⑴コーポラティブ住宅
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(2) 住宅から撤退したこともあり、2003年の年間約700戸をピー. ④所有形態を工夫する:賃借人が計画に参加する賃貸型コー. クにコープ住宅の建設量は次第に減少し、現在は数は多くは無. プ住宅(事例:あるじゅ)・居住者出資の株式会社が建物を所. いものの多様なテーマのプロジェクトが企画されており興味深. 有し居住権で住む(事例:コミュニティーハウス法隆寺)・60. い。累積のコープ住宅総数はこの40年で1万戸強である。. 年の定期借地に30年目の買取特約を付けるスケルトン定借方 式(事例:松原アパートメント、小石川の杜など。). 3.最近の多様なコープ住宅 最近は以下のような多様なテーマや目的のコープ住宅がつく られるようになってきた。 ①環境との共生を実現:共同で環境への負荷の少ない住まい. ⑤高齢者のための住まい:高齢者を対象とし、共用空間を充 実し食事の提供などもするコープ住宅。⇒(事例)ライフハウ スともだち村、たつのこヒルズ、コミュニティーハウス法隆寺 など。. (いわゆるエコハウス)をつくり、エコな暮らしをめざす。周 辺自然環境の保全、省エネ構造、自然エネの活用、共同菜園、 雨水の再利用、長期耐用建物など。⇒(事例)あじろぎ横丁、. 4.今後の課題 日本のコープ住宅は、入居者が計画に直接参加するので、入. ライフハウス友だち村、経堂の杜、けやきハウス、風の杜、き. 居後のコミュニティが親密で、建物に愛着があるので自主管理. なりの家、きのかの家、里山長屋、など。. も適切に実施されるところに最大の特徴がある。しかし所有形. ②共同建替えの実現:老朽化した密集住宅地の土地を一体化. 態が区分所有なので、長い年月後には転貸、転売などもあって. し、地権者や居住者や新入居者が参加して共同住宅に建替え. 初心が忘れられ普通のマンションと同じになってしまう恐れが. る。従来の地域コミュニティを持続しながら防災的にも安全で. あることが残念である。組合所有である欧米のコープ住宅で. 安心なまちづくり。⇒(事例)Jコートハウス、シェブロンヒ. は、理事会が転貸や勝手な転売を制限し常にコミュニティの良. ルズ、ステーションフラッツ、など。. 好な維持管理に努めるので適正な運営が継続する。日本におい. ③古い建物の修復再生:築数十年の寮などを修復しコープ. ても将来は制度が整備されることを期待したいが、現状では現. 住宅として再利用する。民間企業が手がけない小規模な建物. 制度の中でより良い「もうひとつの住まい、住まい方」を追求. をコープ住宅にする。⇒(事例)求道学舎、新芦屋下コーポラ. するしかない。最近の多様な事例はそういったチャレンジの表. ティブハウス、など。. れと言えよう。. ユーコート. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016. 35.
(3) 1−⑴コーポラティブ住宅 . 環境共生の住まい―エコで健康な暮らし. エコビレッジ鶴川「きのかの家」. 所在地:町田市能ヶ谷 事業主:建設組合 企画コーディネイト:㈱カブシキガイしアンビエックス 竣工年:2006 敷地面積:2,500㎡ 建築 面積:940㎡延床面積:2,000㎡ 住戸数:30戸 構造:RC 造3階建て、逆梁構造外断熱. 地主も共鳴したエコ的な提案 「きのかの家」は東京都町田市鶴川に2006年末に竣工した 30戸のコープ住宅である。企画募集の段階から「エコで健康 な暮らし」が明確なテーマになっており、参加者もその考え方 に共鳴した人達である。敷地は現地の大地主に土地の一部を分 譲してもらったものである。地主は一戸建てのデベロッパーに 売ることを考えていたが、企画者の「コープ住宅の方が緑多い 現在の環境を守れるし、コミュニティとしてもいいものになり ます」という説明を最終的に納得してくれた。 「環境」をテーマとすることで地主の説得に成功した好例の ひとつといえる。事実、地主の自宅がコープ住宅と隣接してお り、建設や暮らしの面で地主との話し合いが何回も行なわれ、 現在では住民と地主の交流もあり良好な関係ができている。敷 地の周辺には地主の土地がまだ広く残っており、コープ住宅が 緑に囲まれているように見えるのは地主側の緑が大きく貢献し ている。結果的には住民も恩恵を受け、地主もデベロッパーに 売るよりよかったということで事業としても成功したといえる だろう。(文責 中林由行). 建物外観. 屋上菜園での住民の交流. 全体鳥瞰図. 36. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016.
(4) 1−⑴コーポラティブ住宅 . 環境共生の住まい―都心のエコビレッジ. 経堂の杜. 所在地:東京都世田谷区 事業主:建設組合 企画コーディネイト:チームネット 竣工年:2000 敷地面積:705㎡ 建築面積:784㎡ 延床面積:1,689㎡ 専有面積計:1,036㎡ 住戸数:12戸 構造:RC 造高耐久仕様外断熱. スケルトン定借型コープ住宅. か保存したいと考えていた。土地は売りたくないので定期借地. 都心でありながら世田谷区にはまだ緑が多く残っている。多. にしたいが50年以上という一般定期借地は長すぎて次世代の対. くの地主にとってその環境をどのようにして次世代に残してゆ. 応の自由が奪われることへの不安も持っていた。企画コーディ. くかは頭の痛い問題である。相続が発生すれば土地は売却さ. ネーターであるチームネットは以下のような対案を提示した。. れ、小さい区画に分割されてミニ開発となり、環境が悪化する. ①エコビレッジ型のコープ住宅とすることで欅や緑をできるだ. ケースが多い。その問題のひとつの解決として「スケルトン定. け保全する。. 借方式のエコビレッジ型コープ住宅」を実現したのが本プロ. ②建物の屋上や外壁を緑化することで緑を再生する。. ジェクトである。都市部の環境共生型小規模開発のモデルとし. ③入居者参加のコープ方式なので地主と入居者が一緒に環境保. て注目される事例である。. 全活動を行うことができる。 ④スケルトン定借方式を採用することで、60年の定期借地で. 自然環境を重視する地主に新手法を提案 敷地の中には樹齢約120年の欅が数本あり地主はそれを何と. あるが、30年目に地主がスケルトンを買い取って自己物件 として運用することができる。 以上のような提案が地主を納得させ、プロジェクトが実現す ることになった。(文責 中林由行). 全体外観. 住戸外観. 新芦屋下コーポラティブハウス 吹田市にある築25年の社員寮をコーポラティブ方式で買い 取り、共同住宅として再生したものである。新築に比べると6. の良さに生かしている点も魅力を高めている。 建築設計事業所の協同組合である「いえしえん」が企画し、. 割程度の建築費で自由設計の住まいが実現している。また、廊. よどがわ市民生協の組合員にも呼びかけて2012年に完成し. 下の壁をみんなで塗るなど、リノベーションの特徴を手作り感. た。RC 造3階建て7戸+木造1戸(文責 小林秀樹). IESIEN(いえしえん)のホームページより デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016. 37.
(5) 1−⑴コーポラティブ住宅 . 古い建物の再生―スケルトン定借を採用. 求道学舎. 所在地:東京都文京区 事業主:建設組合 企画コーディネイト:近角夫妻+アークブレイン 設計者:近角建築設計事務所+集工舎 竣工年: 2006 敷地面積:845㎡ 建築面積:340.0㎡ 延床面積:768.0㎡ 住戸数:11戸(80〜117㎡) 構造:RC 造3階建て・リノベーション. 大正時代の建築の再生 求道学舎リノベーション住宅は、近代建築の巨匠、建築家の 武田五一設計により大正15年(1926年)に建てられた学生寮 「求道学舎」をコーポラティブ方式で再生した事例である。. 討したが、その中で出会ったのが、1998年に東京1号が誕生 したつくば方式(スケルトン定借コーポラティブ・42頁参照) であった。近角夫妻が求める条件と、この方式は以下の点で合 致していた。. この事業は、建築家・近角真一夫妻の建物再生にかける思い. ①敷地は、求道会館と一体化した宗教法人の所有地であり、売. に始まる。真一氏は、浄土真宗大谷派の僧侶・近角常観が建設. 却は想定外であった。このため定期借地方式が適していたこ. した「求道会館」 (1915年)と「求道学舎」を孫として受継. と。. いだが、それらは長らく閉鎖され放置されていた。文化的価値. ②貴重な建築であり、改修後も長期に使い続けることを目的と. の高いこれら建築を再生し存続させようと、近角夫妻は事業. した。このため、定期借地権でありながら建物の長期的存続. に着手する。まず、2002年に「求道会館」を再オープンし、. を可能にするスケルトン定借が適していたこと。. 2006年にはスケルトン定借の仕組み応用して「求道学舎」を コーポラティブ住宅として再生するに至った。. ③多額の資金を借入れる賃貸住宅などのリスクがある事業は避 ける必要があったこと。 ④再生に賛同する居住者が集まり資金を出し合うコーポラティ. つくば方式コーポラティブとの出会い すべて建替える案、改修し再利用する案等、様々な方法を検. 38. ブ方式であれば、資金調達と事業リスクの問題を解決できる こと、である。(文責 小林秀樹). 改修前 . 改修後. 改修前. 改修後. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016.
(6) 1−⑴コーポラティブ住宅 . 地域連携の共同建替え―都心・神田に定住、地域活性. 地域コミュニティ再生型コーポラティブハウス 同じ町内に3棟完成. NPO 都市住宅とまちづくり研究会(以下「としまち研」)は、 都心・神田を中心に、共同建替えにコーポラティブ方式を組み 合わせた集合住宅事業を実践している。としまち研のコーポラ ティブハウスの特徴は、地域に根付いた住まいづくりにある。 住まいの参加者募集の段階から、地域活動への参加・協力を呼 びかけ、新規の住まいへの参加者と地域社会との橋渡し役を共 同建替えの地権者が務めている(以上を地域コミュニティ再生. 名称. ① COMS HOUSE. ②桜ハウス. ③こはす. 事業方式. 共同建替え+コーポラティブ方式. 用途. 住戸11戸、事務所3区画 住戸17戸、事務所1区画 住戸16戸、店舗1区画. 事業期間. H12年12月〜 H14年5月 H14年8月〜 H16年4月 H22年3月〜 H24年2月. 敷地面積. 306㎡. 234㎡. 253㎡. 延床面積. 1,232㎡. 1,487㎡. 1,439㎡. 構造・規模. RC 造・地上10階. SRC 造・地上11階. RC 造・地上10階. 56.81㎡〜123.57㎡. 53.56㎡〜119.90㎡. 40.72㎡〜81.44㎡. 住戸面積. (賃貸住戸を除く). 型コーポラティブハウスと呼ぶ)。千代田区神田東松下町では、 町内に3棟のコーポラティブハウスが完成し地域社会に良い影 響を与えている。(文責 本間充一). 「こはす」 ↓ ↓. 「桜ハウス」 ↓ ↓. 「COMS HOUSE」 ↓ ↓. 神田東松下町 町内に3棟のコーポラティブハウス. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016. 39.
(7) 1−⑴コーポラティブ住宅 . 地域連携の共同建替え─密集市街地の更新・改善. Jコートハウス. 所在地:東京都北区上十条3丁目、事業主:上十条コーポラティブハウス建設組合、企画コーディネート:㈱象地域設計、NPO 都市住宅とまちづ くり研究会、竣工年:2007、敷地面積:927.06㎡、建築面積:404.25㎡、延床面積:2,025.87㎡、住戸数:27戸、構造:RC 造・6階建て. 区の呼びかけで建設組合立ち上げ. J コートハウスは、北区の呼びかけで密集市街地において コーポラティブ方式による共同建替えが実現した事例である。 地権者9名と、コーポラティブ方式により新たに参加した15 名が建設組合を立ち上げ、コーポラティブハウスを建設した。 東京都では、2014年現在、「木密地域不燃化10年プロジェ クト」を掲げて密集市街地の改善に取り組んでいるが、建替え や都市計画道路の整備はなかなか進まないのが現状である。共 同建替えとコーポラティブ方式を組み合わせる方式は、小さな 単位で市街地の更新を実現し、地域コミュニティの活性化にも 寄与する取り組みとして、今後更なる普及が期待される。(文 責 五十嵐敦子). 花見で我が家紹介 . 組合員の消防訓練. (中庭). 建替え前の現地. 40. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016. 配置図(建物名称の「コート」は中庭の意味).
(8) 1−⑴コーポラティブ住宅 . 新しい所有形態の試み―株主居住権方式の高齢者住宅. コミュニティーハウス法隆寺. 所在地:奈良県生駒郡 事業主:㈱安寿ネット 企画コーディネート:住まいとまちなみ研究所 竣工年:2004 敷地面積:705㎡ 建築面積: 318㎡ 延床面積:642㎡ 居室面積:468㎡ 共用部面積:174㎡(27%) 住戸数:8戸 構造:軽量鉄骨造2階建て. 日本唯一、居住者出資の株式会社所有 居住者が出資した㈱安寿ネットが建物を所有し各居住者は終 身建物賃貸契約を結んで暮らしているという日本で唯一の事例 である。当初集まった入居者は平均年齢約66歳で夫婦世帯5 戸、単身世帯3戸であった。皆で土地を探し、相談して設計案 を練り、建設工事はパナホーム㈱に発注した。住宅ローンは使 わず、全員が自己資金で建設したところに特徴がある。(文責 中林由行) 外観. 1階集会室. 2階平面図. 新しい所有形態の試み―賃貸でコーポラティブを実現. あるじゅ. 所在地:東京都葛飾区 事業主:家主+賃借人 企画コーディネート:㈱象地域設計 竣工年:1993 延床面積:1,193㎡ 住戸数:13戸 住 戸面積:66㎡〜101㎡ 構造:RC 造4階建て. 賃借人と家主の共同管理. がら、各住戸の間取り内装までも賃借人の希望に合わせてつく. 妥当な費用で住まいを取得したいと希望する市民と土地の有. られた事例は他にはない。入居後は居住者組合をつくり運営管. 効利用をはかりたい地主(家主)をコーディネーターが繋ぎ、. 理も家主と共同で実施しているので、賃貸形式ではあるものの. 協力してつくりあげた日本で唯一の定住型賃貸コープ住宅の事. 実態はコープ住宅そのものと言える。(文責 中林由行). 例である。最近は賃借人の希望をある程度取り入れる賃貸住宅 も出てきているが、あらかじめ賃借人を集め、家主と相談しな. あるじゅの外観. 1階平面図. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016. 41.
(9) 1−⑴コーポラティブ住宅 . スケルトン定借―つくば方式で良質住宅提供. 小石川の杜. 名称:小石川の杜 所在地:東京都文京区 事業主:建設組合 企画コーディネイト:本間博文+アークブレイン他 設計者:上野・藤井建築研 究所 竣工年:2002 敷地面積:1,633㎡ 建築面積:750.6㎡ 延床面積:1,969.6㎡ 住戸数:12戸(60〜115㎡) 構造:RC 造3階建て・ 逆梁工法. 定期借地権と百年住宅を両立させる スケルトン定借(スケルトン型定期借地権住宅)は、茨城県 つくば市にある旧建設省建築研究所が開発したもので、通称 「つくば方式」と呼ばれる。長持ちする良質な住宅を、定期借 地権を用いて安価に提供する方式である(下図)。現在、全国 で15棟を数え、そのうち14棟がコーポラティブ方式である。 しかし、定期借地権は50年後の建物取り壊しを予定してお り、100年の耐用性を求める良質住宅とは矛盾する。そこで、 建物を壊すことなく引き継げるように、一般定期借地権(借地 借家法22条)に付加して、30〜50年後に地主が希望すれば建 物を買取ることができる建物譲渡特約(同法24条)を設定し た点が特徴である。 また、建物を長持ちさせるために、スケルトン(建物の構造 体)とインフィル(間取り内装)を明確に分離した建築構造を 採用している。つまり、時代変化にはインフィルの更新で対処 することで、スケルトンは長く使うことができる仕組みであ る。これを SI 住宅と呼ぶ。また、この方式は、間取りの自由 設計が容易というメリットをもっている。(文責 小林秀樹). 東京5号 小石川の杜(2002). スケルトン定借(つくば方式マンション)の仕組み. 42. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016.
(10) 1−⑴コーポラティブ住宅 . スケルトン定借―環境共生住宅を実現. 風の杜. 名称:風の杜 所在地:東京都大田区 事業主:建設組合 企画コーディネイト:チームネット 設計者:HAN 環境・建築設計事務所 竣工年: 2006 敷地面積:761.7㎡ 建築面積:約350㎡ 延床面積:785.0㎡ 住戸数:11戸(48〜100㎡) 構造:RC 造地下1階・地上3階建. 豊かな緑の住環境を残す ス ケ ル ト ン 定 借 を 用 い た 本 格 的 な 環 境 共 生 住 宅 と し て、 2000年完成の経堂の杜(37頁参照)が有名であるが、それに 続く事例として風の杜がある。ともに甲斐徹郎氏のチームネッ トが企画した事例である。 両事例の経緯は、自宅を囲む豊かな緑を残したいという願い と相続税対策の両立に悩んでいた地主が、甲斐氏に相談したこ とが契機であった。その後、事業計画(相続税や収支、賃貸と の複合化等)をスケルトン定借開発者の小林氏が支援して実現 したものである。 本格的な環境共生住宅は、その建設費が相当アップする。つ. 風の杜の従前の様子. まり、自然素材の利用、外断熱方式の採用、屋上や壁面の緑 化、小さなビオトープの実現等で、建築費は一般分譲の3割近 くアップする。そこで、スケルトン定借を用いることで価格を 低減し、中堅所得者でも購入できる企画としたものである。さ らにコーポラティブ方式を採用することで、環境共生の理念に 賛同する参加者が集まり、このような特色ある事業を支えてい る。風の杜は、貴重な緑を残すことに成功し、地主や参加者は もとより、周辺地域からも歓迎されるプロジェクトとなってい る。(文責 小林秀樹). 完成後(2006年). スケルトン定借における自由設計の仕組み コーポラティブハウスの魅力の一つに、室内の自由設計が できることがある。しかし、自由設計は手間がかかり、設計 や工事時のトラブルも少なくない。そこで、スケルトン定借 では、自由設計を円滑に進めるために、建物を次の3段階に 区分する工夫をしている。これにより、建物全体の構造安全 性や外観を担保しつつ、自由設計を導入しやすくしている。 ①スケルトン:建物の長持ちする骨格と共用設備。将来の 地主の買取対象であり、地主とコーディネーターで基本計画 を定め、原則として自由設計は行わない。 ②共用インフィル:住戸まわりのバルコニー、変更可能な 窓や戸境壁、玄関扉やポーチ等。外観や防水に影響するため、 ルールを定めて、その範囲内で自由設計できる部分である。. ③専用インフィル:住戸内部で自由設計できる。ただし、 断熱や遮音性等への配慮は必要。(文責 小林秀樹). デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-4 No.92 2016. 43.
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