脳卒中後遺症の再建
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(2) 800. 理学療法学 第 42 巻第 8 号 表 1 脳卒中患者における下肢装具を歩行練習に取り入れる利点 ①課題の難易度を調節できる ②運動学習として転移性がある ③歩行練習量の増大に貢献できる ④再現性がある ⑤歩行時の下肢筋活動向上 ⑥重度の麻痺患者では随意筋力より高い筋活動が発揮できる. 図 1 筋活動の背景となる神経機構. とつの産業になりつつあり,我々理学療法士以外もその効果検 証に参画している。今後ますますこの分野は技術革新し発展し ていくだろう。 理学療法士の徒手的な介入のみでなく,ロボティクスを含め た道具をどのように運動療法に適応させていくのかが問われて おり,理学療法士の手でゆっくり丁寧にではなく,様々な機器 を導入し,どのように運動量を保障するのかが重要になってく るだろう。 私たち理学療法士は,機能再建を追求するのみでなく,活動 や参加にどのようにつなげるのか? そのことは原点でもあり 忘れてはいけないことである。医療機関は機能分化が進み,在 院日数が短縮されるなか,早期から装具を含めた運動療法器具 を積極的に取り入れていかなければならない時代に変わりつつ. 図 2 歩行練習の実際. ある。脳卒中患者をひとりの理学療法士が診る時代から,地域 内で診る時代に変わりつつあるなか,理学療法士間の情報共有 や連携がますます重要になる。各地域で,連携に関する課題を. 立脚期においては,初期の踵接地,中期の下腿前傾,後期の股. 整理し,具体的な対策を実施することが求められる。. 関節伸展,麻痺側遊脚期においては非麻痺側下肢への荷重をう. 理学療法士が誕生して 50 年が経過した。過去 50 年の歴史を. まく誘導することが重要である(図 2)。脳卒中患者における. 振り返り,脳卒中患者において効果を示すことができなかった. 長下肢装具を歩行練習に取り入れる利点としては表 1 を参考に. 治療技術は過去の技術とし,新たな 50 年を積み重ねていく努. されたい。. 力が,今の理学療法士に求められている。. 今後の展望 過去は情報が少なかった時代であり,今は情報が多すぎる時 代である。なにがよい治療法なのか? なにが悪い治療法なの か? 選択が難しい時代である。そのためにもガイドラインの 存在は重要である。脳卒中患者における理学療法のパラダイム は大きく変わり,運動学習を行う道具として長下肢装具の歩行 練習への適応や様々なロボティクスの開発も行われている。ひ. 文 献 1) 大垣昌之:理学療法 MOOK17 理学療法技術の再検証.三輪書店, 東京,2015,pp. 43–57. 2) 日本理学療法士協会神経系理学療法研究部会:NU-STEP からⅡ STEP を経てⅢ STEP へ ─世界の中枢神経系理学療法の発展─. 2007. 3) 吉田ももこ,矢野裕美,他:中枢パターン発生器と対麻痺の歩行 回復可能性.生活工学研究.2004; 6: 110–111..
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