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ラット中大脳動脈永久閉塞モデルにおけるイブジラストの脳保護効果の検討

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Academic year: 2021

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(1)● 原 著. ラット中大脳動脈永久閉塞モデルにおける イブジラストの脳保護効果の検討 稲葉 俊東1*,須田  智1,上田 雅之1,仁藤智香子1 西山 康裕1,片山 泰朗2,木村 和美1. 要 旨  イブジラストは脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害に使用されている.今回,我々は中大脳動脈永久閉塞モ デルを用いて,イブジラスト投与による脳保護効果について検討を行った.雄性 SD ラットに,イブジラスト 30 mg/kg/日を虚血 7 日前から経口胃管投与後,永久閉塞を行った.虚血後 30 分と 24 時間に MRI を撮像し た.虚血後 24 時間後に MRI を用いて脳血流低下領域を測定し,神経徴候,梗塞体積,浮腫 index(%)を評価 すると共に,免疫組織化学的検討を行った.イブジラスト投与群はコントロール群と比較して脳血流低下領域 が縮小し,神経徴候は改善し,梗塞体積および脳浮腫も縮小した.また,イブジラスト投与により,虚血周辺 部の酸化ストレスマーカーや炎症マーカー発現の抑制を認めた. 今回の結果から,イブジラストは脳虚血後 の血流障害の改善や酸化ストレス軽減,虚血後炎症の抑制を介して脳保護作用を発揮することが示唆された. (脳循環代謝 26:19∼24,2015). キーワード : イブジラスト,永久閉塞モデル,局所脳血流,脳保護. 誘発性 Ca2+ 上昇に対する抑制効果2)や prostaglandin E1. はじめに. (PGE1)や prostacyclin(PGI2)など prostaglandin を介し た血管拡張作用や脳血流量増加作用,また神経細胞に.  脳梗塞治療は,血栓溶解療法の治療可能時間の延長. 対する直接的な保護作用3)が報告されている.とく. やカテーテルによる血栓除去術の進歩により,超急性. に,脳血流量増加作用においては,臨床例において超. 期にいかに血行再建を試みるかという時代に入ってき. 音 波 ド ッ プ ラ ー,single photon emission computed. た.しかし,血行再建療法の適応外や時間的制約等で. tomography, positron emission tomography など様々な方. 施行出来ないこともある.また,再開通療法を行って. 法で報告されている4).In vivo では一過性脳虚血モデ. も症状の改善が乏しいこともあり,後遺症として重篤. ルに対する急性期静脈内投与での脳保護効果の報告5). な神経脱落症状を呈している患者が存在することは避. があるが,より臨床に近いモデルとされる永久梗塞モ. けることのできない現実である.. デルでの有効性を検討した報告はない..  イブジラストは,非選択的 phosphodiesterase(PDE).  今回,我々は,イブジラストの虚血前投与が永久梗. 阻害薬であり脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によ. 塞による脳障害の軽減効果を有するか,有するとすれ. るめまいの改善に使用されている1).In vitro では虚血. ばどのような機序に由来するのかを検討した.. 対象と方法. 受付日:2015 年 6 月 3 日,受理日:2015 年 6 月 25 日 日本医科大学大学院医学研究科神経内科分野 総合東京病院神経内科・脳卒中センター * 〒 113-8602 東京都文京区千駄木 1-1-5   TEL: 03-3822-2131 FAX: 03-3822-4865   E-mail: inaba-to@nms.ac.jp 1 2.  8 週齢の雄性 SD ラットに 5%アラビアゴムに溶解 したイブジラストを 30 mg/kg/日のイブジラスト投与 群(Ibudilast: ibu 群)または Vehicle 群(ve 群)を 7 日間 経 口 胃 管 投 与 し た. ハ ロ セ ン 麻 酔 下 に 田 村 モ デ ル ─ 19 ─.

(2) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. 表 1.生理学的パラメータ 24hr PH. pCO2 (mmHg). pO2 (mmHg). MABP (mmHg). RT (° C). BG (mg/dl). Before ischemia Vehicle Ibudilast. 7.37±0.02 7.37±0.01. 51.2±3.3 47.3±2.7. 105.8±5.0 102.3±5.6. 99±8 102±14. 37.0±0.1 37.1±0.1. 96±6  92±8 . After ischemia Vehicle Ibudilast. 7.39±0.05 7.37±0.02. 49.8±5.7 47.0±3.7. 96.3±6.6 94.8±4.8. 101±12 97±10. 37.0±0.1 37.0±0.2. 92±12 97±10. Values are the mean ±S.D. There are no significant differences among the groups. MABP, mean arterial blood pressure; RT, rectal temperature; BG, blood glucose. (ラットを手術台上に側臥位に固定し,外耳孔と外眼. 結 果. 角の中間を皮膚切開する.側頭筋を頭蓋骨から剝離 し,側頭骨底部に電気ドリルで直径 2 mm 程度の小孔 を開け,次に硬膜を切開し中大脳動脈をバイポーラ摂 子により電気凝固し,切断する. )を作製した.切断. 6~9).  生理学的パラメータにて両群に差を認めていない (表 1).. を目視で確認し永久閉塞とした.生理学的 parameter.  虚血 30 分後の CASL 画像において CBF 低下領域に. (血液ガス,血圧,体温等)を虚血前と虚血後に測定し. 両群に差を認めなかった(ibu 群,202.6±21.2 mm3; ve. た.虚血後 30 分と 24 時間後に Varian 社製 7T 動物用. 群,240.7±41.7 mm3; P>0.05; 図 1A)が,24 時 間 後 で. MR 装置を用いて MRI を撮像し continuous arterial spin. は,イブジラスト群と Vehicle 群で CBF 低下領域の改. labeling(CASL). 善を認めた. (ibu 群,89.1±27.1 mm3; ve 群,218.0±30.0. 画像を作成した.健常側半球平均. 10, 11). の 60%未満に脳血流が低下した領域を脳血流低下領域. mm3; * P<0.01, 図 1B). と規定 し,面積を測定した..  虚血 24 時間後でイブジラスト群は Vehicle 群と比較.  虚血 24 時間後に神経徴候 1)麻痺 正常;0 点,軽度. して梗塞体積 (ibu 群,20.1±17.2 mm3; ve 群,109.0±28.0. の麻痺;1 点,中等度の麻痺;2 点,重度の麻痺;3. mm3;. 点)2)姿勢(正常;0 点,軽度捻転;1 点,中等度の捻. 群,10.6±3.3%;. 転;2 点,高度の捻転と前足は伸展;3 点)を評価 す. 小と改善を認めた(Hempiparesis: ibu 群,1.17±0.41; ve. るとともに,2,3,5-triphenyltetrazolium chloride(TTC)染. 群,2.33±0.52;. 色にて梗塞体積,浮腫 index(%) (虚血側半球体積−健. 1.17±0.41; ve 群,2.33±0.52; * P<0.01, 図 3). 常 側 半 球 体 積)×100/健 常 側 半 球 体 積14)を 測 定 し た.  免疫組織学的検討では,4-HNE,8-OHdG の発現を. (n=6).Bregma+0.5∼−0.5 mm 間 で 凍 結 切 片 を 作 成. 抑制し,Iba-1 と TNF-α の発現を減少させた. (4-HNE:. し,皮質ペナンブラ領域(図 4 での①部分)における酸. ibu 群,63.6±20.4; ve 群,184.9±15.5; 8-OHdG; ibu 群,. 化 ス ト レ ス マ ー カ ー 4-hydroxy-2-nonenal(4-HNE),. 54.3±12.7; ve 群,161.0±15.7; TNF-α; ibu 群,43.8±10.1;. 8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)とミクログリアの. ve 群,93.0±14.3;. 活性化マーカーである Ionized calcium binding adaptor. 群,71.5±12.5;. 12). 13). *. P<0.01, 図 2),浮腫 index(ibu 群,4.5±3.3%; ve P<0.01, 図 2),神経徴候の有意な縮. *. *. **. P<0.01, Abnormal posture: ibu 群,. *. P<0.01, Iba-1: ibu 群,51.2±8.1; ve. P<0.05, 図 4). molecule-1(Iba-1),炎症マーカーの tumor necrosis fac-. 考 察. tor-alpha(TNF-α) の発現を評価した (n=5) .脳血流低下 領域,梗塞体積,浮腫 index,免疫染色での陽性細胞 数の群間比較は Student t- 検定を用いた.神経学的ス.  イブジラストは脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害. コアは Mann-Whitney U- 検定を用いて群間比較を行っ. によるめまいの改善目的で臨床使用されている.. た.測定値は平均 ± 標準偏差で表記し,P<0.05 を統計.  今回の検討では,イブジラストを前投与しておき永. 学的に有意差ありと判定した.. 久梗塞モデルを作成して脳保護効果を検討した.  今回の結果の虚血直後ではイブジラスト群と Vehicle 群において CBF 低下領域に差を認めなかった.今 回の虚血モデルは,血管内栓糸法とは異なり直視下で ─ 20 ─.

(3) 永久閉塞モデルに対する脳循環代謝改善薬の効果. 図 1.MRI での continuous arterial spin labeling(CASL)画像 A:中大脳動脈閉塞 30 分後の CASL 画像 B:中大脳動脈閉塞 24 時間後の CASL 画像 中大脳動脈閉塞 30 分後には有意差がないものの,24 時間後には有意差がある. (t- 検定,* P<0.01). 図 3.神経徴候の評価 中大脳動脈閉塞 24 時間後で有意差がある. (Mann-Whitney U- 検定,* P<0.01). 図 2.2,3,5-triphenyltetrazolium chloride(TTC)画 像 と 梗 塞 体積と浮腫 index(%) 中大脳動脈閉塞 24 時間後で有意差がある. (t- 検定,* P<0.01). 脳虚血再灌流モデルを用いてイブジラストの静脈内投 与での有効性を検討した報告は存在するが5),より臨 床病態を反映しているとされる永久梗塞モデルでの検 討はなく,また実際の臨床での投与方法に倣って経口 投与での保護効果の検討を行った.. 血管を確認し,閉塞が行えるため梗塞体積の均一化が.  イブジラストは,基礎実験および臨床研究において. 行いやすく,脳保護効果の研究に適していると考えら. も脳血流増加作用が示されてきた4).詳細な機序は明. れている9).今まで数々の脳保護薬臨床治験が行われ. らかではないが,内因性のプロスタサイクリンの作用. てきたが,エダラボン以外には,臨床応用実現化を果. 増強を介する脳血管拡張作用や抗血栓作用などが考え. たした脳保護薬は存在しない.米国の Stroke Therapy. られている15~17).今回の研究においても,虚血 24 時. Academia Industry Roundtable では,薬剤の効果が発揮. 間後にはイブジラスト投与群は Vehicle 群と比較して. しやすい虚血再灌流モデルだけでなく,いくつかの虚. 有意に脳血流低下領域の縮小を認め,イブジラストの. 血モデルでの薬剤効果の検討を推奨している.一過性. 脳保護効果の一因になっていることが示唆された.. ─ 21 ─.

(4) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. 図 4.免疫染色の評価(4-HNE, 8-OHdG, iba-1, TNF-α) 中大脳動脈閉塞 24 時間後で有意差がある.(t- 検定,* P<0.01, ** P<0.05) Scale bar = 20um.  脳虚血後の酸化ストレス反応や 2 次的な炎症反応は. 行った結果,10, 30, 100 mg/kg において dose-dependent. 脳浮腫,脳梗塞拡大において重要な役割を果たしてい. な結果となり,また 30 mg と 100 mg とで同等の梗塞. る.PDE 阻害薬である rolipram や pentoxifylline は,各. 縮小効果を認めたことによるものである.臨床での使. 種炎症モデルにおいて TNF-α などの炎症性サイトカ. 用量のおおよそ 50 倍程度であるが,ラット脳動脈瘤. イン産生を抑制することが報告されている .イブジ. モデルでは 60 mg/kg を 3 カ月投与しており,副作用. ラストも,in vitro で,リポポリサッカライド刺激によ. は認められていない19).齧歯類を用いた動物実験で. るグリア細胞からの炎症性サイトカイン産生抑制作用. は,臨床用量の 10∼100 倍の量で検討されることがほ. や自己免疫性脳脊髄炎モデルや脂肪肝モデルにて同様. とんどであり,今回の実験において投与量過多による. の抗炎症作用や酸化ストレス軽減作用が報告されてい. と考えられる副作用(傾眠,食欲不振など)を認めな. る18).今回の検討においても,イブジラストは虚血周. かった.今後,臨床応用を目指すためには,イブジラ. 辺領域において酸化ストレス反応を軽減し,さらにミ. ストの適正投与量,必要投与日数などの詳細な検討が. クログリアの活性化の抑制,炎症性サイトカイン産生. 必要であろう.. の抑制を認めた.これらの報告および今回の結果か.  今回,我々は永久脳虚血モデルでのイブジラストの. 17). ら,イブジラストは虚血後の酸化ストレス反応や 2 次. 脳保護効果について検討を行った.虚血前 7 日間投与. 的炎症反応を抑制することにより脳保護作用を有する. で,虚血後の 1)血流障害の改善 2)酸化ストレスおよ. ことが示唆された.. び 2 次的炎症の抑制を介して梗塞体積・脳浮腫を縮小.  本研究で用いたイブジラスト投与量 30 mg/kg/日. させるとともに神経徴候を改善しうることが示唆され. は,我々が preliminary で今回のプロトコールと同じ虚. た.今回の結果から,イブジラストは脳保護薬として. 血 1 週間前から投与し,一過性局所脳虚血モデルで. も有望である可能性が示唆された.. ─ 22 ─.

(5) 永久閉塞モデルに対する脳循環代謝改善薬の効果. 10) Williams DS, Detre JA, Leigh JS, Koretsky AP: Magnetic resonance imaging of perfusion using spin inversion of. 文 献. arterial water. Proc Natl Acad Sci USA 89: 212–216, 1992. 1) 篠原幸人,楠  正,中島光好:脳梗塞後遺症とし. 11) 五十嵐博中,大久保誠二,片山泰朗:脳梗塞急性期. ての“めまい”に対する ibudilast の有用性に関する研. の MRI―高磁場時代へ向けての MRI parameter 再検. 究 run-in period 法を用いた placebo 対照二重盲検比較 試験.神経治療学 19: 177–187, 2002. 討―.脳循環代謝 19: 9–13, 2007 12) Ueda M, Inaba T, Nito C, Kamiya N, Katayama Y: Thera-. 2) 柳瀬尚人,三谷 章,片岡喜由:スナネズミ海馬ス. peutic impact of eicosapentaenoic acid on ischemic brain. ライスにおける in vitro 虚血誘発性細胞内 Ca2+ 濃度. damage following transient focal cerebral ischemia in rats.. 上昇に対するイブジラストの効果 マイクロフルオ ロメトリーによる検討.脳卒中 17: 137–144, 1995. Brain Res 1519: 95–104, 2013 13) Yonemori F, Yamaguchi T, Yamada H, Tamura A: Evalu-. 3) 榊 孝之,山田和雄,大槻秀夫,湯口貴導,早川 . ation of a motor deficit after chronic focal cerebral isch-. 徹:低酸素性神経細胞傷害に対する 3-isobutyryl-. emia in rats. J Cereb Blood Flow Metab 18: 1099–1106,. 2-isopropylpyrazolo-〔1,5-a〕 -pyridine(Ibudilast)の保護 作用の検討 ラット初代培養大脳皮質細胞での in vitro. 1998 14) Amemiya S, Kamiya T, Nito C, Inaba T, Kato K, Ueda M,. 実験.脳卒中 16: 354–359, 1994. Shimazaki K, Katayama Y: Anti-apoptotic and neuropro-. 4) 蒲沢秀洋,松原充隆,日比野敬明,紙本 薫,飯田. tective effects of edaravone following transient focal isch-. 昭彦,永井 肇,伴野辰雄:脳血管障害慢性期にお ける ibudilast の脳循環代謝に対する効果.神経治療. emia in rats. Eur J Phamacol 516: 125–130, 2005 15) Onoue H, Kaito N, Tokudome S, Irikura T, Okada K, Abe. 12: 421–430, 1995. T, Nakamura N: The potentiating effect of KC-404 on. 5) Lee J-Y, Cho E, Ko YE, Kim I, Lee KJ, Kwon SU, Kang. prostacyclin-induced vasodilation in isolated human cere-. DW, Kimb JS: Ibudilast, a phoshodiesterase inhibitor with anti-inflammatoryactivity, protects against ischemic brain. bral artery. Gen Pharmacol 23: 1093–1095, 1992 16) Rile G, Yatomi Y, Qi R, Satoh K, Ozaki Y: Potentiatoin of. injury in rats. Brain Res 1431: 97–106, 2012. ibudilast inhibition of platelet aggregation in the presence. 6) Katsuta K, Nakanishi H, Shirakawa K, Yoshida K, Takagi. of endothelial cells. Thromb Res 102: 239–246, 2001. K, Tamura A: The neuroprotective effect of the novel non-. 17) Inoue N, Fukuda S, Inaba T, Sameshima E, Tokushima Y,. competitive NMDA antagonist, FR11527 in focal cerebral. Harada M: Effect of ibudilast on the reciprocal inhibitory. ischemia in rats. J Cereb Blood Flow Metab 15: 345–348,. visual-vestibular interaction closely related to dizziness. 1995. after cerebral ischemia. J Stroke and Crebravascular Dis-. 7) Tamura A, Graham DI, McCulloch J, Teasdale GM: Focal. eases 23: 51–55, 2014. cerebral ischaemia in the rat: 1. Description of technique. 18) 野村恭一,高砂子由佳子,木下俊介,三井隆男,富. and early neuropathological consequences following mid-. 岳 亮,島津邦男:慢性期ラクナ梗塞患者のリンパ. dle cerebral artery occlusion. J Cereb Blood Flow Metab 1:. 球接着分子(LFA-1・VLA-4),血管内皮細胞接着分. 53–60, 1981. 子(ICAM-1・VCAM-1)の発現および血清サイトカイ ン に 対 す る Ibudilast の 作 用. 脳 卒 中 27: 304–310,. 8) Noto T, Ishiye M, Furuich Y, Keida Y, Katsuta K, Moriguchi A, Matsuoka N, Aramori I, Goto T, Yanagihara T:. 2005. Neuroprotective effect of tacrolimus (FK506) on ischemic. 19) Yagi K, Tada Y, Kitazato KT, Tamura T, Satomi J, Naga-. brain damage following permanent focal cerebral ischemia. hiro S: Ibudilast inhibits cerebral aneurysms by down-reg-. in the rat. Brain Res Mol Brain Res 128: 30–38, 2004. ulating inflammation-related molecules in the vascular. 9) Taguchi A, Kasahara Y, Nakagomi T, Stern DM, Fukun-. wall of rats. Neurosurgery 66: 551–559; discussion 559,. aga M, Ishikawa M, Matsuyama T: A Reproducible and Simple Model of Permanent Cerebral Ischemia in CB-17 and SCID Mice. J Exp Stroke Transl Med 3: 28–33, 2010. ─ 23 ─. 2010.

(6) 脳循環代謝 第 26 巻 第 2 号. Abstract Neuroprotective effects of ibudilast on ischemic injury following permanent focal cerebral ischemia in the rat Toshiki Inaba1, Satoshi Suda1, Masayuki Ueda1, Chikako Nito1, Yasuhiro Nishiyama1, Yasuo Katayama2, and Kazumi Kimura1 1Department of Neurological Science, Graduate School of Medicine, Nippon Medical School, Tokyo, Japan 2Department of Neurology and Stroke Center, Tokyo General Hospital, Tokyo, Japan Ibudilast, phosphodiesterase-4 inhibitor, is widely used in Japan for treating dizziness in the chronic stage of cerebral infarction. We investigated that neuroprotective effects of ibudilast on ischemic injury following permanent focal cerebral ischemia in the rat. Male Sprague-Dawley rats were subjected to permanent middle cerebral artery occlusion (MCAO). An oral suspension of ibudilast (30 mg/kg/day) or vehicle was given for 7 days before ischemia. Magnetic resonance imaging of cerebral blood flow (CBF) was measured 30 minutes and 24 hours after ischemia. Infarct volume, brain edema, neurological outcome, and immunohistological assessments were performed 24 hours after ischemia. Although, there were no differences in the area of decreased CBF 30 minutes after ischemia between vehicle-treated and ibudilast-treated groups, ibudilast treatment significantly reduced the area of decreased CBF, infarct volume, and brain edema 24 hours after ischemia. Ibudilast treatment significantly improved neurological deficit scores accompanied by decreasing lipid peroxidation, oxidative DNA damage, microglial activation, expression of tumor necrosis factor-alpha in the cortical ischemic boundary area compared with the vehicle. Our findings suggest that pre-ischemic oral administration of ibudilast may ameliorate the extent of post-ischemic brain damage and neurological deficits by increasing the CBF and inhibiting oxidative stress and inflammation. Since ibudilast is a well-established drug for a longterm clinical therapy, it may be promising as a candidate therapy for human stroke. Key words: ibudilast, permanent ischemia, cerebral blood flow, neuroprotection. ─ 24 ─.

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