)
蜘 −9
∩
ワ
馴
モ
図9
_
r.
_
.
_
tt
.
_L_
一 図10一
「
ば
び
ぶ
ぺ
ぼ
ば ぴ
ぷ
ぺ
ぽ
パ
ビ
プ
ベ
ポ
パ ピ
プ
ペ
ポ
図11
ゴ
ミ
パ ナソニックフ オント〔イワタUD) 1_
一
___ _
一
__
.
_
一
_.
_
一
一
一
一
一
一
」これ は
第
2
稿
で挙
げ た 「Uni−
Type
」 フ ォン トと 多 くの共 通 点 が 見ら れ る。 図1
に戻っ て み る と 「電
子 メ デ」の 「電」 と い う漢 字
も飛
び出
しが ない こと に気付
く。 こ の書 体は そ の後、
開 発 が 進 められて、
パナソニ ック 製 品 専用 書 体 「
Panasonic
Universal
Font
/パ ナ ソニ ック・
ユ ニバー
サ ル・
フォ ン ト (※以 下、
PUD
と 表 記 )」、
イワタで は 「イワタ ユ ニ バー
サ ルフォ ン ト」 と して世 に 出 ること に な る。
そ れではこの 「
PUD
」 と 「Uni−Type
」 そ して一
般
的 なゴ シッ ク 体 と して、
図8
で 「小 塚 ゴシッ クPRO
」 と比較
してみ るこ と に した。
「Uni−
Type
」 フ ォン トの 「お」 も図7
(
b
)
で示 すと お り、
隣 接
す る隙
間 が広
い こ とが分
か る。
その他
に 「お 」 のふと ころ が 「PUD
」 も 「Uni−
Type
」 も 非 常 に 大 きい こ とが 分 か る。
「PUDI
よ り も 「Uni
−
Type
」 の 方が よ りふ ところ が大きい こ と か らよ り
、
デ ジタ
ル画
面や小
さな表
示のインタ
ー
フェ イス を意
識しての見 や すさ の調 整が窺
え る。
ま
た
「お 」 の点
の傾 き
が2
つのユ ニバー
サ ル フ ォ ン ト は縦
に 傾い て い る。 「お」 の最初
の横
画と の位
置 が近 い た め、
判
別さ せや す
い ため の処
置と考
え られる。そ の
他
の共
通点
と し て図9
を 取 り上 げる。
こ れ は「Uni
−
Type
」 と一
般のゴ シック体
を 比較
し た ものだ が、一
般の書体
と比べて ラ イ ンを囲
む 空間 (
ホー
ルギャ ッ プ)
を均
一
に広 く とる。 ラ イ ン の筆 末
が干 渉
しないよ うに して い る。
これ は 「PUD
」 の書体
に も 見 ら れる考 え 方で あ る。
さら に図10
の 「PUD
」 に 関 し て は、
これ に プラ ス ア ル フ ァ の考 え 方 と して点 対 称 文 字の差 別 化 を 図っ ている。
特 に ディ ス レクシ アユー
ザー
(難 読 症 ) に 配 慮 し た もの でb
とd
という よ う な 鏡 文 字 に もこ のよ う な 配 慮 が 行 な わ れて いる。
ま た 考 え 方 は 同 じだ が、
形 状 が そ れぞれの書 体 独 自の表 現 を してい る 部 分 も 見 受 け ら れ る。
図
11
に関 して は 「PUD
」 と 「Uni−
Type
」 の濁 点の表 現 を 示 したものだ
が、
そ れ ぞ れ 形状 が
大 き く違
うのが分
かる。「
PUD
」 の 「ゴ」 とい う文 字は濁 点の近 くの角
を落とすこと でその視
認性
を高
めて い る。 「Uni
−
Type
」 に関
し て は濁 点
の部
分を大
き く強
調し て い る。 ま た濁点
に近い横 画
は削
るな
どし て フ ォン ト の造 形 的な美し さ よ り も、
あ く ま で見や す さ重視
を目指
し ている こと が 見て とれる。
こ のよう に開 発さ れ た 経 過は違うが
、
小 さい文 字 をい か に分
か りや す くみせるか という 点で目指
して いる 所 が 近いた め、
フォン トを 制 作 する上で、
考 え 方の共 通 点 も 多い。
現 在のプロ ダ ク トデ ザ イン の小 型 化の中、
そ れと逆 行 す る よ う に その機 能 は複雑
と な り情 報
量も多
く なっ て い る。 こ れ は文 字量が多
く な る こと と ほ ぼ一
致 する事 実であ り、
こ の こと が 現 在のプロダ ク トに表 示 さ れるタ イ プフ ェ イス に 求 め ら れる形 状の 変 化に繋 がっ て いる。邏
∵
∵
撫
そ して イ ワタ はこ のノウハ ウ を も とに イ ワタ
UD
フォ ン ト を 開発 し、
現 在販売し て い る。
イ ワタUD
フォ ン ト こ れ を さ ら に 発展
さ せて フ ォ ントの ファミ リー
を開発
し、
ユ ニパー
サ ルフォ ント と して、
書 体 開 発 を 進 め 現 在、
イワタUD
ゴシ ック 表示用 と して6
種類
の太 さ を 揃 え たファミ リー
と イワタUD
ゴ シッ ク 本 文 用と して3
種 類の フ ァミ リー、
そ してイワタUD
丸ゴシッ ク と して3
種 類 のファミ リー
を 用 意 し た。
これ は 使 用 範 囲 を プロダ ク トのインター
フェ イスだ け に 限 定 せず
、
サ イン計 画で使
用 さ れ る案
内 表 示、
さ ら に、
イワタUD
ゴシッ ク 本 文 用と して、
●薬
品・
食
品 類の使
用説
明書
●金 融・
保 険の約 款 ●新 聞・
雑 誌 などの印 刷 物 など に使
用 さ れ るこ とを前 提
として作
ら れて いる。 これ はパ ナソ ニ ックとい う プロ ダ ク ト製 品を生 産して い る メー
カー
が いか に良
い製
品 を作
る か考
え た上
で フ ォント に注
目 し、
グ
ラフ ィック
デ ザ イン界に も波
及 し て い る。 こ れ は今
ま で書 体
設計
と い う考
え方
はグ
ラフィックデザイン を制作
する上で考
え られて い る こ とが 通常
だっ た のだ が、
そ の流 れ を覆
すことであ り、
現 在のタ イ ポ グラ フィの現 状
を 垣間 見
る事 が出
来る。
4
−
Ol
.
ドラ イ バー
のた めの新 書体 (
エディ ト リアルデザ イン、
AXLS
か らの発 想 )
第
4
稿
に取り上 げる の は自 動 車 を運 転す るため の書 体 を 考 察 する。
自
動車
を 運転
す る た め に は様
々 な 情 報 が 必 要であ り、
読 み取らな け れ ば ならない。
運 転 状 況 は も ちろんの こと、
イン パ ネ に あ るス ピー
ド、
燃 費、
その他、
カー
ナビ
で情 報 を 拾 うこと も 現 在では 当 た り前 だ。
このよ う に 運 転 す るという 過 酷 な 状 況 の中で更 に 大 量の文 字 情 報 を 読 み 取 ら な け れ ば な ら ない という 現 在の ド ラ イバー
環 境の状 況に自動車
メー
カー
各社
に様々 な機 器を提 供
す る 大手
サプ
ライ ヤー
の デン ソー、
デザ
イン室
の梶
田 行 宏 氏は頭を抱えて いた。
担当
す る カー
ナ ビの画 面は地 図上で折 り重 な
るよ
うに雑 然
と表
示 され
て い る。
ま た
同社
デザ
イ ン室
の名木 山景 氏
も 同じよ
う に頭 を抱
え て い た。
ユー
ザー
に とっ て は1
つのプロダク ト な の に、
イ ン パ ネだ け を とっ ても各社 製 品
が 混在
している。
触 れる場 所 や見
る場 所 によっ て書 体 が ま ち ま ちで違 和 感 が あるといっ た 具 合 だ。
こ こ で
梶
田氏
が 目 をつけ たのが すっ き り し た イ メー
ジ
が 印象
的 だっ た 「AXISI
フX ン ト で あ る。
こ の フ ォ ン ト の制 作につ いては 日本のグラ フィ ックデザ イン界
でも珍
しい事
例 だ。
ま たこ の ド ラ イバ
ー
ズフ ォン トの開 発 に おいても 注 目 すべ き考
え方
がこ の 「AXISI
フ ォ ン ト のタイ プ デザ
インに携
わっ た 鈴 木 功 氏の 発想 から出る こ と と な る。
そこ で こ こ で 「AXIS
」 フ ォ ン トの 制 作 経 過 とその 考 え 方 を32
デ ザ イ ン学研 究 特 集 号振
り返っ て み る こと と する。「
AXIS
」 フ ォ ン ト は と 「AXIS
」 い う デザイ ン雑 誌
に使
用 さ れて い る フォ ン トである。創 刊
20
周 年
を 迎 え たこ の雑 誌
が リ ニ ュー
ア ルを 図っ た2001
年9
月 から使 わ れ始
め、
今に 至 る。
写植
か らDTP
に 変 わっ て以降
、
雑 誌 が オ リ ジ ナ ル書体
を持
っ こと は 日 本では ほとん ど例 が な かっ た。
(注6
)タ イ プ デ ザ イ ナ
ー
の鈴木
功 氏 はこ の頃
、
新 しい フォン トのプ ロ トタ イ プ を 持っ て 「AXIS
」 の編
集部
に 持 ち 込 み を し た。
当 時、
「AX
[S
ユ 誌のアー
トディ レ ク ター
宮 崎 光 弘 氏 は ド イツ のヂ ザ イン誌 「form
」 がオリ ジ ナ ル書 体 を 作っ て紙 面 を 組んで い ることに驚 嘆
し、
自
ら手 が
け る 「AXIS
」 に おいて も オ リジ
ナ ルフ ォン トで組 むこ とが 出来
ないか、
考案
してい る 最中
であっ たの も幸い し、
採 用 す るこ とに なっ た。
こ の 時
、
DTP
の環境
が変
わ りつ つ かる。 デザ
インの 現場
で はエ ヂ ィ ト リ ア ル の 主要ソ フ ト と して 「lnDesign
」 日 本 語 版を 取り
入れ
る時 期
に来
て いた。 こ の 「inDesign
」 というソ フト、
従来
の レ イ ア ウ ト ソ フ ト で は実に面 倒 だっ た美
し い 日本
語の文字 組
をスムー
ズ、
ス マー
トに して く れるものだっ た。 そ の理由
とし て ひとつ挙 げられる のがOpenType
(注7
)
とい う新 しい フォン トフォー
マッ トを 取 り 入 れ たこと。
アクシ ス フォン ト もOpenType
だっ たこと から、
アクシ ス フォ ン トの実現 性
が見
え てき た。
そ して こ のアク シス フォ ン ト は 和 文 書 体 を
設
計 し た鈴 木
功 氏 と もう一
人 欧 文 書 体 を 設 計した 小 林章
氏 がい る。
鈴 木 氏 が 「AXIS
の編 集 部 に オ リ ジ ナ ルフ ォ ン トの話 を 持 っ て い っ た1999
年4
月、
小 林 氏 を 訪 ねて欧 文 書 体 を 依 頼 し たの である。
小 林 氏 は
1983
年 か ら写 研で写植
用 文 字 デ ザ インを 担 当 し た 後、
ロ ン ドン留 学 を 経て、
字 游工房 に 入 社。
1993
年 に は タ イ プバン ク社 に 入 社 し、
タ イ プバ ンク の 全書
体 の欧
文 書 体 を 制 作 し たいわ ゆる欧
文 書 体 設 計の スペ シ ャ リス トで あ る。
こ こ で ア
ク
シスフ ォン トが欧
文書体
に力
を 注いだ
のが雑
誌 と い う媒体
の特
性か ら、
推 測でき る。
この 「AXISu
t
こ関 しては横 組 が基本
の雑 誌
である。
そ の時
に必 然 的
に欧 文 書体
と和 文 書
体
が一
緒
に組
まれ るこ と は多
く あり
得 る。 そ ういう意 味
に おい て も欧 文書体
の重
要性
が あ る。 この雑
誌の特
性と して一
緒に英 文 も記事
とし て掲 載
さ れている。 これは和 欧混 植
と し て の和 文
の品 格 を 問 わ れる こと と なる。
この 和 欧 混
植
と していか に ア ク シス フ ォ ン トを 仕 上 げ る か に よっ て そ の 全貌が見え ること に よっ て よりこ のアク シス フ ォ ン トの特徴
が見
え て ぎた。1
.
ア クセン トのないサンセ リフ2
.
明快で スマー
ト な表 情を見せ る白 地の活か し方3 .
和 文 と 欧 文 を 混 植し ても一
体
感 が ある。NII-Electronic Library Service
図12
⊥
」
「AXIS UL I
.
ア
ク
シ
ス
フ
オ
ン
ト
AXIS ELア
ク
シ
ス
フ
オ
ン
ト
AXIS Lア
ク
シ ス
フ
オ
ン
ト
AX[slRア
ク
シ
ス
フ
オ
ン
ト
AXIS Mア
ク
シ
ス フ
オ
ン
ト
・
馳
AXIS Bク
シ
ス
フ
オ
ン
ト
ク
シ
ス フ
ォ
ン
ト
図13
<
の
文字
を
い
れ
る
こ
と
が
AXIS
FQnt
CO
畩PTessed
AXIS
Font
コ
ン
プ
レ
ス
は
、コン
画
期的
な
「
超
長
体
1
で
9
.ベ
ー
図144 .
バイ リンガ
ル 表 記の美
し さ5.
和 文 書 体 に は 珍 しい7
つ の ウエ イ ト6 .
使いや すいOpenType
ア
ク
セン トのな
いサ ンセ リフ につ い て は図
12
のよ
う に通 常
あ るゴシック体
の ア ク セ ン トが ない。
こ れ をサ ン セ リ フ(
注8
>
と呼
ぶ。 こ の セ リフをつ か ない考
え方
は第
1
稿
、
第
2
稿
で紹 介
した
「Uni
−
Type
」 そ し て 「PUD
」 フ ォ ント
の制 作
と考
え 方が一
致
す る。
な るべ く、
こ こ で は余計
な ア ク セン ト をつ けず
、
白地
が活
きる風通
し のよいす
っ き りと した文 字
の表情
をつ け る こ と に書 体 設 計
の 工夫 が され て い る。
図
13
をみ るとファ ミリー
が7
種 類
ある のも 日本 語 書 体
と し て は と てもバ リエ イ ショ ンが 多い こ と に気 付 か され る。
そ して
図
14
を み る と長
体の アク シス フォ ン トを見
ること が 出 来る。
これ は 図13
の正 体フォン トに長 体 (注9
) を か け た の では な く、
最 初 か ら 縦 長 を 骨 格 と して作っ た 和 文フォ ン ト だ。
欧 文フ ォン トで は 実 際 に 存 在 するが、
これ は 和 文フォ ン ト では 存 在 し な かっ た。
和来
フォ ン トは 仮想 ボ
ディ と 呼 ば れる正 方 形 に 囲 ま れ た 中で書 体 設 計 を す るの で基 本 的 に どの文 字 も 見 え ない正方
形 に 収 まっ て いる。
長 体 に し たい場 合 は、
現 在のDTP
では 簡 単 に 出 来て し ま う た め に、
今 まで最 初 か ら長 体で設 計 す る 発 想 が な かっ たの であ る。
た だ も と も と正 方 形の仮 想 ボデ ィの 中で考え られて設 計 さ れ た和 文 書体
は長体
を か ける こ と によっ て歪 み が生
じ る。 これ を解 消
し た のが 図14
の 「AXIS
Font
コ ン デ ンス」 と 「AXiS
Font
コ ン プレ ス」 である。
そ し て
雑
誌AXIS
で は、
縦 組に文章
を組
む こ と を想 定し て い ない。
横 組
のた めの フォ ン トが 必要
であるため、
欧 文
フ ォ ン ト の考
え方
が、
こ の フ ォ ント
に も応 用
され た
の であ
る。 こ の仮 想
ボディに縛
られ ない 発想は自動車
の た め の フォン ト制 作
に も活
か され
る こと と なる。4−02 .
ド ラ イバー
のた めの新 書体 (
新
しい フ ォ ントの誕
生)
ドラ イ バー
ズフォ ン トに求め られて いた もの。
これは前 述の 梶 田 氏 を 含 め た プロジェ ク ト メンバー
が 実 験 や 議 論 を 繰 り 返 し ある結 論 に 至っ たこ と がAXIS
の雑 誌 に 述べら れて い る。
安 全 な 走 行 が 最 優 先 さ れ る 運
転席
に は ドラ イバー
に 文章
を読
む余 裕はない。
それは単 語を チ ラ リ チ ラ リ と拾い上 げる感 覚の繰
り返しである。走 行
風景
を眺
めな がら無
意識
の うちに文 字の 印 象 を反芻 して い る。
「拾い読み 1 「チラ見 」 な どのキー
ワー
ド が 浮 か び 上 がっ た。
(図15
)こ の仮 説 検 証と試 作を経て
、
ド ラ イ バー
ズフォ ン ト のプロ トタ
イ プ が 公開
さ れる ことになっ たのは2007
年の こと。
こ の ド欝
:
町
:
:
11
:
烈
鷺
ラ イ バ